ロゴタイプ(競走馬)とは、日本の競走馬である。馬主は吉田照哉、調教師は田中剛、生産は社台ファーム。
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主な勝ち鞍
2012年:朝日杯フューチュリティステークス(GI)
2013年:皐月賞(GI)、スプリングステークス(GII)
2016年:安田記念(GI)
父ローエングリン、母ステレオタイプ、母父サンデーサイレンス。
父は日本ではパッとしないサドラーズウェルズ系なのだが、急速に高速化しつつあった日本の馬場に対応し、GI勝鞍こそないが、マイル~中距離の重賞4勝と重賞戦線を賑わせた名脇役。父父のシングスピールはジャパンカップを優勝しており日本と縁がある血統である。
デビュー前はあんまり期待されていなかった。一応当年のローエングリン産駒の中では一番の評価だったらしいが、父ローエングリン自体がサンデーサイレンスの血を持っていないから種牡馬になったようなもので、初年度種付料30万を考えると代替種牡馬の代替種牡馬、ほぼ底辺クラスで期待されていなかったためである。母ステレオタイプも地味で話題性に乏しく、社台オーナーズクラブで募集金額は1000万と牡馬としては超が付きそうな格安レベルだった。ただ競馬界屈指の相馬眼を持つ吉田照哉氏はかなり高い評価をしていた。
デビュー前の調教を積むにつれ、早熟傾向なのか仕上がりが早く、周囲の評価も「夏の2歳重賞ならいけるんじゃね?」くらいにはなっていた。
デビューは2012年6月24日(日)、宝塚記念の裏開催だった函館競馬場の新馬戦。一番人気で常時外を回りながら直線でクビ差だけ前に出て辛勝。二戦目は函館2歳ステークス(G3)、中央競馬の2歳馬にとって初重賞戦になる早熟馬ご用達のレースである。ここでは新馬戦が平凡だったためか16頭中14番人気・・・キミ、ほんとに後の朝日杯FSの勝ち馬だよね?と問いたくなるくらいの低評価である。
レース自体は中団から堅実に足を伸ばして4着確保。3戦目のクローバー賞は大幅なマイナス体重で元気なく前を捉えきれずの3着、そして強豪馬が揃った4戦目の札幌2歳ステークスは果敢に逃げて後続を引っ張る展開になるが、直線で力尽きて7着。キミはコディーノのラビット役をやったの?
休養を挟んでの5戦目のベゴニア賞、ここからトップジョッキーのミルコ・デムーロ騎手に乗り代わり、馬体重も+18kgの大幅増と復調の兆しが見えていた。このレースでは先行して直線で抜け出し勝利。勝ちタイムは1分33秒6と2歳コースレコードを示しており、この頃から秘められていた才能が徐々に開花し始めていた。
そしてベゴニアを片手に朝日杯FSの出走にこぎつける。ここまでで既に5戦を消化しておりメンバーの中でキャリアは多い方、前走の強い勝ち方もあったが札幌2歳Sでコディーノに力負けしていることもあって7番人気となる。1番人気は札幌2歳Sで全く歯が立たなかったコディーノ。
レースは7枠14番の外枠からスタート。早い出足で掛かり気味ながら先頭集団に取り付き、3,4番手の好位につけ、ライバルのコディーノはそのすぐ後を追走していた。
800mの通過タイムが46秒と速いペースのけレースを進む。
4コーナーから先頭に並び掛けると直線では一気呵成、先頭に躍り出て後続を突き放しにかかるが、先頭のロゴタイプを目標にコディーノが外から猛然と追ってくる。ジリジリと差を詰めてくるコディーノと驚異的な勝負根性で粘るロゴタイプ。この2頭が馬群から完全に抜け出しマッチレースの様相を呈したが、1ハロン余りのしのぎ合いの末にクビ差でロゴタイプが粘りきって後続を完封し2歳王者を戴冠。タイムは1分33秒4のレコードタイ決着だった。
年が明けて戦いの舞台はクラシック戦線へ移る。
放牧で英気を養い、皐月賞の前哨戦スプリングSに出走、鞍上はミルコの弟クリスチャン・デムーロ騎手に一旦乗り代わり。近年の朝日杯FSの勝馬はクラシックで苦戦する傾向があったが、初の1番人気に応え、先行し好位から直線軽く抜け出すと後続を寄せ付けず圧勝した。
ここまでの勝ちっぷりが評価され、ハイレベルなメンバーが揃っていた弥生賞組を抑え1番人気に支持される。
レースはいつも通りスタート良く出るが、先頭に先行馬が殺到。相対的に中団の、その内に巧く潜り込む。先行馬が積極的にペースを作った結果1000mが58秒と消耗戦の様相になる。ロゴタイプはエピファネイアを見ながら4コーナーで追い出され、加速していくのを利用して鞍上のM・デムーロ騎手が外へ持ち出すと、先に仕掛けていったエピファネイアを追いかけていく。直線で内にいた先行馬が大崩れするのを余所目にエピファネイアが先頭に立った瞬間、ロゴタイプの黒い影がぬっと忍び寄り一瞬で外から抜き去っていく。出し抜かれたエピファネイアは懸命に追いすがり、さらにその内からコディーノも足を伸ばしてくるが、先頭に立ったロゴタイプの脚色は全く衰えず、追いすがる2頭を力でねじ伏せ優勝した。時計はまたもレースレコード。2歳王者の皐月賞制覇はナリタブライアン以来19年ぶりとなった。
鞍上を弟のC・デムーロ騎手へバトンタッチし、4枠8番と絶好枠で日本ダービーへ出陣する。
一番人気こそ別路線で別格の強さを発揮していたキズナに譲ったが、放牧を挟んで体調面も申し分なく、世代の頂点へ最も近い場所にいた。レースは抜群のスタートを決めて先頭から4,5頭目、先行集団の好位につける。しかし日本ダービーこその大歓声のためか終始かかり気味になっており、鞍上のC・デムーロ騎手が上手くなだめつつ道中をこなす。4コーナーを回って追い出しに掛かるが、今まで見せていた力強い末脚を見せず、さらに蛇行して伸びあぐねてしまう。逃げ馬を捉えるのにも手間取っている間に外からエピファネイアに交わされ、またさらに外から驚異的な末脚で追い込んで先頭に立ったキズナを傍観する事しかできず。結局ロゴタイプは逃げ馬も捕らえる事が出来ず5着惨敗となってしまった。敗因は道中かかり気味だったことと、距離の壁であったと考えられる(父ローエングリンもベストは1800mくらいの馬だった)。
ともあれクラシック馬となったロゴタイプ。しかしこの後長い低迷期に入ってしまう。
距離もあって菊花賞を捨て天皇賞(秋)を目標にするが、第一ステップに選んだ札幌記念で重馬場に苛まれ5着。しかもその疲労が抜けず、天皇賞どころか年内全休となってしまう。
翌年の中山記念で復帰し3着。ドバイデューティーフリーではジャスタウェイを見ているだけの6着。札幌記念、毎日王冠、マイルCSも着外に敗れ去り、4歳シーズンは未勝利。
2015年はプライドを捨てG3にも出走、年明けの中山金杯に向かうがラブリーデイに置き去りにされ2着。活路を求めてダートの根岸Sに向かうが8着。中山記念では2着に突っ込み復調を予感させたが、大阪杯ではまたも不良馬場を走らされ5着。しかも春は全休になってしまう。ほんとに渋い馬場に弱いなぁ。
秋はオールカマー4着、富士Sで3着。マイルCSは新マイル王モーリスに抵抗もできない9着。
2016年、6歳シーズンも現役を続行するが、中山記念では新王者ドゥラメンテの遥か後ろの9着。メンバー的には余裕なはずのダービー卿CTすら牝馬マジックタイムに敗れる始末。なんだかもうG3でしかダメな馬みたいになってしまう。有り体に言えば一介の早熟馬だったとしか…。
かつての栄光を頼りに出走した安田記念。しかし単勝で8番人気と、かつての皐月賞馬の面影は望むべくもなかった。1番人気は前年のマイルCSの後香港GⅠを連勝していたモーリスである。
6番ゲートからポンと出たロゴタイプ。この年から新コンビを組んだ田辺裕信に促されハナを切ると、平均ペースに落とし淡々と逃げる。2番手にモーリスがつけるが鞍上と折り合いがつかずどこかちぐはぐな競馬。後続もモーリスを警戒してか競りかけては来ない。1000mは過去10年で2番目に遅い59秒1。田辺の作戦は見事にハマっていた。
そして迎えた直線、ロゴタイプは最内に入り一気に後続を突き放す。モーリスはエンジンの点火に手間取り、差は広がる一方。残り1ハロンでようやく末脚に火が付いたモーリスだが、すでに時遅し。1馬身あまりまで詰めたところでゴール板が来てしまった。
ロゴタイプ、大金星(GⅠ2勝馬にこんな表現も失礼なのだが)。もう終わったと思われていた皐月賞馬が復活を果たしたのである。勝ち星自体が皐月賞以来3年2か月ぶりと、波乱と言うほかない結果となった。
秋は毎日王冠で8着と惨敗するが、やっと出られた天皇賞(秋)と香港マイルで共に5着とまずまずの結果にまとめる。
2017年も現役を続行。中山記念は7番人気に反発し3着に好走する。しかし安田記念はまた8番人気。
再び逃げの手を打つが、今度は1000m57秒1と前年より2秒も速い強気な逃げ。それでも直線ギリギリまで粘ったが、上がり最速で突っ込んだサトノアラジンに最後の最後で差し切られ悔しい2着。しかし他の先行馬は軒並み壊滅しており、G13勝馬の意地を示す形となった。
秋もマイルCSを目標に調整されていたが、背中の張りが悪化。年齢もあり引退が決定した。
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最終更新:2025/12/06(土) 00:00
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