PhysXとは、物理演算エンジンライブラリ、及びそのライブラリのための専用チップの名称である。
開発元は米カリフォルニア州に本拠を置くAGEIA社だが、現在はnVidia社に買収されている。
対応ゲームは150以上(2010年2月現在)、PhysXに対抗する物理演算エンジンはIntelとATIが推進する『 Havok 』や『 Bullet Physics 』などのオープンソースの物理演算エンジンがある。
nVidia社のグラフィックチップ、GeforceでPhysXのアクセラレーションを行うのにはグラフィック描画に使われるシェーダプロセッサであるストリーミングプロセッサ(通称:SP)の一部を使うため、グラフィック描画のパフォーマンスが低下するが、この弱点を補う為にSLIで二枚以上のGeforceを搭載して一枚をPhysX専用として割り当てる事が180.46番のGeforceドライバでできるようになった。またGeForce GTX 275+GeForce GTS 250を一枚のカードに搭載し、GTS250側をPhysX用として割り当てる事ができるカードも発売されている。
また、Intel/AMDなどのPC向けCPUでもPhysXを実行できるものの、PC向けCPUでは物理演算に必要なベクトル演算性能が低いためにPhysXのパフォーマンスが低下し、PhysXに演算処理が割り当てられる分、CPUパフォーマンスも低下する。
RADEONなどのnVidia社以外のグラフィックボードと、PhysXに対応したGeforceやPhysXボードを一つのPCに乗せ、メインボードとしてRADEONを使い、GeforceのPhysXの機能だけをプラスして使う、という事も出来ていたが、186番台以降のGeforceドライバで物理演算機能を強制停止されてしまうようになり、この使い方ができなくなった。(※非公式パッチなどを使用する事で現在もこの使い方が可能)
浮動小数点など、物理演算のためのライブラリ。
慣性など物理学に沿った物体の挙動を演算するために物理解析やゲームなどで用いられる。
PC向け(Windows/Linux)と家庭用ゲーム機向け(PS3/Xbox360/Wii)に無償でライブラリの一部が配布されている。
PhysX SDKに対応する演算をCPU、GPUから肩代わりする事で動作スピードの上昇を目指した専用チップ(PhysX PPU)を搭載した拡張ボードのことで、AGEIA社が2008年2月にNVIDIA社に買収される以前に販売していた。
このボードは2006年~2007年中盤にかけて複数のメーカーから3万円後半~4万円台の高値で販売されていたが、対応するソフトウェアが少なかったためか、秋葉原をはじめとたPCショップなどで2007年後半には6千円以下で投げ売られ、AGEIA社買収後2009年前半には秋葉原PCショップで2千円以下で処分される姿が見られた。
なお、nVidia社のグラフィックチップ、GeForceの8千番代以降の製品でシェーダを利用したPhysXアクセラレーションが利用できるようになったが、PhysXボードよりもGeForceに物理演算させた方が性能が高いため、現在PhysXボードの存在意義は無い。
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最終更新:2025/12/31(水) 14:00
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