グラゼニとは、原作:森高夕次(コージィ城倉)、漫画:アダチケイジによるプロ野球漫画。
モーニングで連載中。単行本は全17巻。
現在(2021年12月現在)は無印(17巻)⇒東京ドーム編(15巻)⇒パ・リーグ編(13巻)⇒大リーグ編を連載中。
あらすじ
セ・リーグの神宮スパイダースに所属する凡田夏之介は高卒でプロ入りして8年目、26歳の地味な中継ぎ投手。
左のサイドスローで年俸1800万円、そこそこ一軍で出番も得ているが、遅くとも40過ぎで引退しなければならず、年棒も成績に従って容赦なく下がるこの世界においてはあまりにも心もとない数字である。
彼は引退後の人生設計への不安から、「グラウンドには銭が埋まっている」略して「グラゼニ」を座右の銘に、もっと稼がなければと考えている。
そんな凡田の特技は、全球団の一軍選手の年俸をそらで言えること。だがそれ故にか、「自分より年俸の安い選手は抑えるが、高い選手には打たれる(ただしあまりに年棒が高い選手が相手だと開き直って抑えてしまう)」という不思議な性質を持っていた。
厳しいプロの世界で、もっと年俸を稼ぎ、引退後の保証――実績を残してコーチへの転身という道を得るため、凡田は必死に戦っていく。
概要
試合の結果やペナントの行方、主人公の活躍などよりも、その裏側にある年俸や引退後の再就職の問題、また一軍半の選手や球団職員のような裏方などを取り上げ、プロ野球を「仕事」として描く1話完結型の作品。
一球入魂、採算度外視などの概念に満ちているいわゆるスポ根漫画とは一線を画す内容。
とはいえあくまでコミカルに描かれており、暗さはない。
モーニングで2011年1月から月1連載が始まり、好評を受けて5月からは週1連載に昇格した。
神宮スパイダースのモデルはどう見ても東京ヤクルトスワローズであり、球団名の元ネタは全てグループ・サウンズの名前である。実在のプロ野球選手をモデルにしていると思われる選手もちらほら登場しているが、明確に「誰がモデル」と解る選手というよりは、「いかにも現実にどこかの球団に居そうな」選手が登場している。
『このマンガがすごい!2012年版 オトコ編』で第2位にランクインを果たした。
主な登場人物(年齢・年俸などの記述は初登場時に準拠)
神宮スパイダース選手・関係者
- 凡田夏之介(ぼんだ なつのすけ)
- 山梨県出身。高卒8年目の26歳。左のサイドスローの中継ぎ投手。年俸1800万。背番号39。
球威には欠けるが、コーナーに投げ分けられる制球力が持ち味。対左のワンポイントが主だが、ときにセットアッパー、ときには谷間の先発も任される便利屋として一軍で出番を得ている。
「プロはカネ」という考え方から年俸マニアで、全球団の一軍選手の年俸を全て記憶している。が、そのため自分より年俸の安い選手は完全に見下して抑えるが、高い選手には腕が縮こまって打たれるという性質がある。ただし、5000万を超える選手になると開き直って抑える確率が上がるので帳尻が合っている。
一塁送球のイップス持ちで、ゆるい送球が上手く投げられないのが弱点。
容姿のモデルは東京ヤクルトスワローズの佐藤賢と思われる。
(以下ネタバレ)
交流戦前までで20試合というハイペースで登板を重ねていたが、先発マウンドに立った名古屋ワイルドワンズ戦で右手を骨折し4ヶ月間戦線離脱。9月に復帰した後は絶好調でホールドを重ね、チームのセ・リーグ優勝に貢献した。が、クライマックスシリーズではファイナルステージ最終戦で決勝点となる押し出し四球を出してしまいチームは敗退。シーズン成績は31試合4勝4敗2セーブ16ホールド、防御率3.01。オフの契約更改では800万円アップの2600万円で更改した。3年目のオフにダーティに吹っ掛けられて8000万円の年俸を勝ち取るためにスパイダースにポスディングによるメジャー挑戦を伝えたところ、球団がそれを了承してしまったためボストン・ブルーソックスとマイナー契約となった(しかし大人の事情で開幕前に解雇となった)。その後、文京モップスと念願の年俸8000万円で契約。監督直々に特製グラブをプレゼントされるなど大きな期待を寄せられたが、伝統ある強豪の重圧に耐えられず試合を壊すメンタルの弱さを露呈してしまった。因みに夏之介の意中の人だったユキちゃんとはメジャー挑戦前に婚約、帰国後結婚している。
- 山梨県出身。高卒8年目の26歳。左のサイドスローの中継ぎ投手。年俸1800万。背番号39。
- 徳永(とくなが)
- 渋谷章(しぶや あきら)
- 大野雪雄(おおの ゆきお)
- 丸金千太郎(まるがね せんたろう)
本編2シーズン目の6月に夏之介と共に1軍登録された高卒6年目の捕手。登録されたその日に4打数4安打5打点を記録、粘り強く使い続けた田辺監督の配慮もありスパイダース久々の日本人4番打者に定着、シーズン打率4位・本塁打数3位・打点2位タイの好成績で終了。「野球はお金を稼ぐ手段に過ぎない」と言い切る夏之介以上の『グラゼニ体質』。 - 寺杉(てらすぎ)
眼鏡の正捕手。夏之介いわく「全方向にバランスが良い」。外見のモデルはおそらく古田敦也。
(以下ネタバレ)
丸金に出番を奪われたためトレードで神戸オックスに移籍、その年にオックスが日本一になりシーズンMVPを獲得した。
- 瀬川(せがわ)
- 箕川ノボル(みのかわ のぼる)
- 東光淳次(とうこう じゅんじ)
- トーマス・ホットポッパー
- 左投げの投手。来日3年目、アメリカ・カリフォルニア出身の25歳。年俸2000万。背番号65。
2mの長身ながらサイドスローで、長い腕から放たれる球威のあるクセ球が武器。一方でマウンド上でカッカしやすく、そうなると球が真ん中に集まりだすという悪癖がある。
チームの外国人枠が埋まっているため普段は二軍暮らしで、たまにローテの谷間や奇襲として先発するが、たいていすぐに二軍に戻される。過去2年間で通算3勝、今シーズンは未勝利。チーム内ではいじられキャラ。
環境が良く給料も高い日本のプロ野球で長くやりたいと考える程度にはしたたかで、それ故に瀬川の離脱による外国人投手補強の報道に、瀬川以上に戦々恐々としている。
夏之介とも通訳抜きで会話できる程度に日本語を喋れるが、カタコトの表現かよく台詞の中に誤字が混じる。
- 左投げの投手。来日3年目、アメリカ・カリフォルニア出身の25歳。年俸2000万。背番号65。
- 椎名敬士(しいな けいし)
- 川崎(かわさき)
- 田辺(たなべ)
- 迫田(さこた)
- 栗城里志(くりき さとし)
- 樹六破(いつき ろっぱ)
- 是川(これかわ)
文京モップス選手・関係者
- 鈴木ヒロミツ(すずき ひろみつ)
- 鳥海啓太(とりうみ けいた)
- ポジションは一塁手で左打ち。夏之介と同い年で高校時代は夏の甲子園で四番&エースで大活躍した。大学野球を経てモップスから1位指名を受けてプロ入りするも、当時は通算500本塁打をマークしていた不動のレギュラー選手がいた為二軍で暮らしていた。その後、球団の大補強の犠牲によりずっと二軍の帝王状態が続いていた。可能性を広げるため、外野手にも挑戦している。
(以下ネタバレ)
外野手に挑戦しようとした直後にFAで富士野が移籍してきて、一軍のチャンスが消えたと思われたが、助っ人のマーク・コーンが大不振になったのを機に一軍登録されて即スタメン起用。3安打1ホームラン2打点という好成績を残し人生初のお立ち台を経験する。オールスター前までは主力として活躍したが、オールスターでの頭部死球をきっかけにイップスになってしまった。
- ポジションは一塁手で左打ち。夏之介と同い年で高校時代は夏の甲子園で四番&エースで大活躍した。大学野球を経てモップスから1位指名を受けてプロ入りするも、当時は通算500本塁打をマークしていた不動のレギュラー選手がいた為二軍で暮らしていた。その後、球団の大補強の犠牲によりずっと二軍の帝王状態が続いていた。可能性を広げるため、外野手にも挑戦している。
- 富士野泰山(ふじの たいざん)
- 杉里令一(すぎさと れいいち)
他球団の選手・関係者
- 土手来丈(どてらい じょう)
- 瀬戸内カーナビーツの野手。41歳。左打ち。通算500本塁打、本塁打王3回を誇るミスター・カーナビーツ。
年俸4億円。前年9月、凡田から手首に死球を受けて骨折、戦線離脱した。その年の成績は打率.260、29本塁打、55打点。中日時代の山崎武司(25本塁打51打点)よりもひどい勝負弱さである。
年俸2億を超えたら放出されるという不文律のあるカーナビーツにおいて、チームの顔であり球界の宝であるということ、オーナーのお気に入りでもあるため4億という高年俸で所属し続けているが、その年俸が球団経営を圧迫しており補強に資金を回せない状態になっている。そのため編成部長や球団社長からは、早く一軍で通用しなくなって現役引退への道をとってくれることを期待されている状態。
- 瀬戸内カーナビーツの野手。41歳。左打ち。通算500本塁打、本塁打王3回を誇るミスター・カーナビーツ。
- 関谷雅光(せきや まさみつ)
- 吉川(よしかわ)
- 石元敦男(いしもと あつお)
- 江連誠(えづれ まこと)
- 原武裕美(はらたけ ひろみ)
- 瀬戸内カーナビーツの中継ぎ投手。プロ14年目の32歳。右投げ右打ち。年俸2900万。背番号29。
元ツッパリのリーゼント頭がトレードマークで、「瀬戸内番長」の愛称でローカル局に冠番組「瀬戸内番長のグルメパトロール」も持っている人気選手。またブログでは「原武裕美のフルボッコ人生相談」と題してファンからの人生相談に答えており、こちらでも人気。
プロ入りから14年間中継ぎ一本で投げ続けている。身体能力は自ら認めるほど低く、これといった武器となる球種もない。そのため、投球の間合いを非常に長く取り、バッターを焦らしてタイミングを外したり、一応の決め球であるフォークなど変化球の出し入れなど、あれやこれやを駆使して慎重に打者を打ち取る。その間合いの長い投球は解説者から露骨に苦言を呈されるほどだが、夏之介からは開き直るタイミングの的確さなどから、中継ぎの先輩としてリスペクトされている。
外見のモデルは三浦大輔、ブログのモデルは竹原慎二の「ボコボコ相談室」。名前は郷ひろみの本名が元である。
- 瀬戸内カーナビーツの中継ぎ投手。プロ14年目の32歳。右投げ右打ち。年俸2900万。背番号29。
- コージ・ウエハラ
その他の人物
テレビアニメ
2018年4月から6月かけてBSスカパー!にてテレビアニメシーズン1が放送された。当初はスカパー!加入者限定での放送であったが、同年6月より地上波、BS日テレでも放送され、ニコニコチャンネルでも配信された。また2018年10月から12月までシーズン2が放送された。全24話
スタッフ
- 原作:森高夕次、アダチケイジ
- 監督:渡辺歩
- シリーズ構成・脚本:高屋敷英夫
- キャラクターデザイン:大貫健一
- サブキャラクターデザイン:高岡淳一
- 美術監督:加藤浩、坂上裕文
- 色彩設計:松本真司
- 撮影監督:越山麻彦
- 3D監督:濱村敏郎
- 編集:小野寺桂子
- 音響監督:辻谷耕史
- 音楽:多田彰文
- 音響制作:Ai Addiction
- プロデューサー:長内敦、山﨑慶彦
- アニメーションプロデューサー:浦崎宣光、市岡大輔
- アニメーション制作:Studio DEEN
- 製作:スカパー!、講談社
主題歌
- オープニングテーマ「メリゴ feat. SKY-HI」
- 作詞 - サイプレス上野、SKY-HI
作曲・編曲 - 岩崎太整
歌 - サイプレス上野とロベルト吉野 - エンディングテーマ「SHADOW MONSTER」
- 作詞 - 土岐麻子
作曲・編曲 - トオミヨウ
歌 - 土岐麻子
放送・配信情報
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|
BSスカパー! | 2018年4月6日 | 金曜 22:30 - | リピート放送あり |
中京テレビ | 2018年6月29日 | 金曜 25:59 - | |
BS日テレ | 2018年7月1日 | 日曜 18:30 - | |
南海放送 | 2018年7月5日 | 木曜 26:04 - | |
配信サイト | 配信開始日 | 配信時間 | 備考 |
ニコニコチャンネル | 2018年7月1日 | 日曜 18:30 - | 第1話無料 |
ニコニコ生放送 | 日曜 22:30 - | ||
dアニメストア | 2018年7月2日 | 月曜 12:00 - |
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|
BSスカパー! | 2018年10月5日 | 金曜 22:30 - | リピート放送あり |
配信サイト | 配信開始日 | 配信時間 | 備考 |
ニコニコチャンネル | 2019年1月1日 | 火曜 24:00 - | |
ニコニコ生放送 | 2019年1月6日 | 日曜 22:30 - | |
dアニメストア | 2019年1月9日 | 水曜 12:00 - |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 動画 |
---|---|---|
第1話 | 僕の職場 / 谷間 | |
第2話 | 習性 / 友達 | |
第3話 | 県人会 | |
第4話 | 引退へのレール / プロになれなかった男 | |
第5話 | 安全な株・危険な株 | |
第6話 | 倍数 | |
第7話 | 二軍なのに一軍 | |
第8話 | 球場までの通勤事情 | |
第9話 | 教師or反面教師 | |
第10話 | 高卒と大卒 | |
第11話 | 投げるタマがない | |
第12話 | コドクなグルメ |
話数 | サブタイトル | 動画 |
---|---|---|
第13話 | 一軍復帰 | |
第14話 | 甘チャン | |
第15話 | 首位浮上 | |
第16話 | 祝・リーグ優勝 | |
第17話 | ココだけのおハナシ | |
第18話 | さびしい季節 | |
第19話 | 戦力外通告 | |
第20話 | ファン感謝デー | |
第21話 | 無職で結婚…!? | |
第22話 | いきなり大逆転! | |
第23話 | 契約更改・前編 | |
第24話 | 契約更改・後編 |
関連動画
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
- 2
- 0pt