「ぼかりす」とは、産業技術総合研究所(産総研)による「VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステム」の愛称および、VocaListener技術を用いて歌声調整したVOCALOID動画の総称である。
概要
経緯
2008年4月28日、ニコニコ動画に突如として『【初音ミク】 PROLOGUE 【ぼかりす】』という一本の動画が投稿される。それまでの一種無機質さの残るVOCALOIDの歌唱とは一線を画する、自然で“人間味”のある歌唱は大きな衝撃を与えた。当初は「ぼかりす」とは何のことか公表されておらず、謎の技術として多くの話題を呼んだ。
2008年5月3日、この「ぼかりす」とは産総研が1ヶ月後に発表を行う「VocaListener」技術のデモンストレーションであったことが産総研の後藤氏のサイトにて明かされた。
2008年5月28日、第75回音楽情報科学研究会で「VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステムの提案」[1]が発表された。
「ぼかりす」の今
現在、限られたモニターによって試用テストが行われている。→Netぼかりすα版
『VOCALOID3 Job Plugin VocaListener』として、ヤマハから2012年10月19日に発売される事が発表された。
より様々な表情をつけられる「ぼかりす2」の開発も進められている。
VocaListener
VocaListenerとは、ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステムである。
VocaListenerは3つのシステムからなる。入力に関する「VocaListener-front-end」、歌唱データを編集・補正する「VocaListener-plus 」、そしてシステムの核となるのが合成歌唱をユーザーによる目標歌唱へ近づける「VocaListener-core」である。
手順としては
- 歌詞情報を入力。
- ユーザーの歌唱データを入力。
- 歌唱データを分析し波形データに歌詞を割り当てる。この結果に誤りがあった場合手作業で修正する。
- もし音外れなどがあった場合は、VocaListener-plusで適宜補正を行う。
- VOCALOIDが歌ったデータと、ユーザーの歌唱を元にした「目標データ」を比較、VocaListener-coreがズレを補正する。
- 5を反復して補正を行うことでVOCALOIDの歌唱データーをユーザーの歌唱データに近づけてゆく。
となる。
全然わかんない!/(^o^)\三行で説明して!
VOCALOIDに、うp主の歌い方をマネして歌わせるレッスンを行うよ!
レッスンはぼかりすが自動でやってくれるよ!
自分の歌がオンチな人でも使えるように、VOCALOIDに教える前に音程を修正できる機能もつけたよ!
マイリスト
関連動画
歌唱動画
技術解説
関連項目
関連リンク
- Twitter公式アカウント
- 後藤 真孝's Home Page
- 産業技術総合研究所
- 歌声合成パラメーター推定技術 VocaListener(ボーカリスナー)を実現 - 産総研公式HP記事
- 出た!科学の限界を超えた新技術「VocaListener」による神調教ミク!- 初音ミクみく
- ねとらぼ:初音ミクの“神調教”が自動で!? 「ぼかりす」に話題騒然 - ITmedia News
- 「ぼかりす」論文読んでみた - 少年少女科学倶楽部
- 実際の歌声から歌い方をまねて再現、より人間らしく自然な歌声合成が可能に - YAMAHA公式HP記事
- 【藤本健のDigital Audio Laboratory】第522回:人の歌声をボカロが真似る「ぼかりす」ついに発売 -AV Watch
脚注
- *中野倫靖, 後藤真孝: "VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステムの提案", 情報処理学会音楽情報科学研究会研究報告, 2008–MUS–75, Vol.2008, No.50, pp.49–56, 2008.
- 8
- 0pt