宝塚歌劇団とは、兵庫県宝塚市を本拠地に、未婚の女性だけで構成されている日本の歌劇団。
阪急電鉄株式会社の直轄組織となっており、同社の社内部署「創遊事業本部歌劇事業部」が事業運営を行っている。
理事長は小林公一(創始者小林一三のひ孫、阪急阪神ホールディングス取締役)。
1914年に初の公演を行って以来、今日も人気を集める女性歌劇(少女歌劇)の劇団。第1回の演目は意外にも桃太郎を題材とした「ドンブラコ」で、一時男子部もあった時期がある。
「宝塚」「ヅカ」などと略して呼ばれることも多く、劇団員は「タカラジェンヌ」と呼ばれ親しまれている。
宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)と、東京宝塚劇場(東京都千代田区)を中心に公演を行っている。
また、中劇場の宝塚バウホール(宝塚市)も所有しており、こちらではトップ候補生たちが主に公演を行っている。
2001年より、劇場中継や公演案内を中心とした専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の東経110度CS放送が行われていて、そちらでは舞台で見せる美しい姿のほか、オリジナルのバラエティ番組内で普段の公演では見られないタカラジェンヌの一面を見ることができる。女性だけの劇団であるため男性役も女性が演じる。なおかつ演じるのは理想の男性であり、それも宝塚歌劇の人気の要因となっている。
宝塚歌劇団の公演形式は宝塚大劇場・東京宝塚劇場で行われる本公演と、宝塚バウホールで行われるスタッフも含めた若手のための公演が主で、他の劇場(梅田芸術劇場など)での公演や全国ツアーも行っている。その中身はミュージカルとショーの2つに大別され、これらを組み合わせた2本立てで公演することが多い。
年末にはタカラヅカスペシャルが行われる。そこでは東京宝塚劇場での公演がない4つの組が勢揃いし、各組個性あるショーを披露する。その傍らでコントをやったりして全力ではっちゃける。昔はトップ同士の交換や男役の娘役挑戦というかなり思い切ったこともやっていた。
基本的にオリジナルの新作を毎年公演しているが、海外で上演されたミュージカル(例:ミー・アンド・マイガール、アーネスト・イン・ラブ、エリザベートなど)をやったり、漫画・ドラマなど原作付きの作品をやったりもする。人気があれば再演されることもある。特にベルサイユのばらは、宝塚歌劇団の名を日本中に知らしめた不朽の名作であり、今も再演される事が多い。
また、逆転裁判や戦国BASARAなどゲームを原作とした作品も作られ、逆転裁判に至っては3作上演された。2015年にはルパン三世が雪組公演で舞台化される(しかもトップコンビの宝塚大劇場お披露目公演である)。オリジナル作品ではノバ・ボサ・ノバや琥珀色の雨にぬれて、愛するには短すぎるなどの作品が人気である。
1本立てでやることもあれば、ショーの後半にやる芝居でやることもあるが、どちらの場合でも最後に少しだけショーと大階段を降りてくるパレード(スターが羽根を背負ってくる)をやって、観客たちへ挨拶をする。
日本舞踊をアレンジした日本物と、シャンソンやスパニッシュを用いた洋物(レビュー)がある。基本は洋物が主で、公演毎にきらびやかな衣装に身を包んだタカラジェンヌにより演出家のコンセプトやイメージが具現化された作品となっている。2本立ての場合、ショーは休憩後にやるが、日本物の場合は先にやっている。
本項ではタカラジェンヌからトップスター(トップ娘役も含む)になるまでの流れを説明する。なお、ここで挙げた流れはあくまで一例であり、必ずしもすべてのスターに当てはまるわけではない。
タカラジェンヌとなるには、宝塚大劇場にほど近い宝塚音楽学校で2年間日本舞踊やダンスなどの勉強をしなければならないが、入学試験は15歳~18歳までの4年間しか受けられないうえ、平均倍率は20倍前後という狭き門をくぐり抜ける必要がある。ここで男役になるか娘役になるかを決め、特別な事情がない限り同じ性別の役を退団まで演じる。芸名は2年生(本科生)のときに決める。つける芸名にはいろいろルールがあり、家族と考えたり、恩師や先輩から付けてもらったりするのが一般的。
カリキュラムには自衛隊伊丹駐屯地における基本動作の訓練もあるなど、まさに軍隊のような規律がが求められている。1年生(予科生)のうちは毎朝校舎の至る所をありとあらゆる手で掃除している姿が過去の映像に残っており、人に会ったら必ず挨拶する姿も印象に残っている。(近年は規則が多少緩くなったようであるが)
宝塚音楽学校での成績・卒業年度は宝塚歌劇団に入団してからも影響し、これにより序列される。が、トップスターは決して成績がいい人ばかりなるわけではない。
宝塚音楽学校を無事卒業し宝塚歌劇団に入団したら、まずは阪急電鉄との雇用契約を交わす。これは、入団6年目までは阪急電鉄の社員として扱われるためである。それ以降はタレント契約になる。その後稽古を積み、全員が初舞台へ出演。ここで代表して数名が口上を述べ、ショーの中で一糸乱れぬラインダンスを披露する。年によっては、班ごとに各組の公演を回ることもある。それから正式に各組へ配属される。配属後、一定期間を経てから「組替え」といって組を異動することもある。
将来性ある人の場合、俗に「路線」と言って新人公演(本公演の間に1日だけ、入団7年目以内のメンバーだけですべての役をこなす公演を行う)やバウホール公演で主演ないしヒロインを務める。本公演でも徐々にいい役・ソロでの歌唱など美味しい場面を与えられ、舞台以外の露出も増えていく。これがトップスターになる必須条件といってもいい。
一つの組で徐々に実績を積み上げてトップスターになるパターンもあれば、組替えにより昇格し、最終的にトップになる場合もあるなど決してトップスターへの道はパターン化されているわけではない。しかし、男役の場合概ね10年以上(場合によっては20年近く)、娘役でも3年程度は経験を積まないとトップスターにはなれない。ドラマ等でお馴染みの女優・天海祐希は、入団7年目にして涼風真世の跡を継ぎ月組のトップスターになったが、これはめちゃくちゃ早い記録である。
トップスターになったら、フィナーレで羽を背負うのだが、男役は20kgもある羽を背負い、最後にゆっくりと大階段を降りてくる。ちなみにこれは本物のダチョウの羽を使って作られたもの。宝塚代表のような形でテレビへの出演もするし、記者会見などにも出席したりするので大忙しである。そんなトップスターの任期はだいたい3年前後で、長くても5年程度である。短い時は1年もしないうちに、つまりたった1回の公演で退団するはめになったケースもある。
そして、トップスターが交代するとき、それまでのスターは専科への異動がなければ宝塚歌劇団を卒業、すなわち退団することになる。トップスターになる前に、結婚・定年(60歳の誕生日まで)などの理由で退団する人もいる。その時は各種セレモニー・千秋楽での退団スピーチが行われ、トップスターともなれば退団会見をマスコミがこぞって取り上げ、公演にはファンが大挙して押し寄せる。退団後は宝塚歌劇団に何らかの形で関わったり、女優やタレントとして芸能界で活躍したり、引退して主婦になったりと様々である。
花・月・雪・星・宙(そら)の5組からなる。それぞれ主演男役(トップスター)、主演娘役(トップ娘役)がおり、舞台はほぼすべて彼らを中心に作られる。また、各組には組長と副組長がおり、組のメンバー(組子と呼ばれる)の面倒を見る、いわば管理職である。そのため最上級生が就任することが多い。
これらの組とは別に専科という枠があり、専科のメンバーは組に属さず各組の舞台に必要に応じて出演する。一部例外はあるが高齢の役を演じるメンバーが多く、宝塚の舞台に無くてはならない存在である。専科生だけの公演もある。
なお、この組構成のメンバーは2014年11月23日現在のものである。
| 主演男役 | 主演娘役 | 組長 | 副組長 | |
| 花組 | 明日海りお | 花乃まりあ | 高翔みず希 | 紫峰七海 |
| 月組 | 龍真咲 | 愛希れいか | 飛鳥裕 | 憧花ゆりの |
| 雪組 | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 梨花ますみ | 奏乃はると |
| 星組 | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 万里柚美 | 美稀千種 |
| 宙組 | 凰稀かなめ | 実咲凜音 | 寿つかさ | 美風舞良 |
| 専科 | --- | --- | --- | --- |
・彩羽 真矢(元宙組男役)
・彩吹真央(元雪組男役)
・安蘭けい(元星組主演男役)
・凰稀かなめ(宙組主演男役)
・大空祐飛(元宙組主演男役)
・音月桂(元雪組主演男役)
・霧矢大夢(元月組主演男役)
・桐生園加(元月組男役)
・涼風真世(元月組主演男役)
・壮一帆(前雪組主演男役)
・千琴ひめか(現芸名はいだしょうこ、元星組娘役)
・轟悠(専科男役兼宝塚歌劇団理事)
・七帆ひかる(元宙組男役)
・北翔海莉(専科男役)
・真飛聖(元花組主演男役)
・真野すがた(元花組男役)
・未涼亜希(元雪組男役)
・水夏希(元雪組主演男役)
・大和悠河(元宙組主演男役)
・悠未ひろ(元宙組男役)
・柚希礼音(星組主演男役)
・蘭寿とむ(前花組主演男役)
・龍真咲(月組主演男役)
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最終更新:2025/12/10(水) 18:00
最終更新:2025/12/10(水) 17:00
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