DLCとは"Downloadable content"の略称であり、国内では一般的に「ダウンロードコンテンツ」と呼ばれ表記されている。インターネットを利用して配信販売される音楽、映画、ゲームなどのコンテンツとそのサービスの総称である。広い意味では配信プラットフォームや販売形態、その市場も指す言葉でもあるが、一般的にはビデオゲームの追加コンテンツのことを指して呼ばれる場合が多いだろう。以降この記事ではゲームの追加コンテンツを中心に記述する。
DLCという概念が定着する以前からも通信によるゲームデータの配信販売は存在しており、例を挙げると専用の通信回線を使用した「サテラビュー」「64DD」、ドリームキャストが行っていた配信サービス「ドリームライブラリ」といったものがあった。ただ、当時の回線速度は遅く、インターネットそのものの普及率も当時はまだ少なく、サービス内容も限定的で新しい販売形態を確立することはなかった。ダイヤルアップでゲームのダウンロードなんてやってられっか!
ゲームの追加拡張データの販売は「Expansion pack(拡張パック)」などと呼ばれ、主にPCゲームタイトルでは以前からよく見かけられた。一方、家庭用ゲーム機では導入方法が特殊であるためあまり一般的ではなく数も少なかった。
ブロードバンド回線が普及した2004年ごろになると、PCタイトル向けのサービスとしてSteamやGames for Windows Liveをはじめとするダウンロード配信プラットフォームやダウンロード販売店が数多く登場し、家庭用ゲーム機でもXbox Live、PlayStation Store、ニンテンドーeショップなどのそれぞれのプラットフォーム専用の配信販売サービスが開始された。また、家庭用ゲーム機ではHDDや大容量メモリーカードなどの記憶領域が備えられた機種が登場したことでDLCという新しいゲームの販売方法が定着したと言えるだろう。現在では過去の名作タイトルやインディータイトルの販売なども活発である。
ゲームのダウンロード配信が一般的になってからはゲームソフトの販売だけではなく、ゲームを拡張する追加コンテンツの配信販売も多く登場した。現在ではDLCと言えばゲームの追加コンテンツを指すことが多いと言えるだろう。
現在では一概に追加コンテンツといってもその内容、形式はゲームによって様々である。本編の拡張をはじめ、プレイヤーキャラクター、アイテム、スキン(衣装)などのゲーム内の追加から、映像特典、オーディオコメンタリー、コンセプトアートといったものも存在する。また、「シーズンパス」と呼ばれる全てのDLCセットを割引価格で予約販売を行う形式も近年よくみられるようになった。
一方でデータの追加ではなく、ゲーム内通貨(ポイント・スタミナ)の購入や、インゲームデータのアンロック、ゲームバランスに影響を与える内容のショートカットを行うものをDLCとして販売しているケースも存在し、コミュニティ間では販売形態が疑問視されている。
一部タイトルに限定された例で決してDLCサービス全体における傾向ではないが、DLCのあるゲームタイトルの中にはDLC(つまりは追加コンテンツ)と謳いつつ、実際には追加データは存在せずゲーム内のステータスに変化を与えるだけといった内容のものも存在している。また、オリジナルのゲームソフト側の内容がDLCの購入を前提とした設計がされていると疑われる例もあり、国内では俗称で「完全版商法」とも呼ばれている。
極端な例では、スタミナやポイントなどのゲーム内通貨の購入を行うもの、ゲームプレイに制限があり通貨の購入を前提としたものと、オンラインゲームやソーシャルゲームにおける課金サービスと同等の形態のものもあり、その印象からか今日のゲーム関係のコミュニティにおいて「DLCは課金」という誤った認識が持たれてしまっていることも決して珍しくはない。(課金という言葉の用法については該当記事も参照)
これらの理由から、ゲームの内容よりも販売会社の利益を露骨に優先しているのでは、という疑いの声は国内外問わずプレイヤーから挙がっている。例として以下のような内容、形式のものが疑問視されている。
ゲームそのものに影響を及ぼさないアイテムやスキンの追加であれば、ユーザーの選択肢が増えるという利点があると思われるが、もしそれがゲーム本編の拡張であった場合「最初から製品版に入れておけよ・・・」という意見が出ることは予想できるだろう。一方ですぐにクリアしてしまったプレイヤー向けとも考えることは出来る。また、プラットフォームによってはゲームソフトの媒体の容量が限界のため、このような形式をとるものもあるといわれている。
無論、言い値で売っているわけではないので価格設定は販売元の任意であり消費者側が判断するものではない。しかし、ゲームは違えど「本編と同等の内容に匹敵する新規拡張コンテンツ」と「キャラクターの見た目が変わるだけのコンテンツ」が同じ価格で販売されいていたら・・・後者の販売形態を疑ってしまうのは無理もないだろう。
データの追加ではなく既にあるデータをゲーム中で使用できるようにするなど、ゲーム内のステータスに変化を与えるといったもの。海外では「Disc-Locked Content」とも言われている。配信コンテンツとは一体何なのか。販売形態そのものを疑問視する声や「最初から製品版に」という意見は多い。特にゲームバランスに影響を与える内容のものは困惑するプレイヤーは少なくないだろう。しかし、何らかの特典による限定データ等を後から購入することができる手段でもあるとされる。
前述した例の極端な例で、元のゲームそのものが理不尽な内容や膨大な作業プレイ要求したり、プレイ自体が制限されており、解消するにはゲーム内通貨の購入や専用のDLCが必要とされるというもの。ゲーム自体が初めからその手のものを購入させるために設計されているのである。そこにゲームバランスは存在せず、もはやゲームとは何なのかと疑ってしまうかもしれない。しかし一方で、そのような内容のゲームや追加購入によってゲームが簡単に進行できるようになることを望ましく思うプレイヤーがいるのもまた事実である。
2006年にThe Elder Scrolls IV: オブリビオンの第一弾DLCとして配信された、Horse Armor Packのこと。大規模な拡張パックが販売されるのが通例のシリーズ、そしてPC版ではアイテムの追加程度だったらユーザーメイド、むしろ自分で作ること(MOD)が当たり前のタイトルだったこともあり、配信直後の当時は散々文句を言われてしまい、その影響で現在でも悪いDLCの代名詞的に扱われている。原因としてはまだDLCの配信そのものがはじまったばかりの頃で、開発元も販売元もどのようにアプローチするか、ユーザー側もどう受け止めるべきかまだ解らなかったからだろうと思われる。
しかし、現在ではスキンやアイテムのみのDLCが一般的であるというのはなんとも皮肉である。
上記のような疑問から批判こそあるが、一例を挙げそれを盾に正義ぶって開発者や販売元を叩く事は決して褒められるものではない。開発者が悪いのか?販売元が悪いのか?市場が悪いのか?それとも実はプレイヤーの認識が悪いのか?しかし、どれも一プレイヤーにとっての疑問の域を出ないはずだ。
DLCの歴史はまだ始まったばかりで、開発者、販売元、そしてプレイヤー同士のコミュニティもまだまだ未成熟なのかもしれない。馬の鎧はもう許してあげて。そしてDLCの購入は任意である。そぐわない内容だと感じたら買わなければいいのである。そして、決して疑問視されるDLCがゲームの文化の全てではない、傑作として名作として楽しまれ好意的に受け入れられているDLCは確かに存在する。
一例を取り上げて全てを非難するだけの声を挙げることはゲームやコミュニティの印象を悪くするだけで誰一人良い思いをすることはないだろう。
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最終更新:2026/01/11(日) 02:00
最終更新:2026/01/11(日) 01:00
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