SSに関する用語の一覧。ここではある程度一般的な分類や用語を掲載する。
SS(ショートストーリー、またはサイドストーリー)とは10年代前半までは主にWeb上に掲載される二次創作を指す言葉だったが、2022年現在においては、意味が拡散・希薄化してしまっており、一次創作小説を指して使われることも増えたほか、使用される頻度自体も少なくなくなってしまっている(それどころか「SS」と言う呼び名自体も廃れかけているという話も)。
よってこの記事ではいわゆる二次創作小説に関するものと、一次創作のネット小説についての記載が多数混在しているため注意すべし。
オリジナル主人公のこと。その名の通り、作者のオリジナルキャラクターが主人公になっている作品を指す。
昨今の二次SSの主流。
最強設定を与えられ、原作キャラを蹂躙したり、原作ヒロインを片っ端から落としてハーレムを作ったりするメアリー・スー的な作品が非常に多い(無論、そうでないものもある)。そのため、場所によってはオリジナル主人公というだけで敬遠されることもある。
ただし最強設定ばかりではなく、一芸特化型のオリ主も少なくはない。
ベタな少女漫画に出てくるような、「庶民のヒロインを虐める高慢で差別意識に満ちたお金持ちで上流階級のお嬢様」=悪役令嬢を主役にした作品のジャンル。ざまぁ系を兼ねていることが多く、主流ジャンルの一つ。
悪役令嬢本人が主人公のタイプと、一般人が悪役令嬢に転生・憑依するタイプがあり、かつては後者が内政チートものなど他のジャンルと合わさる形で主流となっていた。ただし、ここ数年は転生もの自体の勢いが落ちた為、前者も作品の割合を増やしつつある。
どちらにしても、本来のヒーロー・ヒロインカップルが悪役令嬢の立場から見るといかに理不尽で、非常識で、傍迷惑な存在かという、視点・価値観の逆転の妙味を題材とする展開が多い。
また、悪役の主人公という点から、何かの形で自分の未来が処刑・没落などの暗い物であると知り、それを回避する事を目的とした物語になる事が多い。その為、ストーリー上で実際に悪役として振る舞う作品は少ない傾向だが、目的のために悪役ロールプレイをしているパターンもある。
また貴族令嬢でさえあれば悪役かどうかは問わないパターンも増えており、主流とまではいかないにしても拮抗するぐらいにはなっている。また派生として令嬢を聖女に置き換えるパターンや、ゲームで時折見かけるフェードアウト型ヒロインに転生したので抗います、みたいなものもある。悪役令息に転生したという最早女性ですらない場合もある。
ちなみに影響力を重視するためか平民上がりの少女や下級貴族の令嬢が主人公として頭角を現すということはまずなく、出自は最低でも商会の娘か伯爵以上、大抵は侯爵以上の令嬢というパターンが大半。ただし追放が絡まない場合、子爵以下の下級貴族が主人公になっているケースもある。……なのだが、その場合は主人公の両親などが単に上級貴族の逆恨みや嫉妬を買ったせいで陞爵できていないだけというオチがついていることも……
また主人公以外にも転生者が出てくるというパターンも多く、作中のメインヒロインや他の悪役令嬢、サブの男性役に転生したり、他にも主人公より後の年代から転移して続編の展開を知っていて、後に主人公の助言になるというパターンが王道だが、ゲームにおけるメインヒロインに転生して倫理的に問題のある行動を起こしまくるライバルキャラとして出てくる場合もあったりする。まるで転生者のバーゲンセールだな……。
基本的に女性に人気の高いジャンルだが、普通の恋愛物語に対するアンチテーゼが根底にあるせいか、逆ハー展開になる作品は稀で、しかも逆ハーになる場合の作品のEDは投げやりに終わることがよくある。男性向けハーレム物でもよくあるが。
おおむね乙女ゲームの悪役令嬢という設定がなされているものの、実際の乙女ゲームにはこういったキャラクターは殆ど存在せず、元ネタは恐らく少女漫画だろう。
公式で○年後とかの続編が出てしまうと色々と矛盾が出てしまい、後から読むと設定を気にする人は引っかかるところが多くなってしまう、ということがよくある。矛盾に関しては開き直って我が道を行く人もいれば、原作設定と可能な限り摺り合わせようとする人もいる。オリキャラの介入度合いは低く、原作ファンに受け入れられやすいが、近年は主流ではない……というかほぼ絶滅危惧種。
元々一番多い時期だったエヴァ・ナデシコの影響を受けていた全盛期でも割合自体が少なく、それどころか個人サイトからSNS型SS投稿サイトに創作活動が移行した影響で広い層に見られることになったせいか、アフター展開自体にアンチがつきやすくなっており、恋愛要素のあるSSを除くとほぼ絶滅状態。
アンチ、ヘイト行為を行うキャラクターを更にアンチ、ヘイトする作品のこと。ある作品の二次創作が一定数まで増え、ヘイトSSがある程度類型化してくると出現しだすジャンル。
原作キャラに粘着的なヘイトを行う戯画化されたオリ主(アンチオリ主)を、作者の代弁者的な役割を担う新たなオリ主(アンチアンチオリ主)が論破。アンチオリ主逆切れしところを一蹴する、という展開が多い。そして助けられた原作キャラに感謝の念を抱かせたり、アンチオリ主が狙っていたヒロインを逆にハーレム要員として籠絡するというのも典型的。そうなった場合は、助けられた原作キャラとヒロインによる「アンチオリ主に比べアンチアンチオリ主はこんなにも立派だ」という賛辞が付属する。大抵はこのような五十歩百歩のいい見本となるのが関の山である。
特にいわゆるなろう系の二次創作だったりすると一気に割合が増える。極端なパターンだと『原作主人公一派は常識無しのクズだから敵対してそれを上回るチートで容赦なく潰します』みたいな作品もあり、作者の闇の深さが垣間見えることもある。それをなろう系漫画だらけの公式月刊誌で連載して1話打ち切りという手の込んだ自殺に走った某作品があったような気がするとか言ってはいけない。
ハーメルンにおいては一部の事前注意が必要とされる要素を扱った作品にはタグ付けを行う事が義務付けられており、「アンチ・ヘイト」がその一つに当たる。記載していない場合は検索妨害行為として注意される場合がある為に作者が神経質になりがち。
作品がアンチ・ヘイトであるかどうかの判断は難しく、ちょっとキャラの扱いが原作より悪くなっただけでそう感じる人もいないとは言い切れない。
それで読者から怒られるのが怖い人がやりがちな予防線。
なのであんまり「念のためでタグをつけるな」と怒らないであげよう。
二次創作の場合は後述のトリップもの・転生ものにおける原作世界のことを指すことになる。
一次創作SSの場合は主に剣と魔法のファンタジーRPG風世界のことを指すことが多い。
逆に世界観が現代〜SFとなると異世界よりも平行世界・パラレルワールドとよく呼ばれるため、剣と魔法のファンタジーRPG風世界以外の世界観を指してわざわざ『異世界』と表記する場合はあまりない。
よく中世ヨーロッパ風と形容されるが、実際の中世ヨーロッパとはあまり似ていないこともよく指摘される。フィクションにはよくある事
小説家になろう発でタイトルに「異世界」を冠する作品群にその手の世界観が非常に多いため「ナーロッパ」と言う通称で呼ばれることもあるが、別になろう系に限った世界観では無いことに注意。
詳しくは該当項目参照。→「異世界」「ナーロッパ」「川越ではよくあること」
主にオリジナルSSにおける「剣と魔法のファンタジー」の世界が中世ヨーロッパ風ばかりであることを揶揄した蔑称であり、『小説家になろう+中世風ヨーロッパ世界』の造語と思われる。
ただし元ネタの起源自体は「指輪物語」を代表とするトールキン氏の世界観であり、それを元にした日本の創作である「ロードス島戦記/ソード・ワールド」や「ドラゴンクエスト」などの現代におけるファンタジー創作においてテンプレどころかベースとなっている世界観であるため、この世界感自体を否定することは現代におけるファンタジー創作そのものを否定するようなものなので注意。
作中の設定によっては+αとしてスチームパンクやマジックパンクを内包しており、交通網や日用品が文明レベルにしてはやたら進んでいて、機関車や自動車、電化製品や水洗ト○レに準ずるものまで出てくる場合もある。
近年に限らないが、ナーロッパ系にはゲーム風異世界というものがある程度の数を占める。ステータスを参照できるなど、純ファンタジー系よりゲームの設定世界に傾倒している世界観であるが、基本的にはナーロッパ系と同一視される。
ナーロッパの記事も参照。
余談ではあるが「東洋風の架空世界ファンタジー」に造語が存在しないのは絶対数自体が少ない上、数少ない創作も大半が女性向け作品であることも影響してると思われる。実際に少年・青年向け作品で東洋風ファンタジーを主題にする場合は史実か「三国志演義」のような有名娯楽作品をベースにしたファンタジーが多い。
読んで名の通り、異世界における恋愛モノだが、2022年現在、小説家になろうにおけるオリジナルの総合ランキングの上位において最主流ともいえるジャンル。
基本的に主人公が女性であることから、元々は女性向けのカテゴリに含まれるジャンルだったが、近年においては昔ながらのBL系以外のジャンルの垣根があいまいとなってきたこともあって、書籍化されるときは必ずしも女性向けの書籍から出るとは限らなくなっており、女性主人公でも少年・青年系の書籍として出版されるケースは多い。もはや絵師/漫画家の絵柄や出版元の事情で男性/女性向けを決めているのではないか?とか思ってはいけない。
また男主人公の場合は基本的に異世界恋愛ではなく、恋愛要素を内包していても他のファンタジー系のカテゴリに登録されることがほとんどであるため、異世界恋愛のカテゴリ内において男主人公であるケースは見かけないことが多い。
商業化された作品につくことがある。
無料で読めるWEB版と有料の書籍版で内容がおおきく変更されている作品もある。また書籍版がWEB版に追い付いてしまい、WEB版の連載が中断、または作品自体が削除されてしまうパターンも。書籍版もろともエタったり、出版社側から容赦なく打ち切られるケースも少なくない。
なお、小説家になろうでは「続きは書籍で!」が規約違反なので、WEB版に書籍が追いついた場合はWEB版とは別ルートの話にする必要がある。追いつくほどシリーズ刊行できる作品は稀。
なおWEB版削除の場合、商業主義者と言われるだけならまだしも、酷いときにはパクリや工作認定、挙句の果てに粗製乱造の浮気者扱い(特に寡作な作者の場合)されてしまうケースもあり、界隈の闇の深さがうかがえる。
作者のリアル事情・書くのに飽きた・などの理由で作品が更新されなくなること。
詳しくは「エターなる」の項目を参照。
近年は略されてエタる、エタったと言われることのほうが多い。
2ちゃんねるのPINKちゃんねるにある板。正式名称は「エロパロ&文章創作板」。その名の通りR-18のSS全般を扱う。「EP」と略されること も。18歳未満は気になってもぐぐったりしないこと。
日本においては女性向けの現代恋愛の創作において一大勢力を築き上げたジャンル。発祥は英語圏であり、シェアワールドとしてはSCP財団やクトゥルフ神話に知名度で大きく劣るものの、それなりにワールドワイドな勢力を持っている。
基本的な設定としては第二の性別として、特殊な性であるアルファとオメガ、モブ系一般的な性であるベータが存在し、攻めのアルファと受けのオメガでカップリング(界隈用語として番と呼ばれる)を作っていくのが基本。その性質上ノーマルのカップリングであることもあるにはあるが、もっとも多いのは同性愛であり、男性妊娠やふたなりが当たり前であり、それに付随してTSF要素を内包していることも多い世界観になっている。
そのためTSFや同性愛以上に特殊性癖のバーゲンセールとなっている闇鍋ジャンルであるため、間違いなく好き嫌いが分かれるジャンルだが、一方ではまる人にはトコトン沼にはまってしまうジャンルであり、また作者ごとでも細かい世界観の設定に差異も出てきたりする。
『オメガバース』の記事も参照。
カクヨムの開設直後に発生した事件?の通称。オレオレ詐欺はおそらく関係ない。
「オレオ」の三文字だけが書かれた小説?がそのふざけ具合から人目を集め、一時期ランキングの最上位に居座って1000ポイント以上も獲得し、最終的にランキングから追い出された事件。
さらにこれを面白がって後追いの超短文やタイトル・タグにオレオと入れる作品が増殖までし、カクヨムのスタートダッシュに大きく暗雲をもたらした一件。
ランキング・ポイントとは人目を引く作品が入ったり集めたりするものであり、決して小説の内容の良さを担保するものではないということへの警句・あきらめとしてよく引き合いに出される。
文字通り、主人公が圧倒的に強い話。その中でも特にピンチに陥ることもなく、出会う敵は片っ端から蹴散らし、周囲からもやんややんやと賞賛され、異性からのハーレムを形成し……と言った、主人公の強さと扱いが都合よく振り切られた話のこと。
都合の良さこそが本体とも言えるジャンルで、書き方によっては容易に最低系になりやすい……と言うか、元々は最低系の同義語の揶揄の一種として使われていた。基本的には今もそう。
また後述の最強系一次創作がジャンル名として肯定的に自称していることもある。
ただ、主人公が勝利することも賞賛されることも惚れられることも活躍していけば当然起こりうることであり、それが俺TUEEEEと呼ぶべきやりすぎかどうかは程度問題で、外からの安易な俺TUEEEE認定はあまりオススメされない。
詳しいことは個別記事参照→「俺TUEEEE」
なお、Eの数は場合によって様々であり、一定しない。
ニコニコ大百科・ピクシブ百科事典では4つで記事が作成されているが、小説家になろうでは3つが主流となっている。
今までひ弱だった人物などが何かのきっかけで豹変し、才能を開花させること。たとえば敵に囲まれて仲間が危険に晒されているときや、敵に捕まって拷問された時等に起こりやすい。
キャラクター同士の組み合わせ。恋愛感情を伴うものが大半。性別は問わない。
特に原作で恋愛関係に無いキャラ同士の組み合わせを描くものがこう呼ばれる。
『魔法少女リリカルなのは』や『東方Project』のような、百合とノーマルが混在する界隈では、百合好きとノーマル好きは基本的にあまり仲が良くない。そこにカプ嫌いや荒らしが加わっていがみ合い出すことも多々。特に「魔法少女リリカルなのは」に関しては、百合とノーマルの対立は泥沼の代名詞といえるほどであり、公式展開が落ち着いてきた現在でも爪痕が残っており、1作目から登場している男性キャラに関しての冷遇はこの対立も関わっていないとは言い切れない。その予防策か3作目以降に登場したメインの男性キャラははじめから異性カップリングを確定させる形で登場させ、逆にメインで男性キャラが出ない作品は徹底的にヒロインと同年代の男性は出さないなど、極端な方向に走ってしまう結果となっている。
逆に百合とノーマルが混在しても、オリジナルのゲームで主人公がヒロインたちを指導・指揮する立場になる『アイドルマスター』や『艦隊これくしょん』のようなシリーズの場合だと、上記ほど百合とノーマルの対立が激化するケースは比較的少ない。別の要因で炎上・対立するケースはいくらでもあるが。
主人公がSS内でのメインヒロインと恋人同士になった際、恋敗れたサブヒロインがサブキャラクター(多くの場合は主人公の友人キャラ)と恋人になる現象のこと。
「主人公を女の子を振った悪者にしたくない、という作者の意図が透けて見える」「振られた途端に他の男に乗り換えるので、サブヒロインが尻軽に見える」などと読者に毛嫌いされることも多い。そもそも主人公に既にメインヒロインがいて、振られる以前に最初から失恋してる方が多いとか言ってはいけない。
『エヴァンゲリオン』などの90年代アニメ・ゲームSSの最盛期にはよく見かけたが、その後はハーレムものの流行に圧されてか、大幅に減少。一時は絶滅危惧種となっている感があった。
現在はハーレム物の派生となる形で勢力を若干盛り返しており、オリキャラとくっつけたり、場合によっては原作登場人物同士でくっつけているケースもある。特に「ソードアート・オンライン」のようなエピソードの区切りごとにシナリオヒロインやゲストキャラクターが登場し、かつ主人公以外の男性キャラが不遇である原作の二次創作では見かけるケースが多い。
敵・味方が主人公に対して抱いている印象(またはその逆)が実際とは全く異なる事を描いた作品を指す。
実際は弱いのに最強だと勘違いされる、悪行をしているつもりなのに周囲は聖人だと勘違いする、逆に善人の主人公が悪の帝王だと勘違いされる。
有名どころではオーバーロードにおける「さすがアインズ様」やワンパンマンのキング、転スラのマサユキなどがこれに当たる。また悪役令嬢モノだと比較的メジャーな手法であり、はめふらやティアムーン帝国物語などが該当する。
全然意味合いの違う話をしているのに会話が成立し、明後日の方向に話が進む。という展開が多く、そこから「アンジャッシュのコント」と呼ばれる事がある。
亜種としてMMORPGでロールプレイしていたり、外向けにキャラを作ってしまったり評判が一人歩きしたがために素を出せないまま引っ込みがつかなくなったパターンもある。「そうはならんやろ」とは少し意味合いが異なるが、周りが結果的に勘違いするという意味では同じである。このケースではしゅごキャラ!の日奈森あむや防振りのミィなどが該当する。
一度死んだり世界が滅んだりした記憶を持つ主人公が、もう一度ストーリーをやり直すパターンの作品。
エヴァ、ナデシコの時代に特に流行したジャンル。逆行時になんらかの能力を得たり最強化する場合もあった。
一時は数を減らし、亜種である憑依・転生ものの方が主流となっていたが、
悪役令嬢系では非常に使いやすい手法であったために、その流行もあって数を大幅に回復している。
そのほかにも復讐系が再流行した影響もあり、それに伴う形でも見られるようになっている。
「好きなもの同士を掛け合わせたらすごく好きなものができる」理論で手を出す作者は多い。また、公式では絶対ありえないのである意味二次の華である。
しかし、もともと全く関係の無い作品同士を強引に繋げることになるため、設定が破綻して収拾がつかなくなったり、パワーバランスの調整に失敗し片方がもう片方を一方的に蹂躙する展開になり、蹂躙される側のファンからブーイングを浴びるなどのパターンが多い。クロスするときは公平性に気をつけよう。また基本的に両方の作品を知っていることが前提になるため、読者の層を大幅に狭めてしまうという問題もある。
登場キャラクターが増えるため、長編化する場合が多い。が、長編SSはきちんと完結すること自体が稀なこともあり、クロスものはSSの中でも最大の地雷原と言われることが多い。
ちなみにニコニコ動画やハーメルンなど、二次創作メインの投稿系サイトでは割と多く見られる。が、こっちでも完結しないまま失踪するケースが後を絶たない。
主人公が原作キャラに蛇蝎のように嫌われ、陰湿に苛められるという作風のSS。女性向け作品でよく見られる。
おおむね、目当てとなるキャラクターとの恋愛関係を強調するため、あるいはオリキャラや作者の感情移入する対象が、原作キャラに都合よく愛されているわけではないと予防線を張るために用いられる形式。
また、携帯小説のレイプや妊娠を扱う作品のように、単に不幸に陶酔するタイプの作品も見られる。
また二次創作においては艦これやアイドルマスターなどの上役(ゲームでいうプレイヤー側であり、SSにおける主人公)が、ヒロインたちに蛇笏の様に嫌われ、陰湿な嫌がらせや暴力を振るわれ、死ぬ直前にまで追いつめられるSSも割と見かけることが多い。このパターンだとヒロインたちに切っ掛けがあって改心・和解するか、あるいは復讐対象として主人公がヒロインたちに逆襲していくパターンのどちらかとなる。
現在の創作環境においては追放系や復讐系、令嬢系のプロローグとして乱用されており、プロローグで使われた後は思い出したようにしか使用されなくなることも……というかむしろ主人公がフォローされる側で株がむしろ上がることの方が多い。
余談だが女性の書くTOAのSSにはやたらとこのスタイルが多い気がする。俺は悪くねぇっ!
現在では後述のヘイト作品などの理由づけとして特定の原作キャラを嫌な奴として描く為に主人公を苛め、作者のお気に入りのキャラに主人公を守らせて株を上げるパターンが多く、予防線というよりはキャラヘイトの為に嫌われが用いられる様になっている。時折キャラのファンに嫌われて炎上する。
VRMMOやAR、配信モノのようなネットで拡散情報が出るタイプのSSで主に閑話として用いられる。古い世代にあてはめるなら2ちゃんねる、現代にあてはめるならばまとめブログのコメント欄のやり取りをベースとし、「物語内の第三者視点」を描くため、このタイプのSS層を好む読者からは受け入れやすい形式であるため、作者にとっても扱いやすい形式だったりする。
一方で古い世代のラノベや初期にWEB版SSから進出した商業化書籍にはまず見られない形式であり、2ちゃんねる/まとめブログのノリが好きな人には受け入れやすいが、当然嫌いな人も相当数がいるため、あえてこの形式を避ける作者もまた多い。
派生としてニコ動/ニコ生/YoutubeLive配信のコメント方式を元にしたタイプもあり、こちらは漫画やアニメの方で多い。
オリ主やクロスキャラが投入されたりするが、原作のストーリーに沿った流れで話が進むSSのこと。2022年現在におけるハーメルンでの主流の一つ。と言っても、90年代から続く主流であり、恐らく人が二次創作を書き続ける限り主流であり続けるだろう。特にアフター創作やクロスオーバー創作が衰退した現在においては、恋愛モノ以外においてほぼ1強となりつつある。
原作が長編の場合はそれを追いかける二次創作も当然長編になりやすく、また原作未完結状態で始めた場合は当然行き着く先が存在しないため、原作に追いついた時点でエターなったり、原作で後にSSの既存部と矛盾する新設定が判明してエターなったり、原作に追いつくまでもなくエターなったり、そもそも原作がエターなったりなどして、とにかく生存率が低いことで有名。なんでこれ主流になってんだ?
「面白い原作にオリジナル要素を少し足して話の流れはそのまま」なので書き始めやすく、作者の構成力が低くとも原作の面白さがカバーする為、ある程度は楽しめる話となりやすいのが特徴。
この特徴の為、原作にさほど詳しくないカジュアルな読者を多数抱えたサイトではかなり目立った存在となりやすく、逆に原作の熱心なファンばかりの場、例えば同人誌などでは目立たない。
原作を知らなくても(むしろ原作を知らない方が)楽しめる為、原作を見たことがない読者・作者を大量に生んでいる主要な原因の一つである。
亜種として実際の史実や史実の逸話を元にした架空戦記がある。題材としては中国の三国志、日本の戦国時代、第二次世界大戦をベースにしたものが多い。これに関しては90年代以降の日本の創作事情に当てはめるなら、これらを題材にしたゲームが発売されて人気を博し、それを元に戦史研究がWEBなどを通じて一般人に広まったことが非常に大きいウェイトを占めていると思われる。2010年以降ともなると、この3ジャンルを擬人化/美少女化/美少年化したゲームも相次いで登場し、日本のオタク層に大きく広まってしまったのも要因の一つかもしれない。
二次創作においてオリ主や二次オリ主の行動により、原作と展開が変わるSSのこと。基本的には良い方向に転がることが多いが、たまに作者の闇の部分が噴出したのか救いようがない展開になっている場合もある。
基本的には原作沿いの亜種だが、大きく原作の展開から解離した場合にタグ付けされる傾向がある。
今まで特にファンタジーなど存在しなかった世界に、突如ダンジョンやモンスターが出現するようになる世界観の総称で、旧来より異世界・異星からの侵略・侵食という日本のファンタジーのジャンルとして古くからあるもの。
現在この世界観として流行しているのは異世界転生するのではなく、逆に異世界を現実の地球に転移・融合させて現実化させるというジャンル。
2024年におけるローファンタジーにおいての最流行ジャンルであり、最盛期には月間ランキングの八割近くがこのジャンルだった時がある。
現実世界そのものが最初からダンジョン・異世界化するパターンと、ファンタジーによくあるダンジョンのみが異世界であるというパターンに大別される。基本的にはローファンタジーに分類されるが、異世界の混ざる度合いによってはハイファンタジーとの区別が非常につきにくい。
近いジャンルとして異世界商売(異世界貿易)がある。こちらは自宅や店舗のみが異世界とつながっており行き来が自在であるというもの。それを利用して現代文化を持ち込んで商売するというもので、現代ダンジョンよりも先に流行したが、現在はやや下火となっている。
冒険者としてぱっとしなかったが、チートスキルが覚醒してぐんぐんレベルアップして人生逆転する、というジャンルの舞台としてよく使われやすい。
亜種としてダンジョン内の冒険をネットで配信するという『ダンジョン配信』も2023年頃から盛んとなってきている。こちらも配信がバズって人生逆転に繋がるパターンが主流。
一方で、メイドインアビスのようなダンジョンの最深部を目指す冒険譚のようなものや、何故現代地球に急にダンジョンが現れたのかの謎を追いかけるような話は比較的見つかりづらい。
『現代ダンジョン』の記事も参照。
いわゆる悪役令嬢モノのオープニングアクトの過半以上に用いられることが多い展開で、主人公がいきなり婚約破棄される。なお悪役令嬢のオープニングアクトのテンプレはこれを含めて3つほどしかなく、他の2つは「現代日本から転生」か「処刑/殺害されたけど何故か過去に戻ってきた」でほぼ9割以上をしめていたりする。
逆に男主人公が婚約破棄される場合は、ライバルやクズ男にNTRで婚約者を篭絡されるか、ヒロインのツンデレやヤンデレが行き過ぎたために結果としてすれ違って婚約破棄に至るパターンがある。前者の場合はすぐにメインヒロイン候補が登場し元婚約者に対して「ざまぁ」展開になることが多い。一方後者の場合は前者同様にメインヒロイン候補が出るケースが大半だが、元婚約者とは和解にまで至るケースが多いため、結果としてハーレムやダブルヒロインの要素を内包していることが多い。
原作に存在するキャラが大量の二次設定を追加されることで、文字通り最強のキャラと化してしまう作品。ほとんど元キャラの面影すらも残らない別人と化してしまう場合が多々あり、実質的にはオリ主ものと大差ない。
『Kanon』全盛期には、主人公・相沢祐一が過剰な設定を追加されて最強キャラとなるSSが多数生み出され、「U1(U-1)」と呼ばれた。『Kanon』 に限らず、大抵の作品にはこのような扱いになるキャラが存在する(たとえば『エヴァ』の碇シンジ(「スパシン」と呼ばれる)、『GS美神』の横島、『月姫』の遠野志貴、『とらいあんぐるハート3』の高町恭也、近年では『俺ガイル』の比企谷八幡など)。
別の意味での最強化としては、特定のキャラがなぜかモテモテになりハーレム状態を作り上げるパターンもある。『魔法少女リリカルなのは』のクロノ・ハラオウン、ユーノ・スクライアや、『東方Project』の霧雨魔理沙、森近霖之助など。
オリ主が流行る前に流行った設定で、最近はオリ主ものに押されている。
上の最強化とは違い、元々主人公が物語開始時点から一番強い作品を指す。無敵ではないので負けることはあるが、ほとんどが相性の差であったり、一度負けても再戦では圧勝したりするパターンがこれにあたる。
有名どころでは『北斗の拳』のケンシロウ、漫画ではないがスティーヴン・セガールやアーノルド・シュワルツェネッガーなどが演じているキャラクターなどがそれにあたる。少しイレギュラーなタイプだとむしろキッズ系やギャグ系の作品に多く、『アンパンマン』の主人公サイドのキャラや『ラッキーマン』の主人公であるラッキーマンなども当てはまるだろう。
また本当に主人公が登場時点でほぼ無敵の場合もある。例としては『ワンパンマン』の主人公であるサイタマはあまりに強すぎるために、長編エピソードの場合は終盤を除く展開が群像劇になっていることが多い。
ただしほとんどの作品の主人公に備えられている属性『才能系』をここに含めるかは議論の分かれるところで、漫画・アニメ・ライトノベル・ゲームなどではたびたび論議の衝突が起きている。
特に一時はネットから商業化デビューした作家の場合は特に厳しい目で見られることが多かった……のだが、むしろ現在のライトノベル業界はネットからの書籍デビューの割合が大幅に増加したため、単に批判目的で煽っているケースが多い。
原作のストーリーを元に、原作に存在しない要素(オリジナルキャラや設定など)を追加することで、原作とは異なるストーリーを展開するSS。逆行系や憑依もの・転生ものもこれに含まれる。「もしあのキャラが生きていたら」系のIFストーリーもこれに該当する。基本的に長編である。
大抵の作品は原作のストーリーを基本的になぞる形で進む。原作から大きく展開を変えるよりはそっちの方が書きやすいからであり、その意味では原作沿いの亜種ともいえる。
いわゆる「最強オリ主」「既存キャラ最強化」「ニコポ」「ハーレム」「蹂躙クロス」「原作ヘイト」「三次創作」などの地雷要素が詰め込まれたクオリティの低いSSに対する蔑称。「CQ」とは「厨房指数」の略。上記要素が大事で、つまらない作品全てを最低系と呼ぶわけではないので注意。
原作にバトル要素が皆無でもない限り、こういった作品はその作品のSS全体の中でも結構な割合を占め、多くの批判とごく一部の賛同者と物好きなウォッチャーを呼び寄せる。そして作者にとっては黒歴史となる。
……なおWEBから書籍化され話題に上がるような作品の悪評の形式がこれに近いように、むしろ流行に対するヘイトや食傷を示すといった方がより正確に近く、結論から言えば普通の読者に限らず、スコッパーでさえ新ジャンルの開拓が頭打ちになっていると言い換えることもできる。
情報化社会・近未来社会を描いた創作の総称を指す。古くはサイボーグやアンドロイドがいる社会、近年だとXR(VR・ARなどの総称)を用いたジャンル全般といえばわかりやすい。下部のスチームパンクと合わせ、SS用語というよりは創作のジャンル用語として運用される。
ただし社会が退廃していたり完全管理下に置かれ、サイボーグやアンドロイドが闊歩しているような創作作品はサイバーパンク系と明示されることが多いのに対し、逆にXRがメインになるような作品をサイバーパンクとして扱うことが基本的にないことからもわかる通り、広義の意味でのサイバーパンクは創作ジャンルとしてのサイバーパンクに含めないことがほとんどである。
サイバーパンクからの派生で、産業革命~20世紀初期をイメージした、蒸気機関と近代的町並みをモチーフとした創作ジャンルを指す。日本的にはサイバーパンクよりもこちらの方が大衆にはなじみが深く、ジブリ作品や世界名作劇場などでお馴染みの世界観となっている。
実際のSNSの創作で見ても狭義のサイバーパンクよりはスチームパンクよりの世界観の方が多い。
マジックパンクは造語としては比較的歴史が浅く、これらの要素に加えて魔法的な要素が強めの作品に用いられる。
「ヘイト役のキャラクターを破滅させる事で読者をスカッとさせる」ジャンルの事。現在(2022年)における主流の一つ。
後述の追放もの、復讐もので特に多用される。後述のヘイト(断罪)ものを一次創作に適応した亜種。
簡単に言えば、「パワハラ上司が部下(主人公)を不当に解雇したら、その部下が実はとても有能な人物だったので会社の業績が悪化し、解雇された部下は新しい就職先で認められて出世&元の会社の上司は解雇されて身の破滅」というストーリーであり、これ自体はSSに限らず多くのジャンルで多用されている。
大筋は勧善懲悪的である為に面白さが分かりやすく、その為に「何を楽しんで欲しい作品なのか」という意図を読者が理解する=読んでみようと思わせる事ができる。
ただし、これ自体はあくまで「ヘイト役のキャラが破滅しますよ」という宣言でしかなく、ざまぁを達成した後は作品の面白さを失ってしまったり、逆にざまぁまでを引き延ばして読者離れを起こしてしまうケースが多々ある。
また、ヘイト役が読者から見てさほど嫌な人物ではなかったり、悪行に対して与えられる破滅がやりすぎ、または控えすぎた場合は読者が消化不良を起こしてしまうケースも見られ、キャラクターへの読者感情を適切に管理できなければ長期に渡って評価を得る事は難しい。
総じて「分かりやすい面白さだけに上手く演出するのが難しい」ジャンルと言える。
『Fate/stay night』の時代に流行し、『ゼロの使い魔』ではルイズによって様々な作品のキャラクターが召喚される「あの作品のキャラがルイズに召喚されました」シリーズが大流行した。
設定のすりあわせが面倒なクロスオーバーに比べ、基本的に召喚する側の作品に準拠していればいいので書きやすいジャンルだったことも流行した一因。
後述のトリップ、転移もの、転生ものと言えなくもない。現在では転移・転生に取って代わられ、召喚もの自体は一時期よりかなり数を減らしている。とはいえ主題以外としては要素として出てくることは多い。
元となる作品がどれほど名作であっても、三次創作がそれを超えられることはまず無い。そのため地雷要素のひとつとして扱われることが多い。
また、作者が「原作は読んでません(二次作品しか読んでいない)」などとうっかり発言した日には、原作ファンのさらなる怒りを買うことがままある。もっともこれは三次創作に限らないが。
なお、二次創作自体にも著作権は存在する。三次創作するときは許可を取ったほうがよい(狭い世界だし)。
……というか非商業化作品の二次創作やアフター系創作にも言えることだが、ともかく地雷以前に強烈なアンチ誘因装置になりやすく、結果としてまともに連載をさせてもらえないケースがほとんど。しかも掲示板のような公開SNSでは目に触れる前に規約違反で削除され、さらにDMなどでアンチ活動をする傾向も強いことから、アンチ活動自体が知られないことすらあるため、一般読者の目にはアンチ活動自体が分かりにくいことも問題。実際にアンチ側は中身や正論関係なしにジャンルそのものを叩くこと自体が目的と化してるため、ともかく揚げ足を取って炎上させようとするアンチとの戦いに作者の心が先に折れてしまうケースが非常に多い。結果として削除したり限定公開に逃げる作者を見てアンチ側だけでm9(^Д^)プギャーしていることから、一般の読者からしても非常に性質が悪い。
また三次創作に関しては作者に許可を取るという手順を踏んでいたとしても、抑止力にはならないことがほとんどである。(場合によっては二次創作の作者の方が参ってしまうケースすらある)
シェアード・ワールド、シェアード・ユニバースとも。広義では世界観を共有している設定同士を指すが、小説用語としては世界観を共有して書かれる小説を指し、シェアード・ワールド・ノベルズとも言われる。
ネットSS界隈では21世紀初期まではある程度の勢力を誇ったものの、原作者(または管理人)やシェアワールドに加入した作者がエタる、シェアワールド内で作者同士が内部分裂する、といった要素が起こりうるためか勢力を維持できず、現在ではほぼ絶滅危惧種。例外的にSCP財団は日本を含めてワールドワイドに展開しているほか、日本の女性向け恋愛創作においては英語圏で発祥したオメガバースも一定の勢力がある。
ちなみに商用作品では昔から採用されるケースも多い。クトゥルフ神話などが代表例。
読み手(やスコップ)に多量のダメージを与えるような、著しく質の低い作品の総称。ジャンル詐欺、勘違いなどにより苦痛を与える作品にも使われる(純愛ものだと思ったらNTRものだったなど)。また、地雷率をあげる要素を地雷要素という。
スコッパーはこの手の作品に当たりまくることを前提として掘り続ける。金脈を見つけるのが先か、スコップが粉砕されるのが先かのチキンレースが、今日もどこかで繰り広げられている。
お金がある, ハイスペック, 高身長など、いわゆるなんでもできる理想的な彼氏のこと。大抵のことはなんでも解決してくれる、女主人公の強い味方。
SSを次々読み漁る行為を『掘る』といい、数多ある最低系SSにもめげずにそれを嬉々として行う愛すべき馬鹿どもの携えるアイテム。また、それを行うものはスコッパーとも呼ばれる。
その起源は古くはっきりしていないが、一説によれば03年頃に2chの最低系エヴァFFスレにおいてスコップで戦うシンジのネタが盛り上がり、そこから最低系を掘り返す最低スレ民の象徴として扱われていたものが、いつしか良作を掘り起こすというニュアンスに変化したものとされている。
スコッパーたちはまだ見ぬ金脈を求めて今日も嬉々としてスコップを振るう。そのスコップは長年の経験によって鍛えられているが、たまにそれすら砕くシロモノが埋まっているのがSSの怖ろしいところである。
シェアワールドの一種で、作品の屋根を越えてキャラクターを続投させる形式のこと。
作品の世界観が繋がっているスピンオフ形式と、逆に繋がっていないスピンアウト形式がある。
二次SSというよりは公式作品に多く、有名どころでは手塚治虫・CLAMP・福本伸行ら一部の有名漫画家の作品、任天堂のマリオ、ドラクエのカンダタ、FFのシド、タイムボカンシリーズの三悪人、舞-HiME、アイドルマスターなどが有名。
ちなみに本家より派生の方が知名度の高い作品としては「とらいあんぐるハート3→魔法少女リリカルなのは」、「魔導物語→ぷよぷよ」、「桃太郎伝説→桃太郎電鉄」などがある。
本家と派生の特殊パターンとしては「とある魔術の禁書目録⇔とある科学の超電磁砲」のように、スピンオフ元が人気になって原作の再ブレイクが起こったという珍しいケースもある。
最強オリ主を別の原作を使う二次創作で無双させる作品がこれの一種と扱われる事はあまりない。
キャラクターの社会的地位……とかではなく、RPGのように表示されるレベルとかHPとかの概念。
何らかの異世界の技術や魔法で計測されているものという設定が無いものも多く、異世界の自然法則に標準装備されていることも珍しく無い。世界によっては特に前置き無しに異世界トリッパーがステータスオープン!と叫ぶとステータスウィンドウが表示されることもちらほら。
これが出てくる作品は少なからずレベルあげ(後述)に時間を費やしがちであり、更には頻繁にステータスを表示することで文字数稼ぎをしているかのような作品も少なからずある為、読んでいて邪魔になりやすいとよく顰蹙を買っている。
その一方でステータスがぐんぐん上がっていくのを見るのが好き、という声もあるので、好き嫌いがきっぱりと別れる要素と言える。
いわゆる「○○になったので、自由気ままに過ごします」というかつての主流のひとつ。
基本的には「追放系」か「召喚系」、あるいは「転職もの」といった転機系の設定と併用される。
ただしこれもテンプレとして、最終的に主人公が英雄的行動を取らざるを得ない事件に巻き込まれ、一度は失ったもの以上の名声を得るという前段階に過ぎないことが多い。
○○○(キャラ名)「~~~~~」
△△△(キャラ名)「~~~~!」
↑のような感じで、台詞の前にキャラの名前が入るタイプのSS。この形式の場合、大抵の場合は地の文が極端に少なく、ほとんど会話でストーリーが進行する。
一般的なSS界隈では初心者のやることとして敬遠されるが、地の文を省略しやすいので文字数制限の強い掲示板(VIPなど)ではむしろこの形式の方が人気が高い。
その一方で不自然でない会話をしつつ、会話だけで状況を伝達する必要があるため通常のSSとはまた違ったところで作者の手腕が問われるケースも多い。
ちなみにこの形式である「まおゆう」が書籍化された時は「戯曲形式」と銘打たれていた。
SS掲示板では一般的な形式ではあるが、SNS型の小説投稿サイトではこの形式を嫌う人も一定数いるため、タグをつけていないと感想で指摘されることも多い。
メインヒロイン格が二人いる作品を指す。ハーレムの一種だが、「マクロスシリーズ」以後には三角関係を端的に表すジャンルとして明確な単語として成立していたと思われる。
基本的には片方は争奪戦に負けることが大半だが、一夫多妻が認められている世界観だと両方と結ばれるケースもある。そのほかのパターンはダブルヒロインの項目も参照。
なお単純に「主人公が少女二人」という主人公的立場でダブルヒロインというケースもある。近年では「リリカルなのは」「プリキュア」あたりが有名。作品によっては神無月の巫女のようにヒーロー的立場のキャラが登場するにもかかわらず、そのヒーローキャラが何一つ報われず、ヒロイン同士でカップリングが成立する作品もあったりする。
本来の意味は「ズル」。転じてコンピューターゲームで意図しない動作をさせる、またはオンラインゲームなどでプレイを優位にするために不正操作することを指す。
SSではぶっ壊れ性能を持つ登場人物の事を指し、「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」ってぐらい周りから比べると性能が段違いで、その能力を持ってラスボスですら無双状態で倒して解決していくケースが多い。
ネットSSやラノベでは最主流のテンプレ主人公(主人公がおちこぼれ系の場合はヒロインがチートになったりする)になってしまったため、それらを嫌う層からの蔑称といっても過言ではない言葉であり、「主人公が強能力やご都合主義で無双するだけ」とこき下ろすために使われるケースが多い。
単語として広まりすぎたからか、力の強弱を抜きにした「ズルい特殊能力の総称」くらいの位置に落ち着きつつある。
原作や原典より立場を意図的に悪化させること。元はコーエーの「三國志」や「信長の野望」のキャラクターに強烈な弱体化補正を掛けられたキャラクターの事を指していたのが最初だと思われる。
基本的に主人公側が理不尽チートの塊である二次創作で多く見られる手法で、主人公側のチートをより強く印象付けたり、原作で救われない設定や同情すべきキャラクターに対して救済措置を取るために、生贄に選ばれるキャラクターが逆チートを受けることが多い。ただでさえ原作でヘイトを向けられるキャラクターが、さらに逆チートを受けるケースもある。
なろうやネットの二次創作におけるハーレム物の大半は大抵コレである。大抵パターンが決まっており、この場合の主人公はチートスキル or チートジョブ or 魔王のいずれかであることがほぼテンプレとなっている。他に含む要素としては主人公が転生者のパターンが多い。
なお主人公が「王道的な勇者」でハーレムを作っている作品は稀。ハーレムを作ること自体が外道要素と見做されてしまうためだろう。また、作者は王道勇者を描いているつもりでも読者にチート認定されてしまうことも多い。
「ちょろい+ヒロイン」の造語。ちょろインの記事も参照。
派生用語に下述するニコポやナデポなどがある。
なろうやネットの二次創作におけるヒロインの大半はこれである。ツンツンしているヒロインがちょっとしたことで簡単にデレたり、明らかに他人を寄せ付けなかったヒロインが即落ちたりすることが多い。
亜種といえるかは微妙だが少し物語が進行しただけで主人公にデレデレ(登場間もないときだけツンデレ)というヒロインも多い。登場初期や回想部分でツンツンしてるならまだまともな方で、前日譚ではツンデレでしたという最早ツンデレという設定自体が必要だったのか?といわざるを得なくなるような場合もある。
主人公が「ニコッ」と笑うだけでヒロインが「ポッ」と惚れるハーレム系SSを指す用語。
頭を撫でる→ポッ、のパターンは「ナデポ」。
オリ主、最強化、クロスオーバーと非常に相性が良い。「チョロイン」の項目も参照。
その名の通り長いSS。どの程度の長さから長編とするかは人によるが、連載という形で掲載されるのが普通。
もちろん作者はプロではないので、「忙しくなった」「飽きた」「書けなくなった」等の理由で未完のままストップする作品が圧倒的に多い(エタる)。初心者が長編の第1話(非常に短い)だけ公開してその後は放置、など日常茶飯事。人気のある、評価の高い作品であっても、一部のアンチの粘着で潰されてしまう場合もあり、どんな形であれ完結まで書ききられる作品は稀少である。長編を完結したというだけで賞賛の対象になることも多々ある。
「PTを追い出されたので、○○しました」というタイプのSSで、人気のある手法の一つ。
亜種として「自分から離脱・引退した」というパターンもある。
前述の「ざまぁ」「スローライフ」や後述する「成り上がりもの」とセット運用されることが多い。
元々は「学園追放もの」として女性向けのSS(主に悪役令嬢もの)では主流のジャンルの一角として存在しており、こちらから派生した可能性もあるが、「PT追放もの」は冒険系ジャンルが大半のためか、少年/青年向けのジャンルとなっている。
このタイプのSSは主人公が謀略に嵌ったり力不足を感じているところで追い出されるというものだが、大抵は追放した主犯(何故か主人公を追い出すのは賢者か勇者、賢者や勇者がいない場合は主人公の一族、または属した組織に所属する実力者であることが多い)の方が問題行動を取っており、しかも救いようのないクズ(大抵の動機が「主人公を思慕しているヒロインを自分が奪う」「主人公の身分が自分より低い」「主人公のスキルやステータスがクソだから名門の名に傷がつく」「あの世で 俺にわび続けろ」)であることも多く、縁の下の力持ち状態だった主人公が抜けたことでPTが崩壊するというパターンまでがテンプレとなっている感がある。
ただし転生モノ同様に追放の経緯が雑になってるパターンもあり、そういう場合は追放さえされれば「ざまぁ」展開があるかどうかはどうでもいいこともあるため、その場合は追放した本人と過去の所属先がきれいさっぱり物語に出て来ない場合もある。
いわゆる「落ちこぼれだったけど、転機が訪れました」というかつての主流のひとつ。現在は追放系やダンジョンものとよく融合している姿を見られる。
亜種として「裏切られた/虐待されたので、対象に復讐します」というダークヒーロー系のパターンもある。
パターンとしては主人公が希少な体質やスキルを持っていたものの、実質的に生かせず落ちこぼれであったが、ある事件を経て能力を生かす機会に恵まれ、結果的に名声を得て成り上がっていくパターンが多い。
基本的に何らかの形で主人公が好意を持たれている設定と、逆に主人公が利用・搾取されるだけの設定の2パターンがあり、前者は主人公が生き方を貫き通して認められるパターンが多く、後者の場合は主人公の行動原理がアンチヒーロー化していくことが多い。
要するに性転換もの。『ナデシコ』の時代に流行し、その後も2006年前後までは専門のSS投稿サイトやネットSSのまとめサイトなどが活発に動いていた時期があり、シェアワールドを募っていたSS投稿サイトもあったほど。その後は徐々に勢いが減速し、2014年中頃には最大手だったSS投稿サイトが完全に更新停止するなど、かつてほどの勢いは見られなくなったが、転生や再構成、憑依と絡んで現在でも結構見られる。……がTSF展開そのものをメインとしてネットで創作されているのはPixivか個人サイト(または個人ブログ)が大半で、他のサイトで見られるケースは大半が味付け程度にとどまる。
数あるジャンルの中でも、特に好き嫌いが分かれる部類に入り、いまだに完全な市民権を得られていないジャンルともいえる。主な理由としては、肉体が異性に変化しても(少なくとも初期段階では)精神は元の性のままなので、恋愛要素を入れると必然的に同性愛にいきつくことが挙げられる。つまり、男性がTSして女性になった場合、男性に恋愛感情を向ければ精神的な意味でゲイに、女性に向ければ肉体的な意味でレズと、どちらの意味でもホモになってしまうのだ。TSを毛嫌いする読者にはこの点が受け入れにくいのだろう。このような描写に生理的嫌悪を感じるならば、素直に手を出さない方が賢明である。
また最低SS作者には「主役は女の子の方がウケる」「女の子を主役にして書きたいけれど、女の子の心理描写に自信が無いから、元男のTSキャラってことにしておこう」などといった安直な理由でTSに走る者もいる。そうなると、そのSSはTSものとしてクオリティまで低くなってしまい、二重の意味で最低SSとなってしまう。
TSとは急激な変化に戸惑う主人公が、どのようにしてこれを克服し、新たな自分に生まれ変わっていくのか? あるいは現実では到底ありえない、荒唐無稽なシチュエーションの面白みやおかしさをどう表現するか? このどちらかを満たせなければ、高い評価を受けることは難しい。
あと編集者の主観ではあるが、WEB版から書籍化された作品において主人公を女→男に転生させる作品は滅多に見かけない。WEB版で採用されていたとしても書籍化された際にTSF設定自体が消失していることが大半である。おそらくTSF好きだけでなくそれ以外の層においても男性にTSFした転生主人公というのはウケが悪く、改訂を余儀なくされるケースが多いと考えられる。例外的にキャラクリエイトが絡むゲーム系の異世界転生の場合のみ、辛うじて採用例を見かけるケースがある程度である。
亜種として「もし○○の性別が女(または男)だったら?」という、最初からキャラクターの性別が違うifを題材にしたSSも多い。
厳密では亜種ではないが、異性装もの(男装・女装もの)も含めることがある。
「TSF」の記事を参照。
要は男装・女装ものである。ここではリアルではなく、あくまでSSのルーツを述べる。
TS系と違い、基本メンタルは例外を除いて本来の性別であるためか、忌避観の強さはTS系ほどではないものの、見た目カップルで中身同性愛というパターンもあるので注意は必要。特にBLの場合だとそれなりにあるので、BLが多いサイトを閲覧する場合は気をつけたい。なおBL界隈では男×男の娘のカップリングはBLと認めない派閥も存在する。ここまで来ると派閥同士の業が深すぎるので興味がない人は首を突っ込まない方がいいだろう。
なおSSだと男装キャラはヒロインの一人、女装キャラの場合は主人公ということが多いものの、あくまで傾向が強いだけでほかのパターンで登場することも少なくない。
創作の歴史的には男装系の方が古く、「リボンの騎士」や「ベルサイユのばら」など主人公兼ヒロインの騎士設定に付帯していたことが多く、現在においてもネットを経ずに書籍化されている作品では主人公として時折採用されている。一方でネット界隈では男装している主人公設定の作品がやや少なくなっており、登場人物にしても男装キャラそのものが登場するより、単にボーイッシュ、または男性的な側面があるという程度に収まっていることが多く、強いて言えばヒロインの一人が男装キャラというパターンが見られるくらい。なお男装ヒロインの場合は和風系バトルヒロイン、またはブラコンの妹という設定が何故か多い。
一方で女装モノは、中性的な主人公(男の娘)は設定として扱いやすいためか、異性装ものではかつて主流となっていた時期があり、現在でも学園系やアイドル系では割と見かけることができる。ただし作品が増えだしたのはTS系同様に90年代後半以降(いわゆるエヴァ・ナデシコ世代)で、この時期では「とらハ1」の相川真一郎や漫画の「少女少年」の主人公達など一部でカルト的な人気があったが、公式作品や創作界隈に一気に広まったのはネット上でも話題になった「おとボク」や「はぴねす!」(いずれも2005年)の影響が大きい。
なお性別不明や第三の性別というパターンもあり、本当に不明の場合もあれば『○○のはずだが、その確証がない』というパターンもある。また性別を明言されているのに、その決定的な描写がないため疑惑を持たれ続けることも……
亜種としてバ美肉がある。狭義の意味では異性を演じるVRを介した配信者を指すことがほとんどだが、広義ではネットで異性を演じるネカマやネナベそのものを指していうこともある。
主人公の名前をスクリプトで変更できるSS。自分や知人の名前を入れて感情移入しやすくしたり、他作品のキャラ名を入れて疑似クロスオーバーに仕立てたり出来る。女性向けに多いが、検索除けがかけられている場合が非常に多い。
女性向け二次創作小説の場がPixivに移行してからはこのスクリプトはあまり使われなくなっているが、現在でも女性向けの界隈においてはオリ主ものを夢小説と呼称し、原作キャラのみが登場する二次創作と区別して扱う事が慣例的に行われている。
別の世界(大抵は現実世界)に暮らす主人公が、ある作品の世界を訪れたり、迷い込んでしまったりしてSSの登場人物となるタイプの作品。おそらく異世界に渡ることを旅行(trip)になぞらえたのが名前の由来だろう。クスリで頭がトリップしているような内容のSSだから……ではないと思う。多分。転じて現実の人間(として扱われるキャラクター)が創作物の世界に入り込むことをトリップする、トリップした人物のことをトリッパーと呼称することが多い。
元々旧来から女性向けの創作作品では定番の一つであり、また10年~20年ほど前は主に女性向けSS界隈で流行しており、作者の自己投影であろう主人公が原作キャラと恋愛する形式が多く、夢小説との複合形式も少なくない。
現在はオリジナルSSも増えており、女性主人公の年齢に関してはティーンが定番だったが、近年は20代前半からアラサーのパターンが増えている。異世界転移にありがちな現代知識やチートで押し切ることが多そうに思えるが、実際には現代社会で会得していた家事系(主に料理)のスキルで評価を得るパターンが多い。ある意味家事は女性がやるものという男女平等からは程遠い日本社会を如実に表しているかもしれない。
男性向けSSの場合は、トリップものではなく単なる異世界転移として扱われることが多く、男性主人公の場合は年齢もアラフォーまでとより幅が広くなる傾向がある。
主人公が戦闘要素を含む作品にトリップする場合、その世界で戦闘技術を修める、あるいは現実世界ですでにトリップ先の戦闘に耐えうる技術や武器を保有している、または原作の知識を利用して口先だけで立ち回る、といったパターンが多い。
異世界ものにありがちではあるが、主人公がメアリー・スー化しやすい要素が多いジャンルなので、好き嫌いはハッキリと分かれやすい。逆にアンチ主人公を作りやすいとも言えるが、最低SS系に足を突っ込みかねないないのでご利用は計画的に。
後述する憑依もの、転生ものは広義のトリップものであるとも言える。
異世界転移の記事も参照。
恋愛系のSSでテーマソングを元に作品を作ることがある。登場人物や関係性に付けられることもあれば、作品に付けられることもあり、また一つの物に複数のテーマソングが付くこともあり得る。歌詞のついた曲であることが大半で、近年ではボカロPの作った曲であることが多い。
歌詞の内容と作品の内容等が必ずしも合致している必要はなく、作者が作っている上での感覚だったり単におすすめしたい曲に過ぎなかったりする。2000年代前半頃の同人誌のタイトルに曲名が使われたりしたのと同じ感覚かもしれない。
基本、あまりイチャイチャしないキャラクターがふと見せるデレの総称。代表的なものにツンデレやクーデレがある。命の危険を感じるほど突き抜けすぎたヤンデレをデレの一種と取るべきかは議論の余地があるように編集者は思う。
なお最も代表的なツンデレに関しては20世紀の頃は用語として成立しておらず、またDQ7のマリベルの様にヒロイン格としての採用には批判の対象にされるケースもあった。21世紀初頭にテンプレとして定着した後は、ヒロインや主要人物に採用されることが非常に増えた。なお男のツンデレに需要は無いと思われがちだが、愛されている定番キャラクターは多く、需要はちゃんとある。
クーデレに関してもツンデレほどは目立たないが、ツンデレ同様に採用率は高め。ただしヒロイン枠としてはツンデレに比べると採用率は低い傾向がある。
SSでは使いやすいためか、デレ系のキャラクターをたいてい一人は見ることができる。
デレの一覧の記事も参照。
別の世界(大抵は現実世界)に暮らす主人公が死んだ後で転生するタイプの作品で、基本的にハイ・ファンタジー要素を内包している。近年(2016年前後)までは最主流だったが、現在は総合ランキング上位では異世界恋愛や非転生モノに押され気味であり、苦戦を強いられる傾向がある。とはいえ人気が根強いジャンルである上、最近は転生ものがアニメ化されることが増えてきたこともあって、一時の勢いがないとはいえ強い勢力を持つ。
特に主流に近い「異世界転生」の場合は、転移に比べて元の世界との繋がりを完全に断ち切ることができるというのが利点であるが、完全に断ち切られるために消化不良感をどこかに残すという欠点も表裏一体である。よくとられる手法は「死んで別世界へ転生(再構築)」が最も多い。
「同一世界で再転生」「元の世界に限りなく近いパラレルワールドに転生」「仮想世界が現実化した」などの亜種があるほか、近年では転移と混同されて使われることも多く、また憑依や人格融合と組み合わされるパターンも見受けられる。
余談だが、何故か導入部で主人公がトラックに轢かれて死亡する、という導入を用いるSSが多い(俗に言う転生トラック)。そして神様や天使のような超常的な存在に「本来は現時点で死ぬはずがなかった云々」と言われるパターンが常套である。『幽☆遊☆白書』の影響だろうか?
亜種として『転生・転移させるからその場で死んで(・ω<) てへぺろ』という身もふたもないパターンもある。これの古い元ネタとしてはFCソフトである『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人」の可能性もある。(あるボスを倒した後、原作沿いにするためキャラが生き残ってると自殺させるという超展開をやらかした)
ほかに転生者に共通するテンプレとしては、社畜・引きこもり・虚弱体質が多い。これは前世を明確に「失敗」と描写することで、未練無く新しい人生を送らせるためであろう。社畜の度合いや死亡要因はSSにより差もあるが、基本的に過労が主要因というパターンが男女主人公問わず多め。また、こちらにも幽白の影響があるのか「他人をかばって死ぬ」というパターンも結構な割合で見掛けるほか、何らかの要因で殺害されて(または事故死・病死して)転生するというパターンもある。
最近は上記のテンプレ転生にマンネリを感じてか、無闇やたらと捻った死因で始まる憑依・転生ものもあり、また前世での行動が伏線になることもある。例を挙げると功績を残した前世に当たる主人公が「子や孫に囲まれながら大往生した」とか、たまたま棚の上にあった模型が落ちてきて体に刺さって即死という夜見山市のような場所じゃなきゃ起こりそうもない案件で転生した作品もある。
ただしやはりというか、要は前世に当たる主人公が死ねばいいので、むしろ雑に死んだ上に理由付けが適当なことも多い。どちらにしろ前世の主人公が死ぬのは同じである。
なお幽白などのジャンプ系作品の影響もあるのか、エピローグや異世界冒険終了後などで前世主人公が生き返ることもある。ただしそんなプロットを設定していたとしても、そこに至る前に作者がエタって生き返れないままのケースも多いと思われる。
なおたまに「異世界に来たチート野郎を(理由はどうあれ)次々断罪してやれば面白いんじゃね?」的な作品が出ることもあるものの、大抵は普通の異世界作品より中身が破綻していて四方八方から袋叩きにされるチラ裏レベルの作品になることがほとんど。商業作品でやった場合のケースはお察しください。
「異世界転生」「異世界オルガシリーズ」の記事を参照。
転生もので一時は大部分を占めた一大ジャンル。若くして死亡した主人公が、神様の力を借りて異世界に転生するというパターン。詳しくは「神様転生」の項目を参照。
テンプレート、の略。
そのジャンルにおいて非常によくある展開、世界観やシナリオ導入を揶揄して言われる。
書くのが難しいとされる要素をそぎ落としていった結果先鋭化されて出来上がったものというのが定説で、
落ち着いて考えてみると不自然さや低リアリティを醸し出す要素が少なからず混ざっていることも。だが数だけは多く増加の一途をたどる。
テンプレ部分が終わった後からどう派生していくかが作者の腕の見せ所ではあるが、大抵テンプレを書くような作者はその辺を考えていないことが多い為テンプレ部分が終わった瞬間にエターなるのが常である。
だからと言ってテンプレを無視した作品が面白いとは限らないのが世の常である。テンプレは周りに評価される、または使いやすいからこそのテンプレであり、奇をてらったところで成功はしないものである。
またテンプレの原型となった先駆者は目立たないことが多く、最悪の場合だと批判の対象にすらなることがある。そして後の世に評価されるというケースの方が多い。
トリップや憑依、転生もののSSによく見られる、ファンタジー世界や過去の時代に現代の知識・技術を持ちこみ、主人公の支配下または所在している地域の内政面を向上させる行為を指す。
転生やトリップで、現代に比べ科学技術や法体系が未整備な状態にある世界が物語の舞台であり、主人公が土地を所有できるか地主に指図できる立場に立った時、かなりの高確率で行われる。
これを用いるとき、主人公はさながらウィキペディアをリアルタイムで見ているように正確に知識を思い出し、なおかつウィキペディアに載っている程度の情報を基にして、本職顔負けの内政手腕を発揮してしまう。要するにうろ覚えかつ、聞きかじりかつ、見様見真似で産業革命余裕でした、という酷いチートである。
ただし作品の性質上仕方ないのだが、内政チートの内訳が気をつけないとwikiなどの情報源から引用(下手をすればコピペ)だらけとなり、作品自体がオリジナリティに欠けると見なされる場合もあるため、結果として作者の力量が問われる形式ともいえる。ぶっちゃけると5chのヲチスレなどで盗作疑惑として真っ先に槍玉に挙げられるケースがかなり多い。
非戦闘型オリ主の常套手段であるが、バリバリの戦闘型オリ主も片手間で行ったりする。
ちなみに内政チートでよく多用される屎尿を利用した肥料作成であるが、実は世界のあちこちで紀元前から行われていることが立証されているそうな。案外、活用できる転移先は少ないのだった。尤も、舞台が異世界の場合は地球と同じ歴史を辿らせる必要も無いため、「この世界では未発見だった」と設定すれば済む話である。
実際に執筆難度の高さもあってか創作においては下火になっており、採用されてもテンプレをなぞったり、台本を知っているがために先に対策するの二点だけで終わってしまうケースが多い。一応作者ごとにアレンジはされているが、内政チートの内容自体の評価が高いケースは少ない。……というより上述通り徹底的に粗探しされ、荒らされるケースも少なくないためか、近年(2022年)は内政チートをメインに置くことは避けられるケースが多い。
トリップ・転生・転移・憑依などで、主人公が本来あるべき物語上の登場人物と何らかの形で重なってしまい、本来の人格をある程度封印して物語上の人物に近い性格を演じる(または変化・人格融合していく)形式。転生や憑依と重なっている場合が多く、なりきり系とは厳密に言えないことも多い。
パターンとしては、オリジナルの場合はVRMMOの世界の現実化や悪役令嬢もの、二次創作の場合は登場人物に憧れたり、その主君筋に共感して行動を模倣するといったパターンが多い。
一方で単純な変身・変装にとどまることもあり、本人と見分けがつかないぐらいに成り代わっていたり、異性装で性別を偽っていることも多い。これも昔からある王道パターンで、主に前者は怪盗や探偵、斥候などが絡む場合、後者は学園・社交界モノで性別を偽らなきゃいけない場合などで、いずれの場合もファンタジーを含むジャンルを問わずに現在でも利用されることが多い。
他人になりきっている、という設定から主人公の内心と表に出す言動が不一致になる事がかなり多く、勘違いものを複合する事がよくある。
原作の世界観をベースにユーザーの独自設定やオリキャラを作り、それを主軸とした二次創作のこと。
「独自解釈」「独自設定」などのタグがついていることも多い。
「オリジナルポケモントレーナーによるオリジナル地方のジム巡り」や、「オリジナルサーヴァントたちによるオリジナル聖杯戦争」などが例に挙げられるだろうか。
読んで字の如く、原作には存在していない設定。特に二次創作界隈でよく見かけ普及しているものを指す。
などがある。
当然使用の是非は大きく論争を生むものであり、採用する際は二次設定だと理解し話の上での必要性を考えた上での使用が望ましい。
特に原作を読まずに二次設定だけでSSを書く(特にアンチ・ヘイト)行為は危険行為の最たるものとして知られており、特にそれを作品内で発言することは禁句ともされている。
ただしSSとはあまり関係ない話になるのだが、原典が音楽ソフトウェアであるVOCALOIDや二次設定に寛容な東方Projectでは二次設定がそのまま公式化や暗黙の了解になるケースもあるように、ユーザーとの距離が近いコンテンツではその限りではない。
またアイマスの場合は「ぷちます!」が完全な二次創作から公式コンテンツに昇格した例をはじめ、それ以外にも二次設定や中の人・スタッフの悪乗りなどが混じって公式化されるケースが非常に多く、どこまでが継ぎ足しされたものか曖昧になっていたりする。
登場人物の語られていない過去や家族構成等の設定, 作品世界の施設等を二次創作作者が補って話を作ること。登場人物の心理を説明するために用いられることもあれば、物語をうまく進めるために導入されることもある。
主人公が複数の女性キャラから好意を寄せられており、本命を決めて他を切り捨てたりするようなことをせず、複数と関係性を保っている形式のSS。
商業のラブコメ漫画・ライトノベルであれば珍しくもない。当然SSでも人気は高いジャンルの一つ。というか、本命一本のSSは逆に少数派となってる傾向にすらある。ハーレム内でもいわゆる正妻、側室的な序列があることも多い。
女性主人公が男性キャラに囲まれ好意を寄せられている場合は、逆ハーレム(略して逆ハー)と呼ばれる。……なのだが、近年の逆ハーレムは「ゲームの主人公が逆ハーレムを作ってて、そのライバルの一人であるキャラクター(たいていは悪役令嬢)に転生」というパターンの方が多い。
当然ながら、カップリングとは相性が悪い……と思われがちだが、むしろハーレム展開そのものが、最終的なカップリング選定のための条件にしてる作品の方が多い。
ここ数年でリアルでも大きく勢力を伸ばしているネット配信を題材としたジャンルで、主に生放送配信者をモデルに据えているが、主に人気となっているのはVtuberである。
どちらかといえばオリジナルがメインのSNSサイトよりハーメルンやPixivといった二次作品の方が強く、かつ書籍化に消極的なSNSサイトの方がオリジナル作品であっても強い傾向があり、人気ジャンルの一角となった現在でも書籍化まで行くケースは少なかったのだが、2020年代に入ってぽつぽつと書籍化されるようになってきており、それに引っ張られる形でオリジナルSSがメインのSNSサイトでも徐々に人気が上がってきている。
VR(意識没入型)や架空戦記と融合して完全にSFやファンタジーになるケースもあるが、大抵の場合は主人公がチート化したとしても現在~近未来程度のネット技術に準ずることが多い。
原作と異なる世界観や、他の作品の世界観等にキャラクターを置くこと。「現パロ」(=現実世界パロ)「ハリポタパロ」(ハリーポッターパロ)「花吐き病パロ」など。「パロディ」が語源だが意味は若干異なる。
高見広春の小説『バトル・ロワイアル』のシチュエーション(登場キャラ全員による殺し合い)を、特定の作品のキャラクターたちで行うタイプのSS。 群像劇になるため、リレー小説という形式と相性がいい。また一作品のみだと人数が足りなかったり、みんなが基本的に仲良しで殺し合いになりそうもなかったりするため、複数作品のクロスオーバーで行われる場合が多いほか、禁断の夢オチ・ドラマオチ・VRゲームオチなどでお茶を濁す作者もいる。
2ちゃんねる葉鍵板で連載、完結した「葉鍵ロワイアル」などが有名。女性向けでも週刊少年ジャンプ系(特に現実世界を舞台にした作品)を題材にしたものなどが一部で流行した。
必然的にキャラクターの死を、時に安易に描くことになる関係上、嫌う人も多い。「パロロワ」の項も参照。
2ちゃんねるの衰退とリレー小説自体の下火化に伴って最近では目にすることが少なくなっているが、界隈自体は未だにひっそりと続いている(2022年現在)。
別の世界(大抵は現実世界)に暮らす主人公の意識が、ある作品のキャラに憑依したりするタイプの作品。
「主人公が物語の行く末を知っている」という意味で、逆行系の亜種。『エヴァ』『ナデシコ』以降は設定的に逆行ネタがやりづらい作品が中心となったため、逆行よりもこちらが主流になっていたが、現在では転生モノの方が優勢となっている。
PixivではTSF系とくっついて、「小汚い・冴えない・不良紛いの男が何らかの手段で美少女や美女に憑依して乗っ取る」というエロゲ紛いのシチュエーションも流行っている。
憑依の記事も参考。
主人公が活躍するために出てくる都合のいい愚かな存在のこと。
主に勇者魔王ものや転生もので使われる用語で、勇者としての特権を悪用して民衆を虐げていたり、転生先を現実ではなくゲームかなにかと思っているかのように好き勝手したり、悪役転生もので本来の主人公の方に転生したけれど主人公だからと思い上がって頭がお花畑と揶揄されるようなムーブをしたり等の、ただの噛ませ犬ではなく本来なら十分主人公になりうる属性を持っている上で格が低く愚かであるものに対してよく使われる。
そういう愚かな踏み台に対して正しい存在である主人公がSEKKYOUをするのは一時期の最低系SS界ではよく見られた光景であったらしい。
アンチのことである……が、憎しみ(Hate)まで感じるほどの極度のアンチを特に指す。特定のキャラや組織を貶める、虐める、不幸にすることを目的としたSS。『エヴァ』で特に流行した。原作の展開がファンの不興を買っている場合には、原作そのものに対するヘイト的な作品も生まれる。ヘイト対象キャラや組織のファンからすると当然面白くないため、住み分けが行われてないと荒れやすいジャンル。
原作の倫理的問題や矛盾を追及するものは「断罪系」と呼ばれる。オリキャラが断罪者となる場合が多い(例えば、原作の主人公やその所属する組織に対する復讐者を主役にしたような作品)。作者の主義主張が前面に出がちなため、好き嫌いの非常に分かれるジャンルである。
特にアンチアンチ(ヘイトヘイト)の項目でも書いているが、リアルヘイトをいろんな意味で集めやすいなろう系に良くある設定の二次創作だったりすると、原作のチート主人公一派に常識がないことをオリ主が不審視・敵視し、それを上回るチートを発揮して表舞台から退場させたり、場合によっては退場どころか罪を着せて断罪まで行きつくケースもある。
なおハーメルンにおいてはアンチとヘイトは「アンチ・ヘイト」タグで一括りにされている。
空想世界、または空想世界をベースとしたフィクションを含むジャンルの総称。
創作界隈における中核ともいえるジャンルであり、不動の首位を独走している巨大カテゴリである。もっとも広義の意味では現在の最主流である異世界恋愛ファンタジー、それ以前に流行して小説家になろうにおける総合ポイントでダントツのポイントを稼いでいるハイ・ファンタジー、SAOなどのVRMMOを含むSF系まで含まれ、基本的に文芸系以外のすべてを含む巨大ジャンルとなる。
近年の狭義では主にハイ・ファンタジーとロー・ファンタジーを指すことが多い。
いわゆる「剣と魔法の世界」をさすジャンル全般のことで、基本的にトールキン氏が構想した「指輪物語」をベースとした、日本におけるナーロッパと称される西洋風ファンタジーが大半となるほか、異世界転生もこのジャンルに含む。基本的に最終的に偉業を成すことが多いためか、ヒロイック・ファンタジーとも呼ばれる。
小説家になろうにおいて長らく首位を独走していたジャンルであり、近年(2021年前後)において異世界恋愛が総合上位に台頭するまでは最主流であった。近年でも書籍化の選考においてはハイ・ファンタジー要素がないと見向きもされない賞も存在していたりするなど、優遇されることが多い。
ただし人気ジャンルゆえに競争が激しいため、SNSで人気上位に入るのもまた難しいジャンルとなっている。
ハイ・ファンタジーに対して生まれた造語であり、元々はコミカルなファンタジーを指す用語だったが、現在では現実世界と繋がりが薄い異世界ではなく、現実世界をベースとした異世界や並行世界をベースとしたファンタジーを指す。
基本的には異世界からの侵略や浸食に対抗していく現実世界という形式を取ることが多い。
昔からあるジャンルのひとつで、親しい人が被害にあったので復讐するというパターンは王道ともいえる。
一方で現在(2022年時点)で主に使われるパターンでは主人公自体が酷い目にあったという設定が多く、よく使われるテンプレとしては「かつての仲間陣営に虐げられていました」か「危機を救ったけど、それを成し遂げた君の功績はとても邪魔なものだ」の二通りが多い。
逆行系と結びついたり、魔王討伐後に裏切られた場合は主人公自体がダークヒーロー/ダークヒロイン化し、復讐が生き甲斐になってしまうことも珍しくなく、また目的のために手段を問わない性格になってしまうことも多い。
なお大元をたどれば元ネタなのは英雄でありながら味方に見捨てられ、最終的に敵国に処刑されたジャンヌ・ダルクであろうが、日本の創作として影響を与えているのは和製RPGだと思われる。人知を超えた力やよそ者として疑われるエピソードがある「ドラゴンクエスト」、迫害と裏切りがテーマの一部としてある「テイルズシリーズ」などが代表的だが、一番ネタとして有名なのは「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」と自分が親友だと思っていた男に破滅させられた「LIVE A LIVE」だろう。
「ブラウザバック」の略。
SSを開いたはいいものの趣味に合わない・文章が下手だ・などの理由で読み終わらずにページを離れる事。即ブラバしましたわ、というのはSSに対して最大級の罵倒の一つである。
なお余談ではあるが個人ホームページがSS発表のメインだった時代は、SSの中身以前にホームページの構成のまずさでSSを読む以前にブラバされるケースも多々あり、「こういうホームページはブラバされやすい」的なテンプレもあったりする。
原作キャラの性格を原型が残ってないんじゃないかと思うぐらいに改変したSSのこと。
具体的に言うと最強キャラにしたりとかガチホモにしたりとか物凄いバカにしてみたりとかぶっちゃけこれ別の作品のあいつだよねという感じにしてみたりとかetc…
キャラクターの性格が大幅に変わったことにより引き起こされるドタバタが魅力。
元々の意味やゲームシリーズについては個別項目を参照。→「無双」「無双シリーズ」
主要人物がモブキャラにレイプされること。モブキャラは原作の世界観的に居そうな人物だがオリジナルの人物であることが多い。また、絵がある場合、顔が隠れていたり、特徴のない人物だったりする。
モブレされた人物が恋人とセックスすることを「お清め」と呼ぶことがある。
かつて一定の勢力を誇ったジャンルで、複数の作者が一つの作品を作っていくジャンル。だいたいは「お題」を元に作っていくケースが多い。
メインの創作の場となっていた2ちゃんねるの衰退に加え、2ちゃんねる自体が荒らし対策による強力な連投規制が敷かれたこと、その回避策として設置された個別の避難所も過疎化や管理放棄が重なって現在は完全に衰退。絶滅こそしていないが、ほぼ過去の遺物と化しており、現在ではほぼ見かけることがなくなった。
ステータスやダンジョンが出てくる作品でよく行われる序盤の展開の一つ。
文字通りに一人で雑魚を倒してレベルあげをしていく姿を延々と見せていく……という、文章化するとどこが面白いのかあまり解らない展開なのだが、手に入れたチート能力の試し撃ちとか、主人公が努力して強くなっているキャラであるという説得力の土台作りとかの為によく行われる。
何のためにレベルをあげるのか、レベルをあげて何がしたいのかについては当然作品ごとにまちまちではあるのだが、序盤ではそこに触れないままレベルあげをしていることも多く、主人公が無心にレベルあげをしている姿に楽しみを感じられるかで好みが大きく別れる。
レビュー欄などでも「ぐんぐんレベルが上がっていくのが楽しいです!」という称賛も見受けられるため、これ自体を楽しみにしている読者層も十分以上にいるらしい。
オリジナル設定やぼくのかんがえた~などで設定改変された二次創作キャラの成れの果て。
主に碇シンジ(SINJI化)や野比のび太(NOBITA化)みたいに、ヘタレキャラや勘違いキャラが作者に魔改造されているケースで用いられることが多いが、当然最低SS化するリスクが高いので注意が必要。自虐的に説明文に作者がローマ字書きを明記している場合も・・・・・・(白目)
なお名詞をネタ化した上でローマ字書きにする文化はふたば☆ちゃんねる由来らしい。
そういう意味では下述しているOHANASHIやSEKKYOUなんかも含まれる。
センシティブな言葉や、カップリング名が公式やカップリングを好まないファンの目に留まると厄介な場合、ftnr(ふたなり)やnmmn(ナマモノ)のように母音を省略して書く場合がある。
特に恋愛や戦闘などのドラマチック/シリアスな出来事が起こるわけではなく、複数のキャラクター同士が会話したり喧嘩したりするだけの展開またはシチュエーションのこと。
キロバイト。SS本文をテキストファイル(.txt)にした際のサイズのこと。SSの長さを示す単位のひとつ。
1KB=1000バイト=全角500文字。1KBにつきおおよそ文庫本で1ページ前後ぐらい(文章密度による)。
数KB~数十KBの短編から、1000KBを超えるような大長編までいろいろある。
一次創作の世界では、新人賞への投稿を行っている作者が多い関係で原稿用紙(400字詰め)換算枚数で長さを表すことも多い(新人賞の枚数規定は多くの場合原稿用紙換算)。
現在は小説家になろう・カクヨムなど大手投稿サイトが長さの表示にKBではなく文字数を採用しているため、一次創作・二次創作を問わず、単純に文字数で長さを表す方が主流。
なお文字数計測の場合、文章密度とは無関係の計測になるため、単純に400字=原稿用紙1枚とはならない(改行があるため、原稿用紙1枚に入る文字数は400字より少なくなる)。投稿サイトに公開した作品を、上限が原稿用紙換算枚数で規定されている新人賞に送る場合、テキストエディタなどできちんと400字詰めで何枚になるかを確認してから送ろう。
元ネタは『魔法少女リリカルなのはシリーズ』から。同作中で主人公のなのはが心ならずも敵対した相手に対し、相手を話し合いの席に着けるため度々戦闘行為を行ったことに由来するものと思われる。
これが行われる際には多くの場合、『リリカルなのはStS』の有名なセリフ「少し、頭冷やそうか?」が枕詞として付属する。
リアルタイムアタック(Real Time Attack)の略。
元々はゲームスタートからクリアまでの実時間(時計で計測した現実の所要時間)の短さを競うゲームプレイスタイルの意味。
SS用語としてはゲームのRTAをプレイしているという体裁で、原作の特定時点から特定イベントを達成するまでを実況解説しながら書いていくジャンルとなる。
話を進めるための効率的な奇行行動を主人公に行わせることが多く、やっていることは広義のメタ視点持ち蹂躙系に近くなりがちなのだが、視点が作中世界の外に存在するために蹂躙系が持ちがちな臭みを出さずにコミカルな話運びが可能なところが大きいメリットとされる。
2019年秋頃からハーメルンで流行り始めた。biim兄貴リスペクトの実況を踏襲している作品が相当数ある為に、淫夢要素が微粒子レベルで含まれている場合が多い。
ゲームプレイジャンルとしての詳細は当該項目参照。→「RTA」
最低SSにありがちな、自分が正しいと思っていることを、相手に一方的に押し付ける形の、説教に似た何かのこと。説教との差異は、客観的な整合性と読者への説得力のどちらか、あるいは双方の有無である。
大概、SEKKYOUを受ける側はその内容を問わず「うっ……」などとうめいたり、「うるさいっ、知った風なことを言うな!」「お前に俺の何がわかる!?」などと至極まっとうな反論逆切れを起こしたあげく、SEKKYOUを行う側に攻撃し、返り討ちに遭う。
完全な悪玉に向けると効果的な挑発に、味方になりそうな敵に向けると寝返りの勧誘に、女の子に向けると文字通りの口説き文句となる、魔法の言霊である。
段落の頭で、視点が登場人物の誰にあるのかを明示するための言葉。大抵、side ○○や×× sideなどと表記される。時々、sydeとかsaidといった誤字があることも。また型月系のSSの場合、Fateに範を取ってかInterludeと表記されることもある。ちなみにInterludeは幕間という意味だったりする。
群像劇と相性が良く、一つの場面を多角的な視点で描写するのに役立つが、同時に視点となるキャラクターがバラけるため読者が作品に感情移入しづらくなるというデメリットがある。……というか、そのデメリットが大きいので、本来はあまり使用しないのが通例である。
しかし、『バトル・ロワイアル』のような極めて登場人物が多い作品、上遠野浩平や成田良悟といった視点変更を多用する作家へのリスペクトからか、近年、やたら視点変更とそれを簡易に行う手段であるsideを、積極的に用いるSS作家が増えている。プロの作家が視点変更を使う場合は、章ごとに視点を変え一つの章の中では極力変更を行わないのである。が、SS作家は素人であるためその辺りを斟酌せず、一つの章(それも商業作品に比べると格段に章一つごとの文章量が少ない)中で頻繁に視点を変えてしまうことが多々ある。このためsideを多用するSSは読者を混乱を助長してしまい、結果として残念な出来の作品、ぶっちゃけて言うと最低SSになりやすい。なので、これを嫌う読者も多い。
仮想現実大規模多人数オンラインロールプレイングゲーム。
SSから書籍化されたものだとソードアート・オンライン、ログ・ホライズン、オーバーロード、防振りなどが有名で、少し古い作品だとクリス・クロスや大長編ドラえもんの夢幻三剣士やパラレル西遊記なんかもこの部類に入る。
詳細は「VRMMO」の項目にて。
VR世界そのものが冒険舞台になるか、VR世界が現実化するという2パターンに分類される。
前者の場合のギミック自体はSFなのだが、内容はほとんどファンタジーと変わりないことが多く、
逆に後者の場合のギミックは、ほぼ転移/転生ものともいえなくもない。
旧来のVRMMOは仮想世界と現実世界を行き来して「(本来の意味での)チート」「プレイヤーへの直接攻撃・懐柔」といった要素を入れることで初めて設定が活きるジャンルと言えたが、SAOなどを始めとしたファンタジーやSF要素が強いVRMMO作品のヒットとは裏腹に、SNSにおける創作の主流としては衰退気味。
現在のVRMMOにおける創作の主流は「VRMMOを楽しく遊び、現実世界パートは幕間か日常系」の方が主流となっており、主人公のチート能力も「ゲームの素人主人公が変なビルドをして結果的にトッププレイヤーになった」がテンプレとなりつつある。
小説家になろうでは一時期SFのランキングがこれに埋め尽くされたことがあり、SFを読みたいという層からは検索妨害も同然と評判が悪かった。
そのためか今ではジャンル再編されてVRゲームは個別でランキングが用意されている。
個人サイトがSS発表の場であった頃に最盛期を迎えていた登録型のSNSサイト。2000年台前半あたりまでは有名どころの検索サイトが隆盛を迎えていたが、その後は個人サイトが衰退し、徐々にブログがWEB創作における発表の主流となり、かつSNSに直接作品自体が投稿できるようになったために07年ごろから急速に衰退して更新停止や閉鎖が目立つようになり、2010年代に入るとほとんどの検索系サイトが同様の運命をたどった。
有名どころに「Newvel」「楽園」「NovelSearch」「HONナビ」などがあったがいずれも閉鎖しており、またこれらのサイトが撤退した後も精力的に活動していた「ChaosParadise」のように管理側に事情があって無念の閉鎖(14年)をせざるを得なかったケースもある。2022年現在、当時の大手で生き残っているのは「Wandering Network」などごくわずかを残すのみとなっている。
よろずSS投稿掲示板Arcadiaのこと。男性向けの主要なSSジャンルのほとんどを扱っていた。元々はSS捜索の情報交換の場所として発展した。
以前はWebSS上の最大手だったが、数年前に小説家になろうにその地位を譲った。
Arcadiaの項も参照。
株式会社ヒナプロジェクトが運営する、小説投稿サイト・小説家になろうのこと。現在は閉鎖されたが、二次創作専門投稿所の、にじファンというものもあった。18禁専門の別館・ノクターンノベルズ(男性向けR18)やムーンライトノベルズ(女性向けR18)、性的では無い18禁作品(グロ、インモラルなど)を扱うミッドナイトノベルズも存在する。
検索機能、タグ機能、ランキング機能といった好みのSSが探しやすいシステム、作者のマイページを利用した読者との緊密なやりとり、日毎や話数ごとのPV観察機能、出版社と提携しての一次創作の商業化斡旋、そして膨大な投稿数がウリ。
恐らく日本で最大の小説投稿サイトであり、現在もどんどん人気を増やしているが、独自の文化も形成されている。
荒らし対策などにより作者に優しいシステムのため、投稿される母数が桁違いなので、良作と呼べるSSも見つかったりする(かもしれない)が、発見には根気と時間、マイナス検索の駆使、そしてスコップの強度が必要である。
なお、一部の作品は書籍化されている。詳しくは小説家になろうへ。
かつて存在していた二次創作専門投稿サイト。
小説家になろうのグループサイトであり、なろう本体が二次創作掲載を禁止したためその受け皿となっていた。
二次創作サイトという都合上、最低系や過激なアンチ・ヘイト、原作の文章の丸コピペなどの問題も当然多く、それらがランキング上位にあがってくることすらあったため、現在その存在が語られる時は、二次創作の負の歴史の一環としてである場合が少なくない。
上記の事情と関係あるのかないのかは不明だが、権利問題の対応に追われ個別対処をしきれなくなったからと言う理由で2012年には閉鎖されることとなり、多くの作品の消失と二次創作者難民を生み出すこととなった。
上記のにじファンが閉鎖したことを受けて多くの二次創作者が難民となった。
そんな彼らの一人が立ち上がり、自分自身でサーバーを立て新しく作り上げたSSサイトである。
経緯が経緯であるため、にじファンで使用していた感覚で使えるよう、システム面はにじファンに近く作られた。
勿論たった一人で全てを作ったわけではなく、多くの2ch有志と共に作り上げたサイトである。
そのためかなりの早さで完成し、また不具合の修正や利用者の要望を反映したシステムの変更速度がとても高い。
利用者の要望をその日の内に反映させる事もあり、大手では難しいその身軽さは特筆に値するべきだろう。
投稿される作品は基本的に二次創作のSSがメインだが、オリジナルSSも投稿されている。
その誕生の経緯や二次創作がメインというサイトの特性上、オリジナルSSであっても書籍化はほとんどされていなかったのだが、2021年に入りハーメルンのみで連載されているオリジナルSSも書籍化の打診などの話がちらほら入ってきてるようで、実際に書籍化が決まった作品もある。※ただし、運営者の「サイトの性質上あまり書籍化作品がある旨を喧伝されたくない」という見解の通り、書籍の宣伝にハーメルンの名前を使わないように求めるなど消極的な対応を取っている。
ちなみに本サイトに限った話ではないが、例によらずハーメルンも悪質な規約違反者にはやはり厳しく、一度アカウントロックされた場合の再登録はたとえ心を入れ変えようが(バレた時点で)問答無用で再ロックされる。また評価操作をさせないように複数アカウントも禁止しているので、うっかりサブアカウント作ってましたとかなど、たとえ悪意がなくても複数アカウントになっている時点で、よほど特別な理由を明記なり運営に連絡なりをしておかないと確実にロックされてしまうので注意。
投稿される小説はオリジナルがメインだが、KADOKAWA系の一部作品の二次創作も投稿可能となっている。
小説家になろうにこそ及ばないもののそれなりの規模を有しており、複数サイトに投稿する場合の第二候補として選ばれることは多い。
各話の末尾に「応援する」ボタンが存在しているため、評価とは違う形で逐一レスポンスを送ることが出来て読んでいる/読まれていると言う実感を得やすいことが他サイトと比べた大きいメリット。
元々は人気のWEB小説を書籍化をする企業であり、00年に起業していることからその点では老舗とも言える。
当時はまだWEB小説の書籍化は敷居が高く、個人サイトなどで書籍化を目指していた作者が時折紹介しているのを見かけるケースがちらほらあった。
現在は書籍化事業のほかにゲーム事業なども手がけている。
2014年10月にWEB小説などが投稿出来るようにサイトをリニューアルオープンした。基本は小説家になろうと同様にオリジナル小説投稿メインだが、一部の二次創作投稿の許可がある他サイトと違い、二次創作の投稿は一切禁止である。また他のサイトに投稿した自身のオリジナル作品の投稿・登録は可能だが、他のサイトに先に登録した作品はダイジェスト部分しか投稿できないなど、はっきりいってしまえば不評な部分が多く、またアルファポリスから書籍化された作品はWEB版の掲載が一切認められないことも、ネット上での評価を下げる要因となっている。そのため書籍版発売決定後、WEB版のSSが取り下げられた場合、理由がアルファポリスから書籍化されたというケースを見掛けることが多い。
ホビージャパンが2019年に立ち上げた比較的新しいSS投稿サイト。最大の特徴は投げ銭システムであり、投稿者に直接還元できる点が珍しい。動画サイトでは見かける形式ではあるが、SSや静画系サイトでは投稿者に広告は打てても直接還元されるケースは書籍化されでもしない限り極めてまれであるため、じわじわと注目が上がってきているサイト。
もちろんライトノベル方面でも自社でHJ文庫などを持つだけにライトノベル業界において最大手のKADOKAWAには及ばないにしても強く、書籍化のハードルもダークホース的な立ち位置にある。
本サイトはかつては名の通りiモード向けのサービスを多数提供しており、その一環としてケータイ小説の草分け的立場も担っており、iモード全盛期には多くのケータイ小説がしのぎを削っていた。SSとは無関係だが過去にはドワンゴと提携したこともあり、合弁で株式会社スマイルエッジを設立したことから、niconicoとも関係が深い。
現在はかつて提携したKADOKAWAにドワンゴ同様に吸収されており、またiモードの終了に伴い、2020年に小説投稿サイト専門としてリニューアルしている。
小説投稿サイトのひとつで、主に二次創作の小説が投稿されている。
一時DoS攻撃を受けたことがあり、カテゴリの一部を除外した全年齢向けのミラーサイト「春風」を同時運営していたことがある。
ただし外部からの評価は一般的にさほど高くない。理由としてはハーメルンなど他のSNS小説サイトから規約違反やトラブルなどでアカウントロックされ、それらのサイトに作品を投稿できなくなった作者が流れ着くケースが多いためである。そのためネットでは流刑地とも揶揄されることがある。
その分だけ一種の魔境とも言えるので、思わぬ作品が発掘されるケースもある。
2ちゃんねるニュース速報(VIP)板のこと。VIPで人気のある作品の二次創作やオリジナルの小説スレが立つことがあり、人気を呼んだものはコピペブログなどにまとめられることが多い。
かつてはある程度古い作品やニッチなジャンルでもある程度の勢力があったものの、近年は荒らし防止のために連投規制が大幅に強化されたため、ある程度スレッドに人口がいて支援を受けなければ少しでも長めのSSだと完成すらおぼつかないせいか、よほどの勢いのあるテーマでもない限りは衰退気味であり、基本的にはSNSの小説投稿サイトの方が活発化しているのが現状であり、まとめサイトもブログ系以外だと更新停止に陥ったサイトやwikiが多い。
派生としてノベル・SS専用板のSS速報VIPがあるが、こちらは単に速報かNIP(Novel+VIP)と呼ばれる事が多い。 更に派生にSS深夜VIPがある。
傾向としては台本形式とクロスオーバーが多い。完全匿名であるため狂気に溢れたような作品もしばしば。また挿絵代わりにAAを用いる「AA劇場」という独自ジャンルが存在する。
コピペブログから動画化という形でニコニコ動画で読める作品もある。
ふたば☆ちゃんねるのこと。画像掲示板であるふたば☆ちゃんねるだが、ここでもSSが書かれることが意外と多い。
一回のレスで書き込める文字数が少なく、ログが流れやすいという本来SSを書くには全く不向きな場所なのだが、ここから生み出された人気作品も多い。
ここで書かれるSSは込められた情熱に敬意を表してもっぱら「怪文書」と呼称される。
匿名かつログが残らないためここに投稿された怪文書はのちに作者自ら渋などに再投稿することが多い。
pixivのこと。二次絵投稿サイトとして有名だが、SSも相応に投稿されている。
特に現状上記のような広範囲原作ジャンルを取り扱う大手サイトに投稿されているものは多くがオリ主もの・転生もの・再構成もののため、公式のアンソロジーに載っているような原作キャラクター同士が絡む短編を探すにはここかVIPのまとめブログから探すのが一番無難である。
ただし短編主体のため母数自体が多くなりやすく、さらには同性愛方面(主に男性同士)のSSが占める割合が非常に多いためいいものを探すのが難しい点では変わりなく、イラスト投稿サイトとしては男女どちらの層からも広く使われているが、SSは女性主流の系譜がかなり強い為に男性向け作品の投稿は多くない。男女比9:1と言われる(つまり男性向け作品が非常に多い)ハーメルンとはこの点もあって人気作品の傾向がかなり異なる。
また、SNSはもちろんコミックマーケットなどの同人イベントを介したユーザー同士の交流が盛んである為、サイト内でユーザー間の関係が殆ど完結している小説家になろうやハーメルン等とはサイトの空気感は全くの別物。どちらに親しみを感じるかはその人次第だろう。
この記事も小説家になろうや理想郷などを元とする用語を主として掲載している為、Pixivで定着したものについてはピクシブ百科事典の方が詳しい。
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最終更新:2024/12/26(木) 21:00
最終更新:2024/12/26(木) 21:00
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