ファイナルファンタジータクティクス アドバンスとは、2003年2月14日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたゲームボーイアドバンス用シミュレーションRPGである。
略称はFFTA。正式名が長いため、ほとんどの動画ではこの略称タグが使われている。
テーマソングはZONEの「白い花」(TVCM用)。
概要
ファイナルファンタジータクティクスの完全新作として開発された。舞台の名前は前作と同じイヴァリースであるが、前作とのストーリー的つながりはなく、今作が初めてでも問題ない内容となっている。
物語は主人公の少年・マーシュが、家庭の事情で母と弟・ドネッドと共にSt.イヴァリースという田舎街に引っ越したところから始まる。そこでいじめられっこの少年・ミュート、ピンク色の髪の強気な少女・リッツと友達になったマーシュは、ミュートが持ってきた古い魔導書をみんなと一緒に見ることになる。
ところが、魔導書を開くと本から眩い光が放たれ、雪に覆われていた街は一瞬にしてファイナルファンタジーのような”剣と魔法の世界”「イヴァリース」へと変化してしまう。
わけがわからないままこの世界の住民とトラブルになったマーシュを助けてくれたのは、モーグリ族のモンブランであった。モンブランにジャッジ、エンゲージ、ロウ、クランといったこの世界の仕組みを教わったマーシュは、彼のクラン・ナッツクランに入り、元の世界に戻る方法を探すことにする。
ゲームの流れは、「クエスト」を受け、そのクエスト条件をクリアし、また新しいクエストを受けるというもの。
クエストには依頼を受けて「エンゲージ(戦闘)」を行いバトルに勝つ必要があるクエスト(特にメインストーリー)が多いが、条件にあったユニットを一定期間派遣するなど戦闘がないクエストもある。
このFFTAは絶縁状態だった任天堂とスクウェアが和解したあとの作品で、スクウェア社として発売したGBA用新作ソフトの、最初で最後の作品となった(発売直後に会社が合併してスクエニになっている)。
殺伐とした戦争が舞台の前作とは異なり、全体的に明るい世界観である。その反面、いじめや差別といった一人ひとりの心の悩みやコンプレックスといった面が強調された、少年少女の等身大の姿が描かれたストーリーとなっている。
ラジオドラマなども展開され、ゲームボーイアドバンスSP(パールホワイトエディション)同梱版なども発売された。なお、アルティメットヒッツ版(廉価版)ではパッケージのデザインに若干変更があり、主要キャラたちが追記された。
続編はニンテンドーDS用ソフトの「ファイナルファンタジータクティクスA2 封穴のグリモア」。
イヴァリースの種族
- 人間族
武器や魔法、なんでもこなせるバランスのいい種族。ジョブの種類も最も多い。
ユニットとして登場するのは男性のみ。元の世界では女の子のリッツも人間族ではない。
- バンガ族
力が自慢の好戦的な種族。物理系が得意でジョブも物理系が多いが、魔法ジョブもないわけではない。
見た目がトカゲっぽいが、彼らにトカゲは禁句である。知らずに口にするとマーシュのように絡まれる。
- ン・モゥ族
魔法に長けた種族。ジョブも魔法系が多く、物理系はあまり得意ではない。
耳がたれていて魔力はかなり高い。ただし、鈍重そうな見た目どおりあまり機敏ではない。
- ヴィエラ族
身軽でしなやかな体の種族。ジョブは間接系が多く、どちらかといえば魔法寄りのものが多い。
美しい女性のみの種族で、ウサギような長い耳とスリムな体型が特徴。ジョブによってはかなりの露出度がある。
- モーグリ族
FFでおなじみのとても器用な種族。機械を使うなど一風変わったジョブが多い。
小柄でかわいらしく、やや長い耳と、頭から垂れているちょうちんのような赤いぽんぽん、背に翼を持っている。
主な登場人物
- マーシュ・ラディウユ
主人公。St.イヴァリースでは正義感が強くて心優しい少年で、両親の離婚により弟と共にSt.イヴァリースに引っ越してきた転校生である。触覚のように伸びた特徴的な髪型をしている。
イヴァリースでは人間族で、初期ジョブはソルジャー。気の弱い彼も、この世界では剣をとって戦う。
- リッツ・マルール
ヒロイン。St.イヴァリースでは勉強も運動もできる優等生の少女。ピンクの髪は白髪を染めたものである。男勝りな性格の反面、白髪にコンプレックスを抱いているという女の子らしい一面をもつ。
イヴァリースではヴィエラ族で、初期ジョブは弓使い。クランリーダーを務め、髪の色も最初からピンクとなっている。
- ミュート・ランデル
おとなしい少年。St.イヴァリースでは亡き母からもらったくまのぬいぐるみを放さない。学校ではいじめられっこで、母はすでに他界、父は飲んだくれという不運な現実に身をおくため、ゲームや本の世界にあこがれている。
イヴァリースでは人間族で、母は女王として存命、父はジャッジマスター、自身も王子という元の世界とは正反対の幸せづくめな人生となっている。それだけに、元の世界に戻そうとするマーシュが邪魔に見えている。
- モンブラン
イヴァリースのモーグリ族。マーシュがこの世界に迷い込んだときにバンガ族から助けてくれる。
初期ジョブは黒魔道士。ナッツクランというクランのリーダーで、6人兄妹の長男でもあるしっかりもの。
- ドネッド・ラディウユ
マーシュの弟。St.イヴァリースでは体が弱く、車椅子生活を余儀なくされている。薬を飲まねば生きられず、普段は病院で暮らしているため、健康な体の兄をうらやましく思っている。一家が引っ越したのは彼の療養もかねている。
イヴァリースでは車椅子や薬なしでも大丈夫な健康な体を手に入れた。そのためミュート同様、元の世界に戻ることを強く拒絶。あろうことか、兄を賞金首として付けねらう。
- シド・ランデル
ミュートの父。St.イヴァリースでは愛する妻を失い、昼間から酒を浴びまともに働かない情けない父として登場。
イヴァリースではジャッジを司るジャッジ・マスターとして、妻で女王のレメディに忠誠を誓う騎士となっている。ジャッジマスター専用ロウが使える。白銀の騎士の異名を持つその姿に、元の世界の面影は微塵も感じられないが…。
- レメディ
ミュートの母。St.イヴァリースではすでに亡くなってるが、その後の父子の変貌から人物像が見えるかもしれない。
イヴァリースでは優しい母・美しい女王として生存。しかし子を甘やかすあまり権力を乱用、国民から不満の声も。
- エゼル・バルビエ
イヴァリースの自称・天才の青年。温厚なン・モゥ族にしては珍しい性格で、ジョブは精錬術師という専用職。
アンチロウカードを発見したことでロウの番人のジャッジはおろか、さまざまな輩に命を狙われている。
普段はカードショップを営んでいる。
- ノノ
モンブランの弟のモーグリ族で、兄妹の中では上から4番目。
兄妹で一番手先が器用なのを生かし機工仕見習いとなっている。マーシュたちに飛空艇を提供してくれる。
- シャアラ
イヴァリースでリッツと共に行動するヴィエラ族で、初期ジョブは弓使い。
リッツのように気が強いが、虫が大の苦手。
- バブズ・スイエン
イヴァリースでミュートの従者をしているン・モゥ族の少年魔道士。ジョブは専用職ルーンシーカー。
ミュートのことを誰よりも考え、ミュートのためになることを常に考えて行動している。
関連動画
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関連項目
- ファイナルファンタジー
- ファイナルファンタジータクティクスA2 封穴のグリモア
- イヴァリース
- 松野泰己