巨大生物(フォーリナー)とは、Xbox360専用ゲーム「地球防衛軍3」に登場する敵キャラクターである。
ここでは「黒蟻」「赤蟻」「蜘蛛」「女王」「ヴァラク」「四足要塞」「ガンシップ」「ヘクトル」「空母型円盤」「マザーシップ」について記述する。ガンシップなどは機械兵器であるが、フォーリーナー戦力であるため合わせて記載する。
ゲーム本編については→「地球防衛軍3」を参照とする。
PS2用ゲーム『THE 地球防衛軍』シリーズに登場する巨大生物については→「巨大甲殻虫」を参照とする。
なお以下の記載は次の書籍の情報に基づく。
「たたかえ、ぼくらのE・D・F!!!」
「EDFの戦い 2017年」
「サンダー! 結城隊員の軌跡」
巨大生物の概要
- 巨大生物とは
地獄の悪魔と呼ぶに相応しい人類の天敵である。外見は蟻や蜘蛛に酷似しているが、乗用車を越える大きさであり、強力な顎による噛みつきと強酸性の体液や粘着性の糸で攻撃し、そして人間を捕食する。さらに地中に巣穴を形成し、より巨大な個体である女王の産卵によって増殖する。巣穴からの出口が街中に出現することも珍しくなく、避難の遅れた大都市では市民に甚大な被害が出た。
これら生物兵器タイプの他に、ガンシップや二足歩行ロボットなど機械兵器タイプの敵も存在する。
陽動によって包囲するといった高度な戦術を用いる場合もあるが、猪突猛進の突撃が基本であり、その圧倒的な数をもって津波のように押し寄せる。移動速度は黒蟻で最高70~90km/hとEDF主力戦車に匹敵し、蜘蛛に至っては百メートル以上を一気に跳躍する。瓦礫が散乱する悪路でも踏破能力は損なわれず、ビルや崖などの垂直の壁を登れることから浸透力も極めて高い。
低高度では酸や糸の投射で戦闘ヘリですら撃墜されるため、航空兵力が壊滅して空爆が望めない状況では陸戦隊がゲリラ戦で迎え撃つしか方法がなく、各地のEDFは苦戦をしいられた。
詳細
- 黒蟻
2017年のファーストコンタクトで最初に確認された巨大生物。逃げ遅れた市民が食害という形で犠牲になったことからも有名で、フォーリナーの巨大生物と言えばこの「黒蟻」が挙げられる程である。
空に浮かぶ超未来的な造形の円盤に比べて蟻という見慣れた姿だったために、巨大生物とフォーリナーとの間にどのような因果関係があるのか、EDF内部でも議論が続いた。
「宇宙からの来訪者を歓迎しよう!」というのが当時の国際世論であり、人類が自らの歴史から突き付けられる「征服、略奪、虐殺」という恥ずべき経験則を、異星人に当てはめることは劣等感の証明であると非難する……それこそ罪悪感の反動と言うべき浮ついた風潮が蔓延していた。
とくにその設立に際して政治・民族・宗教といったあらゆる問題と衝突したEDFにおいては「好戦的意見は厳に慎むべき」という認識が上層部で広まっていた。
「あれは我々の船舶の底に付く貝と同じように、フォーリナーの宇宙船に寄生して来た異星生物である可能性が高く、フォーリナーが意図をもって出現させた……つまり彼らに攻撃の意思があったと早急に判断するのは危険である。あの宇宙船は爆弾一つ落としていない。不幸な事故ではあったが、これは我々の防疫体制の問題であり、巨大生物の駆除とフォーリナーとの意思疎通の確立を早急に実現しなければならない」
以上が国連安全保障理事会とEDFが連名で発表した声明である。
巨大生物がフォーリナーの先兵であると正式に認められるのは数日後、円盤から直接投下されているのが確認されてからであった。
(中略)
この巨大生物は、外見は極東に生息するクロオオアリ(Camponotus japonicus)に酷似しているが、回収された死骸を解剖した結果からは、我々がよく知る“小さな蟻”とは全く異なる生物であることが判明した。類似点として挙げられるのは酸素を呼吸し、水中では活動できず、水を嫌う性質のみである。
最も異なるのはその大きさであり、全長7メートル、全幅2メートル(脚を開くと5メートル)、全高は起立状態で4メートルに達する。
この巨体を支える外骨格である外皮は非常に硬く、かつ弾力性を備えており、小口径の拳銃ではダメージを与えられない。加えて軽量で、同量の強化プラスチックよりも耐久性に優れている(この事から、黒蟻と赤蟻の外皮はアーマーの素材として利用された)。
感覚器官では複眼が高度に発達しており、触覚や嗅覚よりも視覚によって外界を認識する。無論、視覚がメインであっても嗅覚は鋭敏であり、触覚は大気の微細な振動さえ察知することができる。
特筆すべきは、この生物が感覚器官のダメージコントロールに長けている点である。例えば音響閃光手榴弾が至近距離で起爆しても、伝達神経を一時的に遮断することで神経中枢を守り、同時に別の感覚器官が外環境に対応するという機能である。このため「触覚を切り落とす」「普通の蟻が嫌がるフェロモンを噴霧する」などといった手段で無力化することはできない。
移動については左右3対ずつの脚で歩行するが、筋肉と言うべき組織は存在しない。筋肉に代わって体を動かしているのは、全身の間接に存在するモーターセル(駆動細胞)である。モーターセルは間接の接合部分……パーツとパーツが接する部分に緩衝材のように挟まれており、一つの間接につき数千万個のモーターセルが存在している。有力な仮説としては、それら無数の微小組織が震動することによって身体を構成するパーツの連結状態を変化させ、脚を曲げて“歩く”という動作を行っていると考えられている。
このように全身で膨大な数となるモーターセルに比べて、それを制御する脳と思われる中枢神経は極めて小さい。最近の研究では各関節にあるモーターセルの集合体が脳の役割を果たしており、各部の脳は複数の神経網で結ばれ、中枢神経と思われる部分はハブ・ステーションに過ぎないと考えられている。このように複数の脳が連携して活動するメカニズムは完全には解明されてないが、この生物は中枢神経を物理的に取り除いても全く問題なく動き回る。
そうして動かされる6本の脚は先端に爪を持ち、急傾斜の壁を登る際には爪の付け根から、極微量だが充分に粘着性のある体液を分泌することで接着を可能としている。この粘着性の体液の成分構造は蜘蛛型巨大生物の糸と同様であり、蟻と蜘蛛という異なる巨大生物が非常に近い生物(または同様の生物兵器)であることを示している。
幸いなことに、この強靭な脚は歩行のみに使用されており、攻撃や捕獲は頭部先端の顎で行われる。左右に牙を生やした顎の力は尋常ではなく、戦車の複合装甲に穴を穿つほどであり、ファーストコンタクトにおける市民の食害事件は極めて凄惨な様相を呈した。
もう一つの攻撃手段が、強酸液の噴射である。
腹部の末端に無数の噴射口があり、中に赤色の強酸液が満ちたゼリー状の球体を、腹部を下向きに振り出す際の遠心力で投射する。この“強酸液の水風船“は噴射口を覆っている粘着性の膜を、内部から強酸液の圧力で膨らませ、一定量で噴射口を閉じて分離することで形成される。このゼリー状の球体は人体などに衝突すると簡単に弾けて強酸液を撒き散らすが、空気抵抗で割れることはなく、黒蟻の投射姿勢によっては数十メートル上空まで届くため、戦闘ヘリでも撃墜される恐れがある。
また対象物に合わせて強酸液は稀釈濃度が調節されるため、重装甲の戦車と言えども長くは耐えられない。
この強酸液を人間が生身で浴びた場合は重度の化学熱傷を負い、即死の可能性も高い。耐酸性のボディアーマーを着ていても、一部なら装甲脱落で事なきを得るが、全身に浴びれば致命傷は免れない。最新のアーマーはマイクロマシン塗装が施されているが、強酸液との反応を抑制・遅延するに過ぎず、完全に無害化するものではない。
一度に噴き出される強酸液の量は約500mlから最高で15000mlだが、驚くべきことにこの巨大生物が活動可能な状態で噴出できる体液の限界量は全重量の60%を越えると言われており、大群の場合、強酸液の枯渇や噴射行為が黒蟻の活動時間を縮めることは期待できない。逆に体液を排出することで軽量化し、俊敏性を増すことが確認されている。
(中略)
黒蟻は強酸液を噴出する際に腹部を大きく振り出すため、動きをよく観察し、並行に移動して避けることを心がけなければならない。
(中略)
「いかにすれば、この悪魔に迅速な死の鉄鎚を下せるか」
このテーマの答えを求めてEDFと各国の研究者は回収した死骸はもちろん、捕獲した個体を隅々まで調べ、あらゆる攻撃テストを行った。
しかし、分かったことは「弱点らしい弱点が存在しない」ということであった。人間で言うところの急所が無く、体液の半分を失っても身体活動に障害が現れず、たとえ頭部・胸部・腹部を切り離してもそれぞれが動き回る始末である。
この化物を殺すには集中攻撃か大火力でもって徹底的に粉砕するのが最も確実であり、その結果を前にして研究者の多くは口を揃えて「何者かに兵器としてデザインされたとしか考えられない」と語った。
- 赤蟻
黒蟻の亜種と考えられる巨大生物であり、黒蟻よりも一回り大きく、外皮の硬度や顎の力も黒蟻より優れる。当然、重量も黒蟻を上回るが、俊敏性は損なわれておらず、高い耐久力を活かして突撃の前衛として押し寄せる。
最たる特徴は活動時間の長さであり、死骸の解剖データから推測するに理論値で黒蟻の百数十倍に達する。反面、強酸液を噴出することはない。
赤色に見えるのは、黒蟻と同じ黒い外皮の上を、さらに透明の殻皮が覆う二重構造になっており、その隙間を埋めるグラス・ファイバー状の血管網を赤い体液が循環しているからである。これは体液の循環によって熱の蓄積を防ぐためと考えられ、レーザー照射テストでは黒蟻よりも25%ほど高い耐久値を示した。
これらの特徴から、地熱が高く過酷な環境となる地底深くでの巣を作る掘削作業に特化した巨大生物と考えられる。
酸や糸の投射攻撃がないことから個体レベルでの脅威度は低いが、大群になると耐久力の高さを活かして迎撃効率を著しく低下させ、さらに黒蟻や蜘蛛の盾となり、強力な顎で文字通り防衛線を噛みちぎって突破口を開く役割を担うため、決して油断してはならない。
また活動時間の長さから、退却する部隊や避難民を狙って執拗に追撃してくることでも有名である。
中国戦線では、北京を脱出してシベリア司令部に向かっていたEFD極東方面軍の残存部隊が1000キロ以上もの距離を進む間、赤蟻の群から絶え間ない追撃を受けた。止まることを許されない強行軍を強いられたことで大量の脱落者が発生し、中国政府と軍の首脳部を護衛していた本隊も振り切ることができずに全滅。途中の万里の長城における阻止作戦では城壁が喰い破られ、死守を命じられていた部隊は僅か数十分で壊滅したと言われる。
- 蜘蛛
そのあまりに醜悪な外見と極めて高い危険性から「凶蟲」と報じられた巨大生物である。
黒蟻や二足ロボットよりも遅れて出現したため、水平弾幕の形成を重視した初期の対巨大生物戦術では対応できない。一説には、人類の戦術を分析したフォーリナーが、地球の蜘蛛を参考に造った巨大生物ではないかと言われている。それ故か、蟻と蜘蛛という大きく異なる生物でありながらサイズはほぼ同じである。
外見は世界各地の温帯に生息するオオツチグモ科(Theraphosidae)に近く、4対の脚と1対の触肢、鎌状の牙を持つ。硬い体毛を有するが、地球の蜘蛛のように刺激毛として飛散させることはない。眼も地球の蜘蛛と異なって4つしかないが、肥大化しており、黒蟻以上に高度な視覚能力を有する。糸によって巣を作る習性は確認されていない。
移動については全くと言っていいほど歩かず、跳躍でもって進行する。その飛躍距離は巨体に反して長く、百メートル以上を一気に跳び越える。数メートルの近距離でさえ跳躍で移動するが、これは8本の脚が跳躍のみに特化した間接構造となっているためである。
運動器官における黒蟻との大きな差異としては、間接のモーターセルとは別に、脚の内部に筋肉が存在することである。むしろ脚はそれ自体が1つの筋肉組織と言うべきもので、接地旋回時には間接のモーターセルで無理矢理に脚を曲げている。
跳躍による3次元的な動きで接近し、着地時の衝撃を吸収してほとんど音を出さないために奇襲を受ける可能性が高く、その独特の攻撃手段もあって、中東方面軍の壊滅は蜘蛛の登場が原因と言われている。
岩石に覆われた荒野と見晴らしのよい砂漠という地理的条件、さらに軍事力と戦訓の豊富な国家が多い中東地域は、石油戦略によって欧米諸国から戦前以上の軍事的援助を取り付け、初戦では優勢を誇っていた。
問題はイスラエル、イラン、エジプト、サウジアラビアなど各国が政治的に対立しており、各国から戦力を抽出する形で結成されたEDF中東方面軍もその影響を受けていたことである。
各国は巨大生物を互いの国土に追い込むように戦い、とくにシナイ半島における包囲殲滅戦ではイスラエル軍がアラビア半島側へと巨大生物の群を押しやったことで、聖地絶対防衛を掲げていた他の中東諸国が激怒、EDFが仲裁に入ったものの、一時は人類同士が再び銃を向け合う事態に陥った。
その隙を突く形で、紅海と地中海に潜航していたフォーリナーの空母型円盤が浮上、シナイ半島に集結していた中東方面軍の後方に蜘蛛型巨大生物を投下したのである。跳躍を繰り返して阻止線を飛び越える蜘蛛の群に各国とEDFの連合軍は大混乱に陥り、狭めていた包囲網が仇となり、逆に包囲殲滅されることになった。
この時、イスラエル航空宇宙軍のAH-64Dを中核とするEDFの戦闘ヘリ部隊を壊滅させたのが、蜘蛛型巨大生物の攻撃手段である糸であった。
一般的にも蜘蛛の糸が強靭なバイオ・ファイバーであることは知られているが、この巨大生物の糸の強度は同じ太さの鋼鉄の10倍、伸縮率がナイロンの6倍と通常のそれを大きく凌ぎ、さらに黒蟻の強酸液と同様の威力を有している。
糸は一本一本が無数の穴の空いた管のような構造をしており、その中に強酸液が満ち、物体に付着すると強酸液が滲み出るようになっている。この直径1ミリに満たない極細の糸が腹部末端の出糸突起内で束ねられ、直径数センチの束糸となって噴き出される。一度の噴射で放射される束糸は十数本に及ぶため、数体の蜘蛛が同時に放射すると視界を覆うような糸の壁が形成される。
糸そのものの粘着性も高く、一本でも容易く全身に絡みつくため致命傷を負いやすい。糸の粘着性と強酸液によって機械的かつ物理的な損傷を負ってしまう戦闘ヘリは、とくに注意が必要である。
この巨大生物も人間を捕食するが、強酸液を満たしていない糸で捕獲する習性も確認されている。救助された者が皆無であり、撃墜した空母型円盤や地底の巣においても生存者や遺体が発見されていないことから、捕食以外で人間を捕獲する目的は不明である。
幸いなことに黒蟻や赤蟻に比べて耐久力は低く、充分な距離があれば着地の瞬間を狙うことで撃破は容易だと言われている。とくに4つの大きな目が脆弱で貫通しやすい。欧州戦線の北欧防衛戦では2人のスナイパーが合わせて1000体余りの巨大生物を撃破しているが、このうちの800キル以上が蜘蛛型巨大生物の目を狙撃したと言われている。
- 制作中。
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高難易度の縛りプレイでは巨大生物の恐ろしさを嫌と言うほど味わえる→「縛りプレイ(地球防衛軍3)」を参照。
もっとも、それを撃ち破るストーム1の方が恐ろしい。
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関連項目
- 地球防衛軍
- 地球防衛軍3
- 巨大生物
- 巨大甲殻虫
- 縛りプレイ(地球防衛軍3)
- 親衛隊タイムアタック
- 大きいねぇ!
外部リンク