浄土真宗とは、日本の仏教の宗派の一つである。浄土真宗は明治以降の呼び名で、それまでは一向宗、門徒宗と呼ばれていた。
概要
親鸞の教えをもとにした浄土教の一つで、阿弥陀如来の本願力を信じることで往生するという絶対他力の立場をとる。
経典は観無量寿経、無量寿経、阿弥陀経(浄土三部経)。
親鸞の死後、彼が布教した関東の門徒と、親鸞の血縁で親鸞の廟堂を管理する一派に分かれていた。この廟堂は覚如によって本願寺という寺院とされ、関東の門徒の反発を招き彼らと本願寺教団が分かれることになった。
本願寺を中心とした教団は本願寺8世蓮如の布教活動により教勢を大きく拡大する。このころから門徒が各地で一向一揆を起こして大名と対立するようになり、とくに織田信長とは10年におよぶ石山合戦を行った。このとき和睦を受け入れるかしないかで教団内は大きく意見が分かれる。その後東西の二つの本願寺が建てられ教徒も二つに分裂した。
教義いろいろ
浄土真宗にはいろいろな教義があるが、中にはあまり知られていない教義もある。
- 弥陀一仏信仰
浄土真宗では阿弥陀如来のみが信仰対象であり、その他の仏は信仰対象にはならない(釈迦如来は阿弥陀仏を荘厳することで一緒に祀ったことになると解釈している)。そのためお墓にも水子地蔵や観音像も建てることはない。神社などへのお参りも否定しているほうであるが、排他させる教えではないので参拝は自由。
- 現来世利益・迷信の否定
この世に命を与えられて今日まで生かされていることを重んじる宗派なので、現世利益や功徳を積む行為については否定し、浄土真宗の阿弥陀仏へ何か祈願するような事も一切行わない。よって勤行も供養や御利益ではなく阿弥陀仏への報恩感謝のために行うものとしている。また心霊現象や恵方などのオカルト関連も否定。
- 亡き人はすなわち仏となる
浄土真宗には霊概念が一切存在せず、亡くなると即座に成仏するシステムとなっている。そのためまず熨斗に「御霊前」と書くのはタブーであり「御佛前」と書くのが浄土真宗での葬儀におけるマナー。葬儀でも亡くなったことを機に仏の教えをいただく場としているため、清め塩なども個人を卑しめる行為として行わない。位牌については本来的に仏教とも関係がないため通常の位牌は用意せず(用意することもある/高田派や一部地域をのぞく)、代わりに法名軸や過去帳に法名・死亡日・行年を記入する。
またお墓には「○○家之墓」の文字より「南無阿弥陀佛」または「倶會一処」という表書きを入れるようにする。
- 法名について
法名については死後に戴くイメージが強いが、本来は阿弥陀仏の弟子として教えに帰依することを誓う意味合いから帰敬式(ききょうしき)という儀式にて与えられる。僧侶は得度式で付与。男性は「釋○○」、女性は「釋尼○○」といい、本山や寺院などに貢献した場合にはお礼として院号が追加される。
- 飲み物のお供えはしない
功徳のお浄土の世界に「八功徳水」という水がある。これは読んで字のごとく8つの功徳が秘められた水であり「これがあるから飲み物のお供えは必要ない」と考えているため、お水やお酒などの飲み物類はお供えしない。
僧
- 親鸞(1173年 - 1262年) - 開祖。
- 蓮如(1415年 - 1499年) - 本願寺第8世。中興の祖。
- 顕如(1543年 - 1592年) - 石山合戦など一向一揆を指揮。
寺
- 西本願寺 - 浄土真宗本願寺派総本山。正式名称は本願寺。京都府京都市下京区
- 東本願寺 - 真宗大谷派総本山。正式名称は真宗本廟。京都府京都市下京区
- 佛光寺 - 真宗佛光寺派総本山。京都府京都市下京区
- 専修寺 - 真宗高田派総本山。三重県津市、本寺:栃木県芳賀郡二宮町
- 興正寺 - 真宗興正派総本山。京都府京都市下京区
- 錦織寺 - 真宗木辺派総本山。滋賀県野洲市木部
- 東本願寺(台東区) - 浄土真宗東本願寺派総本山。東京都台東区西浅草
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