北条時行 単語


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北条時行(?~1353)とは、鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した武将である。
ちなみに「ほうじょうときゆき」、ではなく「ほうじょうときつら」なのでは?、という説も最近言われている。

概要

北条氏最期の得宗・北条高時の次男である。1333年に北条氏が滅亡した際、幼子だった彼は兄の北条邦時と異なり脱出に成功し、御内人である信濃の諏訪氏の下で養育された。

鎌倉幕府滅亡後、建武政権になったわけだが、依然として北条与党の反乱は起こり続けていた。

  • 1333年12月~1334年11月:奥州北部で名越時如、安達高景らが蜂起
  • 1334年1月~7月:北九州で最後の鎮西探題・赤橋英時の猶子・規矩高政、糸田貞義兄弟の反乱
  • 1334年3月~8月:北関東で本間氏、渋谷氏、江戸氏、葛西氏ら北条氏被官の蜂起が相次ぐ
  • 1334年7月:日向で北条氏一族・遠江掃部助三郎が挙兵
  • 1334年10月~1335年1月:紀伊で北条氏一族・佐々目僧正顕宝や湯浅党の六十谷定尚が蜂起
  • 1335年1月:長門で北条時直の子・上野四郎入道や金沢将監が挙兵
  • 1335年2月:伊予で赤橋重時が挙兵
  • 1335年4月:京で北条氏一族の高安が立て籠もり

これらを見ていくと必ずしも北条氏の各家門が基盤を持っていた土地を拠点にしていたわけではなく、建武政権に不満を持つ武士の旗頭として北条氏が機能し始めていた、と言われている。

そしてその最大のものが、北条時行の中先代の乱である。

1335年6月、代々関東申次を務めていた西園寺公宗が後伏見天皇を奉じて挙兵し、北条高時の弟北条泰家(北条時興)を京都の大将、北条時行を関東の大将、名越時兼を北陸の大将として放棄する計画が発覚した。
公宗の乱は未然に防がれたが、北条時行は諏訪頼重、諏訪時継父子らに擁立され信濃で挙兵。7月18日には上野でへ侵攻し、足利直義軍を渋川義季、岩松経家、小山秀朝ら大将格を多数失うレベルで完膚なきまでに打ち破り、24日に鎌倉入りする。

この足利直義の惨敗に対し足利尊氏が8月2日に出立。今川頼国らを失ったものの破竹の勢いで北条軍に勝ち続け、諏訪父子らは自害を遂げる一方、幼い北条時行は離脱し、足利軍はあっけなく鎌倉を奪還した。こうして当初の計画とは異なり北条軍は各個撃破されてしまい、1336年2月には北条泰家が再度信濃で挙兵するも、鎌倉で斯波家長に撃退されている。

そしてその後北条時行はなんと南朝に帰順した。時行以外にも普恩寺松寿、普恩寺友時、越後五郎、武蔵三郎、越後政継、相模治部権小輔など各地に南朝に属した北条氏一族はおり、足利氏に対する恨みが彼らの原動力だったといわれている。そして時行は1338年の北畠顕家の二度目の上洛における鎌倉攻めに新田義興らとともに参加し、斯波家長を敗死させ、二度目の鎌倉入りを果たす。

北畠顕家の戦死した石津の戦いにはどうやら従わなかったようで、義良親王(後村上天皇)、宗良親王、北畠親房、結城宗広らの船団に加わっていたようだ。北条時行は宗良親王とともに遠江井伊城に入ったとされる。そして観応の擾乱による足利直義派の討伐の余波で起きた、1352年の武蔵野合戦では、新田義興、新田義宗、脇屋義治らとともに宗良親王を奉じて挙兵。北条時行はこうして義興とともに三度目の鎌倉入りを果たした。

しかし北条時行の活躍もそこまでであった。1353年についに捕らえられ、長崎駿河四郎、工藤次郎ら御内人とともに処刑されたのである。すでに新田義貞らによる鎌倉陥落から20年が経過しており、こうして北条氏嫡流はついに絶えたのである。

関連項目

  • 日本史の人物一覧
  • 北条高時
  • 北条泰家
  • 宗良親王
  • 新田義興
  • 新田義宗
  • 脇屋義治

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