宇宙科学研究所

宇宙科学研究所とは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究・開発機関の一つである。

神奈川県相模原市に本部キャンパスを置き、内之浦（鹿児島県肝付町）、臼田（長野県佐久市）など複数の観測所を持つ。通称：ISAS（Institute of Space and Astronautical Science）、もしくは宇宙研。旧名は「（JAXA）宇宙科学研究本部」、さらに昔は「文部省宇宙科学研究所」「東京大学宇宙航空研究所」と呼ばれていた。

なお、相模原キャンパスには「月・惑星探査プログラムグループ（JSPEC：JAXA Space Exploration Center）」が同居しているが、ISASとは独立した組織である。とはいっても、ISASの研究者が兼任していることもある。でも、別組織。

概要

略歴

• 1955年3月
  東京大学生産研究所の糸川英夫教授率いる研究チームが、国分寺でペンシルロケットの水平発射に成功する。
• 1964年4月
  東京大学宇宙航空研究所に組織替え。
• 1970年2月
  日本初の国産人工衛星「おおすみ」の発射に成功。
• 1981年4月
  文部省の管轄となり、大学共同利用機関として「宇宙科学研究所」となる。
• 2003年10月
  宇宙航空研究開発機構（JAXA）の発足に伴い、「宇宙科学研究本部」と改組される。大学共同利用機関としての研究教育活動や、宇宙科学研究に関する基礎的研究という役割を担うと同時に、小中高生向けの宇宙教育事業も行う。
• 2007年4月
  月・惑星探査プログラムグループが発足。
• 2010年4月
  JAXA内の組織改編に伴って「宇宙科学研究所」と名称を戻す。

運用している（終了した）衛星・ロケットの例

• 運用終了
  　衛星「おおすみ」、実験衛星「ひてん」、火星探査機「のぞみ」、M-Vロケット
  　月周回衛星「かぐや」、探査機「はやぶさ」（後にJSPEC管轄へ）
• 運用中　
  　赤外線天文衛星「あかり」、金星探査機「あかつき」
• 計画中
  　はやぶさ2、はやぶさMk2（マルコ・ポーロ）など

チャレンジャー

どう見ても無茶です、本当にありがとうございました的な挑戦を続けてきたISAS。常に予算に泣きならがも、科学衛星や地球の外へ出かける冒険的要素の強い探査機を専門に打ち上げていく中で、金がないなら知恵と技術と発想で何とかしろの精神が伝統になってきた（としか言えないと思う）。

そのような物理的制約の中、過去の実績と失敗で得た経験をつぎ込んだ「はやぶさプロジェクト」では、数々の世界初を達成し、最後の最後まで人々を惹きつけたことは記憶に新しい（詳細は、探査機「はやぶさ」を参照のこと）。

また、衛星に公式キャラクターを設定してtwitterをスタートさせ、1ヶ月も経たないうちに数万人のフォロワーを釣ったり引きつけたり、衛星同士で漫才を始めたり、一般人のフォロワーからのコメントに答えたり、中の人に突然話を振ったり、と斜め上を行く新たな試みも始めている。

とはいっても

技術と研究はピカイチで、少し古くて恐縮だが世界で最も権威のある学術雑誌の一つ「ネイチャー」の1993年12月23/30日号の巻頭言で、「世界で最も優れた研究所」と評された。すごい。

いつの時代も、ひじょーに低予算でがんばってます。

関連動画

 

関連リンク

• 宇宙航空研究開発機構（JAXA）
• 宇宙科学研究所（ISAS）

関連項目

• 宇宙航空研究開発機構（JAXA）
• 旧・宇宙開発事業団（NASDA）　→ISASとの比較についても記述あり。お勉強になります。
• ロケット
• M-V打ち上げロケット・宇宙機の一覧 （以下は一例です）
  • 衛星「おおすみ」
  • 実験衛星「ひてん」
  • 赤外線天文衛星「あかり」
  • 火星探査機「のぞみ」
  • 月周回衛星「かぐや」（後にJSPEC所属へ）
  • 小惑星探査機「はやぶさ」（後にJSPEC所属へ）
  • 金星探査機「あかつき」　　　
    • ソーラーセイル実証機「IKAROS」（ISASではなくJSPEC所属）
• 臼田さん（アンテナ）