経済学 単語


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ケイザイガク

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経済学とは、社会科学の学問領域において経済的事象を取り扱う学問である。

経済学の概要

次の領域を取り扱っていれば、往々にして経済学である。

  • モノ
  • カネ
  • サービス
  • 生産
  • 流通
  • 分配
  • 消費
に関する
  • 理論的
  • 実証的
  • 歴史的
  • 思想的
  • 制度的
研究

学問としての経済学の特徴

経済学とは、あらゆる経済的な事象を取り扱う学問である。
が、細かい定義付けについては、時代や論者によって異なる。
それは経済学が次のような特徴を持つためである。

超ざっくりな前提

そもそも、経済とは何なのか?
Economics(経済学)の語源を探ると、ギリシャ語の「οικος(オイコス)」と「νομος(ノモス)」の合成名詞であり、その意味は「家庭・共同体における財産のやりくりの方法」となっている。
この中で、注目すべきは「財産」という単語である。
財産は何もお金や土地だけではない。家や食べ物、あなたが今手に持っているマウスでさえ財である。また、人間も広義の財である。「人材(財)」という言葉があるとおり、人は新たな財産を生み出すための財である。
つまり語源的には、そこに財産、つまり人・モノ・金が関わっていれば、全て経済学であると言える。 

揺らぐ「価値」の価値

しかし、財産というものの価値は、時代や場所、個人の主観によって大きく異なる。
例えば、100年前の100円と今の100円は、額面は一緒であっても、それと交換できるモノの質・量は異なるし、貨幣経済が崩壊しているジンバブエのような国で、1000万ジンバブエ・ドル札は尻拭き紙ほどの価値も持たない。また、あなたにとってのニコニコ動画というサービス(広義の意味での財)の価値は、あなたの友人が感じる価値とは違うであろう。
このように、人・モノ・金の価値を考察する際には、社会学的・哲学的・思想的な判断が求められ、それに応じて価値が論ぜられる。
もっぱら経済学においては経済思想史という分野があるほど、価値に対する考え方は百家争鳴の様を呈している。

経済学は疑似科学?

財というものは数えることができ、統計・計量的な分析が可能である。そのため、数学を用いたモデルの作成や、それに基づく理論の構築がなされる。
しかし、自然科学と比較すると、実際には先述のような価値をめぐる主観的な思想の対立があったり、反証性が相対的(自然科学といえども完全な反証はは不可能であるため)に小さかったりする。
そのため経済学を始め社会科学は全般的に「疑似科学」として揶揄される事もある。 

人騒がせな学問

この近代(あるいは現代)という時代において、我々が豊かな生活を享受している背景には経済学の存在が大きく影響している。
近代の時代の幕開けには重商主義・重農主義や古典派経済学の理論を後ろ盾とした国家運営があり、また一方では多くの市民に絶大な影響を与えたマルクス経済学があった。
第二次世界大戦後はケインズ経済学に基づく経済への国家介入、それが立ち回らなくなると新古典派による行政の縮小が注目を集めた。
このように経済学は、良い意味でも悪い意味でも、社会に影響を与え続ける人騒がせな学問である。 

ミクロ経済学

経済を構成する最小単位である消費者と生産者、そしてそれらが経済的な取引を行う市場をその分析対象とし、世の中に存在する限られた資源の配分について研究する経済学である。経済を構成する最小単位を研究対象とするため、ミクロ経済学と呼ばれる。

つまり、経済を構成する最小単位、1:1の取引を起点として、何をどのように作りどのように分配しどのよう使用するのかという市場の機能、経済の原理を取り扱うのがミクロ経済学である。

マクロ経済学

GDPや失業率や市場金利などの統計を指標とし、適切な経済指標とは何か、望ましい経済政策とは何かという考察を行う。主な対象としては国民所得・失業率・インフレーション・投資・貿易収支などの集計量がある。経済全体の動向および人間が直接観察できる対象を主要な研究対象とするためマクロ経済学と呼ばれる。

つまり、経済全体の需要と供給の循環や資源の動員などを取り扱うのがマクロ経済学であり、世間一般の経済政策などは大抵の場合マクロ経済学が取り扱う分野となる。

ミクロ経済学とマクロ経済学

ミクロ経済学は経済を構成する最小単位、1:1の取引を起点として、経済を下から上を、原理から結果を推測する学問である。

対してマクロ経済学は指標などを起点とし、経済を上から下を、経済全体の結果である統計から経済全体で平均的に何が起きているのかを推測する学問である。

ミクロ経済学は、実際の経済活動(取引)から、原理を抽出する際、原理の複雑性を廃するため主要でない部分を切り捨てを行なっている。しかし、複雑で巨大な経済活動において、切り捨てられた要因が積み重なることにより、当初想定もしていなかった巨大な問題を引き起こすことがある。
それら原理と現実の乖離という問題を補完するため経済を全体から巨視的に研究するマクロ経済学が必要とされる。

対してマクロ経済学では、現在経済で何が起こっているかを知ることができても、何故そのようになっているのかを知ることが難しい。そこで経済を構成する最小単位から経済の内面的構造などを計り知るためにミクロ経済学が必要とされる。ここら辺仏教における上座部と大乗の対立に似てなくもないような…。

つまり、マクロ経済学による確認の取れないミクロ経済学は理論先行に陥りやすく、ミクロ経済学の原理のないマクロ経済学は場当たり的その場凌ぎに陥りやすいので、両方重要ということになる。

経済学の歴史

この動画で概ね分かる。

経済学内の分野

  • ミクロ経済学
  • マクロ経済学
  • 計量経済学
  • 行動経済学
  • 実験経済学

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