クソゲーオブザイヤー2022(KOTY2022)とは、2022年の1月1日から12月31日の間に発売されたゲームの中で一番のクソゲーを選評・総評したものである。
この年について
前年急増する海外産アセットフリップゲーへの対策として、IARC審査のみの作品を排除した据置機部門。しかしその代償はあまりにも大きく、クソゲーの主流が既に海外産アセットフリップゲーになった状態でそのほとんどを除外することになった結果、選評は年末にようやく来た「RPGolf Legends」1作品だけだった。これは選評者曰く「出来の悪いRPGとゴルフゲーを足して単に2で割った代物」で、ゴルフパートは打ったボールの位置まで歩かなければならない不便さ、RPGパートの戦闘は異様に長いクールタイムで連続でアイテムを使えず、攻撃はただゴルフクラブで殴るだけ、ストーリーも低質という虚無ゲーだった。
しかし、「せっかく虚無ゲーを排除しようとしたのに最後の最後で虚無に頼るのはいかがなものか」という意見が上がった結果、KOTYとしては携帯機部門2017以来3度目、据置機部門としては初となる「該当作なし」となった。
エロゲー部門は据置部門ほどではないがやや不作気味で、エントリー作品の傾向としては、「良作であるが何かしらの問題点を抱えた作品」か「全体的に魅力がない作品」の二つが多くを占めた。
また、RPGやSLGはエントリーされなかったため、KOTYe史上初となる全エントリー作品がノベルゲーという様相となった。
最終的に次点以上に選ばれたのは3作品。
まずはあの「きしめん」でおなじみ、Lump of sugarが排出した「ゆまほろめ 時を停めた館で明日を探す迷子たち」。その実態は探索パートで「何の成果も得られなかった」を延々と繰り返すかさ増し、それを乗り越えると唐突な連続Hシーン、最後は意外性の全くない結末など、フルプライズなのに極限まで薄めたカルピスのような内容であり、その有様はかつての「エンドレスエイト」もかくやである。
続いては「ホームメイドスイートピー」。登場人物がみんなして非常識で行き当たりばったりな性格、その上ストーリーはひたすら予定調和をなぞるだけに加え、その場限りでねじ込んだようなこじつけ的設定、ノーヒントで的確すぎる行動をとって「そんな気がしました」で片付けるご都合主義的展開などなどどこを取っても支離滅裂であり、その惨状は選評主に「よく分からない物語のような何か」とまで言わしめた。
そして最後は「悪魔と夜と異世界と」。CGもBGMもシステムも古臭くて低質、テキストも文章作法がなっていない、その上ストーリーは「俺は一般人だ、現実は漫画やアニメのようにはいかない」などと連呼しながらやってることはご都合主義的展開やテンプレ主人公ムーブばかり、さらにことあるごとに「これがラノベなら~」「ご都合主義のように~」などとそのことを茶化してはプレイヤーの心に冷や水を浴びせる有様であった。
最終的には「ホームメイドスイートピー」と「悪魔と夜と異世界と」の一騎打ちとなったが、支離滅裂な上に薄っぺらく浅いシナリオがクソ要素のほぼ全てで他には薄さ以外の要素がない「ホームメイド」に対し、ボリュームだけは十分なくせに全ての要素が低質なうえ、圧倒的にチープかつ「こんなの面白くないですよね」と言わんばかりの逃げ口上を連発し、「自己否定」というデバフを掛け続けたシナリオが「萎えの深みと広がり」の点で一歩上であると判断され、「悪魔」が大賞となった。
余談だが、この年はアトリエさくらがKOTYe史上最多となる6本のエントリーを達成し、新世代の強豪としてその名を轟かせた。
2023年以降のKOTYについて
22年は対象無しとなった据置部門は、家庭用ゲーム業界の環境変化により「作りこみが甘くて当然な安価なダウンロードタイトルやインディーズソフトの増加」「ゲームエンジンの発達やオンラインアップデートによるバグの改善」「堅実な企画を行うようになった大手制作会社の企業態度の変化や開発技術の向上」などの変化が生じた結果、低質なゲームのほとんどがつまらないだけの虚無ゲーばかりになり、「大手企業がフルプライスで販売したパッケージのゲームが面白くなかったことを皆でネタに昇華し、その中でも最も尖ったゲームを大賞とする」KOTYの方針とかみ合わなくなったという意見が出た。
結果、2023年は「『KOTYのコンセプトに合う尖ったクソゲー』が現れるまで休止とし、2024年1月までそのようなゲームが出なければ正式に廃止とする」こととなった。結局翌年1月末までにそのようなゲームが現れることはなく、再開の見通しも立たないことから据置部門の無期限休止が決定した。これによりコンシューマタイトルの取扱いが一旦なくなるため、翌2023年からは当面エロゲーのみが対象となる。
据え置きゲーム機部門 大賞&次点作
大賞作”「クソゲーが出ないことは良い事です」この言葉では、もう締められそうもない。”
- 該当作なし
次点作
エロゲー部門 大賞&次点作
大賞作”アンタの作る最高に超良いセカイにゃあクソゲーはあるかい?”
- 悪魔と夜と異世界と(WendyBell)
まずシステム周りについては、UIもBGMも令和の時代に10年以上前を彷彿とさせる化石クオリティで、簡単に言えば「一昔前のフリゲレベル」。CGも致命的な出来ではないがクオリティは高いとは言えず、肯定的に表現しても古臭い絵柄である。
また、テキストも文法自体が成り立っておらず読みづらいとしか言いようがない代物であることに加え、シナリオは王道と反王道の両テンプレに付いた手垢を「混ぜるな危険」して作られた、二昔前の伝奇ラノベに逆張りなろうテイストを加えて多重劣化コピーしたような出来であり、主人公からして「俺は主人公じゃない、ラノベやゲームの主人公とは違う一般人なんだ」「この世界は漫画やアニメみたいにはいかない」と斜に構えたようなセリフを連呼しておいてやっていることはコテコテ過ぎる主人公ムーブばかりであり、全体的に底の浅いご都合主義的展開ばかりが続く。その上そのことについてことあるごとに「これがラノベなら~」「まるでご都合主義のように~」などと自虐し、プレイヤーの意欲に冷や水を浴びせ苛立ちを煽ってくる。
このように「つまらないものですが」と言って本当につまらないものを差し出すのは、謙遜でも卑屈ですらもなく嫌がらせ以外の何物でもない。
次点作
- ゆまほろめ 時を停めた館で明日を探す迷子たち(Lump of Sugar)
- ホームメイドスイートピー(しるきーずこねくと)
関連動画
関連項目
前年度 | 今ここ | 次年度 |
クソゲーオブザイヤー2021 | クソゲーオブザイヤー2022 | クソゲーオブザイヤー2023 |
[据え置きハード大賞] バランワンダーワールド |
[据え置きハード大賞] 該当作なし |
[据え置きハード大賞] 廃止 |
[エロゲー大賞] Cuteness is justice |
[エロゲー大賞] 悪魔と夜と異世界と |
[エロゲー大賞] 未定 |
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