創価学会(そうかがっかい)とは、日本の宗教法人であり、大乗仏教である日蓮の仏法を信奉する団体である。「創価」とは「価値創造」の意味。価値の中心を「生命の尊厳」とし、万人の幸福と世界平和を目指している。現在、192ヵ国・地域に広がっている。
創価学会は、1930年に初代会長・牧口常三郎と第二代会長・戸田城聖によって創立された。
当初は「創価教育学会」という名称で、その名の通り教育が主体だったが、日蓮大聖人の仏法を信奉していた牧口と戸田は、この仏法こそが牧口の教育理論の根底となる「人格価値の創造」を可能にするものであると考え、教育改革運動の枠を超え、仏法を根本とした一人ひとりの人間変革と生活の革新、そして、よりよい社会建設を目指す宗教運動の団体へと変わっていった。
以後、創価学会は、座談会や地方指導を活動の根幹として、発展を遂げていく。しかし、1941年に治安維持法が全面改定され、国家神道を精神的主柱として、戦争拡大に暴走する軍部政府は、国内の思想統制を強化し、創価学会の座談会なども監視の対象にした。当時、政府は神社参拝や神札を祭ることを国民に強要していた。牧口は神札の受け取りを断固拒否し、日蓮大聖人が示した謗法厳戒の教えを貫く。それによって、治安維持法違反及び不敬罪の容疑で牧口・戸田は逮捕され、牧口は獄死した。その一方、日蓮正宗宗門は「神札を受けるようにしてはどうか」と、謗法容認の行為を示し、日蓮大聖人の教えに背いた。
戦後、戸田は牧口の遺志を継ぎ、壊滅状態にあった創価学会の再建に立ち上がる。教育改革だけではなく、広宣流布という全民衆の幸福と世界の平和を目指す学会の目的に即して、会の名称を「創価学会」に改め、座談会や地方指導を再開した。「日蓮仏法こそが荒廃した人々の生活に革命をもたらす」という考えから、「折伏」を推進し、学会の世帯数を劇的に増やしていく。戸田の晩年には、75万世帯にまで拡大した。なお「折伏」(しゃくぶく)とは、勧誘することを意味する宗教用語。
1960年5月3日、創価学会の第三代会長に就任した池田大作は、牧口・戸田の遺志を受け継ぎ、日蓮大聖人が示した「仏法西還」「一閻浮提広宣流布」への本格的な歩みを始めた。この年の10月、池田は世界広布の第一歩を示す。以来、世界同時進行で会員数は拡大していった。また、創価学会は、世界平和という大目的を掲げて、平和・文化・教育運動を積極的に展開するなど、現実の上で社会貢献に取り組んでいる。
1990年12月27日、日蓮正宗は、池田の法華講総講頭、12氏の大講頭の資格喪失を一方的に通知した。それに対し、学会は12月30日付で「抗議書」を送付した。そして1991年初頭からは、聖教新聞紙上でも一方的な措置をした日蓮正宗に対して抗議を開始した。これまで学会は、正本堂をはじめとする総本山の整備や多数の末寺を寄進するなど、日蓮正宗の発展に尽くしてきた。しかしながら、日蓮正宗は話し合いを拒否。学会および学会員に対する圧力はエスカレートしていった。1991年11月、日蓮正宗は学会に解散勧告を通告。それに対し、学会は当時の日蓮正宗トップ・阿部日顕に「退座要求書」を提出した。その結果、日蓮正宗は学会に1991年11月28日付で「破門通告書」を送付した。学会はこの日を日蓮正宗と決別を果たした「魂の独立記念日」と位置づけ、以後、宗教的独自性を強めた。宗教学者であるハーバード大学のハービー・コックス教授は「宗門と決別したことは、おそらく創価学会に起こった最良の出来事でした」「間違いなく建設的な展開になった」と述べた。また、作家の佐藤優は「日蓮正宗という宗門との決別があって,創価学会は世界的に広まっていきました」と分析している。その見識通り、学会の思想が破門前の115カ国から192カ国・地域に広がる一方で、日蓮正宗は最盛期の2%にまで信者が激減するなど凋落の一途をたどっている。2013年には、東京・信濃町の総本部に「広宣流布大誓堂」が落成した。
・三色旗 青・赤・黄の三色旗は、1988年(昭和63年)に定められ、三色はそれぞれ「平和(青)、栄光(黄)、勝利(赤)を表している
・八葉蓮華 創価学会のシンボルマークは、八葉蓮華(8枚の花弁の蓮華)を図案化してもので、1977年(昭和52年)に決定した。八葉の花模様は、自身の生命に内在する可能性を開き顕し、日蓮の仏法が世界に広がっていく様相を示したものとされる
公明党の支持母体。創価学会の支援活動は、しばしば「政教一致」との批判もあるが、国会等の見解でも、国民の権利に沿った活動として認識されている。
憲法20条では、「政教分離」の「政」とは、「国家」のことであり、「国家が宗教に対して中立であること」を定めている。
国会では、日本国政府の憲法解釈を司る内閣法制局長官が「憲法の定める政教分離の原則と申しますのは、信教の自由の保障を実質的なものとするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入しまたは関与することを排除する趣旨である」「宗教団体が政治的活動をすることをも排除している趣旨ではない」と公式に明言してきた。
他に宗教が実質支持母体な団体は自民党(神道政治連盟)、民主党(立正佼成会、新日本宗教団体連合会)などがあげられる。
創価学会と公明党との関係において、しばしば言及されるのが、いわゆる言論出版妨害事件である。これは、公明党が第31回衆議院議員総選挙(1967年)で25議席を獲得し、公明党の台頭を危惧した政治勢力とメディアによる、創価学会へのバッシング運動のことである。
創価学会は、同会と公明党について書かれた藤原弘達著『創価学会を斬る』の内容について、事実無根であると抗議を行った。これに対し、メディアは、あたかも創価学会が一方的に出版元に圧力をかけたように報道し、「言論出版妨害事件」などと煽った。
作家の佐藤優氏は、この問題について、「そもそも創価学会は民間団体であって国家機関ではないのですから、言論弾圧には当たらないでしょう。一民間団体が、自分たちに対する誹謗中傷を書き連ねた書物が刊行されると予告されたとき、『やめてくれ』と要望を伝えることは間違いでしょうか」「それは宗教団体としては何ら異常なことではなく、むしろ当然の行為だったと思います」との見解を述べた。また、「『創価学会を斬る』はその内容も、ヘイトスピーチ的な誹謗中傷に満ちたひどいものだった」とも指摘し、このことから「『言論の暴力』の被害者は、むしろ創価学会のほうだった」と当事件の本質について述べている。さらに、経済学者で評論家の大熊信行氏は『創価学会を斬る』について、「あの文章からは研究のあとがなにひとつ見出せない。学問的な基礎もなければ、背景もない」(雑誌「現代」1970年5月号)と記している。
創価学会は日本だけでなくSGI(創価学会インタナショナル Soka Gakkai International)として海外でも広く活動している。
例えば、イタリアSGI(イタリア創価学会仏教協会)では、イタリア共和国との間に、2015年6月、インテーサ(宗教協約)を調印した。調印式は2015年6月27日に行われ、マッテオ・レンツィ首相(当時)が出席した。その様子はイタリアの国営テレビ局が放送した。その後、2016年7月15日付のイタリア政府の官報(164号)にイタリアSGIと締結した協約の法令が記載され、7月30日に発効された。 イタリア政府の官報によると、イタリアSGIには、学校など教育機関を自由に設立する権利や、会員が宗教的祭日を遵守する権利などが認められる。
シンガポール創価学会は、人民協会や数多くの宗教・文化団体、学術機関と交流があり、独立記念式典や国家行事に毎年のように出演。震災や自然災害の際には、学会員が救援活動にも率先している。
台湾SGIは、社会貢献の取り組みが評価され、台湾行政院の内政部から「社会優良団体賞」を19回連続、「優良宗教団体賞」を14回連続で受賞している。
しかし中には誤解もあった。例えばフランスでは、1996年に国民議会(下院)が設置したセクト(カルトのこと)に関する政府機関である省庁間セクト逸脱行動監視対策代表団(ミヴィリュデス MIVILUDES, Mission interministérielle de vigilance et de lutte contre les dérives sectaire)が、創価学会をセクトであると定義した(「アラン・ジュスト報告書」)。フランスでは、1995年12月22日の「議会報告書2468号」、いわゆる「ジャック・ギヤード報告書」において、173の諸団体をセクトとしてリストアップしていた。 このリストは、2005年5月25日の布告によって改訂されることとなった。 すなわち、「95年の173のリストは無効化される、しかし、それに代わって、毎年のミヴィリュデスの報告で『セクト』と見なされる諸団体については、細大漏らさず、その過去も含めて追及を続ける」というものである。2005年のミヴィリュデスの報告書では、「SGIフランス(フランス創価)は、かつて『セクトと金』の報告書で論じられた」とか「SGIフランスには青年部があり、『広宣流布』という運動に挺身している」などと記載されている。しかし、2005年末までの政府報告書でSGIフランスに出されていたセクト指定は2006年度末には解除されており、このことは仏語版ウイキペディアなどのウェブ百科辞典にも記されている。具体的には 「創価学会はミヴィリュデスによる2005年の報告書でセクトに指定されていたものの、2006年のものでは削除された」(Soka Gakkai est de nouveau epinglée par la Miviludes en 2005 et disparait du rapport 2006.)とのことである。そして2006年以降は当該報告書に記載されていない。 なお、SGIフランスは、2007年1月20日、フランス議会の認証を経て「Association Cultuelle Soka du Bouddhisme de Nichiren(創価日蓮宗文化協会、ACSBN)」など3団体に改組・名称変更した。
創価学会の新聞『聖教新聞』など、学会の機関紙・広報出版物にはよく「勝利」というキーワードが登場する。「何に対する」勝利かは判らないし、あんまり聞かないほうがいい気がする。
ラジオ局や地方テレビ局では、大口スポンサーとして無視できない存在となっている。
ニコニコ動画において、学会といえば初代グルメレースMAD(通称:頭がパーン)が非常に有名である。もとは風刺目的であったであろうが、後のグルメレースMADでも「わずかな時間を見つけて」のフレーズが採用されたり、RED ZONEのMADでは○○テクニックが踏襲されていたりと、学会・アンチ双方がそれぞれ意図した目的とは違う影響力をニコニコ動画に植えつけることとなった。
創価学会は2012年12月末、違法な動画に対して、発信者の情報開示請求や動画削除などの対応をとるようになっている。
宗教法人創価学会の削除情報をGoogleで検索する
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| 動画 | 詳細 |
|---|---|
| 創価学会ビデオ「歓喜の歌声 師子の舞」 | |
| すばらしきわが人生シリーズ | ≪全対象≫本編・MAD・静止画・音声 |
| Futureシリーズ | ≪全対象≫本編・MAD・静止画・音声 |
| 聖教新聞に掲載された写真 | 静止画 |
下の商品「憚りながら」は元暴力団組長で引退後に僧侶になった人物「後藤忠政」へのインタビュー本であり、一見創価学会とは関連が無い。だが本文内で創価学会との関係について述べており、出版当時は話題となった。
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最終更新:2025/12/20(土) 20:00
最終更新:2025/12/20(土) 20:00
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