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ニコニコ大百科 : 薬学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
医薬品とは、人や動物の病気の治療や診断に用いられる薬である。
医薬品は国の定める薬事法2条1項により、以下のように定義されている。
第2条 この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。1.日本薬局方に収められているもの2.人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物で、
機械器具、医薬部外品でないもの3.人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされているもので、
機械器具等および医薬部外品、化粧品でないもの
日本薬局方とは、薬事法第48条に基づいて厚生労働大臣が定め、交付している医薬品に関する品質規格書である。
つまり医薬品は国によって厳密に規格化されており、製造が承認されている商品なのである。
医薬品は行政上の分類では「医療用医薬品」と「一般用医薬品」に、
薬事法の分類では「処方せん医薬品」と「処方せん医薬品以外の医薬品」にと、それぞれ2つに区分されている。
また、これらとは別に「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」という分類をすることもある。
普段われわれが薬局などの店先では見ることのない医薬品。効能効果、用法用量が厳密に定められている。
効き目が強く重篤な副作用を起こす可能性もあるため、医師の診断と処方に基づいて薬剤師が調剤し、
患者に使用される。薬局や病院の調剤室の中や、入院、通院時に処方される薬ぐらいでしか普段見る機会はない。
普段よく見る「バファリン」や「ガスター」などの中にも医療用医薬品に指定される種類のものがあり、生産されている。
普段われわれが薬局などの店先でよく見かける医薬品。医師による処方箋がなくても購入できる。
市販薬、一般薬などとも呼ばれ、カウンター越しに販売されることからOver The Counter Drug=OTC薬とも呼ぶ。
医療用医薬品に比べれば作用は穏やかで、副作用の心配も比較的少ない。
2009年に完全施行された改正薬事法により、一般用医薬品はリスクの程度に基づいてさらに3つに分類されている。
副作用などにより日常生活に支障をきたす程度の健康障害が生ずる恐れのある薬剤のうち、
その使用に関して安全上特に注意を要する薬や、承認から一定期間を経過しない新薬がこれに該当する。
ミノキシジル(例:大正製薬の育毛剤「リアップ」)、ファモチジン(例:第一三共の胃腸薬「ガスター10」)などがこれ。
薬局のみでしか販売できず、販売時は薬剤師による文書での積極的な情報提供(薬の説明)が義務づけられている。
後述の「処方せん医薬品」を一般用医薬品として認可した、ロキソニン(2011年認可)などの「スイッチOTC」や、
医療用医薬品として使用実績がないものを一般用医薬品として認可した「ダイレクトOTC」もここに含まれる。
ダイレクトOTCは現在のところ前述のミノキシジル(=「リアップ」シリーズ)のみが該当する。
副作用などにより日常生活に支障をきたす程度の健康障害が生ずる恐れのある薬剤で、第一類医薬品以外のもの。
特に注意を要するものは「指定第二類医薬品」に指定され、アスピリン(例:バファリン顆粒)などがこれにあたる。
一般用医薬品のほとんどが第二類医薬品である。薬局以外のスーパーやコンビニなどでも販売することができるが、
薬剤師または登録販売業者の常駐する店舗でないと販売することはできない。
販売時の商品情報提供は、法律で「努力義務」であると規定されている。
第一類、第二類医薬品は対面販売が原則であり、離島居住者や継続使用者への第二類医薬品の通信販売を除き、
現在はネットや電話での通信販売は法律上禁止されている。
しかしこの規制に対しては改正を求める声が上がっており、厚生労働省に対して訴訟も起こされている。
2012年4月、東京高裁は医薬品のネット販売規制は違憲という判決を下したが、国は最高裁に上告している。
第一類、第二類医薬品以外の一般用医薬品。薬局以外のスーパーやコンビニ、通信販売でも販売することができる。
第二類医薬品と同様、薬剤師または登録販売業者の常駐する店舗でないと販売することはできない。
販売時の情報提供は法律で規定されていないため、質問がない限りは行わなくてよい。
薬事法の定める、処方せんに基づいて使用すべき医薬品。抗生物質製剤、ホルモン製剤、注射薬の全般、
麻薬製剤などの、耐性菌を生じやすかったり使用法が難しいもの、血糖調整薬など定期的な医学検査が必要なもの、向精神薬など、本来の目的以外に使用される恐れのあるものなどがこれにあたる。医療用医薬品の多くがコレ。
必ずしも処方せんを必要とせず、処方せん無しでも販売できる医薬品。医療用医薬品にもこれに含まれるものがある。
既に特許の切れた医薬品(先発医薬品)を、他の製薬会社が製造、販売する際に区別してこう呼ぶ。
先発医薬品は数多くの試験を行い、20以上の資料を申請時に提出する必要があるのに対し、
後発医薬品は既に薬効や安全性の確かめられたものを生産するため、少ない試験をパスし数種類の資料を
提出すれば製造の認可が下りる。そのため開発費用が少なくて済み、先発品と比べて薬価が安い。
医療費削減の一環として厚生労働省により普及が進められているが、現在の普及率は他国と比べても低い。
試験のデータ上は先発医薬品と同等であるという結果が出ているから承認されるわけだが、
実際は効果に差があるとする声も多い。例えて言うなら同じ材料を用意して同じ料理を作ろうとしても、
我々が作る料理と速水もこみちが作る料理がまるっきり違うものになるようなもので、
薬効成分が同じであっても製造する会社によって添加物や味付けが異なるため、このような差異が生じるのである。
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最終更新:2025/12/24(水) 05:00
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