SF(サイエンスフィクション)とは、空想上の科学を主な主題として描かれたフィクションを指す。科学といっても全てが深い考察に基づいているわけではなく、最先端の量子力学によって厳密な世界観を導き出したハードSFから、火星人と襲われる女性といったスペースオペラまで幅広い。
またSFの定義についても議論の的となることであり、特に近年のアニメーションなどにおいてはファンタジーとの境界が曖昧である。リリカルなのはなどは設定にSF的な部分が散見されるし、ファンタジーであるゼロの使い魔さえも、魔法が使えるのは滅びた人類の科学によるものであったという設定を仮に加えるだけで、立派なSF作品の仲間入りをしてしまうのである。
高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない(アーサー・C・クラーク)
また、空中をエアカーが走りはしないものの、携帯電話が普及し、インターネットによる情報伝達が実現している現代は、十分にSF的といえるかもしれない。世の中が予想外に非対称的な発展を見せてしまったため、SF作家達は前提となる世界観の見直しを迫られている。
機械の反乱
戦前の日本においても「空想科学小説」と呼ばれるものが存在し先駆的な作品が数多くみられたが、現在の「日本SF」というジャンルは終戦後国内に持込まれた欧米(特に米国)作品の影響のもとで出発したものといえる。
1957年同人誌『宇宙塵』そして1959年には『SFマガジン』が創刊され、これらから星新一、小松左京、筒井康隆、光瀬龍、眉村卓、平井和正など後の大御所がデビュー。以降の日本SFを牽引してゆく。
1960年代に入ると手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎などの漫画家が多くのSF漫画を執筆。その後も松本零士、永井豪らがあとに続き人気を博した。また平井和正や豊田有恒などのSF小説家がアニメの制作にかかわったりと、これら漫画・アニメとの関係は親密になっていった。
1970年代から1980年代にかけて『宇宙戦艦ヤマト』や巨大ロボットものなどのアニメ、『スター・ウォーズ』をはじめとする映画が放映・公開され、それまであまりメジャーとは云い難かった「SF」が大衆へと浸透・拡散していった。一方活字の世界では高千穂遙、新井素子、菊地秀行らが現在のライトノベルの源流ともいえる流れを作り出した。
その後1980年代末から1990年代に「冬の時代」と呼ばれる日本SFの低迷期が訪れ、多くのSF専門誌が廃刊に追い込まれた。これにより多くの新人向コンテストが廃止、行き場を失った新人作家たちはこぞってラノベ出版社の門を叩いた。このころライトノベルで活躍した作家として野尻抱介、山本弘らが挙げられる。
2000年代に入ると海外へのオタク文化進出に伴い、日本SFが海外で紹介されることも増え始めた。2007年には日本で初の世界SF大会が横浜で開催され盛況した。今後の日本SFの発展が期待される。
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最終更新:2025/12/21(日) 11:00
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