トヨタ・ビスタとは、トヨタ自動車が1982年から2003年まで生産していた乗用車である。
概要
国内専売車として企画された中型車で、その名の通り全モデルビスタ店のみで販売。
ボディタイプは基本セダンであるが、一時期はハードトップ、5ドアリフトバック、ステーションワゴンなども追加されていた。
当時の好景気もあってか、最終モデルとなる5代目を除く全モデルが4年周期でモデルチェンジされていた。
歴史
初代(V10系、1982年~1986年)
1982年発売。
発売当初は4ドアセダンのみだったが、すぐに5ドアリフトバックが追加された。
エンジンは1S-LU(1800cc キャブレター)のみの設定であったが、5ドア追加と同時に2S-ELU(2000cc EFI)を追加、翌年にはディーゼルエンジンが追加された。
1984年にマイナーチェンジを実施。
スポーツツインカムエンジンの3S-GELUを追加、1800ccが1S-iLU(Ci)へと変更された。
2代目(V20系、1986年~1990年)
1986年発売。
このモデルからは当時の流行であった4ドアハードトップがメインとなり、5ドアリフトバックが廃止された。
4ドアセダンはカムリとほぼ同じ外見を持つ姉妹車であったが、ハードトップは独自のボディであり、1988年までカムリには設定されていなかった(1988年にハードトップのカムリプロミネントが追加設定されている)
エンジンは1S-Ci(1800cc Ci)/3S-FE(2000cc EFI ハイメカツインカム)/3S-GE(2000cc EFI スポーツツインカム)/2C-T(2000cc ターボディーゼル)を設定、3S-GE搭載車はハードトップのみの設定だった。
1987年にはビスタ初のフルタイム4WDを追加。
当時は乗用4WDの発展期であり、同年にモデルチェンジしたブルーバードもフルタイム4WD搭載を売りにしていた。
1988年にはマイナーチェンジを実施。
外装デザインが変更されたほか、1800ccエンジンが4S-Fi(ハイメカツインカム)に変更となった。
3代目(V30系、1990年~1994年)
1990年7月発売。
ホイールベースは変更されていないが、ボディが若干大きくなっている。
このモデルはバブル真っ只中に発売されたため、ビスタの中でも特に品質が高いモデルだといわれている。
エンジンは3S-GE(2000cc)/3S-FE(2000cc)/4S-FE(1800cc)/2C-T(2000cc ディーゼル)を設定。
3S-FEは先代と同じくハードトップのみに設定されていた。
1991年5月には一部改良を実施。
一部グレードに本革シートがオプション設定された。
1992年6月にはマイナーチェンジを実施。
外装デザインが変更され、3S-GE搭載モデルが廃止された。その代わりに、2.0VXにリアスポイラーやアルミホイール、皮巻きステアリング、スポーツシートなどが装着される「ツーリングパッケージ」が設定された。
安全性能への関心の高まりからか、サイドドアビームが装備され、今まで上位グレードにしかオプション設定されていなかったABSやエアバッグが全グレードにオプション設定された。
4代目(V40系、1994年~1998年)
1994年発売。
このモデルが発表されたころにはバブルが崩壊し、不景気となっていたため大幅なコストダウンが図られている。
ボディタイプはハードトップがメインとなり、セダンは「αX」の1グレードのみとなった。
エンジンは3S-FE(2000cc)/4S-FE(1800cc)/3C-T(2200cc ディーゼルターボ)を搭載。
1995年には一部改良を実施。
エントリーモデルであるVJを除くハードトップの全グレードに運転席エアバッグが標準化された(セダンは発売当初から標準装備)
1996年にはマイナーチェンジを実施。
ヘッドランプのマルチリフレクター化やデュアルエアバッグとABSの標準化、VJ以外の全グレードにウッドセンターパネルが装備されるなどの改良が行われた。
5代目(V50系、1998年~2003年)
1998年発売。
このモデルからカムリの姉妹車ではなく完全な独立車種となった。
先代モデルまでの主流であった4ドアハードトップが廃止され、4ドアセダンと新規に追加されたステーションワゴンの「アルデオ」の2種類となった。
このモデルでは主に室内空間の快適さや使いやすさが重視された設計がされており、高い屋根やセンターメーターなどが採用されていた。
エンジンは1ZZ-FE(1800cc EFI)/3S-FE(2000cc EFI、4WDのみ)/3S-FSE(2000cc D-4 2WDのみ)を搭載、トランスミッションはオートマチックのみとなった。
2000年にはマイナーチェンジを実施。
外装デザインが大幅に変更され、前期モデルよりも高級感がアップしている。
2001年には2WD 2000ccのエンジンが1AZ-FSE(D-4)に変更され、翌年には4WDもこのエンジンに変更となった。
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