コンテナの載せ方一覧とは、鉄道コンテナのコンテナ車への固定位置をまとめたものである。
概要
コンテナ輸送は積み降ろしの容易さから現在の鉄道貨物輸送の主役で、荷主の要請に応じた様々な形状のコンテナによって運用されている。
コンテナの大きさには数種類の規格があり、必要とされる容積から荷主が使い分けることができる。複数の大きさのコンテナを1両のコンテナ車に載せるには、車両前後の重量バランスを意識する必要がある。また列車ごとの需要によってはコンテナ車に空きができてしまうこともあるため、その場合も同様にバランスを考慮して積載される。
この項ではそれら実例のある積み方を、各サイズ・個数の組み合わせごとに一覧化する。
なお、対象とする貨車は現在最も広い範囲で活躍している12ft5個積みのコキ100系及びコキ50000系とし、コキ5000系等の一線を退いた形式と積載できるコンテナが限られるコキ200形については除外する。
コンテナの載せ方一覧
12ft・20ft・30ftコンテナ
これら3種は広く運用されており貨車の制約が少ないことから、以下の表に同時にまとめる。
コンテナはコンテナ車に備えられている緊諦装置(固定金具)の場所にのみ取り付けができるため、隙間が多くできたからといって自由に詰めることはできない。また24ft(後述)と30ftは専用の緊諦装置を持たず、20ftのものに金具を合わせ流用している。
前後のバランスが重要なハズだが、なかには前後非対称の載せ方もあり興味深い。なおコンテナ車の一端にはデッキが付いているが、イラストはあくまで例でありデッキに関係なく反転することができる。
個数 | 積載例 | ||
---|---|---|---|
12ft | 20ft | 30ft | |
1 | 0 | 0 | |
2 | 0 | 0 | or |
3 | 0 | 0 | or |
4 | 0 | 0 | |
5 | 0 | 0 | |
0 | 1 | 0 | |
0 | 2 | 0 | |
0 | 3 | 0 | |
0 | 0 | 1 | |
0 | 0 | 2 | |
2 | 1 | 0 | or |
3 | 1 | 0 | |
1 | 2 | 0 | |
2 | 0 | 1 | |
0 | 1 | 1 |
24フィートコンテナ
その名が示すとおり12ftコンテナ2個分の長さを持つコンテナ。12ftが連なる中でも隙間無く大きなコンテナを載せることができる。その特徴ゆえ、20ftのように車体中央に載せることができないものが多い。
一見20ftに似ているため、よく注意して探さないと見逃してしまうことだろう。
規格外コンテナ
近年の貨物輸送を取り巻く情勢の変化から、日本の鉄道貨物輸送で長年使われてきた規格に準拠しないコンテナも輸送されるようになってきた。それらは規格外コンテナとして運用や積載方法に制限がある。
背高コンテナ
高さがあるため、旧来のコンテナ車では鉄道車両の断面の限界に抵触してしまう恐れがある。現在の主力であるコキ100系では、床面を下げることで多くの背高コンテナに対応している。
下に挙げた海上コンテナ以外にも、国内の物流事業者が効率化を狙って背高コンテナを導入する例が増えてきている。
40ft海上コンテナ
海上輸送で世界的に用いられている国際規格(ISO)のコンテナの一つ。
長いため日本の20m貨車には1つしか載せることができない(他サイズとの相乗りも不可)うえ、緊諦装置の位置も専用に用意しなければならない。そのため現在はコキ106形及び後継のコキ107形だけにしか載せることができない。
重量コンテナ
こちらも海上コンテナ規格のもの。従来のコンテナ車では車体強度の関係で積載不能であったが、コキ106形の登場によって輸送がスタートした。道路交通法の特例によって国内における輸送が便利になりつつあるため、こちらも利用が増えるものと思われる。
タンクコンテナ
満タン1個の重量は20tと国内規格の13tを大きく超えており、頑丈なコキ106形でも1つしか積むことができない。もちろん固定位置はバランスの関係で車体中央に限定されるため、需要の大きい列車では12ft2個との相乗りが多い。
ちなみに空っぽの状態ではコキ106形(以降)縛りが無いようで、そのときは従来形式のコンテナ車でも運ばれるという。
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