ザクタンク(MS-06V)は、MSVにて発表された車両・モビルスーツである。
概要
作業用ザクに分類される機体。型式番号から「V型」とも呼ばれる。
作業用ザクとは破壊されたザクを改修し、塹壕掘りや兵站任務用の重機とした現地改造機の分類である。そのため「ある一定の共通点」を持つ以外は仕様もバラバラだった。
その共通点というのが下半身を「マゼラ・ベース」にしたザクⅡ。V型はブルドーザーのようになったタイプの作業用ザクから着想を得て、「最初からマゼラ・アタックに大破したザクの上半身をくっつけてリサイクルする」とう珍奇なアイデアのもと開発された…という経緯がある。
MS類のポテンシャルやマンパワーを作業用に転換した機体としては優秀だが、戦闘には全く向いていない。にもかかわらず、戦力不足の部隊ではザクタンクに魔改造を施し戦線投入する例もあった。
型式番号は正式に承認された物だが、それですら統一感は無い。例として一番有名なMSVの2本指のアームを持った機体、08小隊に登場したマゼラベースの三連マシンガンを取っ払って大型アームを搭載した上半身が旧ザクの機体、ゲームに登場する武装型、これら全てMS-06Vである。
なお設定上では後のペズン計画におけるギガン、およびライノサラスの開発は本機が一枚噛んでおり、またザクキャノンと本機が後のゲルググキャノンといった珍機体の開発の元になったとか何とか。
バリエーション一覧
サンドシープ
短期に限定した呼称であるかは不明だが、この仕様では腕を長いマニピュレーター型とし、コントロールボックスを外部に露出させている。マゼラの3連砲もそのまま使用できたとか。
グリーンマカク
既に述べた通りザクタンクは決まった仕様が存在せず機体の仕様もバラバラだが、独自の形式番号まで持っている『グリーンマカク』という通称の深緑の機体は特に有名。
この仕様はジャブロー攻略を視野に入れた機体で、密林に配属され、自慢のキャタピラで森林をベキベキと薙ぎ倒しながら突き進み、後続機の通り道を作るのである。おお、なんか想像するとパワフルで意外とカッコいいぞ、ザクタンクのくせに。
ワイルドボア
『MSV-R』に登場する戦闘用の機体。MS-06V-8という型番が戦後に与えられた。
左腕を2連装マシンガンに改修し、背部に大容量のマガジンラックを装備。しかしスピードはマゼラの70%ほど、しかも重量増加にも対応してないために履帯の破損が多く超信地旋回にも制限をかけなければならなかった。北ヨーロッパ戦線でオフホワイト塗装、グリーンの森林迷彩、南米ジャングル地帯で使われた三色迷彩の機体もあったとか。
MS BOYS
ガンダムエースの漫画『機動戦士ガンダム MS BOYS ボクたちのジオン独立戦争』の主役機。
MS BOYSというのは通称で、作中では度々改修されておりバージョンが幾つか存在する。当初は作業用ザクからの転用組ではあったが、戦闘で破損したためにザクキャノンのものに交換。しかしブルーディスティニーに破壊されたため、最終的に銀狼用「陸戦高機動型ザクⅡ」の改修機を転用した。
明日にも使えるザクタンク知識
- 先述の通り、戦闘能力は無いに等しい。その為、戦闘が華である多くのゲームでは基本的にヘッポコ扱いである。特にGジェネシリーズでは戦闘機と戦って勝てるかも怪しいことが多く、最弱MSの筆頭となっている。
- 鹵獲機がジャブローで再利用されているという設定でZガンダム本編にも登場したことは有名。この印象が強かったのか、ガンダムウォーではなんと初出の勢力が『黒(Z期の連邦・ティターンズに相当)』扱いであった。『緑(ジオンに相当)』のザクタンクが登場するのは、それから8年も経ってから。
- 第08MS小隊にも登場。アームがゴッツい個体で、エレドアさんとミケルが乗っていた。
- MSVのプラモのパッケージはジオンが作成したイメージビデオの一場面という設定である。
ナレーションでは『ザクタンクは制圧した地球でのジオンの新しい国づくりの切り札である』と紹介されていたらしい。 - MSVのザク仲間であるザクキャノンやザクマインレイヤーにMG化で出し抜かれた。もっとも、MSVとして出たプラモのザクタンクもそこそこ出来が良いし、色プラじゃないけどカラーリングの関係で塗装も楽なので接着剤キット初心者にオススメ。
- MSVのプラモと、同縮尺のマゼラアタックのプラモを並べてみると、マゼラベースの大きさが全く違うことが分かる。この縮尺の問題は大きな謎として幾多のジオニストに語り継がれているとかいないとか。
ゲームでは
総じて微妙な機体であり、作品にもよるが評価は芳しいものではない。
しかしアーケードに多いACTでは高い評価を受けており、特に戦場の絆やバトルオペレーションでは後述のように砲台として重要な役割を担っている。
ギレンの野望
アクシズの脅威Vではマゼラに比べ生産コスト・移動力・運動性に劣り、機体限界値が5%上がっているもののだからどうしたという風情しかない。
肝心の火力は威力・精度・射程共にマゼラよりも高くなっており、特に射程3は同時代の兵器の中では出色の性能となるが、至近(射程1)距離の敵に砲撃できないという弱点を抱えており、接敵されるとあの61式戦車にさえ劣る機銃攻撃しかできない。
しかもこれでさえ昔よりも強化されており、初代ジオンの系譜ではマゼラの性能に何一つ及ばないという真性のダメ機体だった。
戦場の絆
肩にザクキャノンと同型のキャノンを追加装備した遠距離砲撃型機体として、通常機が初期バージョンから、後にアップデートでV-6が参戦している。
1対1の戦闘力は時間稼ぎ程度だが、戦場の絆の戦略において重要な「拠点落とし」を担う機体であり、派手さはないが極めて重要なポジションでジオン軍を支え続ける。
最近では機体数が増えてギガン等にシェアを奪われがちだが・・・
バトルオペレーション
アップデートによって変動するものの、総合的な火力はかなりある支援機である。
ただし、足が遅くブーストダッシュができないため、三すくみ上不利な格闘機に迫られるか、複数機にハメられるとあっさり落ちる。
ちなみにこれで使えるザクタンクは、上半身はほぼザクそのままでありMMP-80を2丁持ち、背部に08小隊の固定砲台化していたザクキャノンが装備していた大型タイプの180mmキャノンを装備、胴体部の三連マシンガンはグリーンマカクと同じ6連ミサイルランチャーに、とどめにマゼラベースに上昇用ブースターを装備という、リサイクル品のザクタンクとしては破格の魔改造機高級機である。
機動戦士ガンダムオンライン
ジオンでプレイを始めた際に手に入る初期機体の一つ。遠距離からの面制圧を担当する「砲撃」というカテゴリの機体で、戦場の絆同様にザクキャノンのキャノンを搭載したバージョンである。
初期機体であるがゆえに性能面でほかの機体に劣るところがあるものの、入手の容易さから特性を伸ばしやすく、またコストも低いため比較的扱いやすい。
V-6ことグリーンマカクと、ガンオンオリジナル仕様であるグリーンマカクの支援装備版も存在する。
関連動画
関連コミュニティ
ガンダムメインのコミュニティ貼るのはなんか違和感あるので、とりあえずこっちを貼っておきますね。
関連項目
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