NVIDIAとは、GPUで有名な半導体メーカーである。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララ。
企業沿革
1993年設立。廉価でありながら高機能なGPUを発売、90年代末から短期間で世代交代を繰り返して業界全体の性能水準を押し上げ、次世代製品の開発が頓挫した当時の覇者、3dfxを瞬殺(後に吸収)。グラフィックチップ界での地位を不動のものとした。
競合するIntel・AMDが共に自社オンボードGPUのCPUへの統合を近い将来に検討していることから、収益の鍵となる廉価版グラフィックスカードの市場が実質消滅してしまう可能性がある(一般的に最高峰クラスのGPUは赤字販売で、技術力アピールと業務向けへの転用を狙うための製品。収益は廉価版で稼いでいる)。
PC用CPUを持たないNVIDIAはこのままでは危険な状況であるといわれており、状況打開のため組み込み市場やHPC市場への進出を進めている。
現にSandyBridgeの発売により、中国市場では低スペックのGPU市場が事実上消滅してしまい、さらにIvy BridgeではCPUの性能向上よりもGPUの性能向上に力を入れているようで、ヘビー級のタイトルも動く性能を搭載すると言われ、AMD、nVIDIA共にGPU市場では苦境に立たされていると言える。
そのためか、GeForceの新型であるKeplerは長い間開発中のままで、Tegraなどに力を入れているようだ。
ライバルのAMDは本来CPUが本業なので、RADEONでの技術と合わせて内蔵グラフィックスにおいてIntelに対抗するためFusionというプロジェクトを持ち出している。
一方、RADEONは家庭用ゲーム機において次世代XBOXおよびWiiUでRADEONを搭載することが確定しており、PS4が再びGeForceを採用するかどうかも社運をかけた戦いになると思われる。
主な製品
- GeForceシリーズ
GPUのブランド名。
1999年に発売したジオメトリエンジン搭載のGPU「GeForce 256」よりこのブランド名を使用。
現在では複数のGPUを並列で使用する「SLI」技術によって性能を高めることが可能であるが、チップセットやマザーボードの対応が必要である。
- Quadroシリーズ
GeForceに、ハードな業務用途に耐える安定動作とOpenGLでのパフォーマンスを引き出すセッティングをしたもの。OpenGLでは同世代・同グレードのGeForceの十倍程度と圧倒的な速度だが、価格もそれに近い強気設定になっている。
- nForceシリーズ
チップセットのブランド名。AMD・Intelの両プラットフォームに展開している。
オンボードビデオを内蔵する製品ではノースブリッジに上記のGeForceシリーズの機能を取り込んでおり、比較的高いグラフィック性能が得られる。AMDプラットフォームでは一時期事実上のスタンダードに伸し上がったが、AMDが買収した旧ATI系のチップセットを積極展開するようになった後は失速。
- Reality Synthesizer(RSX)
PS3に搭載されているGPU。DirectX9.0c世代のGeForce 7800GTX(G70)をベースに、一部機能を削除してコストを抑えたもの。
- X-GPU(X-Chip)
無印Xboxに搭載されているGPU。何気にプログラマブルシェーダやHD出力に対応している。
なお、これの開発にあたりマイクロソフトとNVIDIAの間に一悶着あったらしく、その結果、現行機Xbox360に搭載されているのはライバルのATI社が開発したGPUである。
- Tegraシリーズ
コンピュータ機器に必要なCPU・メインメモリ・GPU・I/O制御系等の機能をワンチップにまとめた、所謂SoC。CPU部分はARMアーキテクチャのものをベースとしている。
2コアのARMアーキテクチャCPUや1080P対応の動画エンコーダ・デコーダ等を搭載し、尚且つ「必要な回路のみ電源投入する」というでんこちゃん的な方法により「数年前のハイエンドPC並の性能を携帯機器に与える」ということを可能にした。なお、GPU部分の性能は同社の「GeForceFX」相当だとか。
国内外のAndroidタブレット端末で多数採用例があるほか、マイクロソフト社の携帯音楽プレーヤー「ZuneHD」にも搭載されている。
また、一時期ニンテンドー3DSの中枢部分に採用されるのではないかという噂もあった。
ちなみにアップルの「iPad2」の心臓部であるA5プロセッサは、仕様的にはTegra2に非常に近いものらしい。
技術
- CUDA
GPU向けのC言語の統合開発環境。GPUによる汎目的計算(GPGPU)の為のものである。
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