テントウムシ(天道虫、瓢虫)とは、コウチュウ目テントウムシ科に属する昆虫である。
概要
日本でもおなじみの小型の昆虫。
日本でよく見かけるのはナナホシテントウかナミテントウである。両方ともアブラムシを主食とする益虫である。
一般にはナミテントウの方が数が多く、テントウムシ普通種はナミテントウのことを言うのだが、ナミテントウは黒色に赤い斑点二つや赤色に黒い斑点無数や無地など同種でも柄に富むため、一貫して柄の同じナナホシテントウが見分けやすく、テントウムシと言えばナナホシテントウがイメージされることが多い。
春になるとナナホシテントウをよく見かけるのもそうした要因の一つであろう。それについてはナナホシテントウの方が成虫になる時期が早いのが理由だと考えられている。
(またナミテントウは主にアジアの種であり、世界的な普通種ではない。外来種として定着している地域もあり問題視されているとのこと)
捕まえると、指の先など高いところに登って行き、羽を広げ飛んでいく。
その様が太陽を目指しているかのように見えることから太陽を意味する天道(てんとう)より天道虫(テントウムシ)と言う和名がついた。
甲虫で、完全変態を遂げる。春だけでなく、夏、秋にも活動している。冬になると集団で冬眠し越冬する。
外敵に触れられると死んだふりをし、鳥類など、敵の嫌う臭い黄色い体液を分泌する。
捕まえて黄色い液体で手を汚したことがある人も少なくないだろう。
綺麗で鮮やかな見た目だが、テントウムシは不味いためそれをアピールするための警告色である。
この見た目や、基本的に益虫であることからカブトムシと並び、子供に好かれる虫である。テントウムシからすれば迷惑この上ないが。また可愛らしい外見とは裏腹にかなり獰猛で、幼虫は場合によっては共食いすることもある。
子供だけでなく、作物を食い荒らす憎きアブラムシをたらふく食べるので、生物農薬として大人も注目している。
個体では愛らしいが越冬中など、集団になると模様も相まって蓮コラ的な絵になるため、苦手な人は苦手かもしれない。
ちなみにナナホシテントウのそっくりさんとして9つ星のココノホシテントウや11つ星のアイヌテントウもいる。決してパチモンではない。
またナミテントウのそっくりさんには通常松につくマツオオアブラムシしか食べないクリサキテントウがいる。
英語では「ladybug(レディバグ)」「ladybird(レディバード)」。
テントウムシダマシ
草食で害虫とされるテントウムシもいる。背中に毛が生えているためテカテカしていない。
中でもニジュウヤホシテントウの仲間はテントウムシダマシという名で呼ばれることもあるが、テントウムシ科の同種であり、ダマシの名に反して完全にテントウムシそのものであるとしか言いようがない。
さらに、テントウダマシ科というテントウムシと全く別の昆虫が存在している。こちらはあまり害虫扱いされる種ではなく、姿もかなり異なる。
こんなふうに混乱の原因となるため、文献にもよるが、別名としても紹介せず単にニジュウヤホシテントウと呼ぶ媒体のほうが多いかと思われる。
こいつら星の多いテントウムシを、ナミテントウの星の多い個体と混同する人も稀にいるようだ。星の数や模様も重要な見分け方だが、まず翅にツヤがあるかどうかを観察しよう。
余談だがハムシ科にもテントウノミハムシというテントウムシそっくりなものがおり、こっちはツヤもあるが害虫として扱われる種類である。
他のテントウムシの仲間
テントウムシ科には生物農薬として世界的に有名なベダリアテントウのようにカイガラムシの仲間を食べる種、ハムシの幼虫を食べるカメノコテントウのようにアブラムシ・カイガラムシ以外を食べる種や、ウドンコ病菌などの菌類を食べるキイロテントウのような菌食の種もいる。
これらの種はナナホシテントウやナミテントウなどと同じく益虫である。
不味いからか、テントウムシはテントウムシダマシの節で挙げられている虫以外にも擬態対象として人気らしく、世界にはテントウムシに擬態したゴキブリ(テントウゴキブリ)やクモさえ存在している。
テントウムシがモチーフのキャラ(随時追加して下さい)
- レディバ・レディアン(ポケットモンスターシリーズ)
- サッチムシ・レドームシ・イオルブ(同上、前2つは幼虫と蛹がモチーフ)
- ゴールド・エクスペリエンス(ジョジョの奇妙な冒険5部/ジョルノ・ジョバァーナのスタンド)
- スバル360(開発時に指標としたフォルクスワーゲン・タイプ1のアダ名(ビートル=カブトムシ)との対比、及びそのコンパクトな見た目から「てんとう虫」と呼ばれた。)
- マリキータマン(キン肉マン)
- テントウムシハナコ(ヨシモトムチッ子物語の主人公、芸人山田花子とてんとう虫がモチーフ)
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関連項目
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