19式装輪自走155mmりゅう弾砲

19式装輪自走155mmりゅう弾砲とは、日本で開発された自走砲である。

概要

陸上自衛隊が従来配備していた牽引式榴弾砲『FH-70』の後継装備として開発され、2019年に制式化された。

背景

陸上自衛隊では従来、特科部隊(砲兵)が運用する火砲は北部方面隊に自走砲を重点的に配備しその他の方面隊は牽引式榴弾砲を配置する方針を取っていた。
しかし21世紀に入って少子化による人員確保や世界情勢、特に2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降は国家正規軍相手の戦闘よりは非正規軍のゲリラ、テロリストに対する非対称戦が重視されるようになり運用に多数の人員を要し、自走砲より機動力に欠ける牽引式榴弾砲は削減対称に真っ先に上げられた。
一方で欧州においては複数の装輪式自走砲が開発・戦力化され始めていた。装輪式は装軌式より路外機動力に劣る反面、長距離移動では装軌式の様に長距離移動時は運搬車を使う必要が無い＝兵站面の負担が軽い利点があった。
これらの情勢を考慮して開発が決定した。

構造

計画段階では国産の『重装輪回収車』のシャーシに装軌式の『99式自走155㎜りゅう弾砲』と同じ砲を一部装備・機能を削減した上で開発するとされていた。

しかし開発段階で『重装輪回収車』のシャーシでは性能不足である事が判明した事からドイツ・RMMV社の軍用トラック『HX』の8WD(4軸)仕様に変更され全長11.2m、全幅2.5m、全高3.4mのサイズとなっている。
そして詳細な重量は公表されていないがC-２輸送機に積載出来る限界の25t弱には収まっているとされる。
最高速力は100km/hと陸上自衛隊が保有する装輪車両と同等である。

砲に関しては前述の通り仕様変更が行われている。まず砲は完全旋回+砲塔式ではなく限定旋回式砲架となり後部には射撃反動を受け止めるプレート式の駐鋤が備えられ舗装面でも射撃可能になっているとされる。
一方で自動装填機構は砲弾のみで装薬は人力装填を採用した結果運用人員は19式単体で5名と99式より1名多いがFHよりは3名削減されている。
射撃統制装置と砲弾は99式と同様に陸上自衛隊野戦特科部隊が運用する『FADAC』データリンクと最大射程40㎞のアシスト砲弾を使用できるとされる。

関連作品

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関連項目

• 陸上自衛隊
• 自走砲/軍用車両の一覧