風立ちぬ 単語


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カゼタチヌ

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Le vent se lève, il faut tenter de vivre.
(風立ちぬ、いざ生きめやも)

詩:ポール・ヴァレリー、訳:堀辰雄

 

風立ちぬとは、

  1. 堀辰雄の小説。3.の原作のひとつ。現代風に書くと「風が吹いた。さあ生きようか」というような意味(らしい)。
  2. 松田聖子の楽曲。作詞・松本隆。作曲・大瀧詠一。
  3. スタジオジブリの宮崎駿監督の長編アニメ及び漫画。平成25年7月20日公開。

本項では3.について記述する。

日本の少年よ、概要は読んでいるか?

 

かつて、日本で戦争があった。
大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。
そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?
イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。
この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く。
生きねば。

宮崎駿

 

後に零式艦上戦闘機(ゼロ戦)やYS-11の設計主任者となった堀越二郎をモデルとし、同時代の小説家堀辰雄の同名小説「風立ちぬ」からタイトルと後半部分の展開を拝借した半ノンフィクション映画。映画のエンディングでは、スタッフロールの前に「堀越二郎 堀辰雄 に敬意を込めて」というテロップが映る。ちなみに、写真を見ればわかるが、両氏の容姿は瓜二つである。

音楽は久石譲が担当。主題歌は、松任谷由実の『ひこうき雲』。

なお、ひこうき雲は松任谷由実(荒井由実)が高校生の頃に作った曲で、デビューアルバムにも収録されている。

宮崎駿久々の監督作品であるということ、また主人公である堀越二郎の声優を、エヴァンゲリオンの庵野秀明が担当したことでも話題となった。なお、この映画の公開前に宮崎自身による漫画版も連載形式で発表されたが、現時点で単行本化の予定はない。

試写会では、細田守や樋口真嗣、神山健治ら業界関係者からも大絶賛され、宮崎監督自身も自分の作品で初めて泣いたと語っている。

なお、この映画が公開された5ヵ月後に同じ零戦をモチーフにした映画『永遠の0』(こちらは主題歌サザンオールスターズ)が公開予定となっており、映画公開前後から零戦の関連書籍が相次いで発売されている。

ストーリー

堀越二郎は、少年の頃から飛行機に憧れ、念願の航空機の設計技術者となる。しかし初めて設計主務として携わった飛行機が試験中に墜落。そんな失意の中、軽井沢で病気療養中の里見菜穂子と出会う。

そしてのちに神話とまで化した零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦の設計主任者として名をはせる。

大正から昭和にかけて、関東大震災や世界恐慌、ファシズム、世界大戦の激動の時代を葛藤しながらも、航空機設計に情熱を燃やした青年の半生を描いた純愛と青春の物語

史実の堀越二郎と堀辰雄

先述の通り、この映画は堀越二郎と堀辰雄両氏をモデルとしている。

但し、主人公の名前ともなっている堀越についてだけでもかなりの部分が史実とは異なる。

たとえば後半の主軸になる菜穂子との悲恋は完全な創作であり、この部分は堀の実体験に拠るもの(小説版「風立ちぬ」と同様の展開)で、実際の堀越は劇中の時代には既に結婚もして妻子があり、長野(映画とは異なり、松本市)に疎開していたのは二郎一人で妻子は群馬県に住むという状況であった。ちなみに、実際の妻・須磨子氏は当時としては結構な美人であったらしい。なお、これらの変更については事前に遺族からの了承の下で描かれている。

映画ラストだけを観れば、(以下ネタバレ防止のため反転)

菜穂子の死後、二郎は生涯独身を貫き、設計技術者としての人生の終焉を迎えた時、最愛の人と再会を果たした。

とも取れるが、実際は敗戦後も飛行機開発に携わり、戦後初の国産旅客機YS-11の原設計にも携わっているほか、1965年には「人の操縦する飛行機の飛行性の改善に関する研究 :昇降だ操縦系統の剛性低下方式」という論文で工学博士ともなっている(つまり、堀越博士と呼んでも間違いではない)。

晩年に至るまで飛行機に対する情熱が衰えることは無く、1982年1月に永眠するまで東京大学や日本大学といった21世紀の現代においても工学技術者、航空学者を多数輩出した大学で教鞭をとり、次世代育成を行っていた。

一方、堀辰雄の方はというと、彼も長野に住んでいた時期があり、堀こそが軽井沢に身を寄せていた人物そのものである。29歳で肺結核を病んでおり、療養先であった軽井沢で出会った女性が、里見菜穂子のモデルである矢野綾子である。ここからは映画と似ているが、堀と矢野は婚約はしたものの、結婚には至らず。また、映画では二郎のみが仕事を続ける展開だったが、史実の堀は二人で療養施設に入っていた。このときの実体験に基づいて執筆された私小説が彼の代表作にしてこの作品のタイトルともなった『風立ちぬ』である。

ちなみに、堀はその失恋後、加藤多恵という生涯の伴侶と出会い、肺結核との闘病と執筆活動を続けながらも彼女に尽くし続けた。堀は1953年に夫人に看取られながら没したが、多恵夫人はというとなんと2010年4月とごく最近まで存命であった。辰雄没後も彼に関する書籍を多数執筆し、全集の監修も務めるなど、夫が没してなお彼に尽くし続ける大和撫子であった。そして堀の倍となる96歳の大往生を遂げた。「夫が先立つと妻は夫の分まで長生きする」を体現したかのような女性である。

その他

・アプト式時代の信越本線横川~軽井沢間(横軽、碓氷線)が登場する場面があるが、実際の同時代には映画で映っている機関車(EC40形)はほぼ引退状態で、既にアプト時代の終焉まで運用されるED42形が主流になっていた。それ以外にも関東大震災後に登場している客車列車は客車のデザインが大正時代のもので、昭和時代の客車がほとんど登場しない。

映画だけ観れば、現代にゼロ戦は1機も遺っていないように思われるかもしれないが、鹵獲された機体が僅かに保存されており、国内でも大和ミュージアムや国立科学博物館で静態保存されているほか、国外ではオリジナルの栄エンジンを搭載した飛行可能な機体も現存している。

・ちなみにゼロ戦の戦闘能力はホンモノで、中国での初陣から数年は一機たりて撃墜されることはなかったうえ、全機全部隊が帰還ということも少なくなかったという。しかし、ミッドウェー海戦前後にほぼ無傷の機体が鹵獲されたことで、徹底的なリバースエンジニアリングにより「極限の軽量化による性能向上」「軽装故の防弾性能の脆弱さ」といった点が解明され防御性能で勝る米国機による「ドッグファイトはするな」「複数機で挑め」といった対"Zero fighter"マニュアルが確立された。大戦末期には優秀なパイロットも不足し、特攻隊作戦が展開されてしまったのはご存知のとおり。

・過去の宮崎作品に見られた魔法の石や失われた文明、超科学の産物といったファンタジー要素がほぼ皆無で、戦前~戦中日本を描いた現実世界を舞台にした異例の作品である(二郎の夢のシーンはこの限りではない)。震災、不景気、戦争といった21世紀の現代日本に通じる要素が多数あるため、「説教くさい作品である」と評する声もある。一方で、後半部分の秀逸な描写から「感動する映画である」との評もあり、若干評価は分かれている。

映画の公開前には小惑星探査機「はやぶさ」が向かった小惑星イトカワの名前の由来となった日本ロケット技術の父糸川英夫博士と堀越の手紙が発見され、昭和の航空技術史上の頂点に立った二人に交流があったことが明らかとなっている。

・また、これも映画公開前に明らかになったことであるが、偶然にもモデルになった二人、堀越と堀は同じ霊園に祀られている。

・この他に、映画公開後にはゼロ戦の後継機として開発中だった「烈風・改」の設計図が発見された。戦後の航空機統制にて破棄されたと思われていたが、堀越本人が愛着故に親戚宅へと密かに隠したのでは?と考えられている。

切り出し素材の「ジュラルミン」が出てくる場面がある。その後、二郎が設計した零戦に使われたのはこれを更に改良した「超々ジュラルミン」という日本が独自に開発した新素材。

・後半に登場する「枕頭鋲」であるが、実は現代でも三菱の航空機で使われている。もし実現すればYS-11以来の国産旅客機となるMRJにおいてこれをさらに改良、フラット化したリベットが使われ、燃費向上や軽量化に貢献しているという。

・宮崎監督の長編作品では唯一タイトルに「の」の字が入っていない(短編では「On Your Mark」がある)。

キャスト

  • 堀越二郎:庵野秀明
  • 里見菜穂子:瀧本美織
  • 本庄季郎:西島秀俊
  • 黒川:西村雅彦
  • 黒川夫人:大竹しのぶ
  • 服部譲次:國村隼
  • 堀越加代:志田未来
  • 二郎の母:竹下景子
  • 菜穂子の父:風間杜夫
  • カストルプ:スティーブン・アルパート
  • ジャンニ・カプローニ:野村萬斎

スタッフ

  • 原作・脚本・監督:宮崎駿
  • 音楽・ピアノ演奏・指揮:久石譲
  • 作画監督:高坂希太郎
  • 美術監督:武重洋二
  • 色彩設計:保田道世
  • 撮影監督:奥井敦
  • 音響監督:木村絵理子
  • 編集:瀬山武司
  • 製作担当:奥田誠治・福山亮一・藤巻直哉
  • プロデューサー:鈴木敏夫
  • 制作:星野康二・スタジオジブリ

主題歌

「ひこうき雲」
作詞・作曲・編曲・歌:荒井由実

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公式サイト

http://kazetachinu.jp/

読みたまえ。いい関連項目があるんだ。

  • スタジオジブリ
  • 宮崎駿
  • 鈴木敏夫
  • 久石譲
  • 松任谷由実
  • 庵野秀明
  • ゼロ戦

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