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アフィニティ

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 Affinity(アフィニティ)とは、日本語で「親和性」の意味を持つ英単語である。

ここでは、イギリスのSerif社が開発したグラフィックソフトウェアを解説する。


まったく新しいグラフィックソフトウェア

Apple Design Award Winner
Editors' Choice ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
Windows Developer Award 2018 Applecation Creator of The Year
1st BEST SOFTWERE Photography news
TIPA Best Imagen Softwera
APP OF THE YEAR ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ Stuff

Affinity公式サイトから

「Affinity」とは、イギリスの会社である〈Serif Europe.Ltd〉が開発し販売を行っているグラフィックソフトウェアシリーズの総称である

概要

「Affinity」開発までの経緯

あまり聞かない会社ではあるが。Serif社の起業は1987年と、グラフィックソフトウェア業界ではかなりの古参である。最初に開発したのはWindows用の〈デスクトップパブリッシングソフトウェア〉、いわゆる〈DTP〉ソフトの「PageStar」。

その後も幾つかのソフトウェアを販売するが、近年になって既存ソフトウェアのコード(つまり設計図)を捨て、全てを新しくゼロから開発することにする。[1]

決断を下した理由は大まかに二つ。

  1. ソフトウェアが全てWindows限定であったこと。
  2. 度重なるアップデートにより、メンテナンスが困難になっていたこと。

このことから、2014年に全てが新しいソフトウェアシリーズ「Affinity」が立ち上がる。

Affinityシリーズについて

2014年に配信を開始した「Affinity Designer」を皮切りに、名を冠したもう二つのソフトウェアと、定期的な機能アップデートが繰り返されている。

2022年11月9日には、アップグレード版となるV2(Version2)が配信開始される。旧バージョン(V1)は新規購入不可となる。(購入済みの場合は再ダウンロード、インストール化)

販売形態

現在は、WindowsStore、macOS AppStore、iOS(iPad専用アプリ)、AffinityStore(ライセンスコード形式、各OS対応のインストーラー配布)で下記のソフトが配信されている。

  • Affinity Designer
  • Affinity Photo
  • Affinity Publisher

Windows版・Mac版:定価10,800円
iPad版:定価3,600円
ユニバーサルライセンス(Win・Mac・iPad全部込み):定価26,800円 全てを単独購入より48,800円お得。
(2022年11月9日当時の価格。レートの変動によっても価格は改定されます。全てを単独購入すると75,600円かかります)

V2からは無料でインストールが可能。その後一回限りで体験版として30日間全機能が使用できる。製品版として使用したい場合は、〈アプリ内購入〉〈AffinityStoreからライセンスコードを購入〉のいずれかを行い認証することで、製品版として使用可能となる。

ユニバーサルライセンスを購入した場合は、Affinityアカウントを作成して連携させておく必要があるので注意。

他のソフトと比べるとどうなの?

グラフィックソフトウェアという時点で、特にコンピューターグラフィックスソフトウェア最大手Adobe社製ソフトと比較対象にされてしまうのは、どうしても避けられない部分である。

PhotoはPhotoShop、Designerはillustrator、PubrisherはInDisign。

実際の評価は?

グラフィックソフトウェアとして、脱Adobe筆頭ソフトとして代表されているぐらいにかなりの注目を集めている

特筆すべきなのは、やはりソフトが買い切りである点だ。

仕事としてPhotoShopやillustratorを使うならまだいいとして、個人利用目的としては月額のサブスプリクションがかなりの負担となる。趣味で扱ってみたいという人達に安価で触ることのできるソフトというのは、かなりの利点だ。

しかし、それだけでは注目は集まらない。

肝心の機能面に関してだが、ほぼほぼ遜色ない。仕事用途として扱っても問題ないレベルの完成度を誇っている。一部はAdobeと比べて扱いやすい点も。

そして、デスクトップ版とiPad版の機能の差異はない。各機種間の互換性も完璧で、iPadで軽く使って、デスクトップで本格的に仕上げるということもできてしまう。

ついでにいうと、Adobeソフトと比べてとても軽い

Appleと仲のいい関係らしく、Metal、AppleSiliconへの対応が製品のローンチで行われたり、Macの製品紹介ページで使われていたりと、Appleからも製品のお供にどうですかと看板製品としておすすめされている。

伊達に数々の賞を受賞していない。

「PhotoshopやIllustratorのようなソフトが欲しいけど月額なのが……」と思っている人がいるのなら、それらに付随するファイルの互換性もある程度あるので、個人用途としてかなりオススメできるソフトウェアだ。

それでも迷う人に

Affinityは現時点において、Adobeと比べたらSerif自体が従業員100人以下の小規模な会社であることは否めないが、ソフトウェア自体の品質はとても高い。日本語のサポートはある程度対応し、ソフトウェア内に各機能のヘルプ、ウェブサイト上でチュートリアルの動画も完備している。

Adobeソフトと比較して、ない機能というのはもちろん存在している。しかし、普通に扱う分には困ることはない程度には機能が盛りだくさんだ。もしかしたらアップデートで追加されるかもしれないので、その場合は大型アップデートが来るまで気長に待とう。

もし購入しようとする場合は、所持または使用する端末が対応しているかどうかの確認を忘れずに。特にiOS版に関してはiPad専用として出ている為、iPhoneでは使用することができないことに注意が必要だ。

動作条件

少なくともこのスペックを満たしていれば、Affinityシリーズは全て動作する。デスクトップ版は、1280x768以上のディスプレイ解像度が必要になることにも留意しよう。

公式の動作条件はページはこちら

Windows
64ビットWindows搭載
RAM8GB以上推奨
Direct3Dレベル12.0対応カード
DirectX10互換のグラフィックカード
Surface Dual、Surface Pen対応
Mac
Intel 64ビット Core 2 Duo以上(2007年モデル以降)
Appleシリコン(Mシリーズ)チップ搭載
RAM8GB以上推奨
macOS Catalina 10.15以降
標準、Retina、拡張色域DCI-P3ディスプレイのサポート
iOS(iPad専用)
iPad 2017年モデル以降のシリーズ(A9プロセッサ以降を搭載しているiPad)
iPad Air 2以降のシリーズ(A8Xプロセッサ以降を搭載している)
iPad Pro全シリーズ
iPad mini 5以降
ApplePencil対応

配信中のソフトウェア

Affinityは全3種。Designer、Photo、Publisherがある。

Affinity Designer

2014年に配信を開始したベクター形式のドローイングソフトウェア。同様のソフトとしてAdobeIllustratorが上げられる。

Illustratorと違う点は、ベクター形式だけではなくラスター形式も標準でサポートしている点。そして多少なりの画像編集機能を備えている。

画像の単色背景の切り抜きなどでPhotoshopなど別ソフトで出力・編集してから追加していたことからすれば、それが単一ソフトで済む点は余りある利点と言える。

画像の3D化が弱いということだが、一般ユーザーからすればまず困らないだろう。

Affinity Photo

2015年に配信を開始したラスター形式のグラフィックソフトウェア。同様のソフトとしてAdobePhotoshopやGIMPが上げられる。

業界標準の機能は基本的に搭載済み。慣れれば他のグラフィックソフトウェアと遜色無いモノが作れる。

Affinity Publisher

2019年に配信を開始したパブリッシングソフトウェア。同様のソフトとして、AdobeInDesign、AdobeFreamMakerなどが上げられる。
(パブリッシング:編集に対し割り付けを行うソフトウェア。デスクトップパブリッシングソフトウェア、DTP)

MicrosoftOfficeWordなどでチラシのデザインをやったりする人もいると思うが、それ専用のソフトウェア。縦書きなどの日本独自とも言える機能の数々はサポートされていない。
(そもそも日本語組版への対応はかなり大変な模様。InDesignに至っては、「いちから作り直した」と公言されているほど。日本ユーザーが増えたら市場が大きくなって対応される可能性わんちゃんとユーザー間で話題にしたりする)

iPad版は2022年11月9日に、V2とともに配信が開始された。

独自機能

ペルソナ

プロ仕様のこういったソフトウェアは「一つのフォルダに機能が詰めてあります」と初心者からすればとてもややこしく分かりにくい構造になっている。

一方でAffinityは、それら機能を区分するために

例:Designer)ベクター形式は「デザイナー」、ラスター形式は「ピクセル」

と言った具合に、各機能に明確なテーマをつけ「ペルソナ」として分けられている。

デスクトップ用ソフトウェアでありがちな上部メニューバー(コンテキストメニュー)のみにある機能というのは基本的に無く、使用したい機能を「ペルソナという〈フォルダ〉」で分けることにより、情報過多による初心者ユーザーの混乱を招かないようなインターフェイスにもなっている。
iOS版は右下に機能名を表示してくれる?マークもあり、いちいちこれはなんなのかと調べる必要が無いのも追記しておこう。

この機能は、全機種で使用可能。画面における情報が制限されてしまうタブレットでは特に優秀。

書き出しの機能もペルソナとして区分されている。

StudioLink

Publisherに搭載されている技術。

Publisher使用時に、「Designer」「Photo」の機能を当該ソフトが起動していない状態で扱えるようにする技術

DesignerとPhotoがインストールされていなければ使用することはできないが、画像編集のために別ソフトへ切り替える必要がなくなり、Publisher単体で十二分な画像編集機能を取り揃えられ、利用できるようになる。

まさに「Affinity親和性」の名にふさわしい機能である。

逆にPublisherにしかない機能も、一部は予めプロジェクトファイルに保存していれば、Designer・Photoでも扱える。

ソフト間の互換性

Affinityシリーズは、全てのソフトウェアが同一のエンジンで開発されている

もっとわかりやすく解説すれば「PhotoでもDesigner、Publisherの機能を扱えるよ」ということ。

どういうことだよ

各種ソフトの作業ファイルは、それぞれ拡張子は異なっているのだが、実は内部的には同一ファイル。あくまで使用したソフトで作業ファイル拡張子が違うだけなのだ。

PhotoにDesignerの作業ファイルを放り込んだとしても、問題なく読み込んでくれる。あまつさえ、多少の編集と微調整もできる。新規追加は当該ソフトでなければできないので注意。

PhotoshopとIllustratorなどの同社Adobeソフト間でもエンジンが違うだけに互換性が怪しい部分があることを考えると、何げにトンデモなことである。

関連リンク

関連項目

  • グラフィックソフト
  • ドローソフト
  • ベクターグラフィック
  • ペイントツール
  • DTP

脚注

  1. *プロ向けのクリエイティブソフト「Affinity」が解決した“無駄な往復”とは?開発元CEOに聞く「買い切り制」を採用する理由/https://realsound.jp/tech/2023/09/post-1446012_2.html

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