ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~ 単語

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惑星べジータに今・・・

一人の男の子が、産声を上げた・・・

『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』とは、1990年10月17日(水)に放送されたテレビスペシャルである。

概要

ドラゴンボールシリーズ初のアニメオリジナル設定によるテレビ映画で、全作品中で唯一孫悟空たちが活躍するより前のエピソード0的な側面を持つ重要なエピソード。
第63.5話として、フリーザ編の外伝として1時間スペシャル扱いで放送された。
孫悟空が生まれたシーンから始まり、その父バーダックがカナッサ星人から「未来を予知できる幻の拳」を受け、惑星べジータとサイヤ人滅亡の運命を知り、フリーザとの対決までを描く。
関西地方で夏休みなどに劇場版が放送される際にも再放送されているが、一部のシーン(ミート星に向かう4人、気絶して意識を取り戻しフリーザの幻を見るシーン)がカットされている。
2011年には事実上の続編である『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック(EPISODE of BURDOCK)』(通称エピバダ、EOB)が発表されている(本作のラストと同作の冒頭シーンの不整合性など、不自然な点も多いが)。

原作者・鳥山明をはじめ、現在においても本作をドラゴンボールの長編作品最高傑作に挙げる声も多く、鳥山明自身も本作の主人公バーダックを「惑星べジータを滅ぼしたときに最後まで抵抗したサイヤ人」として原作漫画に登場させている。

なお、劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』では、破壊神ビルスが惑星ベジータ破壊の原因の張本人であるかのように示唆されている。ビルスは側近のウイスに対し「惑星ベジータを訪れた際にベジータ王の接待が気に入らなかったため、フリーザに命じて惑星ベジータを破壊させた」と語っている。

演出面においても、評価が高くバンクによる使いまわしが多いが「未来を予知するサイヤ人」という設定を生かして過去作品の名場面を随所に挟み、悟空の闘いと修行の歴史を知ることができるほか、透過光を効果的に用いた画作り、スカウターの弱点を突いたバーダックのテクニカルかつスピーディな戦闘シーン、そして何より大きいのは本作を象徴する戦闘BGM「ソリッドステート・スカウター」の存在であろう。

この「ソリッドステート・スカウター」は、YMOのオマージュでありながらDBZの世界観に絶妙にマッチし、菊池俊輔氏のそれとは一線を画するシリーズ中ではやや異質な作品でありながら、後年ゲーム作品でも菊池氏のBGMに混じって採用されたり、ニコニコ大百科でも作品より曲が先に記事になったりしていることから、その人気が伺える。

放送から20年以上経過したものの、ニコニコ内でも本作を用いたMADが未だに作られるなど、高い人気を誇るが、本編そのものの動画はフリーザ様のご命令権利者の要望により、削除されている。

なお、ゲームでは『ドラゴンボールZ3』以降のゲーム作品でバーダックが使用可能となる作品が増加しており、中にはあの世で悟空と再会する、ラディッツが結婚していないことを突っ込むといった知られざる一面やありえないIFストーリーが展開されることも。
サイヤ人だけあって、大抵は光線技が主体となるが、『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』のように劇中にみせたような相手の裏をかくスタイルの技が搭載される傾向があり、実際にこの作品のようなスピーディなテクニカルバトルを再現することも可能。

なお、本作およびもうひとつのスペシャル『ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス』は、BOXセットの特典映像としての商品化はあったものの、単品での商品化が大幅に遅れ、なんと日本で正式に単品販売されたのは2011年になってからである。
しかも、当時のシネテープが散逸したため、音声はモノラルである。
アメリカ版DVDはリージョンの違いで日本では再生不能。
また、CM前のアイキャッチが未収録(ニコニコをはじめとして映像ソースとして使われているのはアイキャッチが存在しないため、何らかの方法で変換したアメリカ版の可能性が高い)。

この当時の放送を良好な状態で所有している君は、『本来の音』でのこの作品を持つ数少ない人間なので、大切にしてもらいたい。
そして、何かしらの媒体に録音し、デジタル化して保存しておこう!
(昨今、こういった「個人所有」の映像ソースがソフト化される事例が増えてるので、東映に送れば、ステレオ版が出るかも?)

登場人物

この作品では、オリジナルのサイヤ人が多数登場している。
うち、メインの5人はアニメスタッフの中鶴勝祥がデザインし、鳥山明がリファインしたものが使われている。

  • バーダック
  • カカロット
  • トーマ
  • セリパ
  • パンブーキン
  • トテッポ
  • トオロ
  • べジータ
  • ナッパ
  • フリーザ
  • ザーボン
  • ドドリア
  • ドドリア四天王
  • 孫悟飯じいちゃん
  • 医師
  • 酒場のサイヤ人

なお、以下の人物は後付で登場したために本作には登場していないが、本作で描かれている「惑星ベジータ消滅前後」→「孫悟空の地球到達」の一連の出来事に何らかの形で絡んでいることが後の作品で明らかになっている。
  • ベジータ王(厳密には彼の存在自体は後付ではないが、本作には登場していない。バーダックの反乱の前にブロリー・パラガス親子を処刑(ただし失敗に終わった)、部下を数人率いてフリーザに挑むが返り討ちに遭っている)
  • クウラ・クウラ機甲戦隊(惑星ベジータ爆発直後、孫悟空の載せられた宇宙ポッドを確認していた。その際に部下が撃墜するよう進言するも、クウラは「フリーザ自身の手で始末すべき」として見逃した)
  • ブロリー(悟空と同日に生まれ、高い戦闘力をベジータ王に危惧され処刑されかける。しかし死亡には至らず、後に惑星ベジータの爆発からも父親とともに生還)
  • パラガス(息子ブロリーの高い戦闘力を危惧したベジータ王がブロリーの処刑を決めたと知り助命を懇願するが、自らも殺されかける。しかし死亡には至らず、後に惑星ベジータの爆発からも息子とともに生還
  • 破壊神ビルス(前述したように、彼がフリーザに命じて惑星ベジータの破壊を行ったと思われる

スタッフ

  • 原作 - 鳥山明
  • 企画 - 森下孝三、清水賢治
  • 製作担当 - 鳥本武
  • シリーズ構成 - 小山高生
  • 脚本 - 小山高生、隅沢克之
  • 音楽 - 菊池俊輔、岩崎文紀
  • 美術設定 - 池田祐二、吉田智子
  • 美術監督 - 吉田智子
  • キャラクターデザイン - 前田実、中鶴勝祥
  • 作画監督 - 中鶴勝祥
  • シリーズディレクター - 西尾大介
  • 作画監督補佐 - 佐藤正樹
  • 原画 - 江口寿志、山室直儀、海老沢幸男、井上栄作、ほか
  • 動画 - 館直樹、ほか
  • オーディオディレクター - 小松亘弘
  • 選曲 - 宮下滋
  • 演出助手 - 藤瀬順一
  • 演出 - 橋本光夫
  • 制作 - フジテレビ、東映動画
  • オープニングテーマ 『CHA-LA HEAD-CHA-LA』
  • エンディングテーマ 『光の旅』
  • 挿入歌 『ソリッドステート・スカウター』

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関連項目

  • カカロット
  • バーダック
  • ベジータ
  • ナッパ
  • ソリッドステート・スカウター
  • フリーザ
  • ドラゴンボール関連項目一覧

こうしてドラゴンボールの壮大な物語は

幕を開けたのであった

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