新年おめでとう。今年こそ裏切り者は殺す。とは (シンネンオメデトウコトシコソウラギリモノハコロスとは) [単語記事]

「新年おめでとう。今年こそ裏切り者は殺す。」――これは、デストロン大幹部・ヨロイ元帥からの新年のごあいさつである。

おっ、あったあった！概要にきてるぞ！

この名（迷）台詞が登場したのは、『仮面ライダーV3』第47話「待ち伏せ！デストロン首領!!」の、立花スポーツ店でのシーンである。

前話・第46話「ライダーマンよどこへゆく？」では、ヨロイ元帥の宿敵であるライダーマン＝結城丈二が少年ライダー隊に正式加入。そのため、彼が潜伏する立花スポーツ店にヨロイ元帥が予告状を送る――という筋書きになっていた。

しかし本エピソードは1974年（昭和49年）最初の放送、すなわち「お正月回」にあたる。その影響なのか、なんと予告状の形式が**年賀状**だったのである。

本来は敵幹部からの挑戦状という、緊迫したシーンのはずが、年賀状という形式が妙なギャップを生み出し、加えて文面の「新年おめでとう。今年こそ裏切り者は殺す。」という絶妙な言い回しが笑いを誘った。結果として、視聴者の間で“シリアスなのに笑える”として語り継がれる迷シーンとなった。

あまりのインパクトから、この年賀状シーンは後年にもたびたび再現されている。たとえばアーケードゲーム『仮面ライダーブットバソウル』の2018年（平成30年）正月イベントでは、ヨロイ元帥の登場演出として**あの年賀状の再現シーン**が採用された。

このことから、ヨロイ元帥の「年賀状事件」は、彼の無様な最期や結城丈二への濡れ衣と並び、**公式が認める代表的エピソード**となったと考えられる。

また、『トリビアの泉』や『アメトーーク！』といったバラエティ番組でも、V3屈指の迷場面としてたびたび紹介されており、仮面ライダーファン以外にも広く知られる名（迷）シーンとなっている。