放射性炭素年代測定(β線測定法) 単語

ホウシャセンタンソネンダイソクテイカッコベータセンソクテイホウカッコトジ

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  • 放射性炭素年代測定(β線測定法)とは、炭素の放射性同位体である炭素14(炭素の内の0.00000000012%を占め、原子核は6個の陽子と8個の中性子)の崩壊率から年代を推定することである。

放射性炭素年代測定(β線測定法)の概要

  • 動植物の生命活動によって作られた有機物を用いて、資料の年代を決定する。主な対象資料は、木片、木炭、骨、歯、貝殻、泥炭、土壌などである。資料は炭素の質量に対して約1~10g、約3~4万年前まで測定可能。

原理

  • 大気上層部では、宇宙線が大気成分と反応してできた中性子が窒素原子に衝突して、放射性炭素のC14を常に精製している。C14は約5730年の半減期で崩壊するので、大気中の二酸化炭素のC14濃度はほぼ一定となる。その結果、二酸化炭素を光合成によって取り込む植物や、これと食物連鎖でつながる動物のC14濃度、さらに大気に接して均衡状態にある海水・湖沼中の動植物のC14濃度は一定になる。これらの動植物が生命活動を停止すると、C14の新たな取り込みはなくなるので、存命中に取り込まれた一定濃度のC14が決まった割合で減少し、それは約5730年で濃度が半分になる。C14原子1個が崩壊するとき、1個の電子を放出するのでこれをβ線として測定できる(崩壊後はN14とβ線)。
    1gの現代炭素は1分間に約13.8個のβ線を放出し、1万年まえの資料では約4.1個放出する。このβの数を測定すれば資料の死亡年代が決定する。

装置

  • 低レベルβ測定装置を用いる。資料を科学的に処理し、二酸化炭素やアセチレンの形にして、内容積1~3ℓのガス比例計数管を使用して1昼夜以上時継続して測定する。通常、宇宙線や自然放射線の妨害を防ぐ遮蔽と反時計数装置を用い、バックグラウンドを減少させる必要がある。また、アセチレンからベンゼンを合成して液体シンチレーションカウンターでβ線を測定する方法もある。

C14年代の表記表

  • 現在最も信頼できるC14の半減期は5570±40年であるが、国際的な取り決めにしたがい、半減期5570±30年を用いて計算した1950年からの逆算年代を、~年B.P.(Before Physics)で表す。

C14年代と暦年代

  • 年代決定の元になるC14濃度は、宇宙線の強度が変化するため厳密に見ると一定ではない。木や湖沼堆積物の年輪構造を用いて、約1万年前までの実際のC14濃度を求めて、測定により得られたC14年代を暦年代に補正する方法が提案されている。これによると、9000年B.P.の資料は暦年代約1万年前ということになる。

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最終更新:2025/12/16(火) 21:00

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