先発投手

先発投手(スターター)とは、野球・ソフトボールにおいて試合の最初から投げる投手のこと。

単に先発と呼称することも多い。

概要

先発投手はリリーフ投手と比べ、長いイニングを投げるだけのスタミナが要求される。彼らが早いイニングでマウンドを降りてしまえばその後のリリーフ投手に負担がかかってしまうので、一般的にできるかぎり長いイニングを投げられる投手が良い先発投手だと言われている。

現代野球ではコンスタントに７，８イニング投げられる投手であれば、長いイニングを投げられる投手、また完投能力のある投手として十分にみなすことが出来るだろう。

先発投手の起用法の変遷

以前の日本プロ野球においては先発投手が完投するのが当たり前のような時代があった。登板試合数も登板イニング数も現在のプロ野球とは比べ物にならず、登板間隔も今よりもずっと短いのが当然であった。先発で投げた次の日に救援投手として投げるような、今の常識では考えられないような起用もまかり通っていた。

しかしその分先発投手にかかる負担は大きく、怪我や故障に泣く選手も多かったのである。

1970年代からは中継ぎ・抑えを擁した投手の分業制が図られ始め、先発投手にかかる負担は段々と下がっていった。現在では各チーム多少の違いはあるものの、登板間隔は中6日、5～6人の先発投手でローテーションをまわすというのが一般的な先発の起用法となっている。

近代プロ野球では完投が記録されることも少なくなってはいるが、中には高い完投能力を有している投手も存在する。完投が多い投手は同時に高い投球技術を併せ持っているものである為、そのチームのエースと呼ばれる投手である場合が多い。

 

また高校野球ではトーナメント形式での試合上、チームのエースが連投をすることも珍しくない。しかし近年ではプロ野球のように分業制を敷いて、複数投手の継投で勝ち抜いているところも増えてきている。

先発投手の記録

勝利投手(先発)

先発投手が勝利投手となる条件は、以下の3つの条件を満たしていることである。

1. 5イニング以上投げること
2. 降板した時点で味方のチームがリードしていること
3. その後同点や逆転されること無く、リードを保ったまま試合に勝利すること。

つまり最低でも5イニング以上投げなければ勝利投手になることは出来ず、その前に降板してしまうことが多い投手はそれだけで先発投手としての評価が下がってしまう。また先発投手の上げた勝利のことを先発勝利、救援投手の上げた勝利を救援勝利と呼んで区別している。

完投

先発投手が試合の最初から最後まで一人で投げきることを完投と言う。試合の勝敗には関係ないため、完投負けも記録される。

野球は通常9イニングで勝敗を決めるが、完投で投げるイニング数が必ず9になるわけではない。先行チームの先発投手であれば、チームが負けている場合9回裏の投球は行わないため完投しても投球回数は8イニングになるし、コールドゲームによって試合が9回以前に終了した場合は更に短くなる。

完封

初回無死から試合終了までを一人で0点に抑え勝ち投手になったときには完封が記録される。完投と同様コールドゲームで試合が早期終了した場合でも有効である。またノーヒットノーラン・完全試合の条件の一つでもある。完封のことをシャットアウトとも言う。

完封は完投とは違い、先発投手だけではなく救援投手でも記録することが出来る記録である。初回無死・無失点の状態で先発投手から二番手の救援投手に代わり、その救援投手が最後まで無失点で投げきり勝利投手となればその投手に完封勝利が記録される。ただしその場合には完投は記録されない。

そのため｢完封ではあるが完投ではない｣という珍しいケースも存在する。1972年に上田次郎(阪神)、1999年に岡島秀樹(当時巨人　現レッドソックス)が記録している。

創作物での位置づけ

フィクションの世界では最も主役に抜擢されやすい存在であると言える。特に学生野球を題材とした作品では、主人公が投手の場合はそのほとんどが先発で投げていることが多く、救援をメインで行っている作品は非常に珍しい。

もちろんプロ野球を扱った作品でも先発投手が主役であることが多い。

主な先発投手

現役

主な先発投手（国内プロ野球）(※2011年データ　先発出場10試合以上)

福岡ソフトバンクホークス 杉内俊哉 和田毅 D.J.ホールトン（最多勝） 攝津正 山田大樹 岩嵜翔	北海道日本ハムファイターズ ダルビッシュ有（奪三振） ブライアン・ウルフ ボビー・ケッペル 武田勝 斎藤佑樹	埼玉西武ライオンズ 涌井秀章 帆足和幸 西口文也 岸孝之 石井一久 牧田和久
オリックス・バファローズ 寺原隼人 中山慎也 アルフレッド・フィガロ 金子千尋 西勇輝 木佐貫洋 近藤一樹	東北楽天ゴールデンイーグルス 田中将大(防御率,最多勝,最優秀,B9,GG) 塩見貴洋 岩隈久志 永井怜 井坂亮平 ケルビン・ヒメネス 川井貴志	千葉ロッテマリーンズ 成瀬善久 渡辺俊介 唐川侑己 大谷智久 上野大樹 小野晋吾 ビル・マーフィー
中日ドラゴンズ マキシモ・ネルソン 吉見一起(防御率,最多勝,最優秀,B9) チェン・ウェイン 川井雄太 エンジェルベルト・ソト	東京ヤクルトスワローズ 石川雅規 館山昌平 増渕竜義 由規 村中恭兵 赤川克紀 山本斉 七條祐樹	読売ジャイアンツ 澤村拓一 内海哲也(最多勝) 東野峻 西村健太朗 ディッキー・ゴンザレス
阪神タイガース 能見篤史 ジェイソン・スタンリッジ ランディ・メッセンジャー 岩田稔 久保康友	広島東洋カープ 前田健太（奪三振） ブライアン・バリントン 福井優也 ジオ(ジャンカルロ・アルバラード) 篠田純平	横浜ベイスターズ 高崎健太郎 三浦大輔 須田幸太 山本省吾

主な先発投手（海外）

• 松坂大輔（ボストン・レッドソックス）
• 黒田博樹（ロサンゼルス・ドジャース）
• 川上憲伸（アトランタ・ブレーブス）
• 井川慶(ニューヨーク・ヤンキース傘下AAA)

元先発ローテーション投手、先発をすることもある投手、10試合未満の先発投手など

• 大場翔太（福岡ソフトバンクホークス）　※現在も先発（8試合）　2011年8月の月間MVP
• 大隣憲司（福岡ソフトバンクホークス　※現在も先発（4試合）　2010年まではローテ投手
• 増井浩俊（北海道日本ハムファイターズ）　※現在は中継ぎ　2010年は先発
• 吉川光夫（北海道日本ハムファイターズ）　※現在も先発（7試合）
• ミンチェ（埼玉西武ライオンズ）　※現在は中継ぎ　2010年は先発ローテ　2011年は先発1試合（その試合で完封）
• 菊地雄星（埼玉西武ライオンズ）　※現在も先発（9試合）
• 平野佳寿（オリックス・バファローズ）　※現在は中継ぎ
• 岸田護（オリックス・バファローズ）　※現在は抑え
• エバン・マクレーン（オリックス・バファローズ）　※主に先発（7試合）
• 戸村健次（東北楽天ゴールデンイーグルス）　※現在も先発（8試合）
• 長谷部康平（東北楽天ゴールデンイーグルス）　※現在も先発（7試合）
• 青山浩二（東北楽天ゴールデンイーグルス）　※中継ぎが主だが、時に先発もこなす
• ダレル・ラズナー（東北楽天ゴールデンイーグルス）　※現在は抑え　元々は先発
• 吉見祐治（千葉ロッテマリーンズ）　※現在は主に中継ぎ　横浜時代は先発
• 薮田安彦（千葉ロッテマリーンズ）　※現在は抑え
• 浅尾拓也（中日ドラゴンズ）　※現在は中継ぎ　2009年当初は先発
• 平井正史（中日ドラゴンズ）　※現在は中継ぎ　2003年には先発をしていた
• 伊藤準規（中日ドラゴンズ）　※主に先発（7試合）
• 山本昌（中日ドラゴンズ）　※現在も先発だが、2011年は一軍・二軍とも登板なし
• 押本健彦（東京ヤクルトスワローズ）　※現在は中継ぎ　日本ハム入団当初は先発
• 松岡健一（東京ヤクルトスワローズ）　※現在は中継ぎ　2007年までは先発
• トニー・バーネット（東京ヤクルトスワローズ）　※現在は中継ぎ　2010年は先発
• 久保裕也（読売ジャイアンツ）　※現在は抑え　主に先発だった時期もある
• 小林宏之(阪神タイガース)　※現在は中継ぎ　ロッテ時代に中継ぎ、先発、抑えを経験
• 大竹寛（広島東洋カープ）　※現在も先発（6試合）　故障で6試合の登板に留まる
• 今村猛（広島東洋カープ）　※現在は中継ぎ　開幕当初は先発（6試合）
• 青木高広（広島東洋カープ）　※現在は中継ぎ　シーズンによって先発だったり中継ぎだったりする
• 加賀繁（横浜ベイスターズ）　※現在も先発（9試合）　開幕当初は中継ぎ
• 小林太志（横浜ベイスターズ）　※現在も先発（8試合）　シーズン終盤にローテ入り
• 国吉佑樹（横浜ベイスターズ）　※現在も先発（8試合）　シーズン終盤にローテ入り
• 清水直行（横浜ベイスターズ）　※現在も先発（7試合）　故障で7試合の登板に留まる
• 江尻慎太郎（横浜ベイスターズ）　※現在は中継ぎ、日本ハム時代一時先発ローテに入っていた

OB(※生年順)

名球会or野球殿堂入り(※除名者も含む)
1920年代以前 若林忠志 ヴィクトル・スタルヒン 藤本英雄 中尾碩志 野口二郎 1920年代 別所毅彦 真田重蔵 杉下茂 荒巻淳 1930年代 長谷川良平 金田正一 秋山登 小山正明 梶本隆夫 杉浦忠 皆川睦男 村山実 稲尾和久	1940年代 米田哲也 鈴木啓示 平松政次 江夏豊 堀内恒夫 山田久志 村田兆治 1950年代 東尾修 北別府学 1960年代 野茂英雄
何らかのタイトル受賞経験のある投手
1920年代 川崎徳次 1930年代 小野正一 坂井勝二 石井茂雄 1940年代 足立光宏 城之内邦雄 高橋直樹 高橋一三 成田文男 星野仙一 松岡弘 加藤初	1950年代 佐藤義則 大野豊 西本聖 1960年代 槙原寛己 斎藤雅樹 星野伸之 桑田真澄
架空選手(作品名順　※二次創作は下に置く)
宇野球一（アストロ球団） 無名志（アストロ球団） 景浦景虎（あぶさん） 国見比呂（H2） 広田勝利（H2） 三橋廉（おおきく振りかぶって） 藤村甲子園（男どアホウ甲子園） 蝦名（おれはキャプテン） 野中ゆたか（風光る〜甲子園〜） 山下たろー（県立海空高校野球部員山下たろーくん） 不屈闘志（逆境ナイン） 雄根小太郎（キャットルーキー） 酒希洋（キャットルーキー） 谷口タカオ（キャプテン・プレイボール） イガラシ（キャプテン・プレイボール） 近藤茂一（キャプテン） 星飛雄馬（巨人の星） 渋谷章（グラゼニ） 麻生遥（剛球少女） 四ノ宮純（甲子園へ行こう!） 新田英吾（GO ANd GO） 奈倉一樹（GO ANd GO） 岡野（コンビネーション） 北大路輝太郎（最強!都立あおい坂高校野球部） 神木清春（最強!都立あおい坂高校野球部） 土屋拳至（砂漠の野球部） 番場蛮（侍ジャイアンツ） 猪狩守（実況パワフルプロ野球） 神童裕二郎 （実況パワフルプロ野球） 小沢番太郎（ショー☆バン） 清水良馬（ストッパー毒島） 小沢亜穂（ストライプブルー） 小笠原晶子（大正野球娘。） 降谷暁（ダイヤのA） 丹波光一郎（ダイヤのA） 成宮鳴（ダイヤのA） 上杉達也（タッチ） 上杉和也（タッチ） 里中智（ドカベン） 不知火守（ドカベン） 土門剛介（ドカベン） 影丸隼人（ドカベン） 犬飼小次郎（ドカベン） 緒方勉（ドカベン） 中西球道（ドカベン、球道くん、大甲子園） 真田一球（ドカベン、一球さん、大甲子園） 久里武志（Dreams） 生田庸兵（Dreams） 名倉的矢（Dreams） 首里城 きらり（Dreams）	甲斐孫六（なんと孫六） 山田泰二（ペナントレース やまだたいちの奇蹟） 犬飼冥（Mr.FULLSWING。） 鹿目筒良（Mr.FULLSWING） 屑桐無涯（Mr.FULLSWING。） 雉子村黄泉（Mr.FULLSWING） 二階堂定春（緑山高校） 新城童夢（ミラクルジャイアンツ童夢くん） 神尾瑠璃子（メイプル戦記） 芹沢桜子（メイプル戦記） ノエル・スコット（メイプル戦記） 仁科雅樹（メイプル戦記） 檜あすなろ（名門!第三野球部） 茂野吾郎（MAJOR） 日高直哉（ラストイニング） 明石慎之介（ラストイニング） 安仁屋恵壹（ROOKIES） 赤星奨志（ROOKIES） 浅野夏門（ワイルドリーガー） 与那覇わたる（わたるがぴゅん！） 渡久地東亜（ONE OUTS） 霧雨魔理沙（東方野球in熱スタ2007） 博麗霊夢（東方野球in熱スタ2007） 八意永琳（東方野球in熱スタ2007） 四季映姫・ヤマザナドゥ（東方野球in熱スタ2007） 風見幽香（東方野球in熱スタ2007） メディスン・メランコリー（東方野球in熱スタ2007） 比那名居天子（東方野球in熱スタ2007EX） 古明地さとり（東方野球in熱スタ2007EX） 水橋パルスィ（東方野球in熱スタ2007EX） 聖白蓮（東方野球in熱スタ2007L） 綿月豊姫（東方野球in熱スタ2007L） 茨木華扇（東方野球in熱スタ2007L） 魅魔（東方野球in熱スタ2007L）

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関連項目

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