ジャミトフ・ハイマンとは、TVアニメまたは映画「機動戦士Ζガンダム」に登場する人物。担当声優は池田勝、西村知道(アニメ版)。
略歴
生年または前半生は不明であるが、外見上はかなりの高齢である。また、アナハイム・エレクトロニクス社会長のメラニー・ヒュー・カーバインとは士官学校の同期と言う設定もあり、彼がΖガンダム登場時67歳であることを考えると概ねそれに前後すると考えるのが妥当であろう。
一年戦争時の活躍は描かれていないが、士官学校卒で経済官僚(連邦では上記のカーバイン他、時代は下るがクロスボーン・バンガードの隊員のように士官学校卒でも軍務に付かないことは珍しくない)であったと言う設定から官僚として辣腕を振るっていたと思われ、「C.D.A」では終戦後に対アクシズ政策を決定する会議を主導する立場であったことが描かれている。
映像時系列上の初登場時は宇宙世紀0083年であり、この時は准将と言う地位にあった。同年に起きたデラーズ紛争では、上司のジーン・コリニーと共謀し、デラーズ・フリートのシーマ艦隊を地球永住権を餌に買収することに成功。軍内部での権力闘争にコロニー落としを利用し、政敵であったジョン・コーウェンを失脚させジオン軍残党狩りを目的とする特殊部隊「ティターンズ」を設立する。この功により順次昇進を重ね、Ζガンダム本編開始時にまで大将に進んでいる。
宇宙世紀0085年、旗下のバスク・オム司令官が毒ガスにより、反地球連邦政府デモを起こしていたサイド1・30バンチコロニーの住民を虐殺する事件を起こす。これは特にジャミトフの指揮があった訳ではないが、事態を重く見た連邦内の反ティターンズ派ブレックス・フォーラ准将はスペースノイド寄りの連邦兵士を結集しエゥーゴを結成。
両者は同0087年のガンダムMk-II奪取事件を経て、なし崩し的に戦闘へと突入し、連邦は開闢以来初の軍閥同士の内戦(グリプス戦役)と言う事態に陥る。
当初は連邦議会の日和見的な議員や軍内勢力を味方につけて「軍権の全権委譲」を受けるなど優位に立つ。しかし、ブレックス・フォーラ准将の暗殺と、彼から後を継いだクワトロ・バジーナことシャア・アズナブルによる演説、首都ダカールにおける無差別とも思える戦闘により民心はしだいにかい離。バスク・オムはコロニー落としやコロニーレーザー(グリプス2)を使った恫喝により情勢打開をはかり、この時はジャミトフも条件つきながら追認する。
だが、エゥーゴとティターンズの紛争長期化による両者共倒れを狙う第三勢力アクシズはグリプス2の発射を阻止(表向きは誤射による部分的破壊)。拠点があったゼダンの門(ア・バオア・クー)も破壊され、軍事的衰退と政治的孤立を招いてしまう。
事態打開のためにジャミトフはパプテマス・シロッコら少数の部下を伴って、アクシズの首領であるハマーン・カーンの乗艦グワダンへと交渉に向かう。しかし、会議の席で両首脳人の暗殺を図ったクワトロ・バジーナと、それを阻止するためにグワダン内でモビルスーツによる戦闘行動を取ったサラ・ザビアロフにより混乱が生じ、その隙をついたシロッコによりハマーンの策略に見せかけて暗殺されてしまう。享年は不明。
人物
TV版では前線をバスクやシロッコに委任しているため、思想的な背景まではあまり描かれていない。彼の思想は主に小説版において開示されている。
端的に彼の人物像や目的を示した表現としては、政敵であるブレックス・フォーラによる「第二のザビ家を目論む男」と言う揶揄が挙げられる。
これは政治宣伝や単なる罵倒ではなく、実際に彼はギレン・ザビのシンパ(もっとも心酔した訳ではなく、侮蔑や嫉妬を伴う同属嫌悪とも)であることを自覚しており、最終的な目標は地球環境正常化のために「アースノイドを地球から完全に一掃すること」であった。
ただし、ギレンが戦争による直接的な人口削減とアースノイドの消滅を図ったのに対し、ジャミトフは戦争による経済的貧窮を地球にもたらし、餓死や宇宙への逃亡・移民を促すと言う方針であったとされる。
また、ギレンの野望においてはアースノイドとティターンズを順次強制移民に追い込み、気付いた時にはすでにアースノイドが消滅していたと言うエンドも存在する。いずれも、経済官僚出身であり、連邦の予算権限の相当部分を握っていることを生かした戦術であると思われる。
これら思想と方便はギレン・ザビの影響下にあるとはいえ、のちのガンダムUCにおけるフル・フロンタルらコロニー間関税同盟による地球貧窮化計画にも通じる。また、コロニーではなく地球を重視する嗜好そのものはVガンダムにおける主人公サイド(つまりは製作者サイド)やガイア・ギアにおける地球重視思想にも通じており、この点では時代的にも作品の制作年代的にも卓見であったとは言える。
ただし、経済官僚や政治家としての能力の高さと比べ、軍事的才能と統率力は伴っておらずバスクらティターンズ過激派の暴走を食い止めることが出来なかった。また、デラーズ紛争で見せたように本来は慎重にことを運ぶ人物であったが、部下人事については前述のバスクの他にも重用して自身の命取りとなったシロッコのように、妙に人を見る目がなかった節もある。
加えて、敵対組織である筈のエゥーゴやスペースノイドを敵と言うよりは、予算獲得と人口削減のための道具として見ており、後半までやや危機感は薄かったようだ。
外見
もっとも若い時期に当たる0083時代から老齢。この時は連邦軍の軍服を規定通りに着込んでいた。頭は後退しているが、目は鷹のように鋭く描かれている。身長は203cmのバスク・オムと比べると目立たないが195cmもあり、これは作中でも巨漢として描かれているヘンケン・ベッケナーと同サイズである。
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