てんぷら(天ぷら・テンプラ・天麩羅・天婦羅)とは、食材に小麦粉を水で溶いたものをからめ、油で揚げた料理のこと。語源はポルトガル語で「調味料」を意味する「tempero(テンペーロ) 」から。
曖昧さ回避
- さつま揚げに似た練り物。「ゴボ天」「イカ天」など。由来は上記の天ぷらだと考えられる。
- 「天まで上がる(揚がる)」の洒落。
- 衣だけ分厚く中のエビが小さい粗悪なエビ天から、偽物・中身が無い・でっちあげなどの意。
- 表面だけにつける、表面にしかついていないという意味。
- めっきの一種、溶融めっきの通称。溶かした金属につけるめっき作業がてんぷらを想像させる事から。
- テンプラはんだ - はんだ付けの失敗例。接合部が汚れているなどの理由によりはんだが表面だけに付着し、通電しなかったり、すぐ剥がれてしまうようなつけ方のこと。
- 天ぷら(ゲームクリエイター) - フリーゲームを制作するアマチュアのクリエイター。 → 天ぷら(ゲームクリエイター)
- てんぷら(漫画) - なんば倫子の漫画作品。 → 商品ページ。
- ユーザー生放送配信者。 → てんぷら(生放送主)
- ニコニコ大百科の記事編集者。 → ユーザ記事
- テンプレートを表すネットスラング→テンプレート
- フリーゲーム「のび太のバイオハザードG」に登場する追跡者の別称。→元ネタは猫マグロ。
- ススキノ・テンプラ - ますむらひろしの漫画作品シリーズ「アタゴオル」の登場キャラクター。
- てんぷら(作文) - とある高校生がてんぷらへの愛を綴った名文。
概要
てんぷらとは、代表的な日本料理の一つである。
特に江戸のてんぷらが有名で、江戸前寿司、おでんと並んで、江戸の名物料理が日本全国に広まった代表例である(ただし、俗に江戸の三味(三大料理)といえば、寿司、てんぷら、そばである)。日本で現在のてんぷらの手法が広まったのは江戸時代前期で、その後日本全国に広まり現在ではてんぷらの専門店の他、蕎麦屋や日本料理の店などでも良く扱われている。なお、全国にてんぷらが広まった要因は関東大震災によるもので、被災し店や職を失った関東の天ぷら職人が他地方に散らばり、そこで料理屋を始めたため(同様の理由で江戸前寿司やおでんも全国に広まったといわれる)。
てんぷらのタネ
てんぷらの具材は符牒でタネ(寿司のように、あまりネタとは言わない)という。そのタネで、特に人気なのが海老である(海老のない天ぷらなど、玉子のないおでん、まぐろのない寿司のようなもの)。今日では車海老やブラックタイガーといった少し大きめの海老を揚げることが多いが、昔は芝海老などの小さな海老をかき揚げにしたものが定番だったとされる。
海老の他には、キス、イカ、サワラといった魚介類(関西ではタコや穴子も人気)や、茄子やかぼちゃ、ししとう、玉ねぎ、さつまいも、レンコンなどの野菜類がタネ(具材)とされることが多いが、変わったところでは饅頭やアイスクリーム、チョコレートといったスイーツもある。沖縄式ドーナツのサーターアンダギーも「砂糖てんぷら」という意味で、てんぷら由来の食べ物である。衣をつけて揚げることで風味や食感をある程度誤魔化せることから、アクの強い山菜や、紅葉の葉などあまり食用に適さないものもてんぷらにすれば食べられることがある。今では同様の調理法を取った料理はみなてんぷらとして扱われているが、元々はてんぷらとは魚介類の揚げ物のことであり、野菜類に関しては精進揚げと呼んでいた。またてんぷらから派生した料理として、かき揚げや磯部揚げ、イカ天(通常の「イカのてんぷら」ではなく、裂いたスルメを天ぷらにしたスナック)がある。
てんぷらに因んだ郷土料理では大分県のとり天、名古屋(発祥は三重)の天むすが知られる所である。
なお、香川県など、薩摩揚げのことを天ぷらという場所もあり、大阪など西日本各地でも天ぷらといえば双方指す場合がある。
ある有名なてんぷら職人曰く、「てんぷらは蒸し物である」そうで、衣の中でいかにふっくらとタネを蒸し上げるかが職人の腕の見せ所だという。タネによって切り目を入れたり、天ぷら粉をまぶす度合いや衣に使う水の温度や加減を考えたり、寿司に負けず劣らず奥深い料理となっている。
てんぷらの様々なスタイル
てんぷらに使う油は胡麻油が主流で、関東では精白しないためにやや茶色っぽい。関西ではこれに綿実油を合わせたり、太白油を使うことが多かったため、白っぽいてんぷらが広まった。定食屋などの非専門店や安い店ではサラダ油で揚げていることが多い。また、てんぷら屋のスタイルも、関東では寿司屋のようにカウンターが主流で、関西では座敷が主流となっている(てんぷら屋台が広まらなかったため)。更に関東では天つゆに浸すのが定番化しているが、付け塩で食べる習慣は大阪から逆に東京に移入されたものとされている。
ガスコンロやサラダ油、天ぷら粉の普及以後は、家庭料理としても人気が高くなった(寿司と違い、そこまで新鮮なタネが必要ではないのも理由の一つ)。そのまま食べる場合は天つゆや付け塩、柑橘類の絞り汁(すだち、レモンなど)、家庭では醤油、ソース、マヨネーズなども薬味に使われる。天丼・天そば、てんぷらうどん、天茶(てんぷら茶漬け)などてんぷらを用いた料理も多い。また、天ぷらをネタにした寿司も、寿司をタネにした天ぷらも存在する。
天かす・揚げ玉
また、天ぷらを揚げるときに出た衣カスは天かすといって、蕎麦屋やうどん屋では捨てずに一緒に供される場合がある。これをまぶした「はいからうどん」は関西ではメジャーなメニューであり、お客に無料でくれたり、お好み焼き屋やたこ焼き屋に回すことが多い。讃岐うどんでは薬味として置いていることが多く、セルフサービスで乗せることができる。中国地方ではラーメンの具にすることも。尚、関東では揚げ玉という天かすとほぼ同じ食材が用いられているが、こちらは廃物利用ではなく、最初から揚げ玉とするために衣だけで揚げたものである。揚げ玉には砕いた小エビや細切れのイカ、青のり等を混ぜ込んで風味を良くしたものもある。ただし、関西でいう天かすも、関東では揚げ玉と呼んでいる場合があるので注意。そして、天かすと同様に「たぬきそば」や「たぬきうどん」にしたり、もんじゃなどの粉ものに入れたりしている。味噌汁の具に入れるのも香ばしさが出て美味しい利用法である。
たこ焼きやお好み焼きには油のコクを加えるために天かすを入れることが多い。一方、築地銀だこのような持ち帰りメインのたこ焼き屋では、天かすを入れずにたこ焼きそのものを多めの油で揚げ焼きにしている場合もある。
作り方
てんぷらの作り方を以下に解説する。
上記はほんの一例に過ぎないが、簡単に作っても美味しい所がてんぷらの良いところである。その他に、小麦粉の種類をいろいろ変えてみたり(片栗粉を入れたり)、焼酎やお酢を入れたり、いろいろな作り方が存在する。
ニコニコ動画での扱い
ニコニコ動画では、てんぷらを調理している動画はほとんどいない。その理由として挙げられるのは、
と思われる。撮影したい場合、撮影を家族や友人に任せて本人は調理に集中するなど、火事に十分注意して望むべきである。
関連動画
数少ない調理動画
↓は悪い例。(飲酒しながら調理、揚げ油の上でぬいぐるみを持つ等の危険行為を行っている)
関連静画
関連項目
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