黒本とは、かつて希望に満ちた少年少女たちの
貴重な時間を無為に奪い去った焚書も已む無しな悪魔の書物である。
当然現在は殆ど禁書になっている。
少年少女は黒本を手に取り 胸に一つの希望を抱く
薄れ行く意識をその黒本に刻み
培った盗みの技術をその源氏シリーズにぶつける
疑惑は黒本より語られ後世に継がれる
今、その涙の物語を語ろう・・・
私はエンターブレインのを攻略本を研究しているアラズラムと申す者・・・。
貴君は“黒本"をご存じかな?
かつてランベリー城に大挙して押し寄せ争われた源氏シリーズ争奪戦争は、
一冊の黒本、コレクター魂をくすぐる甘い誘惑によって幕が開いたとされている・・・。
この書物に翻弄された者ならば誰でも知っている青春の一ページだ。
今、我々は知っている。
目に見えるものだけが“真実"ではないことを。
ここに一冊の本がある。
当時、ゲーマーたちの棟梁として名高い名門ファミ通の攻略本だ。
かの攻略本は数々のゲーマーを助けてきたと記録にある・・・。
しかし、かつて公開された(長年、ゲーマー達が挑戦、検証し続けてきた)“黒本"は、
源氏シリーズは「絶対に盗めない」という・・・。
いやいや、“黒本"の別の頁によれば「小数点以下の確率で盗める」と言い、
ゲーマー達の秩序を乱した元凶そのものだとか・・・。
どちらが“真実"なのか?
さあ、私と共に“真実"を探求する旅へと出かけよう。
おっと、その前に、貴君の“屈辱"と“後悔"を教えてくれないかな・・・?
以下に挙げる文は同一の古文書(黒本)から解読された言葉であるが、
内容に数々の矛盾、不備、誤植が散見されている。
その内容は確かに役立つ情報もあるが、単なる誤植から資料として致命的な編集不備もある。
これは単なる「コンフュ」程度の混乱とは思え無い程悪質な記述もある為
著者がルカヴィの放つ「喪失」に掛かった可能性が高いと思われる。
以下にその不備を指摘し、今後の研究の糧としたい。
ーーー その後“黒本"を見た者はいない・・・。
後にゲーマー達は、こう述懐している・・・。
人間は何に幸福を見出すのだろうか?
何のために今をいきるのだろうか?
そして何を残せるのだろうか?
ただ、わかることはーーー
“黒本"こそが真の悪魔であった・・・。
後日、ゲーマー達は自分が見聞きした出来事を悠久の歳月をかけてまとめあげた・・・。
中でも研究サイト“ICE DROP"は真実を導き出す事に成功し、
クレメンス公会議の場で公開されるが真相の暴露を恐れたエンターブレインは、
ゲーマー達の怨嗟の声を黙殺した。
その後、忘れさられた“黒本"はーーー
十数年を経てニコニコ動画にて脚光を浴びることになる・・・。
我々は真実を知ることができた・・・。
今こそ若かりし頃の我々の辛酸苦痛を回復しよう・・・。
かつての我々の生きざまを若い世代に伝えるためにも・・・。
ナイトメアストーリー著者
アラズラム・デュライ
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最終更新:2025/12/09(火) 06:00
最終更新:2025/12/09(火) 06:00
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