SS(二次創作)に関する用語の一覧。ここではある程度一般的な分類や用語を掲載する。
ただしこの記事ではいわゆる二次創作小説に関するものだけではなく、一次創作のネット小説についての記載も多数混在している(「SS」という言葉自体、意味が拡散・希薄化してしまっており、一次創作小説を指して使われることも少なくない)。
ベタな少女漫画に出てくるような、「庶民のヒロインを虐める高慢で差別意識に満ちたお金持ちで上流階級のお嬢様」=悪役令嬢を主役にした作品のジャンル。
悪役令嬢本人が主人公のタイプと、一般人が悪役令嬢に転生・憑依するタイプがあり、かつては後者が内政チートものなど他のジャンルと合わさる形で主流となっていた。ただし、近年では転生もの自体の勢いが落ちた為、前者が人気になりつつある。
どちらにしても、本来のヒーロー・ヒロインカップルが悪役令嬢の立場から見るといかに理不尽で、非常識で、傍迷惑な存在かという、視点・価値観の逆転の妙味を題材とする展開が多い。
また、悪役の主人公という点から、何かの形で自分の未来が処刑・没落などの暗い物であると知り、それを回避する事を目的とした物語になる事が多い。その為、ストーリー上で実際に悪役として振る舞う作品はごく稀。
近年は貴族令嬢でさえあれば悪役かどうかは問わないパターンも増えており、主流とまではいかないにしても拮抗するぐらいにはなっている。
ちなみに影響力を重視するためか平民上がりの少女や下級貴族の令嬢が主人公として頭角を現すということはまずなく、出自は最低でも商会の娘か伯爵以上、大抵は侯爵以上の令嬢というパターンが大半。
また主人公以外にも転生者が出てくるというパターンも割とあり、作中のメインヒロインや他の悪役令嬢、サブの男性役に転生したり、他にも主人公より後の年代から転移して続編の展開を知っていて、後に主人公の助言者になるというパターンもある。まるで転生者のバーゲンセールだな……。
悪役という灰かぶりの主人公が良い交際相手を得る話を軸とする点など、細やかな違いを抜きにすると話の大筋はシンデレラストーリー的。
基本的に女性に人気の高いジャンルだが、普通の恋愛物語に対するアンチテーゼが根底にあるせいか、逆ハー展開になる作品は稀で、しかも逆ハーになる場合の作品のEDは投げやりに終わることが多い(偏見)。中には作者の深刻な男性不信がひしひしと伝わってくるようなものも……。
おおむね乙女ゲームの悪役令嬢という設定がなされているものの、実際の乙女ゲームにはこういったキャラクターは殆ど存在せず、元ネタは恐らく少女漫画だろう。
その名の通り、完結した原作のその後を描いた作品。
公式で○年後とかの続編が出てしまうと色々と矛盾が出てしまい、後から読むと設定を気にする人は引っかかるところが多くなってしまう、ということがよくある。矛盾に関しては開き直って我が道を行く人もいれば、原作設定と可能な限り摺り合わせようとする人もいる。オリキャラの介入度合いは低く、原作ファンに受け入れられやすいが、近年は主流ではない。
2ちゃんねるのPINKちゃんねるにある板。正式名称は「エロパロ&文章創作板」。その名の通りR-18のSS全般を扱う。「EP」と略されること も。18歳未満は気になってもぐぐったりしないこと。
オリジナル主人公のこと。その名の通り、作者のオリジナルキャラクターが主人公になっている作品を指す。
昨今の二次SSの主流。
最強設定を与えられ、原作キャラを蹂躙したり、原作ヒロインを片っ端から落としてハーレムを作ったりするメアリー・スー的な作品が非常に多い(無論、そうでないものもある)。そのため、場所によってはオリジナル主人公というだけで敬遠されることもある。
ただし最強設定ばかりではなく、近年は一芸特化型のオリ主も増えてきている。
アンチ、ヘイト行為を行うキャラクターを更にアンチ、ヘイトする作品のこと。ある作品の二次創作が一定数まで増え、ヘイトSSがある程度類型化してくると出現しだすジャンル。
原作キャラに粘着的なヘイトを行う戯画化されたオリ主(アンチオリ主)を、作者の代弁者的な役割を担う新たなオリ主(アンチアンチオリ主)が論破。アンチオリ主逆切れしところを一蹴する、という展開が多い。そして助けられた原作キャラに感謝の念を抱かせたり、アンチオリ主が狙っていたヒロインを逆にハーレム要員として籠絡するというのも典型的。そうなった場合は、助けられた原作キャラとヒロインによる「アンチオリ主に比べアンチアンチオリ主はこんなにも立派だ」という賛辞が付属する。大抵はこのような五十歩百歩のいい見本となるのが関の山である。
特にいわゆるなろう系の二次創作だったりすると一気に割合が増える。極端なパターンだと『原作主人公一派は常識無しのクズだから敵対してそれを上回るチートで容赦なく潰します』みたいな作品もあり、作者の闇の深さが垣間見えることもある。
商業化された作品につくことがある。
無料で読めるWEB版と有料の書籍版で内容がおおきく変更されている作品もある。また書籍版がWEB版に追い付いてしまい、WEB版の連載が終了してしまうというパターンも。
なお、小説家になろうでは「続きは書籍で!」が規約違反なので、WEB版に書籍が追いついた場合はWEB版とは別ルートの話にする必要がある。追いつくほどシリーズ刊行できる作品は稀。
作者のリアル事情・書くのに飽きた・などの理由で作品が更新されなくなること。
詳しくは「エターなる」の項目を参照。
近年は略されてエタる、エタったと言われることのほうが多い。
キャラクター同士の組み合わせ。恋愛感情を伴うものが大半。性別は問わない。
特に原作で恋愛関係に無いキャラ同士の組み合わせを描くものがこう呼ばれる。
『魔法少女リリカルなのは』や『東方Project』のような、百合とノーマルが混在する界隈では、百合好きとノーマル好きは基本的にあまり仲が良くない。そこにカプ嫌いや荒らしが加わっていがみ合い出すことも多々。特に「魔法少女リリカルなのは」に関しては、百合とノーマルの対立は泥沼の代名詞といえるほどであり、公式展開が落ち着いてきた現在でも爪痕が残っており、1作目から登場している男性キャラに関しての冷遇はこの対立も関わっていないとは言い切れない。その予防策か3作目以降に登場したメインの男性キャラははじめから異性カップリングを確定させる形で登場させ、逆にメインで男性キャラが出ない作品は徹底的にヒロインと同年代の男性は出さないなど、極端な方向に走ってしまう結果となっている。
逆に百合とノーマルが混在しても、オリジナルのゲームで主人公がヒロインたちを指導・指揮する立場になる『アイドルマスター』や『艦隊これくしょん』のようなシリーズの場合だと、上記ほど百合とノーマルの対立が激化するケースは比較的少ない。別の要因で炎上・対立するケースは多いが。
主人公がSS内でのメインヒロインと恋人同士になった際、恋敗れたサブヒロインがサブキャラクター(多くの場合は主人公の友人キャラ)と恋人になる現象のこと。
「主人公を女の子を振った悪者にしたくない、という作者の意図が透けて見える」「振られた途端に他の男に乗り換えるので、サブヒロインが尻軽に見える」などと読者に毛嫌いされることも多い。
『エヴァンゲリオン』などの90年代アニメ・ゲームSSの最盛期にはよく見かけたが、近年はハーレムものの流行に圧されてか、大幅に減少。一時は絶滅危惧種となっている感があった。
現在はハーレム物の派生となる形で勢力を若干盛り返しており、オリキャラとくっつけたり、場合によっては原作登場人物同士でくっつけてるケースもある。特に「ソードアート・オンライン」のようなエピソードの区切りごとにシナリオヒロインやゲストキャラクターが登場する原作の二次創作では見かけるケースが多い。
敵・味方が主人公に対して抱いている印象(またはその逆)が実際とは全く異なる事を描いた作品を指す。
実際は弱いのに最強だと勘違いされる、悪行をしているつもりなのに周囲は聖人だと勘違いする、逆に善人の主人公が悪の帝王だと勘違いされる。
などの「そうはならないだろ」を面白おかしく描いた作品が多い。
有名どころではオーバーロードにおける「さすがアインズ様」やワンパンマンのキングがこれに当たる。
全然意味合いの違う話をしているのに会話が成立し、明後日の方向に話が進む。という展開が多く、そこから「アンジャッシュのコント」と呼ばれる事がある。
一度死んだり世界が滅んだりした記憶を持つ主人公が、もう一度ストーリーをやり直すパターンの作品。
エヴァ、ナデシコの時代に特に流行したジャンル。逆行時になんらかの能力を得たり最強化する場合もあった。
一時は数を減らし、亜種である憑依・転生ものの方が主流となっていたが、
近年は復讐ものが再流行しており、それに伴う形で再び見られるようにもなってきている。悪役令嬢でも時折使われる。
同じ世界に複数の作品のキャラクターが登場するタイプのSS。
「好きなもの同士を掛け合わせたらすごく好きなものができる」理論で手を出す作者は多い。また、公式では絶対ありえないのである意味二次の華である。
しかし、もともと全く関係の無い作品同士を強引に繋げることになるため、設定が破綻して収拾がつかなくなったり、パワーバランスの調整に失敗し片方がもう片方を一方的に蹂躙する展開になり、蹂躙される側のファンからブーイングを浴びるなどのパターンが多い。クロスするときは公平性に気をつけよう。また基本的に両方の作品を知っていることが前提になるため、読者の層を大幅に狭めてしまうという問題もある。
登場キャラクターが増えるため、長編化する場合が多い。が、長編SSはきちんと完結すること自体が稀なこともあり、クロスものはSSの中でも最大の地雷原と言われることが多い。
ちなみにニコニコ動画やハーメルンなど、二次創作メインの投稿系サイトでは割と多く見られる。
主人公が原作キャラに蛇蝎のように嫌われ、陰湿に苛められるという作風のSS。女性向け作品でよく見られる。
おおむね、目当てとなるキャラクターとの恋愛関係を強調するため、あるいはオリキャラや作者の感情移入する対象が、原作キャラに都合よく愛されているわけではないと予防線を張るために用いられる形式。
また、携帯小説のレイプや妊娠を扱う(割にはどうも深刻さが伝わらないスイーツ(笑)な)作品のように、単に不幸に陶酔するタイプの作品も見られる。
近年は追放系や復讐系、令嬢系のプロローグとして乱用されており、プロローグで使われた後は思い出したようにしか使用されなくなることも……というかむしろ主人公がフォローされる側で株がむしろ上がることの方が多い。
余談だが女性の書くTOAのSSにはやたらとこのスタイルが多い気がする。俺は悪くねぇっ!
原作に存在するキャラが大量の二次設定を追加されることで、文字通り最強のキャラと化してしまう作品。ほとんど元キャラの面影すらも残らない別人と化してしまう場合が多々あり、実質的にはオリ主ものと大差ない。
『Kanon』全盛期には、主人公・相沢祐一が過剰な設定を追加されて最強キャラとなるSSが多数生み出され、「U1(U-1)」と呼ばれた。『Kanon』 に限らず、大抵の作品にはこのような扱いになるキャラが存在する(たとえば『エヴァ』の碇シンジ、『GS美神』の横島、『月姫』の遠野志貴、『とらいあんぐるハート3』の高町恭也、近年では『俺ガイル』の比企谷八幡など)。
別の意味での最強化としては、特定のキャラがなぜかモテモテになりハーレム状態を作り上げるパターンもある。『魔法少女リリカルなのは』のクロノ・ハラオウン、ユーノ・スクライアや、『東方Project』の霧雨魔理沙、森近霖之助など。
オリ主が流行る前に流行った設定で、最近はオリ主ものに押されている。
上の最強化とは違い、元々主人公が物語開始時点から一番強い作品を指す。無敵ではないので負けることはあるが、ほとんどが相性の差であったり、一度負けても再戦では圧勝したりするパターンがこれにあたる。
有名どころでは『北斗の拳』のケンシロウ、漫画ではないがスティーヴン・セガールやアーノルド・シュワルツェネッガーなどが演じているキャラクターなどがそれにあたる。少しイレギュラーなタイプだとむしろギャグ系の作品に多く、『ラッキーマン』主人公であるラッキーマンなども当てはまるだろう。
ただしほとんどの作品の主人公に備えられている属性『才能系』をここに含めるかは議論の分かれるところで、近年の漫画・アニメ・ライトノベル・ゲームなどではたびたび論議の衝突が起きている。特に近年のネットから商業化デビューした作家の場合は特に厳しい目で見られることが多いように思われる。
原作のストーリーを元に、原作に存在しない要素(オリジナルキャラや設定など)を追加することで、原作とは異なるストーリーを展開するSS。逆行系や憑依もの・転生ものもこれに含まれる。「もしあのキャラが生きていたら」系のIFストーリーもこれに該当する。基本的に長編である。
大抵の作品は原作のストーリーを基本的になぞる形で進む。原作から大きく展開を変えるよりはそっちの方が書きやすいからである。
いわゆる「最強オリ主」「既存キャラ最強化」「ニコポ」「ハーレム」「蹂躙クロス」「原作ヘイト」「三次創作」などの地雷要素が詰め込まれたクオリティの低いSSに対する蔑称。「CQ」とは「厨房指数」の略。上記要素が大事で、つまらない作品全てを最低系と呼ぶわけではないので注意。
原作にバトル要素が皆無でもない限り、こういった作品はその作品のSS全体の中でも結構な割合を占め、多くの批判とごく一部の賛同者と物好きなウォッチャーを呼び寄せる。そして作者にとっては黒歴史となる。
……なお近年WEBから書籍化され話題に上がるような作品は大半が最低SSに分類されるという揺るぎない事実が示す通り、むしろ流行に対するヘイトや食傷を示すといった方がより正確に近く、結論から言えば普通の読者に限らず、スコッパーでさえ新ジャンルの開拓が頭打ちになっていると言い換えることもできる。
情報化社会・近未来社会を描いた創作の総称を指す。古くはサイボーグやアンドロイドがいる社会、近年だとXR(VR・ARなどの総称)を用いたジャンル全般といえばわかりやすい。
ただし古典型の人造人間がメインで登場するようなジャンルは社会が退廃していたり完全管理下に置かれてる創作作品はサイバーパンク系と明示されることが多いのに対し、逆にXRがメインになるような作品をサイバーパンクとして扱うことが基本的にないことからもわかる通り、広義の意味でのサイバーパンクは創作ジャンルとしてのサイバーパンクに含めないことがほとんどである。
サイバーパンクからの派生で、産業革命~20世紀初期をイメージした、蒸気機関と近代的町並みをモチーフとした創作ジャンルを指す。日本的にはサイバーパンクよりもこちらの方が大衆にはなじみが深く、ジブリ作品や世界名作劇場などでお馴染みの世界観となっている。
実際のSNSの創作で見ても狭義のサイバーパンクよりはスチームパンクよりの世界観の方が多い。
「ヘイト役のキャラクターを破滅させる事で読者をスカッとさせる」ジャンルの事。現在(2020年)の最主流。
後述の追放もの、復讐もので特に多用される。後述のヘイト(断罪)ものを一次創作に適応した亜種。
簡単に言えば、「パワハラ上司が部下(主人公)を不当に解雇したら、その部下が実はとても有能な人物だったので会社の業績が悪化し、解雇された部下は新しい就職先で認められて出世&元の会社の上司は解雇されて身の破滅」というストーリーであり、これ自体はSSに限らず多くのジャンルで多用されている。
大筋は勧善懲悪的である為に面白さが分かりやすく、その為に「何を楽しんで欲しい作品なのか」という意図を読者が理解する=読んでみようと思わせる事ができる。
ただし、これ自体はあくまで「ヘイト役のキャラが破滅しますよ」という宣言でしかなく、ざまぁを達成した後は作品の面白さを失ってしまったり、逆にざまぁまでを引き延ばして読者離れを起こしてしまうケースが多々ある。
また、ヘイト役が読者から見てさほど嫌な人物ではなかったり、悪行に対して与えられる破滅がやりすぎ、または控えすぎた場合は読者が消化不良を起こしてしまうケースも見られ、キャラクターへの読者感情を適切に管理できなければ長期に渡って評価を得る事は難しい。
総じて「分かりやすい面白さだけに上手く演出するのが難しい」ジャンルと言える。
別の作品のキャラクターが、ある作品の世界に召喚されるSS。
『Fate/stay night』の時代に流行し、『ゼロの使い魔』ではルイズによって様々な作品のキャラクターが召喚される「あの作品のキャラがルイズに召喚されました」シリーズが大流行した。
設定のすりあわせが面倒なクロスオーバーに比べ、基本的に召喚する側の作品に準拠していればいいので書きやすいジャンルだったことも流行した一因。
ニコニコ動画で流行った「幻想入り」もこの亜種。
後述のトリップ、転移もの、転生ものと言えなくもない。現在では転移・転生に取って代わられ、召喚もの自体はかなり廃れている。
いわゆる「○○になったので、自由気ままに過ごします」という近年の主流のひとつ。
基本的には「追放系」か「召喚系」、あるいは「転職もの」といった転機系の設定と併用される。
ただしこれもテンプレとして、最終的に主人公が英雄的行動を取らざるを得ない事件に巻き込まれ、一度は失ったもの以上の名声を得るという前段階に過ぎないことが多い。
特定の二次創作作品を元にして書かれるSSのこと。
元となる作品がどれほど名作であっても、三次創作がそれを超えられることはまず無い。そのため地雷要素のひとつとして扱われることが多い。
また、作者が「原作は読んでません(二次作品しか読んでいない)」などとうっかり発言した日には、原作ファンのさらなる怒りを買うことがままある。もっともこれは三次創作に限らないが。
なお、二次創作自体にも著作権は存在する。三次創作するときは許可を取ったほうがよい(狭い世界だし)。
シェアード・ワールド、シェアード・ユニバースとも。広義では世界観を共有している設定同士を指すが、小説用語としては世界観を共有して書かれる小説を指し、シェアード・ワールド・ノベルズとも言われる。
ネットSS界隈では21世紀初期まではある程度の勢力を誇ったものの、原作者(または管理人)やシェアワールドに加入した作者がエタる、シェアワールド内で作者同士が内部分裂する、といった要素が起こりうるためか勢力を維持できず、現在ではほぼ絶滅危惧種。例外的にSCP財団は日本を含めてワールドワイドに展開している。
ちなみに商用作品では昔から採用されるケースも多い。クトゥルフ神話などが代表例。
シェアワールドの一種で、作品の屋根を越えてキャラクターを続投させる形式のこと。
作品の世界観が繋がっているスピンオフ形式と、逆に繋がっていないスピンアウト形式がある。
二次SSというよりは公式作品に多く、有名どころでは手塚治虫・CLAMP・福本伸行ら一部の有名漫画家の作品、任天堂のマリオ、ドラクエのカンダタ、FFのシド、タイムボカンシリーズの三悪人、舞-HiME、アイドルマスターなどが有名。
ちなみに本家より派生の方が知名度の高い作品としては「とらいあんぐるハート3→魔法少女リリカルなのは」、「魔導物語→ぷよぷよ」、「桃太郎伝説→桃太郎電鉄」などがある。
本家と派生の特殊パターンとしては「とある魔術の禁書目録⇔とある科学の超電磁砲」のように、スピンオフ元が人気になって原作の再ブレイクが起こったという珍しいケースもある。
最強オリ主を別の原作を使う二次創作で無双させる作品がこれの一種と扱われる事はあまりない。
SSを次々読み漁る行為を『掘る』といい、数多ある最低系SSにもめげずにそれを嬉々として行う愛すべき馬鹿どもの携えるアイテム。また、それを行うものはスコッパーとも呼ばれる。
スコッパーたちはまだ見ぬ金脈を求めて今日も嬉々としてスコップを振るう。そのスコップは長年の経験によって鍛えられているが、たまにそれすら砕くシロモノが埋まっているのがSSの怖ろしいところである。
読み手(やスコップ)に多量のダメージを与えるような、著しく質の低い作品の総称。ジャンル詐欺、勘違いなどにより苦痛を与える作品にも使われる(純愛ものだと思ったらNTRものだったなど)。また、地雷率をあげる要素を地雷要素という。
スコッパーはこの手の作品に当たりまくることを前提として掘り続ける。金脈を見つけるのが先か、スコップが粉砕されるのが先かのチキンレースが、今日もどこかで繰り広げられている。
○○○(キャラ名)「~~~~~」
△△△(キャラ名)「~~~~!」
↑のような感じで、台詞の前にキャラの名前が入るタイプのSS。この形式の場合、大抵の場合は地の文が極端に少なく、ほとんど会話でストーリーが進行する。
一般的なSS界隈では初心者のやることとして敬遠されるが、地の文を省略しやすいので文字数制限の強い掲示板(VIPなど)ではむしろこの形式の方が人気が高い。
その一方で不自然でない会話をしつつ、会話だけで状況を伝達する必要があるため通常のSSとはまた違ったところで作者の手腕が問われるケースも多い。
ちなみにこの形式である「まおゆう」が書籍化された時は「戯曲形式」と銘打たれていた。
SS掲示板では一般的な形式ではあるが、SNS型の小説投稿サイトではこの形式を嫌う人も一定数いるため、タグをつけていないと感想で指摘されることも多い。
メインヒロイン格が二人いる作品を指す。ハーレムの一種だが、「マクロスシリーズ」以後には三角関係を端的に表すジャンルとして明確な単語として成立していたと思われる。
基本的には片方は争奪戦に負けることが大半だが、一夫多妻が認められている世界観だと両方と結ばれるケースもある。そのほかのパターンはダブルヒロインの項目も参照。
なお単純に「主人公が少女二人」という主人公的立場でダブルヒロインというケースもある。近年では「リリカルなのは」「プリキュア」あたりが有名。モノによっては神無月の巫女のようにヒーロー的立場のキャラが登場するにもかかわらず、そのヒーローキャラが何一つ報われない作品もあったりする。
本来の意味は「ズル」。転じてコンピューターゲームで意図しない動作をさせる、またはオンラインゲームなどでプレイを優位にするために不正操作することを指す。
SSではぶっ壊れ性能を持つ登場人物の事を指し、「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」ってぐらい周りから比べると性能が段違いで、その能力を持ってラスボスですら無双状態で倒して解決していくケースが多い。
ネットSSやラノベでは最主流のテンプレ主人公(主人公がおちこぼれ系の場合はヒロインがチートになったりする)になってしまったため、それらを嫌う層からの蔑称といっても過言ではない言葉であり、「主人公が強能力やご都合主義で無双するだけ」とこき下ろすために使われるケースが多い。
単語として広まりすぎたからか、力の強弱を抜きにした「ズルい特殊能力の総称」くらいの位置に落ち着きつつある。
原作や原典より立場を意図的に悪化させること。元はコーエーの「三國志」や「信長の野望」のキャラクターに強烈な弱体化補正を掛けられたキャラクターの事を指していたのが最初だと思われる。
基本的に主人公側が理不尽チートの塊である二次創作で多く見られる手法で、主人公側のチート振りを強く印象付けたり、原作で救われない設定や同情すべきキャラクターに対して救済措置を取るために、生贄に選ばれるキャラクターが逆チートを受けることが多い。
逆チートの項目も参照。
「チート+ハーレム」の造語。
なろうやネットの二次創作におけるハーレム物の大半は大抵コレである。大抵パターンが決まっており、この場合の主人公はチートスキル or チートジョブ or 魔王のいずれかであることがほぼテンプレとなっている。他に含む要素としては主人公が転生者のパターンが多い。
なお主人公が「王道的な勇者」でハーレムを作っている作品は稀。ハーレムを作ること自体が外道要素と見做されてしまうためだろう。また、作者は王道勇者を描いているつもりでも読者にチート認定されてしまうことも多い。
「ちょろい+ヒロイン」の造語。ちょろインの記事も参照。
なろうやネットの二次創作におけるヒロインの大半はこれである。ツンツンしているヒロインがちょっとしたことで簡単にデレたり、明らかに他人を寄せ付けなかったヒロインが即落ちたりすることが多い。
亜種といえるかは微妙だが少し物語が進行しただけで主人公にデレデレ(登場間もないときだけツンデレ)というヒロインも多い。登場初期や回想部分でツンツンしてるならまだまともな方で、前日譚ではツンデレでしたという最早ツンデレという設定自体が必要だったのか?といわざるを得なくなるような場合もある。
その名の通り長いSS。どの程度の長さから長編とするかは人によるが、連載という形で掲載されるのが普通。
もちろん作者はプロではないので、「忙しくなった」「飽きた」「書けなくなった」等の理由で未完のままストップする作品が圧倒的に多い(エタる)。初心者が長編の第1話(非常に短い)だけ公開してその後は放置、など日常茶飯事。人気のある、評価の高い作品であっても、一部のアンチの粘着で潰されてしまう場合もあり、どんな形であれ完結まで書ききられる作品は稀少である。長編を完結したというだけで賞賛の対象になることも多々ある。
「PTを追い出されたので、○○しました」というタイプのSSで、近年の主流の一つ。
亜種として「自分から離脱・引退した」というパターンもある。
前述の「スローライフ」や後述する「成り上がりもの」とセット運用されることが多い。
元々は「学園追放もの」として女性向けのSS(主に悪役令嬢もの)では主流のジャンルの一角として存在しており、こちらから派生した可能性もあるが、「PT追放もの」は冒険系ジャンルが大半のためか、少年/青年向けのジャンルとなっている。
このタイプのSSは主人公が力不足を感じているところで追い出されるというものだが、大抵は追放した主犯(何故か主人公を追い出すのは賢者か勇者、賢者や勇者がいない世界の場合は主人公の属した組織に所属する実力者であることが多い)の方が問題行動を取っており、しかも救いようのないクズ(大抵の動機が「主人公を思慕しているヒロインを自分が奪うため」)であることも多く、縁の下の力持ち状態だった主人公が抜けたことでPTが崩壊するというパターンまでがテンプレとなっている感がある。
いわゆる「落ちこぼれだったけど、転機が訪れました」というかつての主流のひとつで、近年では追放系と結びつくことで再流行している。亜種として「裏切られた/虐待されたので、対象に復讐します」というダークヒーロー系のパターンもある。
パターンとしては主人公が希少な体質やスキルを持っていたものの、実質的に生かせず落ちこぼれであったが、ある事件を経て能力を生かす機会に恵まれ、結果的に名声を得て成り上がっていくパターンが多い。
基本的に何らかの形で主人公が好意を持たれている設定と、逆に主人公が利用・搾取されるだけの設定の2パターンがあり、前者は主人公が生き方を貫き通して認められるパターンが多く、後者の場合は主人公の行動原理がアンチヒーロー化していくことが多い。
要するに性転換もの。『ナデシコ』の時代に流行し、その後も2006年前後までは専門のSS投稿サイトやネットSSのまとめサイトなどが活発に動いていた時期があり、シェアワールドを募っていたSS投稿サイトもあったほど。その後は徐々に勢いが減速し、2015年初頭には最大手だったSS投稿サイトが完全に更新停止するなど、かつてほどの勢いは見られなくなったが、転生や再構成、憑依と絡んで現在でも結構見られる。
数あるジャンルの中でも、特に好き嫌いが分かれる部類に入る。主な理由としては、肉体が異性に変化しても(少なくとも初期段階では)精神は元の性のままなので、恋愛要素を入れると必然的に同性愛にいきつくことが挙げられる。つまり、男性がTSして女性になった場合、男性に恋愛感情を向ければ精神的な意味でゲイに、女性に向ければ肉体的な意味でレズと、どちらの意味でもホモになってしまうのだ。TSを毛嫌いする読者にはこの点が受け入れにくいのだろう。このような描写に生理的嫌悪を感じるならば、素直に手を出さない方が賢明である。
また最低SS作者には「主役は女の子の方がウケる」「女の子を主役にして書きたいけれど、女の子の心理描写に自信が無いから、元男のTSキャラってことにしておこう」などといった安直な理由でTSに走る者もいる。そうなると、そのSSはTSものとしてクオリティまで低くなってしまい、二重の意味で最低SSとなってしまう。
TSとは急激な変化に戸惑う主人公が、どのようにしてこれを克服し、新たな自分に生まれ変わっていくのか? あるいは現実では到底ありえない、荒唐無稽なシチュエーションの面白みやおかしさをどう表現するか? このどちらかを満たせなければ、高い評価を受けることは難しい。
亜種として「もし○○の性別が女(または男)だったら?」という、最初からキャラクターの性別が違うifを題材にしたSSも多い。
厳密では亜種ではないが、異性装もの(男装・女装もの)も含めることがある。
「TSF」の記事を参照。
要は男装・女装ものである。ここではリアルではなく、あくまでSSのルーツを述べる。
TS系と違い、基本メンタルは例外を除いて本来の性別であるためか、忌避観の強さはTS系ほどではないものの、見た目カップルで中身同性愛というパターンも無いとは言い切れないので注意は必要。特にBLの場合だとそれなりにあるので、BLが多いサイトを閲覧する場合は気をつけたい。
なおSSだと男装キャラはヒロインの一人、女装キャラの場合は主人公ということが多いものの、あくまで傾向が強いだけでほかのパターンで登場することも少なくない。
創作の歴史的には男装系の方が古く、「リボンの騎士」や「ベルサイユのばら」など主人公兼ヒロインの騎士設定に付帯していたことが多く、現在においてもネットを経ずに書籍化されている作品では主人公として時折採用されている。一方でネット界隈では男装している主人公設定の作品がやや少なくなっており、登場人物にしても男装キャラそのものが登場するより、単にボーイッシュ、または男性的な側面があるという程度に収まっていることが多く、強いて言えばヒロインの一人が男装キャラというパターンが見られるくらい。なお男装ヒロインの場合は和風系バトルヒロイン、またはブラコンの妹という設定が何故か多い。
一方で女装モノは、中性的な主人公(男の娘)は設定として扱いやすいためか、異性装ものではかつて主流となっていた時期があり、現在でも学園系やアイドル系では割と見かけることができる。ただし作品が増えだしたのはTS系同様に90年代後半以降(いわゆるエヴァ・ナデシコ世代)で、この時期では「とらハ1」の相川真一郎や漫画の「少女少年」の主人公達など一部でカルト的な人気があったが、公式作品や創作界隈に一気に広まったのはネット上でも話題になった「おとボク(05年)」の影響が大きい。
なお性別不明や第三の性別というパターンもあり、本当に不明の場合もあれば『○○のはずだが、その確証がない』というパターンもある。また性別を明言されているのに、その決定的な描写がないため疑惑を持たれ続けることも……
主人公の名前をスクリプトで変更できるSS。自分や知人の名前を入れて感情移入しやすくしたり、他作品のキャラ名を入れて疑似クロスオーバーに仕立てたり出来る。女性向けに多いが、検索除けがかけられている場合が非常に多い。
女性向け二次創作小説の場がPixivに移行してからはこのスクリプトはあまり使われなくなっているが、現在でも女性向けの界隈においてはオリ主ものを夢小説と呼称し、原作キャラのみが登場する二次創作と区別して扱う事が慣例的に行われている。
別の世界(大抵は現実世界)に暮らす主人公が、ある作品の世界を訪れたり、迷い込んでしまったりしてSSの登場人物となるタイプの作品。おそらく異世界に渡ることを旅行(trip)になぞらえたのが名前の由来だろう。クスリで頭がトリップしているような内容のSSだから……ではないと思う。多分。転じて現実の人間(として扱われるキャラクター)が創作物の世界に入り込むことをトリップする、トリップした人物のことをトリッパーと呼称することが多い。
元々旧来から女性向けの創作作品では定番の一つであり、また10年ほど前は主に女性向けSS界隈で流行しており、作者の自己投影であろう主人公が原作キャラと恋愛する形式が多かった。夢小説との複合形式も少なくなく、現在でも悪役令嬢系とくっつく形で一定の勢力を保っている。
近年は男性向けのSSにも進出し、こちらは恋愛以外にもバトルなどの要素をより強く絡めた者が多い。
主人公が戦闘要素を含む作品にトリップする場合、その世界で戦闘技術を修める、あるいは現実世界ですでにトリップ先の戦闘に耐えうる技術や武器を保有している、または原作の知識を利用して口先だけで立ち回る、といったパターンが多い。
主人公がメアリー・スー化しやすい要素が多いジャンルなので、好き嫌いはハッキリと分かれやすい。逆にアンチ主人公を作りやすいとも言えるが、最低SS系に足を突っ込みかねないないのでご利用は計画的に。
後述する憑依もの、転生ものは広義のトリップものであるとも言える。
異世界転移の記事も参照。
別の世界(大抵は現実世界)に暮らす主人公が死んだ後で転生するタイプの作品。近年(2016年前後)では最主流だったが、現在は最主流とは言い切れない。とはいえ人気が根強いジャンルである上、最近は転生ものがアニメ化されることが増えてきたこともあって、再び主権を取り戻しつつある。
特に主流に近い「異世界転生」の場合は、転移に比べて元の世界との繋がりを完全に断ち切ることができるというのが利点であるが、完全に断ち切られるために消化不良感をどこかに残すという欠点も表裏一体である。
「死んだ後に異世界で再構築」「同一世界で再転生」「元の世界に限りなく近いパラレルワールドに転生」などの亜種もあり、近年では転移と混同されて使われることも多く、また憑依や人格融合と組み合わされるパターンも見受けられる。
余談だが、何故か導入部で主人公がトラックに轢かれて死亡する、という導入を用いるSSが多い(俗に言う転生トラック)。そして神様や天使のような超常的な存在に「本来は現時点で死ぬはずがなかった云々」と言われるパターンが常套である。『幽☆遊☆白書』の影響だろうか?
ほかに転生者に共通するテンプレとしては、社畜・引きこもりが多い。これは前世を明確に「失敗」と描写することで、未練無く新しい人生を送らせるためであろう。社畜の度合いや死亡要因はSSにより差もあるが、基本的に過労が主要因というパターンが男女主人公問わず多め。また、こちらにも幽白の影響があるのか「他人をかばって死ぬ」というパターンも結構な割合で見掛けるほか、何らかの要因で殺害されて(または事故死して)転生するというパターンもある。
最近は上記のテンプレ転生にマンネリを感じてか、無闇やたらと捻った死因で始まる憑依・転生ものもあり、功績を残した前世に当たる主人公が「子や孫に囲まれながら大往生した」みたいなシチュエーション後に転生するなんてこともあり、また前世での行動が伏線になることもある。ただしやはりというか、要は前世に当たる主人公が死ねばいいので、むしろ雑に死んだ上に理由付けが適当なことも多い。どちらにしろ前世の主人公が死ぬのは同じである。
なお幽白などのジャンプ系作品の影響もあるのか、エピローグや異世界冒険終了後などで前世主人公が生き返ることもある。ただしそんなプロットを設定していたとしても、そこに至る前に作者がエタって生き返れないままのケースもまた多い。
「異世界転生」「異世界オルガシリーズ」の記事を参照。
転生もので一時は大部分を占めた一大ジャンル。若くして死亡した主人公が、神様の力を借りて異世界に転生するというパターン。詳しくは「神様転生」の項目を参照。
テンプレート、の略。
そのジャンルにおいて非常によくある展開、世界観やシナリオ導入を揶揄して言われる。
書くのが難しいとされる要素をそぎ落としていった結果先鋭化されて出来上がったものというのが定説で、
落ち着いて考えてみると不自然さや低リアリティを醸し出す要素が少なからず混ざっていることも。だが数だけは多く増加の一途をたどる。
テンプレ部分が終わった後からどう派生していくかが作者の腕の見せ所ではあるが、大抵テンプレを書くような作者はその辺を考えていないことが多い為テンプレ部分が終わった瞬間にエターなるのが常である。
主人公が「ニコッ」と笑うだけでヒロインが「ポッ」と惚れるハーレム系SSを指す用語。
頭を撫でる→ポッ、のパターンは「ナデポ」。
オリ主、最強化、クロスオーバーと非常に相性が良い。「チョロイン」の項目も参照。
トリップや憑依、転生もののSSによく見られる、ファンタジー世界や過去の時代に現代の知識・技術を持ちこみ、主人公の支配下または所在している地域の内政面を向上させる行為を指す。
転生やトリップで、現代に比べ科学技術や法体系が未整備な状態にある世界が物語の舞台であり、主人公が土地を所有できるか地主に指図できる立場に立った時、かなりの高確率で行われる。
これを用いるとき、主人公はさながらウィキペディアをリアルタイムで見ているように正確に知識を思い出し、なおかつウィキペディアに載っている程度の情報を基にして、本職顔負けの内政手腕を発揮してしまう。要するにうろ覚えかつ、聞きかじりかつ、見様見真似で産業革命余裕でした、という酷いチートである。
ただし作品の性質上仕方ないのだが、内政チートの内訳が気をつけないとwikiなどの情報源から引用(下手をすればコピペ)だらけとなり、作品自体がオリジナリティに欠けると見なされる場合もあるため、結果として作者の力量が問われる形式ともいえる。ぶっちゃけると5chのヲチスレなどで盗作疑惑として真っ先に槍玉に挙げられるケースがかなり多い。現在では難易度の高さもあってやや下火になっている。
非戦闘型オリ主の常套手段であるが、バリバリの戦闘型オリ主も片手間で行ったりする。
ちなみに内政チートでよく多用される屎尿を利用した肥料作成であるが、実は世界のあちこちで紀元前から行われていることが立証されているそうな。案外、活用できる転移先は少ないのだった。尤も、舞台が異世界の場合は地球と同じ歴史を辿らせる必要も無いため、「この世界では未発見だった」と設定すれば済む話である。
トリップ・転生・転移・憑依などで、主人公が本来あるべき物語上の登場人物と何らかの形で重なってしまい、本来の人格をある程度封印して物語上の人物に近い性格を演じる(または変化・人格融合していく)形式。現在の二次創作における主流。
パターンとしては、オリジナルの場合はVRMMOの世界の現実化や悪役令嬢もの、二次創作の場合は登場人物に憧れたり、その主君筋に共感して行動を模倣するといったパターンが多い。
一方で単純な変身・変装にとどまることもあり、本人と見分けがつかないぐらいに成り代わっていることも多い。これも昔からある王道パターンで、主に怪盗や探偵、斥候などが絡む場合ではファンタジーを含むジャンルを問わずに現在でも利用されることが多い。
他人になりきっている、という設定から主人公の内心と表に出す言動が不一致になる事がかなり多く、勘違いものを複合する事がよくある。
主人公が複数の女性キャラから好意を寄せられており、本命を決めて他を切り捨てたりするようなことをせず、複数と関係性を保っている形式のSS。
商業のラブコメ漫画・ライトノベルであれば珍しくもない。当然SSでも人気は高いジャンルの一つ。というか、本命一本のSSは逆に少数派となってる傾向にすらある。ハーレム内でもいわゆる正妻、側室的な序列があることも多い。
女性主人公が男性キャラに囲まれ好意を寄せられている場合は、逆ハーレム(略して逆ハー)と呼ばれる。……なのだが、近年の逆ハーレムは「ゲームの主人公が逆ハーレムを作ってて、そのライバルの一人であるキャラクター(たいていは悪役令嬢)に転生」というパターンの方が多い。
当然ながら、カップリングとは相性が悪い……と思われがちだが、むしろハーレム展開そのものが、最終的なカップリング選定のための条件にしてる作品の方が多い。
高見広春の小説『バトル・ロワイアル』のシチュエーション(登場キャラ全員による殺し合い)を、特定の作品のキャラクターたちで行うタイプのSS。 群像劇になるため、リレー小説という形式と相性がいい。また一作品のみだと人数が足りなかったり、みんなが基本的に仲良しで殺し合いになりそうもなかったりするため、複数作品のクロスオーバーで行われる場合が多いほか、禁断の夢オチ・ドラマオチ・VRゲームオチなどでお茶を濁す作者もいる。
2ちゃんねる葉鍵板で連載、完結した「葉鍵ロワイアル」などが有名。女性向けでも週刊少年ジャンプ系(特に現実世界を舞台にした作品)を題材にしたものなどが一部で流行した。
必然的にキャラクターの死を、時に安易に描くことになる関係上、嫌う人も多い。「パロロワ」の項も参照。
WEB小説の書籍化ブーム以後、リレー小説自体が下火になった為に最近では目にすることが少なくなっている。
別の世界(大抵は現実世界)に暮らす主人公の意識が、ある作品のキャラに憑依したりするタイプの作品。
「主人公が物語の行く末を知っている」という意味で、逆行系の亜種。『エヴァ』『ナデシコ』以降は設定的に逆行ネタがやりづらい作品が中心となったため、逆行よりもこちらが主流になっていたが、現在では転生モノの方が優勢となっている。
最近ではTSF系とくっついて、「小汚い・冴えない・不良紛いの男が何らかの手段で美少女や美女に憑依して乗っ取る」というエロゲ紛いのシチュエーションも流行っている。
憑依の記事も参考。
アンチのことである……が、憎しみ(Hate)まで感じるほどの極度のアンチを特に指す。特定のキャラや組織を貶める、虐める、不幸にすることを目的としたSS。『エヴァ』で特に流行した。原作の展開がファンの不興を買っている場合には、原作そのものに対するヘイト的な作品も生まれる。ヘイト対象キャラや組織のファンからすると当然面白くないため、住み分けが行われてないと荒れやすいジャンル。
原作の倫理的問題や矛盾を追及するものは「断罪系」と呼ばれる。オリキャラが断罪者となる場合が多い(例えば、原作の主人公やその所属する組織に対する復讐者を主役にしたような作品)。作者の主義主張が前面に出がちなため、好き嫌いの非常に分かれるジャンルである。
特にアンチアンチ(ヘイトヘイト)の項目でも書いているが、リアルヘイトをいろんな意味で集めやすいなろう系に良くある設定の二次創作だったりすると、原作のチート主人公一派に常識がないことをオリ主が不審視・敵視し、それを上回るチートを発揮して表舞台から退場させようと動くことも少なくない。
なおハーメルンにおいてはアンチとヘイトは「アンチ・ヘイト」タグで一括りにされている。
昔からあるジャンルのひとつで、親しい人が被害にあったので復讐するというパターンは王道ともいえる。
一方で近年の流行しているパターンでは主人公自体が酷い目にあっていたという設定が多く、よく使われるテンプレとしては「かつての仲間陣営に虐げられていました」とか「魔王を倒したけど、魔王を倒した君の功績は邪魔なものだ」の二通りが多い。
逆行系と結びついたり、魔王討伐後に裏切られた場合は主人公自体がダークヒーロー/ダークヒロイン化し、復讐が生き甲斐になってしまうことも珍しくなく、また目的のために手段を問わない性格になってしまうことも多い。
「ブラウザバック」の略。
SSを開いてみたはいいものの趣味に合わない・文章が下手だ・などの理由で読み終わらずにページを離れる事。
即ブラバしましたわ、というのはSSに対して最大級の罵倒の一つである。
オリジナル設定やぼくのかんがえた~などで設定改変された二次創作キャラの成れの果て。
主に碇シンジ(SINJI化)や野比のび太(NOBITA化)みたいに、ヘタレキャラや勘違いキャラが作者に魔改造されているケースで用いられることが多いが、当然最低SS化するリスクが高いので注意が必要。自虐的に説明文に作者がローマ字書きを明記している場合も・・・・・・(白目)
なお名詞をネタ化した上でローマ字書きにする文化はふたば☆ちゃんねる由来らしい。
そういう意味では下述しているOHANASHIやSEKKYOUなんかも含まれる。
元ネタは『魔法少女リリカルなのはシリーズ』から。同作中で主人公のなのはが心ならずも敵対した相手に対し、相手を話し合いの席に着けるため度々戦闘行為を行ったことに由来するものと思われる。
これが行われる際には多くの場合、『リリカルなのはStS』の有名なセリフ「少し、頭冷やそうか?」が枕詞として付属する。
最低SSにありがちな、自分が正しいと思っていることを、相手に一方的に押し付ける形の、説教に似た何かのこと。説教との差異は、客観的な整合性と読者への説得力のどちらか、あるいは双方の有無である。
大概、SEKKYOUを受ける側はその内容を問わず「うっ・・・・・・」などとうめいたり、「うるさいっ、知った風なことを言うな!」「お前に俺の何がわかる!?」などと至極まっとうな反論逆切れを起こしたあげく、SEKKYOUを行う側に攻撃し、返り討ちに遭う。
完全な悪玉に向けると効果的な挑発に、味方になりそうな敵に向けると寝返りの勧誘に、女の子に向けると文字通りの口説き文句となる、魔法の言霊である。
キロバイト。SS本文をテキストファイル(.txt)にした際のサイズのこと。SSの長さを示す単位のひとつ。
1KB=1000バイト=全角500文字。1KBにつきおおよそ文庫本で1ページ前後ぐらい(文章密度による)。
数KB~数十KBの短編から、1000KBを超えるような大長編までいろいろある。
一次創作の世界では、新人賞への投稿を行っている作者が多い関係で原稿用紙(400字詰め)換算枚数で長さを表すことも多い(新人賞の枚数規定は多くの場合原稿用紙換算)。
現在は小説家になろう・カクヨムなど大手投稿サイトが長さの表示にKBではなく文字数を採用しているため、一次創作・二次創作を問わず、単純に文字数で長さを表す方が主流。
なお文字数計測の場合、文章密度とは無関係の計測になるため、単純に400字=原稿用紙1枚とはならない(改行があるため、原稿用紙1枚に入る文字数は400字より少なくなる)。投稿サイトに公開した作品を、上限が原稿用紙換算枚数で規定されている新人賞に送る場合、テキストエディタなどできちんと400字詰めで何枚になるかを確認してから送ろう。
段落の頭で、視点が登場人物の誰にあるのかを明示するための言葉。大抵、side ○○や×× sideなどと表記される。時々、sydeとかsaidといった誤字があることも。また型月系のSSの場合、Fateに範を取ってかInterludeと表記されることもある。Interludeは幕間という意味なんだが・・・・・・。
群像劇と相性が良く、一つの場面を多角的な視点で描写するのに役立つが、同時に視点となるキャラクターがバラけるため読者が作品に感情移入しづらくなるというデメリットがある。・・・・・・というか、そのデメリットが大きいので、本来はあまり使用しないのが通例である。
しかし、『バトル・ロワイアル』のような極めて登場人物が多い作品、上遠野浩平や成田良悟といった視点変更を多用する作家へのリスペクトからか、近年、やたら視点変更とそれを簡易に行う手段であるsideを、積極的に用いるSS作家が増えている。プロの作家が視点変更を使う場合は、章ごとに視点を変え一つの章の中では極力変更を行わないのである。が、SS作家は素人であるためその辺りを斟酌せず、一つの章(それも商業作品に比べると格段に章一つごとの文章量が少ない)中で頻繁に視点を変えてしまうことが多々ある。このためsideを多用するSSは読者を混乱を助長してしまい、結果として残念な出来の作品、ぶっちゃけて言うと最低SSになりやすい。なので、これを嫌う読者も多い。
仮想現実大規模多人数オンラインロールプレイングゲーム。
SSから書籍化されたものだとソードアート・オンライン、ログ・ホライズン、オーバーロードなどが有名で、少し古い作品だとクリス・クロスや大長編ドラえもんの夢幻三剣士なんかもこの部類に入る。
詳細は「VRMMO」の項目にて。
VR世界そのものが冒険舞台になるか、VR世界が現実化するという2パターンに分類される。
前者の場合のギミック自体はSFなのだが、内容はほとんどファンタジーと変わりないことが多く、
逆に後者の場合のギミックは、ほぼ転移/転生ものともいえなくもない。
仮想世界と現実世界を行き来して「(本来の意味での)チート」「プレイヤーへの直接攻撃・懐柔」といった要素を入れることで初めて設定が活きるジャンルと言える。
どっちにしろSFのSSを読みたいという層からは検索妨害も同然と思われていることも。
よろずSS投稿掲示板Arcadiaのこと。男性向けの主要なSSジャンルのほとんどを扱っている。元々はSS捜索の情報交換の場所として発展した。
以前はWebSS上の最大手だったが、数年前に小説家になろうにその地位を譲った。
Arcadiaの項も参照。
株式会社ヒナプロジェクトが運営する、小説投稿サイト・小説家になろうのこと。現在は閉鎖されたが、二次創作専門投稿所の、にじファンというものもあった。18禁専門の別館・ノクターンノベルズ(男性向けR18)やムーンライトノベルズ(女性向けR18)、性的では無い18禁作品(グロ、インモラルなど)を扱うミッドナイトノベルズも存在する。
検索機能、タグ機能、ランキング機能といった好みのSSが探しやすいシステム、作者のマイページを利用した読者との緊密なやりとり、日毎や話数ごとのPV観察機能、出版社と提携しての一次創作の商業化斡旋、そして膨大な投稿数がウリ。
恐らく日本で最大の小説投稿サイトであり、現在もどんどん人気を増やしているが、独自の文化も形成されている。
荒らし対策などにより作者に優しいシステムのため、投稿される母数が桁違いなので、良作と呼べるSSも見つかったりする(かもしれない)が、発見には根気と時間、マイナス検索の駆使、そしてスコップの強度が必要である。
なお、一部の作品は書籍化されている。詳しくは小説家になろうへ。
上記のにじファンが閉鎖したことを受けて多くの二次創作者が難民となった。
そんな彼らの一人が立ち上がり、自分自身でサーバーを立て新しく作り上げたSSサイトである。
経緯が経緯であるため、にじファンで使用していた感覚で使えるよう、システム面はにじファンに近く作られた。
勿論たった一人で全てを作ったわけではなく、多くの2ch有志と共に作り上げたサイトである。
そのためかなりの早さで完成し、また不具合の修正や利用者の要望を反映したシステムの変更速度がとても高い。
利用者の要望をその日の内に反映させる事もあり、大手では難しいその身軽さは特筆に値するべきだろう。
投稿される作品は基本的に二次創作のSSがメインだが、オリジナルSSも投稿されている。
ただし悪質な規約違反者には非常に厳しく、一度アカウントロックされた場合の再登録はたとえ心を入れ変えようが(バレた時点で)問答無用で再ロックされる。また評価操作をさせないように複数アカウントも禁止しているので、うっかりサブアカウント作ってましたとかなど、たとえ悪意がなくても複数アカウントになっている時点で、よほど特別な理由を明記なり運営に連絡なりをしておかないと確実にロックされてしまうので注意。
KADOKAWAグループが運営する小説投稿サイト。
投稿される小説はオリジナルがメインだが、KADOKAWA系の一部作品の二次創作も投稿可能となっている。
小説家になろうやハーメルンといった別サイトと重複投稿している作者もいたりする。
元々は人気のWEB小説を書籍化をする企業であり、00年に起業していることからその点では老舗とも言える。
当時はまだWEB小説の書籍化は敷居が高く、個人サイトなどで書籍化を目指していた作者が時折紹介しているのを見かけるような感じであった。
現在は書籍化事業のほかにゲーム事業なども手がけている。
2014年10月にWEB小説などが投稿出来るようにサイトをリニューアルオープンした。基本は小説家になろうと同様にオリジナル小説投稿メインだが、一部の二次創作投稿の許可がある他サイトと違い、二次創作の投稿は一切禁止である。また他のサイトに投稿した自身のオリジナル作品の投稿・登録は可能だが、他のサイトに先に登録した作品はダイジェスト部分しか投稿できないなど、はっきりいってしまえば不評な部分もある。
小説投稿サイトのひとつで、主に二次創作の小説が投稿されている。
一時DoS攻撃を受けたことがあり、カテゴリの一部を除外した全年齢向けのミラーサイト「春風」を同時運営していたことがある。
ただし現在の外部評価は一般的にさほど高くない。理由としてはハーメルンなど他のSNS小説サイトから規約違反やトラブルなどでアカウントロックされ、それらのサイトに作品を投稿できなくなった作者が流れ着くケースが多いためである。そのためネットでは流刑地とも揶揄されることがある。
その分だけ一種の魔境とも言えるので、思わぬ作品が発掘されるケースもある。
2ちゃんねるニュース速報(VIP)板のこと。VIPで人気のある作品の二次創作やオリジナルの小説スレが立つことがあり、人気を呼んだものはコピペブログなどにまとめられることが多い。
かつてはある程度古い作品やニッチなジャンルでもある程度の勢力があったものの、近年は荒らし防止のために連投規制が大幅に強化されたため、ある程度スレッドに人口がいて支援を受けなければ少しでも長めのSSだと完成すらおぼつかないせいか、よほどの勢いのあるテーマでもない限りは衰退気味であり、基本的にはSNSの小説投稿サイトの方が活発化しているのが現状であり、まとめサイトもブログ系以外だと更新停止に陥ったサイトやwikiも多い。
派生としてノベル・SS専用板のSS速報VIPがあるが、こちらは単に速報かNIP(Novel+VIP)と呼ばれる事が多い。 更に派生にSS深夜VIPがある。
傾向としては台本形式とクロスオーバーが多い。完全匿名であるため狂気に溢れたような作品もしばしば。また挿絵代わりにAAを用いる「AA劇場」という独自ジャンルが存在する。
コピペブログから動画化という形でニコニコ動画で読める作品もある。
ふたば☆ちゃんねるのこと。画像掲示板であるふたば☆ちゃんねるだが、ここでもSSが書かれることが意外と多い。
一回のレスで書き込める文字数が少なく、ログが流れやすいという本来SSを書くには全く不向きな場所なのだが、ここから生み出された人気作品も多い。
ここで書かれるSSは込められた情熱に敬意を表してもっぱら「怪文書」と呼称される。
匿名かつログが残らないためここに投稿された怪文書はのちに作者自ら渋などに再投稿することが多い。
pixivのこと。二次絵投稿サイトとして有名だが、SSも相応に投稿されている。
作品はノーマル同性愛問わず、カップリング系が殆どを占める。
特に現状上記のような広範囲原作ジャンルを取り扱う大手サイトに投稿されているものは多くがオリ主もの・転生もの・再構成もののため、公式のアンソロジーに載っているような原作キャラクター同士が絡む短編を探すにはここかVIPのまとめブログから探すのが一番無難である。
ただし短編主体のため母数自体が多くなりやすく、さらには同性愛方面(主に男性同士)のSSが占める割合が非常に多いためいいものを探すのが難しい点では変わりない。
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最終更新:2025/12/06(土) 04:00
最終更新:2025/12/06(土) 04:00
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