小林よしのりとは (コバヤシヨシノリとは) [単語記事]

小林よしのりとは、日本の漫画家である。代表作「東大一直線」「おぼっちゃまくん」「ゴーマニズム宣言」

経歴

小林よしのり（本名は小林善範）1953年福岡生まれ。

週刊少年ジャンプでデビュー作「東大一直線」をヒットさせる、同期に友人で現在も親交のある秋元治「こち亀」がいる。東大一直線は当時の受験戦争・学歴社会をネタにしたギャグ漫画として、この時代を代表するギャグ漫画のひとつ。その後、ラブコメ全盛期に小ヒットはするが大ヒット作がなく苦しんだ（本人曰く「ギャグ漫画家は普通４年で才能を消耗して大概が消えるやくざな仕事」）そして月刊コロコロコミックで「おぼっちゃまくん」を大ヒットさせギャグ漫画家としては難しい２本の大ヒット作品を生み出した、特に東大一直線で70年代・おぼっちゃまくんで80年代90年代と違う時代でのヒットはギャグ漫画では珍しい。おぼっちゃまくんの主人公・御坊茶魔の「茶魔語」は子供達に大流行し社会現象にまでなった、アニメはＰＴＡの選ぶ「子供に見せたくない番組」で常に上位であった。1989年の第34回小学館漫画賞児童部門に選ばれるも授賞式で審査員に「絵は下手だし下品だし、私にはこの作品のどこが面白いのかわからない。来年以降は人気のみでなく、内容の善し悪しも審査基準に組み込みたい」と言われ直後のスピーチで「こんな下品な漫画に賞をくれた審査員の度胸に感謝します」と皮肉で返したエピソードがある。

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この頃、月刊宝島でエッセイ漫画「おこっちゃまくん」を連載していたが過激な内容を編集部が茶化すなどで本人のやる気がなくなっていたのに目をつけた雑誌ＳＰＡが「ウチでもやってくれないか」と執筆を依頼し「ゴーマニズム宣言」が連載される、日常の出来事で気になったことをタブーなく描くうちに色々な論争を巻き起こしている。

ゴーマニズム宣言にまつわる騒動

皇太子ご成婚の際にメディアの喧騒に疑問をもち雅子妃が運動家に取り込まれていたら、というギャグを書いたらＳＰＡに掲載を拒否され漫画誌ガロに持ち込みをした「カバ焼きの日」騒動（単行本には収録）

出版業界の自主規制に異議を唱え部落解放同盟と対談し議論を戦わせた結果『ゴーマニズム宣言・差別論スペシャル』を出版し部落差別の解消案を模索した。が、一部の内容が差別につながると部落解放同盟に削除を求められたが折れずに議論を重ね漫画の途中に作者と部落解放同盟の意見ページを入れての掲載となった。その後、部落差別解消以外の意見の違いから部落解放同盟を批判しているが部落差別には強く反対している。

坂本堤弁護士一家殺害事件でオウムを批判しオウムを擁護するテレビ・知識人・宗教学者を批判した為にオウムと訴訟される。しかしオウム側が出廷しなくなり裁判休止により実質勝訴するもVXガスによる暗殺を計画されていたことが警察捜査に発覚してニュースにもなった、この時ＳＰＡ編集部がオウム側についたため対立し結果ＳＡＰＩＯに移籍する事になる

薬害エイズ問題では患者である子供達と知り合った事から情が湧き「HIV訴訟を支える会」代表に就任、自身の影響力を活用し漫画だけでなくオウム問題で依頼されることも多かったテレビで宣伝・告知を努め大きなムーブメントにした結果、厚生省から謝罪・和解を引き出した。しかし左翼による学生の団体への取り込みを危惧し運動からの日常復帰を求めた（所謂14章問題）

14章問題は1996年当時のネットで大いに議論され１０年以上を経過した今でも検索するとその名残がある程。運動団体に疑問を持っていた読者はこの前後で日常への復帰を果たすが中には運動に生きがいを見つけてしまった読者もいたが容赦なく批判した。HIV訴訟を支える会からは一方的に解任・無視を決め込まれた、この経緯を情報公開し運動の功罪を「脱正義論」として総括した

エイズ問題の頃から運動家の戦争責任追及や従軍慰安婦問題は別の問題と諫めていたが、新聞紙上で従軍慰安婦問題が大きく取り上げられた際に朝日新聞と産経新聞で主張が真逆だった事に驚いた作者は興味を持ち、連載上で疑問を呈すと賛成・反対の膨大な反響があり事の重大さに気づく、生半可な気持ちで取り組むべきではない感じた作者は取材や資料調査を開始し歴史問題へ取り組むことになる。

その後、戦争論や新しい歴史教科書をつくる会で保守派と意見が一致する事が多かったが非人道的アフガン空爆や大義なきイラク戦争を批判し日本の歴史伝統より対米関係を優先する保守をポチ保守と皮肉った、また日本の高信用社会を崩壊させるとして金融ビッグバンの頃から市場主義に警鐘を鳴らし非正規雇用や貧困を是正するべきとの考え方ながら小泉改革に乗った層が不況になった途端、弱者救済と言い出すのは無責任な甘えと非難している。

小林よしのりの特徴として批判したりされたりしても議論さえ噛み合えば相手の主張を受け取って有意義な論者として交流が生まれることが多々ある、有名な西部邁との和解や思想以上に人格を信頼している宮崎哲弥、宮台真司ら

エッセイ漫画相手に似顔絵を批判する人間を笑っていたが論争相手が似顔絵や漫画を理由に批判しだしてからは論争時には似顔絵をやめ論壇誌に文章で書くなどで批判に対抗している。

おぼっちゃまくんのパチンコ化でＳＡＰＩＯ編集へ北朝鮮に魂を売った等の抗議電話がきた際にはメーカーの京楽産業が日本企業な事を述べた上で問題解決に北朝鮮への送金禁止に主張している。

14章問題時はネットを面白い動きと表現していたが近年の言いっ放し無責任な匿名（元々、新聞記者の匿名記事を批判していた）の言論には批判的である、しかしパール判事問題でネットの中島岳志批判のレベルの高さに感心したり沖縄問題では沖縄メディアの問題を扱ったブログ等、ネットでも評価するものは評価しているようである。