自転車は、人間の力だけで移動することのできる最速の乗り物である。ペダルを踏み込む力を回転に変換することで、荷物を満載した状態で、初心者でも一日50km、経験者では200km前後もの距離を走破することができるのである。もちろん峠などの坂道では大きくスピードダウンすることになるが、それでも実際は、歩くよりも早く走ることができる。しかも、テントや調理器具等を積んでである。
また荷物を持たず、高速走行用のロードレーサーを使用すれば、一日で太平洋岸から日本海側、それどころか東京から大阪までの500kmあまりを一日で走破することも可能である(実行した方がいる。参考リンク)。
上記のように人によって解釈は様々であろうが、ニコニコにおける自転車旅行は、自転車で走ることよりも自転車での観光を目的とするイメージがあるかもしれない。ミク日本一周の人が各地の聖地巡礼も目的としているのが好例である。
日帰りで行けるところまで行ってみる。帰りは真っ暗になっているでしょうが、自転車が思いのほか行動半径の広い乗り物であることがわかるでしょう。ママチャリでさえ、一時間に10kmほどの距離を稼ぐことができるのです。ということは、一日十時間走れば東京から小田原あたり。スポーツ用の自転車ならば、もっと距離を稼ぐこともできます。
おすすめなのは、自宅から、近くの都会に出かけてみることです。例えば関東近郊の住宅地から東京、大阪と神戸をそれぞれ、地方の中心都市に行ってみるなど。だいたい、どれくらい走れるか、疲れるかが分かります。
それでは、長期間のサイクリングのコースについて考察してみます。
テント泊か宿をとるかによって変わってきます。宿の場合は当然、町から町への移動となります。テントの場合、公園や道の駅など、多少郊外に露営することが多々ありますから、途中で食料などを補給しなければなりません。町中での露営は避けたほうが賢明です。通報されます。
平地では快走できる自転車も、上り坂には無力な乗り物です。ときには最短距離の峠を上らず、平地を迂回したほうが早いことがあります。
だからといって、峠道を避けてしまうのは、自転車の楽しみを半減させてしまうというものです。ぜひ、できるだけ高い場所を目指してみましょう!自分の足で上った乗鞍や志賀高原は、いっそう美しく見えてくるでしょう。
各地の道路最高地点と標高
川沿いには多くサイクリングロードがあります。ですが内実はピンからキリまで、なかには完全に遊歩道と化しているものもあります。もし当たりならば、信号もなく大きく距離を稼げるところですが、地図に載っているサイクリングロードは、期待半分で行ってみましょう。
海岸線もまた、地形に大きく左右されるところです。地図を見て直線なら平地とわかりますが、ギザギザのリアス式海岸だったら大変です。岬の一つ一つを、稜線まで上って下りてを繰り返さなければなりません。ですが景色の美しさは、どちらも甲乙付けがたいのも事実です。夏の旅行は、水着を持っていくとひと夏のアバンチュールがあるかもだなんて。
海岸線をどちら向きに走るか、という問題があります。これには既に多くの人の間で一致した回答がありまして、日本国内においては時計回りに走るべきです。例えば千葉県では銚子→勝浦→鴨川→富津→千葉といった具合。なぜならこの向きで走れば、つねに自身の左側に海があることになるからなのです。もちろん右側通行の国へ行けば、逆方向に走ったほうが潮風を満喫できることになります。
参考までに、日本国内を想定した機材について記す。
最初に書いておくのは、
ママチャリは構わないが、マウンテンバイクもどきは絶対に買ってはいけないということである。
よくあるシボレーやジャガーの自転車、ホームセンターでマウンテンバイクとして売っている1万や2万の自転車は、見掛けだけの、非常に粗雑な作りなので、使用は家と駅との往復程度に留めましょう。
最低、自転車本体への出費に五万円は覚悟すること。また、ママチャリで旅行する場合も、イオンやホームセンターではなく、信頼できる自転車店で購入したものを使用すること。
というわけで、日本一周のような用途には、MTB(マウンテンバイク)かランドナーが向いている。ランドナーについては当該項目参照。
マウンテンバイクとは、本来登山道のような土の上を走るために作られた自転車である。そのため非常に頑丈で、多くの荷物を積むことにも耐える。サスペンションも付いており、乗り心地もよい(と一般には思われている)。
その代わり犠牲となるのは、人間の力を動力に変える効率である。特にサスペンションは上下動により、効率を著しく落とす。もしMTBを選ぶなら、サスペンションは最悪、前だけについているものにしたほうが無難である。そもそも、後ろにサスペンションが付いていると、後述するキャリア(荷台)をつけることができない。
ランドナーとは旅行用に作られた自転車であり、まったく使用に不足はない。しかしながら最早過去の存在となった車種でもあり、エンスー向けとも言える。趣味性は高く、見た目も美しい(私観)が、取扱店が少ないのが難点か。
荷台の話である。意外かもしれないが、旅行用自転車にはママチャリと違って、最初から荷台は付いてこない。
キャリアについては、日東製のキャンピーシリーズ一択である。これに関しては異論は認めない。下の市場リンクを見て高いと思うかもしれないが、安物を買って壊れて買いなおすことを考えれば、安い物である。
注意としては、ランドナーには「キャンピー」を、MTBには「MTキャンピー」を使用すること。
もし他の物を使用する場合でも、アルミ製のものは絶対に避けたほうがよい。最悪の場合、破損して大きな事故に発展する可能性もある。絶対に鉄製のものを購入しなければならない。
文字通り、消耗品と割り切って使い捨てていけばよい。ただし、スペアタイヤやチューブは、走れなくなるという最悪の事態に備え、適量を持ち運ぶこと。
特にタイヤについて言うと、どんなタイヤでもパンクするときはするので、何をはいても同じである。ということは、レースではない旅行なのだから、安いものでOKということ。もしかしたら、シュワルベのマラソン等、頑丈さを売りにしている商品は何かが違うのかもしれないが……。
また複数人数で旅行する際は、できるだけ部品の規格を合わせておくと、壊れた際にパーツの共有ができ便利である。
BE-PALや自転車旅行のムックなどを読むと、ツーリングテントとして3万4万当たり前の、軽量さやコンパクトさを売りにしたものが賛美されているが、そんなもの無駄の極みである。正直テントなんて、ドンキホーテのもので十分。ただし長期間使っていると確実に壊れるので、使い捨てになるが……。
十分だけでなく、快適を求めるのであれば、アウトドア用のテントを一万円以下で探すのがおすすめである。人数は、三人用以上であれば使用できる。テントの対応人数というのは、登山者が互い違いのぎゅうぎゅう詰めで眠ることを想定しているので、表記されている人数マイナス1~2人として考えたほうがよい。また、少し大きめだと、雨のときや、盗難が怖い際に、荷物を中に入れられて便利である。
重さについてだが、テントを積むくらいだからどうせフル装備なのだ、1キロや2キロ増えても大差ない。
あとお金があるのなら、定番はエスパースという登山用テント。知っている限りでは、東京では高田馬場のカモシカスポーツなどで購入できる。
これについては、テント以上にドンキホーテで十分。1000円ほどで変える。そもそも夏は、暑いので寝袋を使わないことも多い。逆に冬は、同じものを二枚重ねにして、その上にシュラフカバー(調べてください。ちなみにゴアテックスである必要はまったくない)をかぶせればおk。マイナス10度や20度対応のものは冬山に行く人が買うもので、自転車旅行用としては無駄にも程があります。
登山やアウトドア用の、表面が銀色で中が青の発砲のマットで十分。ただし、これがないと下がゴツゴツして眠れたものではないので、逆に必須であるともいえる。幅は60mmのものを買うか、広いものを買って適宜カットすること。幅が広いと自転車に積めません。
体に荷物を背負って走ると、正直疲れて死ねます。苦行が目的でないのなら、可能な限り自転車に荷物の重量を背負わせましょう。
荷台の左右に付けるサイドバッグとしては、下記の二種類以外に考えられません。他のメーカーの製品は、壊れずに帰ってきた、またはどれくらいで壊れるかという実績がないのです。高いほうは、完璧な防水性が魅力。そのためだけの二万円です。安いほうは、濡れますが安いです。
双方とも色違いあり。
また、ハンドルバーや前キャリアに取り付けるフロントバッグがあると、貴重品やカメラなどがすぐに取り出せて便利です。二種類の信頼できる製品を紹介しておきます。左が主にランドナー用、右は主にマウンテンバイク用ですが、その逆も可能です(詳しくは自転車店で)。
本来なら、いわゆるピチピチの自転車用ウェアが理想です。機能的で無駄がありません。ですが、抵抗がある方も多いだろうということと、観光には向かないという問題もあります。
そこでおすすめは、ユニクロの発汗性ウェア類です。安いので使い潰しができるうえに、なぜか自転車用ウェアに似た縫製がされており、それなりに走りやすいのです。またユニクロでは、防寒用にヒートテックというシリーズも冬季に上下が発売されており、中に着込むことで寒さをしのぐことが可能です。
鞄の容量に余裕があれば、普段着を一着持っていくと、観光に便利です。ただしジーンズでそのまま走ったりするのはやめましょう。疲れます。
雨具ですが、透明な合羽ではなく、最低限上下セパレートで、登山用として売られているものを選びましょう。ゴアテックスだと最高。ただし、ゴアテックス素材のものは安くても2万円はします。
ちなみにゴアテックスの合羽をウィンドブレーカー代わりに着ていると、速攻で撥水性がゼロになるので注意。
また、自転車用と銘打ったゴアテックスの雨具がありますが、無理して買う必要はありません。登山用の下を、裾をバンドで留めて使えば十分です。
調理器具をもっていくと、旅がもっと豊かになります。
大きく分けてガスコンロとガソリンコンロがありますが、日本国内でガス缶が手に入らないということは、北海道などよほどの秘境でない限りないので、ガスコンロが無難でしょう。ただし、家庭用カセットコンロのガスを使うものでなく、登山用のガス缶を使うものがよりよいです。それは、低温時や高所にてガス缶の温度が下がると火力が弱くなるためで、登山用にはその対策がされた専用のガス缶があるためです。
とは言ったものの、趣味的には、あえてガソリンコンロをお勧めします。
ガソリンコンロの欠点は、火が付くのが遅い、火が安定しにくい、ガソリン臭くなる、赤ガスを使うと顔が煤だらけになる、たまに火の付くべき部分以外がバーニングして焦る(そのうち慣れてくる)など。
それでも、格好いいという一点が全てを補って余りあります。男の道具はオプティマス123R以外にありえないのです!あ、あとホワイトガソリンじゃなくて普通のガソリンも使えるよ。
コッヘルとは重ね合わせて小さく収納できる登山用の金属製食器兼鍋のことです。
これはアルミ製で十分。ですが、アルツハイマーが怖い方、少しでも軽いほうがいい方、チタンにロマンを感じる方はチタン製でもいいでしょう。
形には四角と丸がありますが、これは一長一短。四角は鞄に収納しやすく、丸は調理の際に火の通りが良いです。
角か丸か、それが問題だ。
その他箸やスプーン等は、普段使っているものでよいでしょう。ただし個人的には、箸は金属製のものが痛みにくくおすすめです。プラスチックは不可。なぜなら火を使った調理の際に使えません。
ナイフは、捕まらない程度のものを持っていきましょう。個人的にはオピネルのものが安く格好よいのでおすすめです。
というわけで長々と書いてしまいましたが、こんな物よりもまず役に立つのは、経験者の話です。もし経験者が近くにいなければ、自転車旅行の本や、それこそニコニコにアップロードされた旅行記の、旅行準備の場面を参考にしましょう。情報を得る手段は無数にあるのですから。この項目がその一つとして役に立つことを願います。
おすすめのコースガイド。初心者から上級者までランク付けもされていて安心
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最終更新:2024/05/05(日) 09:00
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