ハンカチ世代 単語


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ハンカチ世代とは、1988年度生まれ世代の、特に野球選手を指す言葉である。また、この世代はマー君世代など様々な呼ばれ方もする。

概要

ハンカチとは後述する斎藤佑樹投手(現日本ハムファイターズ)の所持していたハンカチのことを指す。

メジャーリーガーとなった田中将大・前田健太、1500安打を右打者最速(歴代2位の速さ)で達成した坂本勇人(巨人)だけではなく、、柳田悠岐(ソフトバンク)、澤村拓一(巨人)、秋山翔吾(西武)、梶谷隆幸(横浜DeNA)、高橋朋己(西武)、らが活躍している。

最近では田中将大の圧倒的活躍から「マー君世代」「田中世代」とも呼ばれるようになって来た。

特定の個人に相当する名称ではなく、単に「黄金世代」や「プラチナ世代」と呼ぶことも多い(まあこれだと歴代で語る時に他の黄金世代と区別できないが)。

2012年7月には、「88年会」を結成することが発表された。発起人は坂本,田中,前田。

2016年時点でこの世代は28歳を迎え、球界の中心選手となってきている。

なお、現在の最新ドラフト会議である2016年度新人選手選択会議でも同世代の指名選手がいる。

松坂世代同様、日本の野球選手に対して使われ、外国人選手には使われない。ちなみにNPB在籍経験のある当世代の外国人選手は、当該節を参照
また、第一線で活躍する選手がいる傍ら、ネタキャラも数名存在するところも共通している。

斎藤佑樹と田中将大

2006年夏の甲子園

2006年の夏の甲子園(第88回全国高等学校野球選手権大会)でエース斎藤佑樹率いる早稲田実業が勝ち進むにつれて、斎藤の端整なルックスと試合中にマウンド上で丁寧にたたんだ青いハンカチで顔の汗を拭く姿が話題となり、ハンカチ王子」と呼ばれるようになる。この大会は歴代有数の注目度を集めNHKの平均視聴率では3回戦12.7%、準決勝戦18.1%と徐々に数字を上げていく。[1]

さらにこの決勝戦で斎藤佑樹の相手となったのが田中将大率いる大会2連覇中の駒大苫小牧。決勝は両者譲らず1-1のまま37年ぶりの決勝戦引き分けとなる。この試合はは1990年代以降で最高の29.1%、瞬間最高視聴率は37.1%を記録。翌21日の再試合で4-3にて早稲田実業が勝利し初優勝を決めた。この試合は平日にもかかわらず23.8%、瞬間最高視聴率30.4%を記録。注目を集めたこの大会で7試合全て投げきり個人最多投球回69の大会新記録を更新し優勝投手となった斎藤は連日マスコミに大きく取り上げられる。日米大学野球選手権大会の選抜メンバーにも選ばれ、帰国の際には関西国際空港に約600人のファンが集まった。この代表で田中将大の愛称「マー君」が生まれる。斎藤佑樹がこう呼んでることを明かし以後この愛称は定着する。この世代の注目度は松坂世代以来となる過熱ぶりでこの様子は「ハンカチフィーバー」と呼ばれた。また、「ハンカチ王子」という愛称は2006年の新語・流行語大賞のトップ10に入った。

大会後

卒業後の進路は斎藤は早稲田大学へ進学、田中将大は東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。楽天は球団創設3年目とまだ若くしかも分配ドラフトにより圧倒的戦力が足りておらず一昨年去年の最下位に沈んだ中での待望のエース候補入団だった。なにしろ先発がいないためどんなに炎上しても登板でき、また野村克也監督の試合後の「マー君、神の子、不思議な子」などといったコメントも人気を博して田中の人気もどんどん上がっていった。田中は1年目で松坂大輔依頼となる2桁勝利を挙げ、松坂大輔以来となる高卒1年目で新人王を獲得。高卒新人では歴代4位の196奪三振を記録した。

3年目2009年にはWBC日本代表にも選ばれる。またこの年15勝6敗171奪三振防御率2.33と成績を残しパ・リーグ有数の投手となった。2011年には最多勝・最優秀防御率・最高勝率と投手3冠を獲得するなどパ・リーグトップクラスの選手となった。

対して斎藤も東京六大学野球で注目を集め続け、斎藤が進学した年から地上波で東京六大学野球中継が放送されることになる。2007年4月14日の開幕戦は前年春の4倍となる約18,000人が詰めかけ、4月29日に先発した法政大学との第2戦では約28,000人を動員し、早慶戦以外では1992年以来の20,000人越えとなった。早稲田大学の優勝が決まった6月3日の早慶戦の第2戦では約36,000人の観衆が集まり立ち見が出るほどの超満員となった。この試合の平均視聴率はNHKと日本テレビ合わせて14.3%を記録。この春季リーグ戦の早稲田大学戦に訪れた観客の総数は11試合で約22万8000人、1試合平均2万727人集まり、前年度に比べ3倍近くに膨れあがった。2010年斎藤がプロ入りするドラフト会議では平均視聴率14.4%を記録。これはシーズンの最高平均視聴率を記録した試合を上回る視聴率となった。11月3日の早慶優勝決定戦は、明治神宮野球場の収容人数35,650人に対し立見席が用意され、チケット販売枚数が36,000枚になり20年ぶりに完売となった。NHK総合によるテレビ中継は平均視聴率12.1%、瞬間最高視聴率は16.2%を記録。勝利投手となりヒーローインタビューの場で「最後に一つだけ言わせてください」と切り出し、「いろんな人から斎藤は何か持ってると言われ続けてきました。今日、何を持っているのか確信しました。それは、仲間です」と語った。この発言が話題を集め、その年の新語・流行語大賞の選考委員特別賞を受賞。4年間で東京六大学野球史上6人目となる通算30勝300奪三振を達成(31勝323奪三振)した。2007年-2010年で4度のリーグ優勝・全日本大学野球選手権大会優勝・明治神宮野球大会大学の部優勝に貢献。

斎藤プロ入り後

日ハムでの単独入団会見には、平日にもかかわらず約8,000人のファンが駆けつけた。このキャンプ期間中に名護市のキャンプ地を訪れた観客数は計27,150人と、前年の11,550人の2倍以上になった

こうして大学野球を大いに盛り上げ入団にも注目が集まった斎藤だが1年目は19先発6勝6敗防御率2.67と新人としてはまあまあの成績を残すものの2017年時点でこれがキャリアハイの成績となってしまう。この年上記のように田中がリーグトップの成績を残したこともありこの年を境ににこの世代の中心は田中将大となっていく。

2013年、田中が24勝0敗(勝率1.00)防御率1,27という化け物じみた成績を残し、もはやNPB最強投手となった。

当該世代で記事がある選手

※赤は投手、水色は捕手、黄色は内野手、緑は外野手。無色斜体は戦力外および引退した選手。
※福井優也(広島東洋)は斎藤・大石と早稲田大学で同学年だったが、1年浪人しているのでこの世代ではない。

名前 プロ入り 所属 主なタイトル・備考
會澤翼 2006年高校生ドラフト3巡目 広島(2007年-)
秋山翔吾 2010年ドラフト3位 西武(2011年-) 2013年ゴールデングラブ賞
2015年最多安打・ベストナイン
シーズン216安打のプロ野球記録保持
秋吉亮 2013年ドラフト3位 ヤクルト(2014年-) 2015年・2016年、最多登板
阿部俊人 2010年ドラフト3位 楽天(2011年-)
石川歩 2013年ドラフト1位 ロッテ(2014年-) 2016年最優秀防御率
伊志嶺翔大 2010年ドラフト1位 ロッテ(2011年-)
石山泰稚 2012年ドラフト1位 ヤクルト(2013年-)
乾真大 2010年ドラフト3位 日本ハム(2011年-2016年)
巨人(2016年-)
上田剛史 2006年高校生ドラフト3巡目 ヤクルト(2007年-) 国籍は韓国だが、日本の高校を卒業しているため日本人登録
植村祐介 2006年高校生ドラフト3巡目 日本ハム(2007年-2013年) 現:日本ハム打撃投手
遠藤一星 2014年ドラフト7位 中日(2015年-)
大石達也 2010年ドラフト1位 西武(2011年-) 「達者」
大野雄大 2010年ドラフト1位 中日(2011年-)
大嶺祐太 2006年高校生ドラフト1巡目 ロッテ(2007年-) NPB日本人選手史上最南端出身
加賀美希昇 2010年ドラフト2位 横浜・DeNA(2011年-2015年) 現在は社会人野球所属
梶谷隆幸 2006年高校生ドラフト3巡目 横浜・DeNA(2007年-) 2014年盗塁王
2014年に内野手から外野手に転向
亀澤恭平 2011年育成ドラフト2位 ソフトバンク(2012年-2014年)
中日(2015年-)
2014年支配下登録
木村文紀 2006年高校生ドラフト1巡目 西武(2007年-) 2012年に投手から外野手に転向
黒沢翔太 2010年育成ドラフト1位 ロッテ(2011年-) 2013年支配下登録
小山雄輝 2010年ドラフト4位 巨人(2011年-2016年)
楽天(2017年-)
斎藤佑樹 2010年ドラフト1位 日本ハム(2011年-) 【本家】
坂本勇人 2006年高校生ドラフト1巡目 巨人(2007年-) 2012年最多安打、2016年首位打者
2015年に巨人のキャプテン就任
佐藤賢治 2006年高校生ドラフト2巡目 ロッテ(2007年-2010年)
日本ハム(2010年-2015年)
澤村拓一 2010年ドラフト1位 巨人(2011年-) 2011年セ・リーグ新人王
2016年最多セーブ
塩見貴洋 2010年ドラフト1位 楽天(2011年-)
下水流昂 2012年ドラフト4位 広島(2013年-)
高橋朋己 2012年ドラフト4位 西武(2013年-)
田中将大 2006年高校生ドラフト1巡目 楽天(2007年-2013年)
ヤンキース(2014年-)
2007年パ・リーグ新人王
2011年・2013年、最多勝・最優秀防御率・ベストナイン・沢村賞
2012年最多奪三振
2013年最高勝率・パリーグMVP
2011年-2013年、ゴールデングラブ賞
24勝0敗のプロ野球記録保持
堂上直倫 2006年高校生ドラフト1巡目 中日(2007年-)
中村恭平 2010年ドラフト2位 広島(2011年-)
林崎遼 2010年ドラフト5位 西武(2011年-2015年)
福田秀平 2006年高校生ドラフト1巡目 ソフトバンク(2007年-) 平成生まれのプロ野球選手第1号
2011年に内野手から外野手に転向
福田永将 2006年高校生ドラフト3巡目 中日(2007年-) 2008年に捕手から内野手に転向
福山博之 2010年ドラフト6位 横浜・DeNA(2011年-2012年)
楽天(2013年-)
「サブちゃん」
2016年最多登板
前田健太 2006年高校生ドラフト1巡目 広島(2007年-2015年)
ドジャース(2016年-)
2010年投手三冠、2011年奪三振王
2012年・2013年、最優秀防御率
2015年最多勝
2010年・2013年・2015年、ベストナイン
2010年・2012年-2015年、ゴールデングラブ賞
2010年・2015年、沢村賞
増田達至 2012年ドラフト1位 西武(2013年-) 2015年最優秀中継ぎ
増渕竜義 2006年高校生ドラフト1巡目 ヤクルト(2007年-2014年)
日本ハム(2014年-2015年)
松永昂大 2012年ドラフト1位 ロッテ(2013年-)
南昌輝 2010年ドラフト2位 ロッテ(2011年-) リリーフカーで帰宅事件
宮崎敏郎 2012年ドラフト6位 DeNA(2013年-)
柳田悠岐 2010年ドラフト2位 ソフトバンク(2011年-) 2014年・2015年、ゴールデングラブ賞
2015年首位打者・ベストナイン・トリプルスリー
2015年パリーグMVP
山田大樹 2006年育成ドラフト1巡目 ソフトバンク(2007年-) 2010年支配下登録
吉川光夫 2006年高校生ドラフト1巡目 日本ハム(2007年-2016年)
巨人(2017年-)
2012年最優秀防御率・パリーグMVP
李杜軒 2006年高校生ドラフト4巡目 ソフトバンク(2007年-) 国籍は台湾だが、日本の高校を卒業しているため日本人登録

大百科に記事のあるNPBに所属した外国人選手

  • ミッチ・デニング(ヤクルト:2015年)
  • エディソン・バリオス(ソフトバンク:2011年-2016年)
  • ダヤン・ビシエド(中日:2016年-)
  • マイルズ・マイコラス(巨人:2015年-) 2015年最高勝率
  • クリス・マレーロ(オリックス:2017年-) 本塁踏み忘れ事件
  • ライネル・ロサリオ(広島:2014年-2015年)
  • ステフェン・ロメロ(オリックス:2017年-)

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関連項目

  • 日本のプロ野球チーム一覧
  • プロ野球選手一覧
  • プロ野球選手一覧(世代別)
  • 松坂世代
  • 1994年世代(大谷世代,藤浪世代)

脚注

  1. *ちなみにこの大会の2回戦で後に日ハムでチームメイトとなり日ハムの4番打者となる中田翔と対戦している。4打数無安打3三振に封じた。

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