つんく♂とは、男性シンガーソングライター・音楽プロデューサーであり、シャ乱Qのボーカル担当。
概要
1968年10月29日生まれ、大阪府出身。血液型B型。TNX所属タレント兼代表取締役社長(シャ乱Qとしてはアップフロントエージェンシー所属)。本名は寺田光男。芸名の由来は大学時代のあだ名がつんくだったため。"♂"マークが付いたのは、ある番組で女装した男性(もしくは性同一性障害のMtF)と寝たことがきっかけでゲイ疑惑が出たことと、画数が良くなる為というのが理由。浄土真宗本願寺派の門徒でもある。
1988年にシャ乱Qを結成、ボーカルを担当。ビブラートを駆使した歌唱力のみならず、細くした眉毛や化粧、派手なコスチュームという個性的なビジュアルでも人気を集めた。ちなみに若い頃は上沼恵美子そっくりと評判。
1997年、テレビ番組「ASAYAN」において「シャ乱Qロックヴォーカリストオーディション」の審査員を務め、同オーディション応募メンバーで結成されたモーニング娘。のプロデュースを担当。以降ハロー!プロジェクトのプロデューサーとして活躍し、2014年まではハロー!プロジェクト所属アーティストのほとんどの楽曲について作詞・作曲を手掛けていた。後述の理由により総合プロデューサー降板後に関しては変わらず提供しているのはモーニング娘。のみで、他ハロー!プロジェクトメンバーへの書き下ろしは依頼があった場合かコンペで勝ち取ったときぐらいである。
芸名の後ろに「♂」を付けるようになったのは2001年からである。ただし作詞・作曲時の名義は「♂」を付けない。
シャ乱Qの他に、「TSUNKU」名義でのソロ楽曲や、THE つんくビ♂トとしての活動もあり、浜崎あゆみとのデュエット曲もリリースしている。他アーティストへの楽曲提供も多い。またザ・ビートルズの演奏・ボーカルを忠実に再現したカバーアルバムをプロデュースした事もある。
音楽以外の活動としては、音楽番組「ポップジャム」の司会やドラマ・CM出演の他、映画「演歌の花道」の主演、「LOVE論―あなたのいいトコ探します」等の著作、ゲームソフト「リズム天国」のプロデュース、アイドル育成型エンターテイメントカフェ「AKIHABARAバックステ←→ジpass」のプロデュース(志倉千代丸と共同)等がある。
2006年に元モデルと結婚。同年、元々アーティストとして所属しているアップフロントグループの子会社であるTNX (ティーエネックス) 株式会社を設立、代表取締役社長に就任した。現在はTNXが運営に携わるNICE GIRL プロジェクト! (THE ポッシボー、キャナァーリ倶楽部等が所属) のプロデュースも手掛けている。尚シャ乱Qとしての所属事務所は従来通りアップフロントエージェンシーである。なお、TNX設立後はおついたちをやるようになった。その時の様子はブログで確認できる。
2013年8~9月に7年ぶりのライブツアー、「シャ乱Q 結成25周年記念ライブツアー 2013 秋の乱~シハンセイキ伝説~」を行った。
歌声との別れ
2007年に原因不明の喉の病気に罹患している事を公表。今まではたまに声の調子が悪い事もある程度でそれ程ではなかったが2013年10月下旬以降症状が悪化し同年大晦日のハロー!プロジェクトのカウントダウンライブに出演した際は重度の擦れ声で喋りファンを心配させた。
2014年1月初頭の会見で2月か3月ごろに手術を受けることを発表。そして、3月に自身の病気を喉頭がんであることを公表。タレント業を休止し、治療とプロデュース・楽曲製作に専念することを発表した。プロデュース・楽曲製作に関しては打ち合わせなど、会話が必要な場面では筆談で話を進めている。
治療は放射線治療と分子標的薬による化学療法を併用する治療を実施。2014年9月25日、がんが完全寛解したことをマスコミ各社に公表したものの、声帯の腫れと痛み、息苦しさ、声のかすれが続いていた。念のために生検したところ、がんが再発していたことが判明。10月17日、所属事務所を通じてモーニング娘。'14ニューヨーク公演後に手術を受けて、現在も療養中であることを公表した。しかし、時すでに遅し…だったのかもしれない。2015年4月4日、母校の近畿大学入学式にサプライズゲストとして登場。しかし、彼の言葉は後ろのスクリーンに映し出され、その文字を司会が代読していた。そう、彼はこの代読スピーチを通じて、初めて手術により声帯を摘出し、声を失ったことを明かした。
作曲に関しては歌うことでニュアンスを伝えてたというつんく♂だが、歌声を失ったことでその手法がとれなくなってしまった。今後、作曲法を変えるのか、それとも作詞に専念するのかは定かではない。
声帯摘出後は食道発声法で話すリハビリを受けており、少しずつではあるが会話ができるようになったという。
2015年には後述の闘病のことなどについて書いた著書『だから、生きる。』を出版。同書にてハロー!プロジェクト総合プロデューサーを卒業していたことが明かされた。以降は一人のソングライターとして、そして、モーニング娘。サウンドプロデューサーの一人としてハロー!プロジェクトに関わっていくとのこと。
総合プロデュース業時代の特徴
原則としてハロー!プロジェクト所属アイドルはヴォーカル&ダンスユニットとして接しており、公式ブログなどに掲載しているコメントは本当に一人のシンガーとして接していることが良くわかるほど真剣にアドバイスしている。が、たまに父親目線で語ってしまうのはご愛嬌。特にわかりやすいのが2014年春のハロプロ研修生実力診断テストだろう。
このあたりは自身がオーディションでハロー!プロジェクト所属タレントを採用するときの基準として大きく影響している。例えば、「私はアイドルよ!」という思いがビシバシと伝わる女性はハロプロの方向性にそぐわない為、その考えが読み取れた時点で容赦無く落としている。また、プロデュース業を全うするために、如何に自身やメンバーに異性を感じさせないかを大事にしており、成人したときに自分好みになりそうな女性もオーディションで落選させている。余談だが、秋元康からは「最終的にはモーニング娘。の誰かと結婚しろ」というアドバイスを貰っている(実際は上述のとおり、ハロプロとは無関係の女性と結婚)。
プロデューサーとして製作した曲も「自分は音楽においてポリシーや信念などは持たないようにしている」という旨の発言もしている。これは売る側の都合で音楽性やスタイルを変更せざるを得ないため。しかし、歌割りではそうも行かないところもある。歌詞も基本的には歌手に対するリサーチを行わないが[1]、Berryz工房のラストナンバーである『Love together!!』やクラシカロイドへ提供した『やってらんない気分』など、女性やアーティストの心理描写を浮き彫りにする手腕に定評がある。この生々しい女性の心理描写がゲイカルチャーにおけるハロー!プロジェクト人気につながっている。
歌唱面では身も蓋もない表現をするならリズム至上主義。例えシンガーとして申し分ないほどの表現力があったり、音感が良くてもリズム感が無ければメインボーカルに抜擢しない傾向が強い。実際に過去の合宿オーディションやレッスンを見てもらえばわかるとおり、16ビートの概念から教えるなど、リズム指導を重点的に行っている。このリズム主義が端的に現れたのが『リズム天国』だろう。実は以前に、音楽シミュレーションゲーム参加のオファーがあったのだが、リズムがずれてる箇所でアクションを要求されることが許せなかったことが、『リズム天国』制作のきっかけとなった。ただ、リズム指導のし過ぎでメンバーの中にはコンビニ等のBGMに反応して16ビートを刻んだりする人物も…(指導者本人も同様の事態に陥っているため、ハロプロ特有の職業病かもしれない)。リズムへのこだわりに関してはジャンルレスと言っても過言ではなく、演歌ですらリズムを合わせたがるという。
また、いかにライブで自分の声を響かせるかも見ている。以上の傾向から、リズム感がよく、ライブで声が響くメンバーに歌割りを多く与えているのではという推測も見られている。
時々、曲に変なタイトルを付けるが、ファンからはそういう曲に限って名曲やスルメ曲が多いと言われている(例:ギャグ100回分愛してください、みかん等)。そういった意味で、タイトル詐欺を自然とやらかす作曲家かもしれない。
現在は前述のとおり、総合プロデュース業から退いているので楽曲提供者としてアドバイスするにとどめている模様。
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関連項目
外部リンク
脚注
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