誤用の多い日本語の一覧

概要

• ここでは、本来の意味と慣用的な意味に大きな違いが見られる日本語を一覧する。
• この記事に掲載された日本語は、本来の意味で使うと多くの人に伝わらず、慣用的な意味で使うと一部の人からツッコミが入るので、大百科などでは使うのを避けた方がよさそう。
• また、記事名では分かりやすさを優先して、慣用的な用法を「誤用」と表記したが、必ずしも誤用とは言えない場合も多い。詳しくは日本語の誤用を参照。

誤用の多い日本語の一覧

単語・慣用句	本来の用法	慣用的な用法
雨模様	雨が降りそうな天気	雨が降りがちな天気
穿った見方	うまく本質をついた見方	ひねくれた見方
浮足立つ	不安で落ち着かなくなる	浮かれて落ち着かなくなる
おもむろに	ゆっくりと	突然、急に
御の字	非常にありがたいこと	一応、納得はできる状態
確信犯	自らの行為が正しいと信じて行動を起こす人物	自らの行為の結果を予想した上で行動を起こす人物
割愛する	惜しみながらも手放す	必要ないものを省略する
辛党	酒が好きな人	辛いものが好きな人
気が置けない	気を使う必要がないほど親しい	油断ができない
奇特な	人並み優れた、感心な	奇妙な、変な
琴線に触れる	感動する、感銘を受ける	怒りを買う
檄を飛ばす	自らの意見を広め、大衆に同意を求める	激励する
号泣する	大声で泣く	激しく泣く
姑息な	その場しのぎの	卑怯な
(話の)さわり	話の要点	話の最初の部分
潮時	ちょうどよい時期	物事の終わり
敷居が高い	相手に不義理があり、訪問しにくい	上品すぎて訪問しにくい、ハードルが高い
失笑	こらえきれずに笑う	嘲り笑う、笑いが取れない状態
すべからく	(「～べき」で呼応して)当然～べき	すべて
性癖	人間の癖、行動の傾向	性的な傾向、恋愛対象
世間ずれ	世渡りを繰り返して、ずる賢くなっている	世間一般の考え方と違う
ぞっとしない	面白くない、感心しない	怖くない
他山の石	参考にするべき他人の失敗	手本にするべき他人の行為
手をこまねく(こまぬく)	行動を起こすべき時に何もせずにいる	準備して待ち構える
時を分かたず	いつも	すぐに
鳥肌が立つ	恐怖でぞっとする	感動する
流れに棹さす	流れに乗じた行為をする	流れに逆らった行為をする
情けは人のためならず	情けをかけるのは人のためにすることではない(結局は自分のためになる)	情けをかけたら逆にその人のためにならない
煮え湯を飲ます	信頼していた人物を裏切る	ひどい目に合わせる
(作業が)煮詰まる	作業の検討が進み、結論が出せる状態に近づく	作業が行き詰まる
にやける	男が女らしい仕草をすること	薄い笑みを浮かべること
爆笑する	大勢の人が一度に笑う	大笑いする
ハッカー	コンピューターなどの情報技術に精通した人物	コンピューターを使用した犯罪を行う人物
破天荒	誰も成し遂げたことがないことを初めて行うこと	豪胆で気概にあふれていること
噴飯もの	思わず噴き出してしまうほどおかしな行為	腹立たしい行為
憮然	失望して呆れる様子	腹を立てている様子
やおら	ゆっくりと	突然、急に
役不足	能力に対して与えられた役目が軽すぎること	与えられた役目に対して能力が低すぎること、力不足

関連項目

• 日本語の誤用