節丸裕一(せつまる ゆういち)とは、主にスポーツ実況を手掛けるフリーアナウンサーである。ニックネームはゆうちゃん(本人公認)。
1971年1月15日生まれ、埼玉県川口市出身。
埼玉県立浦和西高等学校を経て一浪の末、早稲田大学政治経済学部へ入学、アナウンス研究会に加入した。一学年上にはTBSの初田啓介(現役入学でゆうちゃんと同級)、同期にはNHKを経てTBSの土井敏之(ゆうちゃんと同じ一浪)、文化放送の松島茂、九州朝日放送を経てフリーの加藤暁(ともに現役入学)など、スポーツアナウンサーが多かった。アナウンサーに憧れつつもバイトに没頭するあまり、アナ研の練習もサボってしまうダメ部員だった時期もあるとのこと。
卒業後、1994年から1998年までの5年間、味の素で主に営業職としてサラリーマン生活を続けていたが、 同期メンバーの活躍を見ているうちにスポーツへの想いが断ち難くなり、1999年にフリーアナウンサーに転身。一般企業の営業マンからスポーツアナへの転身という、異色の経歴を持つ。
アルバイト同然で飛び込んだ世界で研鑽を重ね、高校野球の地方大会、プロ野球、MLBの実況などで実績を積み、現在はBS民放やJ SPORTSなどのCS放送で実況を担当。ワールドベースボールクラシックでは、J SPORTS放送分の実況アナウンサーとして活躍。第1回(2006年)では決勝戦など8試合、第2回(2009年)でも準決勝など、第3回(2013年)でも計7試合で実況を担当した。またフジテレビONEの「プロ野球ニュース」でも、試合結果を伝えるアナウンサー及びナレーターとしてレギュラー出演している。
自ら「年中&日夜、野球漬けの野球好き」と称する程だが、野球のみならず、サッカーやバスケットボール、バレーボール、スピードスケートなど、数多くの種目の実況を手掛けている。
またスポーツライターとして、2011年春には初の著作「最強世代1988 田中将大、斎藤佑樹、坂本勇人、前田健太・・・11人の告白」(講談社刊)を上梓している。なお、奇しくも同書の発売日は3月10日で、東日本大震災の発生前日であった。
さらに奇しくも震災を前後して、野球を通じた競技振興と社会貢献を図るNPO法人「野球大好き」を設立。自ら理事長となり、被災地支援や海外への中古用具提供など、さまざまなプロジェクトを手掛けている。
子煩悩な3児のパパという一面を持つ。身長162cmながら体重が75kgと恰幅が良く、学生時代には「豆タンク」と呼ばれていたこともある。だが一方で見かけによらず、アルコールを全く受け付けない体質で、実況中にはコーラを愛飲している。
ニコニコ生放送では、プロ野球チャンネル・横浜DeNAベイスターズ主催試合(映像はTBS・横浜DeNA制作の共同映像、音声はニコニコ制作)で実況を担当している。同枠では「イッシ」こと石原敬士、「ギョニキ」こと加藤暁と共に人気を集める実況アナウンサーの一人である。
前述のようにギョニキとは大学の同期で、ただならぬ友情で結ばれている。最近はTwitter上で、頭髪の自虐合戦を交えた漫才をいちゃいちゃと繰り広げるのがトレンドである。この一連のゆうちゃんの頭髪ネタは「プロ野球ニュース」でもコンビを組んでいる野球解説者の高木豊とも繰り広げており、球場やフジテレビで顔を合わせる度に、ゆうちゃんは「(前からのショットなら)僕の方が毛量豊富に見える」、豊さんは「後ろを向けば俺の勝ち」などとやり合っているそうである。傍目から見れば「不毛な薄毛自慢」ではあるが。更には普段から「絶対服従」と言ってはばからない「三木P」ことJ SPORTSの三木慎太郎プロデューサー(2012年から3年間、DeNA映像事業部へ出向し「ダグアウトの向こう」の制作などを手掛けた)からも格好のネタにされている。
DeNA枠では2012年シーズンの放送開始以来、実況ブースにはコメント閲覧モニターが設置されていなかったが、2013年5月14日の対楽天戦(横浜)からコメントモニターが設置され、閲覧が可能となった。
ゆうちゃんは翌15日の実況を担当。8回裏開始前、マウンドでは楽天の6番手、ダレル・ラズナーが投球練習を開始した。視聴者達はいつものように楽天枠のテンプレ「ラズにゃん[1] 」を再三連呼。すると、ゆうちゃんはイニング開始第一声で、半笑い気味にこう発した。
「マウンド上には、ラズにゃんではありません、ラズナーが上がっています」
・・・当初、コメントモニターが新設された事に関しては、運営から視聴者へは全く知らされておらず、ゆうちゃんのよもやの発言に草が生えたのは言うまでも無い。
2012年のDeNA枠開始以来、ニコでは主に「セッツ」のニックネームで親しまれていたゆうちゃんだが、2013年7月4日・対ヤクルト戦(横浜)の5回裏二死無走者、ある視聴者の「今日の実況は誰ですか?」とのコメントを拾い「節丸裕一の実況でお届けしています」と改めて自己紹介。この間、他の視聴者からは「節丸さん」「セッツやで」と質問に対するコメ返しが多数寄せられた。
その中に一人、悪乗りしたある視聴者が「裕ちゃんです」と書き込んだのをついつい見つけてしまったゆうちゃんは、やや半笑い気味に少しだけ寂しそうな口調で
「『ゆうちゃん』と呼ばれた事はありません・・・」
・・・と、ボソッと呟いたところ、視聴者から「ゆうちゃん」コメが殺到。これをきっかけにニックネーム「ゆうちゃん」が定着した。故に本人公認というよりもむしろ、自ら名乗ったニックネームだったりする。
なお同日の放送後、ゆうちゃんは自身のブログでこの件に関し、
「やっぱり書き込みが見れるのは面白い!! 歳に不相応だとは思いましたが、沢山『ゆうちゃん』と書いてもらって、 ありがとうございました」
と感謝の弁を述べている。
前掲のように、スポーツ実況や社会貢献活動などで実績を残しているゆうちゃんだが、ニコ生DeNA枠では放送中に思わず爆笑してしまうハプニングを過去に2度やらかしている。ギョニキによると「笑いだすと止まらなくなる」(本人Twitterより)ほどのゲラなのだとか。
蛇足だが、ゆうちゃんがゲラに陥った過去2試合は、いずれもDeNAが勝利している。
2013年9月4日・対阪神戦(横浜)の5回裏、打席にはこの回先頭の中村紀洋。カウント1-2となったところで、この日先発メンバーを外れたトニ・ブランコの状態を案じるコメントを拾ったゆうちゃんは「試合前の練習の時に、やはり状態があまり良くないという事で、病院に・・・行ったんです・・・」と説明。ところがその直後、ゆうちゃんは約45秒間にわたる謎の沈黙を保った。視聴者からはこの“空白の45秒”の間「病院に行って、ほんで?」などと病院での診断結果を問いただすコメントや、突然の沈黙に「実況が消えた」「おーい、ゆうちゃん?」と不審がるコメントが次々と寄せられた。
そうこうしている間に1球ファウルを挟み、ノリはこの日猛打賞となる3本目の左前安打を放った。痛烈な低いライナーが三遊間を破り、左翼を守るマット・マートンの正面へゴロで達するや否や、ゆうちゃんは突如、断末魔の如く低い声で沈黙を破り・・・
「ヴヴヴwwwwナカムラヒットwwwwwwサンアンダwwwwww
いやぁ失礼しましたwww中村3安打wwwフフフwww
いやぁすいませんwww『実況が消えた』とかwwwたくさんwww書かれてますがwww」
と、時折裏声を交えて大爆笑しはじめた。
ゆうちゃんによれば、運営が次のイニング間に合わせて用意していた他球場の途中経過の原稿が、折からの風で全部飛ばされてしまい、実況ブース前方を這いつくばって拾い集めに行く様子を、ゆうちゃんは必死に笑いをこらえながら見つめていたらしい(「病院に・・・行ったんです・・・」の直後には、紙が舞い飛ぶような「パラパラパラ・・・」というノイズが、そして「ヴヴヴwwww」の直前には、笑いをこらえるような息遣いが微かに聴き取れる)。
どうにか復活したゆうちゃんは「こういうところで笑ってしまうのはプロじゃないですねぇ」「もう『ニコニコ』どころか『ゲラゲラ』になってしまいました。大変失礼しました」と反省しきりであった。
DeNAはこの回「サンアンダwwwwww」のノリの三盗(塁上でリードを取っていた二走・ノリに対し捕手・藤井彰人の二塁への牽制が悪送球となる間、帰塁せずにそのまま三進し盗塁が記録されたもの)などで好機を拡大し、金城龍彦の適時打で1点を追加。試合は8-4でDeNAが快勝した。
翌5日・対阪神戦(横浜)の実況担当は、ゆうちゃんの盟友・ギョニキ。放送前に運営から前日の状況を説明されたギョニキは当然大ウケで、早速Twitterで当時の状況を写真入りで説明した。
蛇足だが、ゆうちゃんはこの日がDeNA枠・2013年シーズンの御用納めとなり、以後登板が無かった。
そのため処遇が心配されたものの、2014年2月10日、自身のTwitterでリスナーからニコDe続投の有無について問われたのに対し「今年は笑いすぎないように気をつけます!!」と高らかに(?)続投を宣言した。
ヴヴヴwwwセツマルゾクトウwwwwwwサンネンメwwwwww
かくして2014年の公式戦初登板となった4月11日の対ヤクルト戦(横浜)では、奇しくもあの日「病院に行った」ブランコが、2回裏に左前安打を放った際に左大腿部裏側を痛め、3回表の守備から途中交代するアクシデントが発生した。
ブランコの容態が気になるところ、その後のイニング間には相次いで「ブランコは『病院に・・・行ったんです・・・』」など、当時のゆうちゃんをいじるコメントが寄せられたのに対し、ゆうちゃんは「情けない実況」と自戒を込めつつ、前年の失態を詫びていた。
ところがその舌の根も乾く間もなく、ゆうちゃんはまたも痛恨のゲラを犯してしまう。
翌4月12日の対ヤクルト戦(横浜)の9回表、DeNA先発・井納翔一が完投を目指しマウンドに上がった。その後映像はイニング間のインターバルとなるや否や、何故かスタンドで観戦するカップル2組が殊更に強調された映像が映し出された。それに対しリスナーは「リア充爆発しろ」「爆発」「爆ぜろ」「なぜ映した」さらには「後ろカップルより前カップルのほうがうらやましかった」などと、ニコ生野球中継枠特有の嫉妬心溢れる悪態をついたコメントを次々と連発した。カップルの映像が出た際にはもはやテンプレの流れではあるが、それまで平然と守備の変更などを伝えていたゆうちゃんは、突如鼻で笑い始め・・・
「9回のマウンドには、井納が上がっています・・・www
いやぁ皆さんはね、さっきのあの~・・・フフフwww
画面に映ったカップルに反応wwwっていうところですよね~www
何ていうwwwかwwwいやぁwwwwwまたwwwww私wwwww
・・・・・・・wwwwww
いやぁすいませんwwwwwwwwwコメントは見ない方がいいですねぇwwwwwww
イヤァコメントホホォッwwwwオカシスギルwwww」
と、何とか押しとどめてきた笑いを遂に制御できなくなり、最終的に大爆笑状態に陥った。
結局「野球に集中して、ちょっと私コメント見ないことにしましょうwww」と宣言し、その後はなんとか持ち直した。しかし当日はニコニコの外でも「放送事故再び」などと、ちょっとした話題のタネになってしまったのは言うまでもあるまい。
試合はこの回、井納がバレンティンに5号2点本塁打を喫するも1点差を守り切って見事完投し、5-4でDeNAが逃げ切った。
こうして過去2度演じてしまったゲラを経て、ゆうちゃんは「生主風実況」に開眼。某浜松町方面のAM局の如く「はっきりいってベイスターズびいき」というキャッチフレーズを旗印に、DeNAの肩入れ実況に傾倒し始めた。その過程で始めたネタの一つが、球場のガヤに合わせてチャンステーマなどを高らかに(?)唄い上げる「歌う実況」である。
2014年8月29・30日の対巨人戦(横浜)を担当した際には、初日の試合前、同じ川口出身の巨人・斉藤雅樹投手コーチに挨拶を兼ねて取材した際、わざわざ「今日は『読売倒せ!』って唄わせてもらいます」と筋を通したそうだが、いろんな意味でいぶかしがられたそうである。また同年シーズンの最終担当となった9月9日の対東京ヤクルト戦(横浜)は投手戦の展開に。結局DeNAは久保康友が自身4年ぶりの完封をマークし、3-0でロースコアを制したものの、試合中にはチャンステーマが全く演奏されなかったため、ゆうちゃんは「チャンテ唄いたかった・・・」と何故か悔しそうにしていた。
2015年シーズン、ニコ生公式戦中継の仕事始めとなった4月3日からの対東京ヤクルト3連戦(横浜)。初戦と2戦目は落としたが、4月5日の3戦目は8回を終えて2-1とDeNAがリード。9回のマウンドにはルーキー・山崎康晃が向かい、場内には彼の出囃子・ZOMBIE NATION「Kernkraft 400(Woah oh oh)」が流れ出した。
すると・・・
「オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw
オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw
オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw
オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw
さあ皆さんも一緒にwwww
オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw
オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw
オオオオオwwオオオオオオオオwwwオwオオwオw」
・・・と唐突に曲に合わせ、ノリノリでスキャットに興じ始めたゆうちゃん。当然の如くコメは大草原となった。
試合はそのまま2-1でDeNAが逃げ切り勝ち。ゲラゲラ試合では3年越しの3連勝が続いている。
蛇足ではあるが、同年オリックスに移籍したブランコは古傷の左膝の炎症を悪化させ、登録抹消中。翌週から横浜市内の病院へ検査入院することになっていた。ここまでくると、ゆうちゃんはブランコと何か縁でもあるのではなかろうかと勘繰りたくなる。
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最終更新:2025/12/21(日) 07:00
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