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ウェーブトーン

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WaveToneとは、Ackie Sound製作の耳コピ支援ソフトである。

概要

ダウンロードリンク

wav, mp3などの幅広いコーデックに対応しているフリーソフトであり、フリーソフトと思えないような機能の多さが特徴である。以下、ver.2.61のreadme.txt中の「主な機能」より引用。

・音声スペクトラム、基本周波数の解析
・キー検出、コード検出、自動採譜
・キータップと音源の音量変化からテンポ測定
・タイムストレッチ、ピッチシフト
・グラフィックイコライザ、L-Rなどのフィルタ
・指定範囲のリピート再生,指定位置にジャンプできるラベル機能
・録音機能
・解析結果のグラフ上でノート編集

耳コピ初心者にとってはできることが多すぎて戸惑うことになるかもしれないので、次項から具体的な使い方を解説する。ある程度使い慣れた頃にはきっとこのソフトから離れられなくなるだろう。

WaveToneを使って耳コピをしてみよう

1. 音楽ファイルの読み込み・解析

WaveToneをダウンロード・解凍し、耳コピするための音源を用意したら、準備完了である。

まず、wavetone.exeを起動しよう。このとき、音源をまだ読み込んでいないため画面の真ん中が灰色になっているはずである。よって、音源を読み込むために画面左上の「ファイル(F)」の「開く(O)...」を選択する。すると、新たなウィンドウが出てくるのでその画面で音源を選択しよう。音源を選択するとさらに「解析」(その右には選択したファイル名)と書かれた小さなウィンドウ出てくる。ウィンドウの内容は次の通りである。

1秒あたりのブロック数
半音あたりのブロック数
音階の範囲(オクターブ)
基準周波数 A4=
□基本周波数を解析
解析するチャンネル
 □Stereo □L-R □L+R □L  □R

最初のうちは全部チェックを入れたうえでデフォルトの設定で問題ないだろう。なお、一度解析すると変更するにはもう一度ファイルを読み込まなければいけなくなるので注意すること。

以下、それぞれの項目の解説。

1秒あたりのブロック数 (範囲:20, 25, 40, 50, 80, 100)

1秒につき何回解析を行うかを決める。この値が小さいと急激な音程の変化を読み取ってくれなくなる。「100」を推奨する。

半音あたりのブロック数 (範囲:1, 5, 10)

まず、「半音」とはピアノの鍵盤でいう「1つ隣」までの音の離れ具合を指す用語である(例:ミとファ、ラとシ♭)。また、この半音を「100セント」とおく数え方もある(このとき1オクターブは1200セントである)。ここで5や10を選ぶと20セントや10セントごとの細かい音程の解析をしてくれる。1以外の数値を選ぶと音程が曲線で出てくるので少々見づらくなるデメリットはある。ただ、ボーカルのしゃくり・こぶしや、ギターのチョーキングなど半音未満の音が重要になる場合もある。この値を1以外に設定すると少し動作が重くなるので曲調と自分の好みで設定するといいだろう。

音階の範囲(オクターブ) (範囲:0~10)

解析する音の高さの範囲を指定する。例えば「1~8」と指定した場合、C1~B8を解析して表示する(C1とは1オクターブ目のドを指し、B8は同様に8オクターブ目のシを指す)。高すぎたり低すぎたりする音はあまり使われないので解析しても意味がないかもしれない。参考までにそれぞれの高さのドの周波数の値をおいておく(小数点以下を四捨五入)。

音程 C0 C1 C2 C3 C4 C5 C6 C7 C8 C9 C10 C11
高さ(Hz) 16 33 65 131 262 523 1047 2093 4186 8372 16744 33488
基準周波数

A4の周波数を指定する。日本のポップスでは概ねA4が440Hzであるが、日本のオーケストラにおいては442Hzを採用する場合が多く、海外のオーケストラでは444~448Hzとさらに高くなっている。また、17世紀頃のバロック音楽においては基準となる周波数の高さが定められておらず(370~560Hzと大きくばらつく)、クラシック音楽の耳コピをする際は、使用する楽器や時代背景などを考慮する必要がある。

基本周波数を解析

前項の「基準周波数」とは別物なので注意すること。倍音成分のうちの最も低い周波数が基本周波数となっている。大雑把に言うと、最もよく聴こえる音の周波数である。ラップなどに音程を強引に当てはめるときには使える。これは好みでチェックを入れたり外したりしていい。

解析するチャンネル

一般にステレオの音楽ファイルには左右2つのファイルが同時に収録されており、それらを同時に流すことで立体的な曲となる。その2つのファイルを様々な方法で組み合わせたデータも聴くことができるようになる。詳しくは後述するが原曲のStereoの他に、L-Rは非常に強力なのでチェックを入れておきたい。

2. 拍子・テンポの決定

音楽ファイルを読み込み、解析を終えると、読み込んだデータが縦軸が音程で横軸が時間のピアノロールで表示される。音が鳴っている周波数帯に色がついていて、赤ければ強く、青ければ弱く鳴っている。なお、弱すぎる音は表示されないようになっているのだが、表示する音の強さの閾値は「感度」(虹色のバー)を調節することによって変えられる。また、表示する色の色合いは「コントラスト」(白黒のバー)を調節することによって変えられる。

耳コピを始めるにあたって、まずは曲の拍子とテンポを決定しよう。

4 120 BPM 0 ms

と書いてある部分が(デフォルトでは画面上部中央に)あるが、それらの3つの数値はそれぞれ「拍子」「テンポ」「1小節目のスタート位置」を表している。拍子はおそらく判別できると思うので、拍子の値を入力してからテンポとスタート位置を確定させる。

最も簡単な方法は、Shiftキーを押しながら曲に合わせてスペースキーを押すことである。そうすることでテンポとスタート位置の両方を同時に確定させることができる。

なお、曲の途中で拍子やテンポを変えたい場合、画面左上の「表示(V)」タブの「リズム、キートラック(R)」や「テンポトラック(T)」を選択して表示させるとピアノロールの上部に専用のトラックが出現するので、変更したい箇所をダブルクリックするとそれ以降の拍子やテンポを設定することができる。

テンポは500BPM以下かつ0.0001BPM単位で設定することができる。さらにShiftキーとCtrlキーを押しながらスペースキーを押すと、0.01BPM単位でテンポを解析できる。

3. キーの決定

耳コピをする上ではキーの特定が欠かせない。多くの方法が存在するが、そのなかでいくつかを紹介する。

まず、WaveToneにはキー解析機能がある。画面左上の「解析(A)」タブの「キー解析(K)...」をクリックすると12本のバーが出現する。バーが長いほどそのキーである可能性が高くなる。他にもメロディなどを追っていくことでキーを判別する方法がある。聴き取ったメロディなどを鍵盤などで鳴らしてみて黒鍵を使った個数で判断する、メロディの最後はキーの主音である可能性が高い、などと推理していく。

なお、WaveToneにおいては平行調(relative key)は同じものとして扱われる(例:CとAm, FとDm)ので、注意が必要である。また、曲の途中でキーを変えたい場合も画面左上の「表示(V)」タブの「リズム、キートラック(R)」を選択して表示させ、専用のトラックをダブルクリックして変更できる。

4. コードの解析

テンポやキーが確定したら、「解析(A)」タブの「コード検出(C)...」をクリックする。すると新たなウィンドウが出現し設定する項目が出て来る。ウィンドウの内容は大きく分けると「検出位置」「スケール上のコードを優先」「検出対象のコード」の3つである。

「検出位置」とはコードの切り替わるペースを指定するオプションで、1, 2, 3拍ごともしくは1小節ごと(4拍子なら4拍ごと)に切り替えることができる。しかし、コードが切り替わる場所やペースは一定ではない。コードの検出位置は後で細かく変更することができる。なので雰囲気で決めてもそこまで問題ない。(4拍子の曲に「3拍ごと」と指定すると流石にダメだが)

「スケール上のコードを優先」とは、そのキーのスケールで用いられる音のみを使ったコードを優先するオプションである。例えばキーがF/Dmならば、「ファ、ソ、ラ、シ♭、ド、レ、ミ」を組み合わせて作るコードを優先する。優先する度合いはスライダーによって変更することができる。また、キーが途中で変わる曲に対してはこのオプションは無効となる。

「検出対象のコード」とは、検出した結果に出現するコードを制限するオプションである。全てにチェックを入れてもいいのだが、突拍子もないコード進行が生まれる可能性もあるので判断は難しい。とりあえずメジャースケールのダイアトニックコード(スケール上の音で作られるトライアド(3和音)やセブンス(4和音)のこと)に含まれるMajor, minor, 7, M7, m7, m7b5は指定しておこう。さらに汎用性の高いdim7, aug, sus4, 7sus4なども指定してもいいかもしれない。いずれにせよ、これらの検出結果をそのまま使うことは少なく、後で手直しをすることになることがほとんどなので雰囲気で決めても問題ない。

以上を決めて「OK」や「適用」を押すとコード検出が始まり、コードが表示されるようになる。表示されない場合は「表示(V)」タブの「コードトラック(C)」を選択する。それぞれのコードにはディグリーネームが併記されている。ディグリーネームとはコードの根音(ルート)がキーと何度離れているかを示す表記である。例えばキーをGとすると、GM7はIM7、Am7はIIm7、F#m7b5はVIIm7b5となる。なお、WaveToneにおいては平行調は同一視されるので短調の主和音はナチュラルマイナーならVImもしくはVIm7、ハーモニックマイナー・メロディックマイナーならVImもしくはVImM7として扱われる。

コード検出をする際の注意だが、Stereo・L-R・L+R・L・Rというチャンネルの組み合わせを選ぶボタンがあるが、コード検出は現在選ばれているチャンネルの組み合わせで行われる。元の音源はStereoであるから、これを選んでいる状態でコード検出を行うことをおすすめする。

ここからは曲を聞き取りながらコードを確定させていく。まずはコードの変わり目の位置を決める。コードトラック上をCtrlキーを押しながらクリックすると、コードの変わり目(検出位置)を8分音符単位で変更(離したりつなげたり)することができる。小節をまたいでつなげることも可能なので「小節の始まりより8分だけ早くコードが切り替わる」といったよくある事象にも対応できる。

範囲も確定したら、コードトラックのコードが書いてある部分(「C7[V7]」のような部分)を右クリックしてコードを適切なものに変更する。10個のコードが候補として挙げられているほか、「コード名入力(I)...」をクリックすることで自分で決めることもできる。「コード名入力(I)...」で入力する際はオンコード(分数コード)を設定することもできる。さらに、コードを考えなくてよい箇所はN.C(no chord)とおくことができる。また、コードの書いてある部分をクリックするとそのコードの音を聞くことができ、ダブルクリックするとコード名を直接打ち込むことができる。

また、曲を流しながらコードを鳴らすこともできる。「ヘルプ(H)」の真下にある、重なっている音符とスピーカーの絵の「コード再生」というボタンをクリックすると鳴るようになる。コードを聞こえやすくしたければ、画面上部のWAVEというスライダーで曲の音量を下げると良いだろう。その際、曲に対してコードの発音が遅れることがあるが、「オプション(O)」の「設定(T)...」を選び、「発音補正時間」を調整するとその分だけ早くなる。

この部分に関しては音楽理論を学んでおくとかなり楽をすることができる。

5. 耳コピする

長い準備が終わったらようやく耳コピの開始である。再生速度や音程を変更したり、イコライザを調整したりしながら聴き取っていく。イコライザにはプリセットを記録しておく箇所が3つあり、イコライザの値を調整したあとにCtrlキーを押しながら画面上の「1」「2」「3」のどれかのボタンを押すことで記録される。

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関連項目

  • ニコニコ音楽科
  • 耳コピ

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最終更新:2026/01/08(木) 14:00

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