黒本とは、かつてエンターブレインが製作したFFTの攻略本のことである。
その誤植の多さと、後述する攻略本としての体を成さない致命的な嘘情報により『黒本』と呼ばれ、忌み嫌われている。
ナイトメアストーリー
少年少女は黒本を手に取り 胸に一つの希望を抱く
薄れ行く意識をその黒本に刻み
培った盗みの技術をその源氏シリーズにぶつける
疑惑は黒本より語られ後世に継がれる
今、その涙の物語を語ろう・・・
前書き
私はエンターブレインの攻略本を研究しているアラズラムと申す者・・・。
貴君は“黒本"をご存じかな?
かつてランベリー城に大挙して押し寄せ争われた源氏シリーズ争奪戦争は、
一冊の黒本、コレクター魂をくすぐる甘い誘惑によって幕が開いたとされている・・・。
この書物に翻弄された者ならば誰でも知っている青春の一ページだ。
今、我々は知っている。
目に見えるものだけが“真実"ではないことを。
ここに一冊の本がある。
当時、ゲーマーたちの棟梁として名高い名門ファミ通の攻略本だ。
かの攻略本は数々のゲーマーを助けてきたと記録にある・・・。
しかし、かつて公開された(長年、ゲーマー達が挑戦、検証してきた)“黒本"は、
源氏シリーズは「絶対に盗めない」という・・・。
いやいや、“黒本"の別の頁によれば「小数点以下の確率で盗める」と言い、
ゲーマー達の秩序を乱した元凶そのものだとか・・・。
どちらが“真実"なのか?
さあ、私と共に“真実"を探求する旅へと出かけよう。
おっと、その前に、貴君の“屈辱"と“後悔"を教えてくれないかな・・・?
疑惑の記録
以下に挙げる文は同一の古文書(黒本)から解読された言葉であるが、
内容に数々の矛盾、不備、誤植が散見されている。
その内容は確かに役立つ情報もあるが、単なる誤植から資料として致命的な編集不備もある。
これは単なる「コンフュ」程度の混乱とは思え無い程悪質な記述もある為
著者がルカヴィの放つ「喪失」に掛かった可能性が高いと思われる。
以下にその不備を指摘し、今後の研究の糧としたい。
メスドラーマ・エルムドアに関する記述
疑惑の多い“黒本"であるが群を抜いて疑惑の記述が多いのがエルムドア侯爵である。
“銀髪鬼"の異名を持ち異端審問官の資格を持つ彼が、
何ゆえにこの様な疑惑に晒されなければならぬのか?
資料は公正でなければならぬ事を痛感させられる一例である。
- 村正はChapter4でエルムドアが装備している。ただし、盗むのは至難の業。(P125)
- 人物相関図にて、剣士アルガスと主従関係を結んでいる。これだけならば不審な点は無いが、
問題なのは「エルムドア→アルガス」と言う矢印の向きが奇妙なのである。(P144)
同ページのラーグ公とダイスダーグ卿は「ラーグ←ダイスダーグ」の矢印で主従関係を表している。
エルムドア公爵直属の近衛騎士団の剣士アルガスに仕えるエルムドア公爵とはこれ如何に?
- 人物相関図にて「エルムドア公爵 戦士」とある。(P178)
確かに“銀髪鬼"の異名を持つ歴戦の士であるが、これは人物相関図である。まるで意味が判らない・・・。
時期から察するに「戦死」と言う事だろうか・・・?
- (確率は0パーセントと表示されるが)このゲームでは小数点以下を切り捨てているため、
実際は小数点以下の確率で盗める。
気が遠くなるほど低い確率だがゼロではない。
(レベル、ステータス異常を完璧防ぎ)、何度も挑戦すれば盗むことが可能。
ただし成功率は果てしなく低い。(P200)
- 正宗と源氏シリーズを装備するがいずれもエルムドア専用装備であるため、絶対に盗めない。(P214)
- (敵忍者が)正宗を投げる確率はかなり低いが、エルムドアから盗むよりは、はるかに確率が高い。 (P237)
後世の研究により、公爵は自身の所持品に、入念な整備、メンテナンスを施していた事が確認されている。
容易く破壊、盗難に遭わない様、常日頃から管理を怠っていなかったのだ。
正に乱世に活躍した武人の鑑であろう事は想像に難くない。
なのにも関わらず、ずさんな資料により公爵の評価は不当に貶められているのが現状である。
ザルバッグ・ベオルブに関する記述
- 一般的に彼の名前はザルバッグと伝えられている。しかし“黒本"によればザルバックとも記述されている。
聖騎士の称号を持ち、五十年戦争にて数多の勝利をもたらした常勝無敗の将軍の名前を、
間違えて、(一部では同一頁にて「ク」「グ」がある)記述すると言う失態がありえるのだろうか?(黒本全域)
- そして将軍は「アークナイト」である。しかし「アークナイト」の項目には将軍の名前は無い。(P51)
- さらに、名誉毀損的な誤植なのだがザルバッグ将軍は「聖騎士」である。断じて「聖剣士」ではない。
人物相関図にある誤植なのだが剣士が騎士団を率いる事など無い。
執拗に名前、称号を間違えられるザルバッグ将軍の心中は察するに余りある。(P144、160、178、196)
- 「また、ザルバッグの破壊魔剣は大ダメージと共にSpeedを3低下させる剣技だ」
ザルバッグ将軍を常勝無敗の将軍と言わしめる理由は奥義である破壊魔剣による所が大きい。
しかしザルバッグ将軍の破壊魔剣は肉体能力は破壊しても身体にダメージを与える技ではない。(P219)
- また何故か奥義の一つであるスピードルーインにしか触れられていない。
誤解と共に他の奥義パワールーイン、マジックルーイン、マインドルーインは一切触れられていない。(P279)
奥義は奥義ゆえに滅多に見られるものではないが、これはあんまりではないかね?
イズルード・ティンジェルに関する記述
- イズルード公との戦いに関する事柄にはジャンプを警戒する記述がある。(P186)
しかし、彼の項目に関する記述には「戦技」はあれど「ジャンプ」は無い。(P276)
これは複数の編集者が居る故に起こった悲劇であろうか。
地下の図書室でジャンプなどできるはずが無い、と無知なる常識で判断し誤解をした結果と思われる。
オヴェリア・アトカーシャに関する記述
- 偉大なる英雄王ディリータの妃であるオヴェリア王妃もその犠牲になっている。
当たり前の話であるが、王妃は「プリンセス」である。「クレリック」ではない。(P51)
確かに修道院での生活は長かったであろうが、預けられただけである。
その様な誤記があるから「王家に連なる者ではない」という憶測を生むのである。
風評被害も甚だしい。
- ザルバッグ将軍に関する記述でも触れた人物相関図であるが、王妃の名前は「オヴェリア」である。
断じて「オヴェリアン」という訳の判らない名前ではない。(P196)
一国の王妃の名前を間違えるなど死罪となっても文句は言えぬ大罪であろう。
ヴォルマルフ・ティンジェルに関する記述
- 神殿騎士団団長であるヴォルマルフ公の残された言葉があるのだが・・・、
「なぜ、ヴァルゴが反応するのだ?これはいい!あと百年は必用だと思ったぞ!!
まさか、貴様がそうだったとはな・・・!命を奪ったりはせん。さぁ、来るだ!!」 (P193)
別の資料(ゲーム)では「来るんだ!!」とある。
何をするだァーッ!!と言わざるを得ない。
勇猛果敢な神殿騎士の名誉を貶めるこの記録間違いを許すわけにはいかない。
ラファ・ガルテナーハに関する記述
- 人物相関図にて「天冥士ラファ」との記述がある。(P136、178)
「天冥士」は兄であるマラーク公の修めた秘術である。
ラファ公は「天道士」である。
只でさえ酷い生い立ちの彼女に対するこの地味に陰湿な行いは編集者の心を疑うばかりである。
マラーク・ガルテナーハに関する記述
- マラーク公は一度ラムザ一行と剣を交えている。
故に「敵特殊ユニットデータ」に記述があっても良さそうなのだが、どこにもその記述は無い。(P276~279)
後に和解しラムザ一行に加わるので記述が無いのだろうか?
とすると、このデータは「敵専用特殊ユニットデータ」と記述するのが正しいと思えるのだが・・・。
メリアドール・ティンジェルに関する記述
- 人物相関図にてイズルード公との関係が「兄妹」とある。(P137)
メリアドール公は「弟の敵」を討ちにラムザ一行へ戦いを挑むのだが・・・。
ティンジェル家にメリアドール公、イズルード公他に兄弟姉妹が居るという資料はない。
歴史に埋もれた新事実がまだまだ眠っていると言う事なのだろう。
- マラーク公の項目にでも触れたがメリアドール公もラムザ一行と剣を交えている。が、やはり記述が無い。(P276~279)
やはりあのページは「敵専用特殊ユニットデータ」なのだろう、と考えたが、メリアドール公は「ディバインナイト」である。
しかし「ディバインナイト」は敵味方共に存在する。すると「敵専用特殊ユニットデータ」と言う項目名は当てはまらない。
正確には「ラムザ一行に加わる事の無い敵特殊ユニットデータ」という事だろうか?・・・長い。
クレティアン・ドロワに関する記述
- マラーク公、メリアドール公にて触れた「敵特殊ユニットデータ」であるが、
「ソーサラー」と言う、他に類を見ないジョブに就いているクレティアン公のデータが無い。(P276~279)
アカデミーを主席で卒業した高位魔道士の存在が無視されている事に乱世の厳しさが伺える。
バルク・フェンゾルに関する記述
- マラーク公、メリアドール公、クレティアン公にて触れた「敵特殊ユニットデータ」であるが、
神殿騎士にして「機工士」であるバルク公の記述も無い。(P276~279)
反貴族運動の活動家にして騎士団のブラックリストにも挙げられているにも関わらず、
記述が抹消されると言う事実に、「家畜に神は居ない」と言う諺が頭をよぎる。
ディリータ・ハイラルに関する記述
- 黒本の魔手は英雄王にも容赦はしない。
ディリータ王が即位する前は「ホーリーナイト」としてその武勇を奮っていた。
決して「アークナイト」ではない。(P51)
他と比べそれ程悪辣な間違いではない為、見逃しがちであるが、平民から王にまで上り詰めた古事に習い、
人間皆(誤植も)平等と言う事を黒本の編集者は言いたいのでろう。
ラムザ・ベオルブに関する記述
- ラムザの誕生日については諸説あるはずなのだが“黒本"によれば【磨羯10日】と断定している。(P138)
過去~現代に至る資料にてラムザの誕生日を断定した資料は無い為事実であれば大変な発見である。
後書き
ーーー その後“黒本"を見た者はいない・・・。
後にゲーマー達は、こう述懐している・・・。
人間は何に幸福を見出すのだろうか?
何のために今をいきるのだろうか?
そして何を残せるのだろうか?
ただ、わかることはーーー
“黒本"こそが真の悪魔であった・・・。
後日、ゲーマー達は自分が見聞きした出来事を悠久の歳月をかけてまとめあげた・・・。
中でも研究サイト“ICE DROP"は真実を導き出す事に成功し、
クレメンス公会議の場で公開されるが真相の暴露を恐れたエンターブレインは、
ゲーマー達の怨嗟の声を黙殺した。
その後、忘れさられた“黒本"はーーー
十数年を経てニコニコ動画にて脚光を浴びることになる・・・。
我々は真実を知ることができた・・・。
今こそ若かりし頃の我々の辛酸苦痛を回復しよう・・・。
かつての我々の生きざまを若い世代に伝えるためにも・・・。
ナイトメアストーリー著者
アラズラム・デュライ
黒本

その他の関連商品
![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
関連項目
- FFT
- ICE DROP(攻略サイト:エルムドアに対する盗みの詳しい考察他、色々あります。)
- 鬼畜王ラムザ