『英雄伝説 閃の軌跡』とは、日本ファルコムより2013年度に発売予定のプレイステーション・ヴィータおよびプレイステーション3専用ソフトである。
概要
閃の軌跡は、空の軌跡FC、空の軌跡SC、空の軌跡 the 3rd、零の軌跡、碧の軌跡と、2004年から連綿と続く正統派RPG超大作「軌跡シリーズ」の最新作であり、軌跡シリーズでは初のVita、PS3からの発売となる。
空の軌跡の続編としてゼムリア大陸の“帝国編”が期待されていたが、零の軌跡・碧の軌跡ではクロスベル自治州という帝国や共和国との関係は深いものの、全く違う場所でのストーリー展開であったため、これまで蓄積してきた数々の伏線を回収できるという期待感からも、ファルコムユーザーにとって待ちに待った最新作といえる。
空の軌跡FC/SCでは遊撃士協会、空の軌跡 the 3rdでは聖杯騎士団、零の軌跡・碧の軌跡では警察機関を主体とした展開だったが、 本作では帝国のトールズ士官学院が舞台となっており、空の軌跡で登場したジェニス王立学園のような学園要素が盛り込まれることが予想される。
碧の軌跡第2章『西ゼムリア通商会議』にて、オリビエが帝都で士官学校の書類を整理する場面が登場していたが、本作の伏線と思われる。
新要素
近藤社長のインタビューなどで確認されている新要素を下記に挙げる。
- コンティニュエーションプレイ(Continuation Play)に対応(PS3/PS Vitaのセーブデータを共有可能)。ハードによってゲーム内容が異なることはないので、外ではVita、家では大画面のPS3で続きをやることができる。
- 軌跡シリーズのキャラクターは登場するが、今作からの新しいキャラクターを中心に展開させる。空の軌跡FC冒頭にあった「帝国ギルド連続襲撃事件」でのカシウス・ブライトの活躍(行動)なども期待できるとのこと。
- キャラデザインが設定されている人数は60~70人。
- 旧来のファンの期待に応えるため、2D要素も取り入れる。
- 零の軌跡から導入された「絆システム」は更に進化させ、普段の行動や戦闘でも反映される。
- 1周のプレイで満足できるが、周回プレイを楽しませるやりこみ要素も充実させる。
- 要望の多いコスチュームやシナリオといったDLCを配信。
- 過去の軌跡シリーズ全てに関連があるシナリオになり、空の軌跡 the 3rdには伏線が特に多い。
- シノシプス(あらすじ)はライトノベル4冊分を超える。
新機能
新機能として下記3つの機能が発表されている。
- 『アクティブボイス』:移動時や街中、会話時など様々な場面でキャラクターボイスが演出される。
- 『360度フリーカメラ』:零の軌跡や碧の軌跡で出来なかった360度自在のカメラ操作が可能に。
- 『戦術リンクシステム』:コマンド型バトルがより直感的にスピーディーになり絆の力を高めて敵を圧倒できる。
戦術オーブメント
今作では「ARCUS」と呼ばれる戦術オーブメントを使用する。
このオーブメントは前作「碧の軌跡」で登場した「エニグマⅡ」の機能をすべて有しており、電話機能や「マスタークオーツ」のセットもできる。
また、前作までのオーブメントはスロットが7つ(空の軌跡FCのみ6つ)だったのに対し、(公式の画像によれば)今作では中央含めスロットが9つある。
最大の特徴として前作のオーブメントにはなかった「戦術リンク」という機能がある。
これはメンバー同士を共鳴させることで高度な連携攻撃をできるようにするシステムであり、この効果は互いの絆の深さや攻撃属性の違いで変化する(詳しくは下記参照)。
バトルシステム
戦闘は従来と同じATバトルシステムだが、戦闘方法が以前の軌跡シリーズよりも進化している。
特に、仲間同士で共鳴できる新機能「リンク」では、今までにはなかった戦闘ができる。
今出ている情報では
- リンクで結びついた仲間に基本能力の強化などのアビリティが発生する。
- 戦術リンクの機能である「リンクアタック」は、追撃やラッシュといった派生攻撃を繰り出すことができる。また、リンクするキャラクターの組み合わせで技が変化する。
発動条件は攻撃を当てて敵の体勢を崩し、「斬」のマークを表示させること。
発動時はカットインが表示され、ボタン(○は追撃・△はラッシュ・□はバースト)を入力することで行動を選ぶ。
といった新機能が判明している。
あらすじ
ゼムリア大陸西部の大国エレボニア帝国では、近年2つの勢力が台頭し、緊張が高まりつつあった。
一つは『貴族派』。
莫大な財力によって地方軍を持ち、自分たちの既得権益を守る保守勢力。
一つは『革新派』。
鉄血宰相を中心に、帝都や併合した属州から税収にし軍拡を推し進め、貴族の既得権益を奪おうとする新興勢力。
その争いは水面下で深刻化していき、皇帝の仲裁も空しく、各地で暗闘が繰り広げられていた。
一方で帝国内のトールズ士官学院でも貴族派と革新派の理事が対立を深め、生徒たちに影響を与えていた。
常に優遇され、また実力も兼ね備えた白い制服の貴族出身の生徒。
優秀だが下に見られ、理不尽感を抱く緑の制服の平民出身の生徒。
両者は反目し合う関係にあり、学業成績や武術訓練、クラブ活動などでも競い合っているのだった。
そんな中、貴族の息子リィン・シュバルツァーがトールズ士官学院へ入学を果たし、帝都の街トリスタを訪れる。
そのときリィンは気付いた──少数ではあるが、同じ深紅の制服を着た生徒たちがいることを。
登場人物
トールズ士官学院
特科クラス“Ⅶ組”
- リィン・シュバルツァー
“自分の道を見つける──まずはそこからだ。”
帝国北部の貴族、シュバルツァー男爵家の養子。17歳。養子であるが故に引け目を感じている部分があり、自らは家督を継ぐべきではないと考えている。
過去にユン・カーファイに師事していた八葉一刀流の使い手であり、設定上はカシウス・ブライトやアリオス・マクレイン、アネラス・エルフィードの弟弟子にあたる(アラン・リシャールはカシウスに師事しているため、甥弟子となる)。ただし、ある理由から剣の道に限界を感じ、初伝を授かるに留まっている。
- アリサ・ラインフォルト
“あなた達──不埒な真似は許さないわよ?”
ゼムリア大陸でも屈指の重工業メーカー、ラインフォルトグループの令嬢。17歳。
一見きつそうに見えて実はかなりのお人よし。グループ会長である母親とは不仲で、士官学校入りしたのも自立のため。さらに言えば、校内で選択する武術に伝統的な弓術を選択したのも、兵器メーカーでもある実家へのあてつけ。ただし幼少期から祖父や仕様人の指南を受けていたため腕前は確か。
- エリオット・クレイグ
“えへへ、ちょっとワクワクしてきたかな。”
帝国軍の猛将“紅毛のクレイグ”の息子。16歳。
元々はバイオリンやピアノなどが好きで音楽の道を志していたが、父親からの猛反対を受け、思うこともあり、士官学校へ入学する。
武器はエプスタイン財団の技術を利用したラインフォルト社製の魔導杖。ちなみに零の軌跡の主要キャラであるティオ・プラトーも魔導杖を使っていたが、そちらは試験段階のものだった。
- ラウラ・S・アルゼイド
“そなた──どうして本気を出さない?”
ヴァンダール家と双璧を成す武門、アルゼイド子爵家の息女。17歳。
剣匠とも称される父より両手剣の指南を受けており、新入生の中では頭一つ抜けた実力を持つ。同じ剣士として、八葉一刀流を使うリィン・シュバルツァーに興味を持つ。
- マキアス・レーグニッツ
“くっ、旧態依然とした貴族に負けてたまるか!”
帝都ヘイムダルを管理する、革新派のレーグニッツ帝都知事の息子。17歳。“Ⅶ組”では副委員長を務める。
旧態依然とした貴族体制を公然と批判し、学内の貴族生徒に対しても敵対的に振舞う。そのため大貴族の家柄であるユーシスとの折り合いは悪い。
武器はショットガン。軌跡シリーズのPCキャラでショットガンを通常武器として使うのは彼が初となる(『零の軌跡』ではセルゲイ課長とダドリーが使用するが、課長は操作不可能であり、ダドリーもクラフト限定)。
- ユーシス・アルバレア
“阿呆が――少しは己を省みるがいい。”
『四大名門』とも評されるアルバレア公爵家の次男。17歳。
良くも悪くも貴族的な性格であり、ナチュラルな傲慢さを発揮するが本人には悪気はない。その家柄からマキアスとは正面から対立しているが、あくまでも余裕な態度は崩さず、彼の怒りに火を注ぐ形となっている。
武器は騎士剣であり、兄から伝統的な宮廷剣術の指南を受けている。
- エマ・ミルスティン
“想いを伝えれば、ちゃんと解ってくれますから。”
帝国の辺境出身の奨学生。17歳。
平民出身で実家も裕福ではないが、奨学金制度が充実した士官学院にトップの成績で入学し、“Ⅶ組”では委員長を務める。また、副委員長のマキアスとは対照的に面倒見が良く、身分を問わずクラス全員からは信頼されている。
装備は魔導杖だが、エリオットの物とは形状が異なる。
なお、零~碧におけるセシルのポジションを既に確立しつつある模様。
- フィー・クラウゼル
“……ん。上手く行った。”
過去の経歴が不明の生徒。15歳。
いつもダルそうにしており、ネコの様にどこでも寝る癖があるが、人付き合い自体は悪くなく、真顔で冗談を言う事もある。また、他の“Ⅶ組”メンバーよりも年下であるためか勉強は苦手で、面倒見のいいアリサやエマから勉強を教えてもらう事も。
武器は小型の導力銃と短剣が一体化した特殊武器2振りからなる、双銃剣(ダブルガンソード)。
こちらもとある層にうけており、戦闘に使える少女ということでティータ・レン・ティオといったポジションを得た模様。
- ガイウス・ウォーゼル
“風と女神の導きを――気を付けて行くといい”
帝国北東部の辺境、ノルド高原出身の生徒。17歳。
実家はいわゆる遊牧民であり、羊の放牧や馬の飼育を行っている。また、4人兄妹の長男であり、弟と二人の妹との仲は良好。
ある帝国軍将校(旧作出演歴有り)の推薦を受けて士官学院に入学し、“Ⅶ組”メンバーとなる。
武器は十文字槍。
教職員
- サラ・バレスタイン
“フフン。文句があるなら掛かってきなさいっ!”
“Ⅶ組”の指導及び担任を任されている女性教官。25歳。多分フェルガナ地方に縁はない。
武術全般、戦術オーブメントの運用、実践知識に関する指導を担う。導力銃と剣を併用する戦闘スタイルを取り、我流ながらその実力は恐るべきものがある。
が、仕事終わりのビールのために生きる、いわゆる残念な美人でもある。
- ヴァンダイク学院長
“若者よ、世の礎たれ――ワシの方からは以上じゃ。”
トールズ士官学院の学院長にして、帝国軍名誉元帥。70歳。
皇族出身の理事と協力してサラを始めとする人材を各地から集め、“Ⅶ組”の設立をバックアップする。
2m近い巨躯を誇り、既に一線を退いているとはいえその武錬は衰えておらず、時折生徒達の武術訓練に混じってくることも。ちなみに得物は斬馬刀である。
エレボニア帝国軍
- ナイトハルト少佐
“質実剛健こそ帝国軍人の本質――精進するがいい。”
帝国軍第四機甲師団より、軍事教官としてトールズ士官学院に出向してきた軍人。29歳。
気真面目かつ愛想に欠ける性格の持ち主であり、教練に置いては貴族生徒であっても容赦なく、慇懃かつ断固とした態度で接する。
“Ⅶ組”担任のサラに関しては、実力は認めている物の、そのだらしない生活態度や指導スタイルの相違から衝突することも多い。
得物としては軍用サーベルを用いる。
- クレア憲兵大尉
“この場は我々、鉄道憲兵隊が預かります”
帝国軍情報部ともつながりの深い、鉄道憲兵隊の大尉。24歳。
ギリアス・オズボーン宰相直属の部下『アイアンブリード』の一人であり、指揮官としての実力や情報処理能力にも優れる。そして、あらゆる作戦行動を完璧に遂行することから“氷の乙女”(アイスメイデン)の異名をとり、貴族派からは警戒されている。
サラとは旧知の仲であり、また、過去作に登場したキャラクターとの関連性もある(苗字が伏せられているのもそのため)。
武器は導力銃。
帝国貴族
- エリゼ・シュバルツァー
“――ご自分の胸にお聞きになって下さい。”
シュバルツァー男爵夫妻の実子であり、リィンにとっては血の繋がらない妹。15歳。
1年前から帝都にある「聖アストライア女学院」に通っている。
幼い頃は実の兄同然にリィンを慕っていたが、女学院に入る前あたりから少しよそよそしい態度を取るようになっている。
- ルーファス・アルバレア
“帝国貴族は優雅かつ果敢であるべき――そうではないか?”
四大名門の1つ、アルバレア公爵家の嫡男であり、ユーシスの兄にして剣の師。
貴族派きっての貴公子であり、現在では帝国の社交界の話題をとある皇子と二分するほどの人気を誇る。
登場機関・組織
トールズ士官学院
230年前、帝国中興の祖、ドライケルス大帝により設立された士官学校。
設立当初は火薬式の火砲等を用いた近代戦術を学ばせるための軍事学校であったが、現在では軍事色は薄れており、貴族の子女や平民出身の秀才が入学する名門高等学校としての側面が強い。
身分に囚われない人材育成を旨とし、家柄を問わず生徒を受け入れているが、学内での貴族派理事と革新派理事の対立の構図がそのまま生徒の間にも当てはまっている。また、家柄に関係なく入学できるとは言っても、貴族出身の生徒と平民出身の生徒では制服や学生寮などで区別されており、両者は反目し合う関係にある。
なお、従来の貴族クラスと平民クラスとは別に設置された特科クラス“Ⅶ組”は、新型の戦術オーブメント《ARCUS》の運用のためのものであり、その選抜に際しては生徒の出自は全く考慮されていない。
聖アストライア女学院
帝都ヘイムダルにある由緒正しい女学院。
リィンの義妹であるエリゼが通っている他、皇族の子女が1人在籍している。
ラインフォルト社(Reinford Industry Group)
軌跡シリーズにおいて、名前だけは第1作である『空の軌跡FC』から登場していた企業。本作より企業ロゴも判明し、本格的にストーリーに関わってくることとなる。
エレボニア帝国最大の重工業メーカーであり、ゼムリア大陸全土においても1、2を争う巨大企業。主な競合はカルバード共和国のヴェルヌ社だが、一部分野においてはリベール王国のツァイス中央工房(ZCF)とも競合する。
ZCFが導力革命を機に時計職人の工房から発展していったのに対し、こちらは武器工房がそのルーツとなり、革命以前、中世の時代から存在する。現在では会長であるイリーナ・ラインフォルトの下、鉄鋼、鉄道、銃火器、戦車などの分野で圧倒的なシェアを独占する。また、帝国軍の近代化に合わせて独自に戦術オーブメントの研究開発にも着手している(戦術オーブメントは第5世代の“エニグマⅡ”に至るまで、エプスタイン財団の独占状態にある)。
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関連項目
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- 零の軌跡
- 碧の軌跡
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- 軌跡シリーズ
- 軌跡シリーズの関連項目一覧
- ファルコム
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