ファーミングシミュレーター 単語


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ファーミングシミュレーター

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ファーミングシミュレーター(英題:Farming-Simulator/FS、独題:Landswirtchafts-Simulator/LS)とは、ドイツのGIANTS SOFTWAREが制作している、オープンワールド・サンドボックスの農業機械シミュレーターゲームのことである。この記事ではシリーズ作品全般に関して記述していく。

概要

シリーズの趣旨は一貫しており、プレイヤーはオープンワールドの舞台で様々な農機を使って作物を育て、販売しお金を稼ぐ。ゲームを進める為のタスクが明示されることは無いので、この点から言えばサンドボックスとも言える。良い意味での作業ゲーと言えるだろう。このような趣旨のゲームが他にあまりないこともあって、世界的人気を博しシリーズを重ねている。

後述するが、このシリーズの人気を支えているのはMODの存在である。PC版は何れもMODを自由に入れられるようになっており、有志製作の秀逸なMODが多数存在しており、またMODから始まった機能が公式にフィードバックすることも珍しくない。

シリーズ作品

現在までに発売済みなのは、PC版(窓、林檎)4作品、iOS版1作品、家庭用据置機版1作品、3DS版2作品。PC版は2年毎に新作が発表されている。PC版は各作品ごとに公式アドオン集(DLC)が販売されている。「2009」の前にFarmer-Simulatorというゲームもあったようだが、遊んだこともないし良くわからないので割愛。

以下にあるのがシリーズ作品の一覧表。各タイトルの年から1を引いたのが発売年。各作品の詳細は個別記事を参照のこと。

PC
ファーミングシミュレーター2009 シリーズがヒットするきっかけとなった作品。本当はFarmer-Simulatorで爆発的ヒットだったのかも知れんが、ともかく人気を決定付けたのは確かである。
AGCOグループのFendtの農機が多数登場し、その後は非公式MODによって主だった会社の農機は大抵使えるようになった。MODは農機など3Dモデル/テクスチャの追加に留まらず、堆肥作りや散布など様々な新機能がMDOで使えるようになり、有志の努力によって遊び方の幅は格段に広くなった。さらにMODの後を追う形で、同様の機能を追加した公式アドオンや続編で新機能が追加されていった。
ファーミングシミュレーター2011 2009の人気を踏まえて発売された続編。播種機への種子補給や畜産システムなど、前作でMODから始まった機能が導入されている。中心となる農機がFendtからDeutz-Fahrに変更になり、同社のAgrotronといった多数の農機が登場。また前作では非公式MOD又は公式MODの導入が必要だった農機も、本作では最初から入っている。当然ながら多種多様なMODが制作されていったのだった。
ファーミングシミュレーター2013 前作ではDeutz-Fahrだったが、本作では同社を含む、SAMEグループの農機が多数登場している。農地を購入して拡張していく、ハウス栽培や太陽光発電システムの購入など、新たなシステムが追加された。発売から時間が経つのにつれて、多数のMODが登場している。
ファーミングシミュレーター15 2014年のE3で発表され、同年10月30日に発売となった現在の最新作。今作の農機はニューホランドとPonsse(林業機械)。PS4やXbox Oneにも当初から対応しており、グラフィックが強化されている。ついに林業も可能になり、今まで林業MODで遊んでいたユーザー大歓喜。それ以外にも多数の機能がMODから反映され、パワーアップしている。

 

家庭用機
Farming Simulator 公式
ファーミングシミュレーター2013の家庭用機版で、原題はPC版と同じ。
2013年9月5日頃に、日本を含む世界各国で発売予定。誰得ゲームなどと揶揄されてきたが、発売日の足並みはGTA5並の良さ。胸熱である。
Farming Simulator 15 2015年に発売予定の、ファーミングシミュレーター15の家庭用機版。
PS4、PS3、XboxOne、Xbox360の四機種への対応が予定されている。
続報を待て。

 

携帯機
Farming Simulator 3D
ポケット農園
公式
2013年4月4日に発売された3DS版。「Farming Simulator 2012 3D」の日本語化ローカライズである。主人公はエドワードさん。
公式サイトのノリがちょっと違うテンションになっている気が。
Farming Simulator 14
-ポケット農園 2-
公式
2014年8月7日に3DS版、9月25日にVITA版が発売予定。
「Farming Simulator 14」の日本語化ローカライズである。
3DS版はゲームコインで農機具が購入可能、VITA版は画面が綺麗。

MOD

既に言及したが、FSと切っても切れない関係にあるのがMODである。このシリーズは一貫してMODを自由に入れられる仕様になっており、それもあって有志によるMOD制作は「2009」の頃から活発であった。

このMODが公式では出来ないことを補い遊びの幅を広げ、一方で優れたMODのアイデアを公式製作側が取り入れてきたこともあり、ユーザーとメーカーが一緒に作品を育んできたといえるだろう。

「2009」発売

全ては「2009」から始まった。

MOD作りは当初より盛んで、公式では登場しない農機や車両が多数用意された。だがそれに留まらず、有志は新たな機能をゲームに付加するスクリプト系のMODを作り始める。エンジンスピードの任意設定、黄色い回転灯、ベイルローダー、マニュア(厩肥)からのコンポスト化とマニュアスプレッダ、スプレイヤーへの農薬の補給、播種機への種子の補給、ロールベイルとラッピング、新たな品種の追加、畜産、などなど。実際の農業や農機で行われていることは片っ端からシミュレートするかの如く、有志は数々の優れたMODを制作していった。

それらはスクリプト単体で、或いは3Dモデルとの組み合わせで頒布されるものなど様々だったが、いずれにしてもFS2009の遊び方の幅を広げていった。

MODアイデアの公式採用

「2009」発売の翌年、アドオンパック(DLC)であるGold Editionが発売された。このパックにはそれまでMODとして登場していた農機が含まれており、例えば地面にあるビッグベールを集めるベールコレクターがそうである。ベールコレクターは実在する農機ではあるものの、当初は公式データには含まれていなかった。そこで有志がMODを製作し頒布したわけだが、このアイデアを製作側でも取り入れたのである。

以後、新作及びそのアドオンパックが登場する度に、MODのアイデアが採用されていく。それは農機モデルに留まらず、営農に関わる作業や事業に関するスクリプトやマップオブジェクトにおいてもであり、できることの幅はどんどん広がっていく。

MODの変化

活発なMOD作りが行われていく中で、MODカルチャーにも変化が表れ始めた。その一つが、ゲーム内で購入するMOD農機の価格である。
MOD農機も標準モデルと同様に農機販売店で購入するのだが、「2009」の頃は非現実的な価格設定のものが多かった。300馬力級のトラクターや、ストレージ10000L級のコンバインの価格が$1~10に設定されているのも珍しくない。導入したMODを直ぐに気軽に使えるという長所がある反面、ゲームバランスを著しく崩すという短所があったと言えるだろう。しかし、元々MODは自己責任の世界であるので、それも含めてユーザー側の自由な判断とされていた。

昨今はそこまで非現実的な価格のMODは減っており、概ねリアルな設定に近くなったものが多い。MOD製作者がゲームバランスに配慮しているのかもしれない。とは言え、著しく安いものがゼロになったわけでもない。また上記ほどではないにせよ、リアルな設定と比べて数分の一に価格が抑えられているものもある。だからと言ってMOD製作者を叩くのは筋違いであり、そこをどう判断するかも含めてユーザーの自由(自己責任)なのだ。

変わらぬMODの意義

MOD発祥のモデル・機能が増えたと述べたが、それでも実際の農業や農機と比べれば限られたものであり、標準状態で足りない部分を補うのはMODである。

登場する農機はソフトメーカーがライセンスを得たものに限られており、当たり前ではあるが、世の全ての農機が登場するわけではない。例えば「2009」ではFendtのライセンスを得て制作されていたので、Deutz-FahrやCASE IHのトラクターが欲しければMODを使うしかなかった。逆に「2011」「2013」ではDeutz-FahrやSAMEグループのライセンスを得て制作されているので、Fendtが欲しければやはりMODを使うしかない。また製作側が用意する農機はシリーズを重ねるごとにリアリティを増しているが、モデリングやギミックなど、その時点では妥協せざるを得ない部分もある。商業作品においては、推奨動作環境とのバランスやプログラムの安定性を考えているからだ。
こういった点からくるユーザーの「濃い要望」を賄うとなると、やはりMODということになるであろう。 

公式ではシミュレートされていない様々な機能や作業も同様である。こちらもMODから製作側に反映されたアイデアは多数あり、作を追うごとにできることは増えている。畜産、林業、マニュアスプレッダやスラリータンカーによる肥料散布、可変クルーズコントロールなどが代表的な例。それでも、製作側が用意できるのは現実の農業や農業技術のごく一部に限られる。これを補っていくのはMODである。

このように。ユーザーの自由に任せるからソフト単価を抑えることができ、有志製作者は自由に自分の欲しいモノをMODで表現・配布することが可能で、世界のプレイヤーは自分が欲しい農機モデルや機能を無料で入手することができる。そしてMODから製作側へのフィードバックされる要素もある。ソフトメーカー、MOD製作者、数多のユーザー、全員が得をしているのだ。

これらのことを考えれば、新作が出るごとに様々な機能が付け加えられてきた今日であっても、MODは重要な存在と言えるだろう。故にファンの期待、そもそもで言えばMOD製作者も熱心なファンであるのだが、その期待に応えるためにMODは生み出されていくのである。

ありがとう!世界の神たちよ!

「誰得」「俺得」

農業のゲームは他にもあるにはあるが、FSはかわいらしいキャラが出てくるわけでもなく、格好良いキャラが敵をバタバタ倒すわけでもなく、ひたすら農作業を繰り返し行っていく。「作業ゲー」という蔑称があるとおり、ルーチン作業を繰り返すようなゲームは一般的に忌避される。

だがFSはその作業の継続こそを最大の目的わけだ。一応「100万ドル稼ぐ」という目的(実績トロフィー)はあるものの、100万ドルの為だけにゲームをする人は殆どいないだろう。そんなのただの飾りですよ。

農業というものが田舎臭い、ダサい、格好悪いなど、異常に軽視されるわが国にあって、農作業ゲーのファーミングシミュレーターは誰得扱いを受けている。

だが本当につまらなければここまで人気になるはずもない。つまり俺得の人がいるからこそ人気シリーズにもなるし、MODだってたくさん作られているわけだ。

では俺得ポイントはどこにあるのか。私見だが述べると。

  1. 農機が格好良い
    1. 強いマシンは格好良い。農機だって強いマシンだから格好良い。ディーゼルエンジンのエキゾーストノートが堪らん。作業によっては作業機が凄い動きをする。素敵。
  2. 作物を育てるのが面白い
    1. 実際の農業は播種時期、播種後の管理、連作障害を回避する為の作付け計画、散布する堆肥や農薬の選別、農閑期の圃場管理など難しい要素が多々あるが、それと比べればFSは非常に簡単に出来ている。よってハードルは良くも悪くも低いが、やはり自分が育てた作物を出荷するのは面白い。この小麦はわしが育てた。
  3. 作業内容が色々とある
    1. 特定の品目について作業の流れはルーチンになるのだが、それでも耕作、播種、堆肥の散布、収穫、輸送など、各段階毎の作業があり、作付け内容によって使う農機も作業も変わる。ルーチンであっても、全てが単一の作業ではない、だから面白い。
  4. リアル農業の動画や資料を見て気分が高まる
    1. ゲームをすればリアルのそれにも興味が湧く。するとついついyoutubeや農林水産省HP、生研センターHP、農機メーカーHP、月刊「現代農業」、月刊「機械化農業」など見たり読んだりするわな。ゲーム以上に力強くて格好良い農機、作物や地域ごとに異なる作業、現代農業が抱える課題、農作業の事故対策…奥が深い農業の一端を垣間見ることでモチベーションが上がる。

等といった俺得要素がある。

関連商品

これまでに多数の作品が出ているので、機種携帯別に紹介する。

PC版

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家庭用機版

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携帯機版

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関連コミュニティ

ニコニコミュニティは2024年8月に終了しました。

外部リンク

関連項目

  • トラクター
  • コンバイン
  • 農業
  • オープンワールド / サンドボックス
  • 誰得/俺得

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