舛添要一とは (マスゾエヨウイチとは) [単語記事]

舛添要一（ますぞえよういち）とは、日本の政治学者・タレント・第19代東京都知事である。参議院議員（2期、2001～2013年）、第8・9・10代厚生労働大臣、第2代新党改革代表などを歴任した。

経歴

政治家への道

1948年生まれ。東大を卒業後そのまま研究者となり、フランス留学を経て東大助教授に。1980年代から政治番組のコメンテーターとしてお茶の間の人気者となると、1989年には東大を退職し、本格的なタレント生活に突入した。1992年にはファミコンソフトを出しているが、有名人モノのゲームにありがちなクソゲーというのがもっぱらの評判である。

1991年の北海道知事選で政界に進出する予定だったが、社会党の現職・横路孝弘（後に衆議院議長）に歯が立たないと判明し撤退。その後タレント生活で知名度を上げ、1999年の都知事選に挑んだが石原慎太郎に敗れる。ただ自民・公明が推した明石康、民主系各党が推した鳩山邦夫より得票は上であり、集票力の高さはアピールできた。

自民党時代

2001年参院選で自民党から比例区に出馬、個人名票だけで約160万票と自分の議席を完全に自力で確保しつつ、他議員の枠を数十万票分掘り起こすという超人的な集票力でトップ当選を飾る。2007年参院選では自民党への逆風に晒されながらも約47万票を得て再びトップ当選を飾った。

第一次安倍改造内閣から麻生内閣まで一貫して厚生労働大臣を務め、年金問題への対応のほか、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入（断念）や社会保険庁の公務員糾弾、年越し派遣村糾弾に尽力した。舛添は従来右派色が強くなかったものの、こうした姿勢で右派層からも一定の支持を固めることに成功し、元々の無党派層からの高い支持も相まって、この頃には有力な総理候補の一人とみなされるようになっていた。

ところが自身の人気に慢心したか、この頃から安倍・麻生・谷垣各総裁を公然と批判したり、「バカ」呼ばわりして同席を拒否したり、挙句の果てに「瞑想中」という理由で電話を取らないなど、傲慢な振る舞いで求心力を失っていった。特に麻生首相の足を引っ張ったことで「右派」の支持は決定的に失うことになった。

新党改革時代

2010年4月に自民党を離党、改革クラブを乗っ取って「新党改革」に衣替え、自身は代表に就任する。だが同調者は予想外に少なく、同年の参院選で新党改革はギリギリ1議席確保をするに留まった。もっとも泡沫政党だった改革クラブを政党要件確保まで持っていったのだから、この時点では舛添の集票力はまだ残っていたと言えよう。

だがこれを最後に舛添は政治の表舞台からフェードアウトしていくことになる。参議院2議席の小政党では仕方ないこととは言え、2010年に再選した同僚の荒井広幸が安倍首相の懐刀として、野党交渉のパイプとして重用されているのとは好対照な凋落ぶりだった。

2013年6月、舛添はひっそりと参院選不出馬を表明、事実上国政から引退することになった。もはや新党改革の比例区から出ても当選は期待できず、千葉県選挙区からの出馬も試みたが、好調な自民党が2人擁立を決めたため割り込む余地がなくなり、進退窮まっての決断だった。

同年7月22日、新党改革代表を辞任（後任は荒井広幸）。同28日、参議院議員任期満了。

都知事選へ

すっかり昔の人となった感もあった舛添だったが、2013年末に猪瀬直樹都知事が収賄疑惑で辞職に追い込まれると、次期都知事候補として再び時の人に。2014年1月8日に正式な出馬表明を行うと、自民党東京都連・公明党東京都本部が相次いで推薦を決定。さらに民主党の支持母体である連合も原発推進を掲げる東電労組などの突き上げを受けて舛添支持を表明し、舛添は一躍都知事選の最有力候補へと伸し上がった。

だがネット上では田母神俊雄候補への支持傾向が強いネット右翼層を中心に舛添出馬への反発が巻き起こり、舛添の推薦を決定した自民党東京都連のBBSは非難の集中砲火を受け炎上。さらに舛添に対する「在日認定」や、舛添の妻が創価学会の幹部であるという真偽不明の噂まで盛んに流されるようになっているほか、外国人参政権賛成派であるとして批判する声も上がっている。

上記の在日認定の根拠として、父の舛添弥次郎が1930年に福岡県若松市議会選挙に出馬した際の選挙ビラにハングルのルビがふられていたことが挙げられている。しかし、1930年当時は日韓併合が行われており、日本内地に居住する朝鮮籍者（日韓併合前に朝鮮人だった人たち）にも選挙権があった上に、若松市（現在の北九州市若松区）は朝鮮半島と地理的に近く、内地の中でも朝鮮籍者が比較的多く居住していた地域であったため、ハングルのルビがふられていたことは何ら不思議なことではない。

在日認定のもう1つの根拠として1989年10月放送の「朝まで生テレビ!」にて舛添本人が自分は在日朝鮮人だと発言したとするものもある。しかし、動画やキャプチャー画像をはじめこれを裏付けるものは上がっておらず、本当にこのような発言があったのかは不明である。

また、外国人参政権については下記の余談の項にもある通り、本都知事選から10年以上前に容認する発言をしたことがあるのは事実であるが、その後2010年5月21日の産経新聞で反対を表明している。そもそも外国人参政権を付与するためには国の法律である公職選挙法を改正しなければならないため、東京都知事の権限で付与することは不可能である。東京都内の首長・議会選挙であれば付与することも可能であるという誤解も一部に広まっているが、地方選挙といえども国の法律である公職選挙法が適用されるという認識が無いことや、常設型住民投票条例との混同が原因と思われる。

2014年2月9日、都知事選の投票が行われ、開票の結果2,112,979票（得票率43.40%）を獲得して当選した。2位の宇都宮健児の票数は982,594.767票（得票率20.18%、小数点以下はひめじけんじとの按分票による）であったため、ダブルスコア以上差を付けての当選であった。出口調査によれば、自民党支持層の7割、公明党支持層の9割が舛添に投票したほか、無党派層からも最も多くの支持（3割が舛添に投票）を集めた。2日後の2月11日に当選証書授与式が行われ、正式に第19代東京都知事に就任した。

都知事時代

中国より印綬（2014年4月）^[1]: 中国共産党の唐家璇氏より、印鑑を授けられる。印鑑の下賜は古来、中国では朝貢を求める際の儀礼である。1992年に天皇陛下が訪中した際にも、中国側は金印を用意していたが、宮内庁職員の機転により断った経緯がある^[2] ^[3] 。
拉致担当を格下げ（2014年6月）^[4]: 北朝鮮による日本人拉致問題の担当部署を筆頭局の知事本局から総務局に移管。国の内閣官房相当だった部局からの移管により「優先順位が下がるのでは」と懸念する都議も。
東京五輪整備縮小、開催地返上にも言及（2014年6月～7月）^[5] ^[6]^[7]
訪韓、各種譲渡を約束（2014年7月）^[8]^[9]: 女性国際戦犯の法廷で検事役を務め、昭和天皇を「有罪」とした朴ソウル市長を訪問。地下鉄技術や地震対策情報の譲渡、平昌五輪への協力、韓国学校の増設を約束した。この際「都民の90％は韓国好き」という根拠薄弱な発言をして非難を浴び、ツイッターで「#舛添東京都知事リコール」というハッシュタグが作られるなど、解職運動にまで発展している^[10] 。

余談

自民党参議院議員の片山さつきは元妻である。見合い結婚だったが、結婚生活は早々に破綻したという。
片山含め2度の離婚歴があり、現在の妻は3人目。また2人の女性との間に認知した子供が3人いるなど、人気タレントには有りがちとはいえ女癖は良くないとのもっぱらの評判だった。総理候補として持て囃されていた時期にも女性問題で足をすくわれるのではないかとの予想が絶えなかった。
外国人参政権については、2002年12月4日の国会にて「帰化要件が非常に厳しいなら、認めることは1つの考え方であっていい」として容認する発言をしているが、その後の2010年5月21日の産経新聞では議論が不十分であるとして反対を表明している。なお、外国人参政権に関する議論は菅内閣発足以降下火になっており、2014年2月現在においても当時と比べ議論が進んだとは言いがたい状況にある。
FF5に登場する召還獣「タイタン」の顔が舛添に似ていると言われており、タイタンが登場すると「舛添ｗｗｗ」といったコメントがしばしば流れている。舛添の人気がある程度あった時期には、「だいちのいかり」になぞらえて「国民の怒り」と書き込むユーザーや、「長妻（注：後任の厚労相、民主党）はクソ」と書き込む政治厨がしばしば現れていた。