トロンとは、アニメ「遊戯王ZEXAL」の登場人物である。
CVは國立幸、根本泰彦(バイロン・アークライトの場合)。
概要
遊戯王ZEXAL第2部「WDC編」以降から登場したキャラクター。初登場はWDC編開始に当たる26話より。
トロン一家の家長であるにもかかわらず、その姿は一家で最も幼げであり、目と口元のみを露出した少年っぽい姿に不似合いな分厚い鉄仮面を常に被り、長いブロンド髪をおさげにした少年、という異様な外見をしている。体格もⅢよりさらに一回り小さく、容姿だけで見るなら間違いなくトロンが最年少であるが、一家の長男・Ⅴが「トロンへの非礼は私が許さない」と絶対の信頼を寄せているほどであるため、Ⅴ以上の年長者である可能性も高い。
また右手にはⅣ達と同様に謎の赤色の紋章があり、さらには左目がいつも赤く染まっていてしかも時折発光したりもしている。こちらにも紋章と同じく謎の力が備わっているのだろうか。
Ⅴが常に彼の側に仕え、Ⅳ達を通してシャーク(および他のデュエリストやナンバーズ所有者)に干渉するなど「体は子供、頭脳は大人」な雰囲気を携えているかと思いきや、趣味は「カートゥーンアニメの鑑賞」というどこかの千年眼みたいな嗜好を持つ。マインド・スキャンは使えないが、伏せカードの透視はできるようだ。
それどころか遊戯王5D'sのルチアーノを彷彿させる狂気じみた笑い声にも定評があり、薄暗い部屋の中で複数のモニターでいくつものアニメを同時に視聴しては無邪気にゲラゲラ笑い転げているなど、大人と子供が入り混じったような奇妙な日常生活を送る。そんな趣味から、視聴者達の間では「トロンの使用デッキ(カード群)はトゥーンか?」などと早くも予想と期待が高まっていた。
しかしデュエルではトゥーンではなく、「紋章獣」の名を冠するモンスターや「紋章(メダリオン)」と名の付くカードを使用する。
続く第44話にて謎の儀式を行いハルトが持つ謎の超能力をハルトから奪い取り、物体を異世界へ吹き飛ばす(跡形も無く破壊する)力を自分のものにし、それを試すためにホテルの一室を柱ごと削り取っている。
Dr.フェイカーに対して並々ならぬ復讐心を燃やしており、一家を率いてWDCへ参加したのも全ては彼への復讐を果たすためであるようだ。もっとも当のDr.フェイカーからは名前も存在も忘れられたようであったが、後述の通り「トロン」という名前が彼の本来の名前ではない以上、忘れられるのも無理は無いかもしれないが。
一方で、遊馬の事は父親である九十九一馬を通して知ってはいるようで、一馬と面識があるらしい。
詳細は後述。
ボスキャラの定石として長らく表に姿を現さなかったが、続く第50話にていよいよWDC決勝戦前夜祭という表舞台へと登場。Mr.ハートランドの見せ場を奪い突如現れ、唖然とするパーティ参加者達を尻目に「僕、ケーキ大好きなんだ!」と子供っぽく振る舞っていたかと思えば、舞台上のMr.ハートランドの元へ歩み寄り「僕はトロン。ぶっ潰してあげる!」などと宣戦布告をかまして去っていく。このとき、遊馬にも声をかけており、ハルトの超能力のおかげなのかアストラルの姿が見えるような素振りも見せていた。
そして、帰りの送迎車の中では携帯ゲームに没頭して遊んでいる新たな一面も見られた。
ところであの、トロン専属の照明係はやっぱりⅤ兄さんだったのか?
そしてあの携帯ゲームは、SEから察するにKONAMI製のソフトなのか?
続くWDC決勝戦ではデュエル・コースターに乗りながら自らが差し向けた賞金稼ぎデュエリスト「フォール・ガイズ」と遊馬のデュエルを観戦しながら進行していたが、続く第54話にて元WDC実行委員であるドロワとのデュエルを行う。ここでついにトロンのデュエルシーンが初披露となるのだが、ライフポイントにものを言わせた魔法カードのコンボで包囲網(アストラル曰く「完璧なコンボだ、隙なんてない」)を展開されたにも関わらずトロンはナンバーズの効果で相手モンスターから名前を奪う事でドロワが構築したコンボを逆利用しドロワを追い詰め、さらには紋章の力でドロワから記憶や精神を奪い廃人にしてしまうという罰ゲーム鬼畜ぶりを見せつけ、ⅣやⅢ以上のえげつなさで遊馬達を驚かせる。
マジックコンボで八方塞がりにされたトロンの遊馬に対するふざけた態度と、本気の顔の落差には、過去のシリーズを彷彿させる恐怖や不気味さを覚えた視聴者も多かったのではなかろうか。
ところでⅣといいⅢといい、デュエル中の精神攻撃はトロン一家の常套戦術なのだろうか。
続く57話でもシャークとⅣのデュエルの舞台へ登場。Ⅳがシャークの身内を手にかけたのも全てはトロンの差し金である事、そしてそれもフェイカーへの復讐計画の一端であるという事実が判明、シャークはトロンの独白や憎しみを煽る声に対して怒りを煮えたぎらせるが・・・
また、トロン一家に起こった悲劇やフェイカーに復讐を誓う理由も、第55話にてⅤの口から語られることになる。
それによれば、トロンの正体は案の定(というべきか)Ⅴ達の父親であり、かつてDr.フェイカーやⅤ(クリス)とともに異次元への扉について研究を進めていた科学者であった。ちなみにここで彼の本名が「バイロン・アークライト」であるという事実も判明する。
ちなみにWDC編にて登場したⅢの回想の中では3兄弟に加え父親の存在も確認できたが、このシーンが登場した当時から「彼がトロンと同一人物ではないか」とも言われていた。ここでの彼は顔が見えないものの、体格が少年時代のⅤ以上に大柄であり、髪型や髪の色もトロンと酷似していたので彼がトロンと同一人物である、という推測はごく普通に浮上する事になったのだが。
その後Ⅴ(旧名:クリストファー)の回想の中でフェイカーと遊馬の父・一馬と共に3人で協力して謎の遺跡へと足を踏み入れるが、やがて遺跡の奥で「異世界への扉を開く」という目的(=私欲)に目が眩んだフェイカーの裏切りによってバイロンは一馬と共に罠に嵌められ、異世界への扉を開くための生贄として異世界へ送られてしまうのだった。
アドバンス召喚?いいえ、エクシーズ召喚です。
そして異世界から家族の元へ帰還した頃には、作品中でトロンと呼ばれている現在の子供の姿になってしまっていたようで、同時に性格も大きく変貌してしまっていたらしい。Ⅴが一馬の事についてを知っていた事も、Ⅴがバイロンの助手として共に活動していたためであったようだ。
上記の経緯から、トロン一家(アークライト一家?)がDr.フェイカーへの恨みを晴らすべく行動しているのも納得の余地がある反面、上記の事実はⅤの視点でトロンから語られた内容を元にしたエピソードであると思われるため、この内容全てが真実とは言い切れないのもまた確かなのであるが。
そればかりか作中ではドロワとのデュエルを経て、「他者の記憶を封印したり、奪い取る(トロン曰く『記憶を食べる』)」という千年錫杖っぽい超能力を披露した事もあり、『トロンの正体とは、バイロンの記憶を食べた何者かがバイロンに成りすましているのではないか?』という予測が出ていた事もあった。
もしも彼らの言うとおりバイロンとトロンが同一人物なのだとすれば、城之内や御伽の父親、海馬剛三郎やアクナディン達に並んで高橋和希が言うところの「ろくでなし親父の品評会」にフェイカー共々リストアップされるであろう。特にあまりの過激さにアニメではなかった事にされた御伽父とは共通点が非常に多く、もしかするとトロンと言うキャラのルーツなのかもしれない。でも、こっちの方が色んな意味でヤバい気がするのは気のせい。
まぁWDC編が完結した現在は、トロンとバイロンが同一人物である事が明らかとなっているようだが。
そしてWDC決勝戦にてトロンはついに、準決勝でカイトを破ったモンスター『No.69 紋章神コート・オブ・アームズ』の召喚をきっかけに仮面を外し素顔を明かす。仮面の下から現れた素顔は何と、左目を中心に顔の左半分が深淵の闇そのものを形成しているという恐るべきハルトに続く公式コラージュ顔であった。
トロンに曰く「復讐心を湛えながらバリアン世界を彷徨っているうちに、このような顔になった」との事だが、一体何があればブラックホールを内蔵した顔ができあがるのか。これもやはり紋章の謎の力なのか。
(ちなみに左目の赤い部分はどうやらトロンの左目ではなく仮面のパーツだったようで、トロンの顔から溢れる闇の力を抑える拘束具のようなものであると推測される。もっとも観客には「ARヴィジョンの演出」としか受け取られなかったようだが。)
この脅威のナンバーズに対し、遊馬もアストラルと共にZEXALの力で対抗し壮絶な攻防を繰り広げた結果、強力なZW(ゼアル・ウェポン)の力でNo.69を破壊され、敗れる。
決着後、スフィアフィールドへ飲み込まれそうになるところを、身を挺して必死に助け出そうとする遊馬の姿を見たトロンはかつて自分と共に同じ境遇に遭った一馬と重ね、「デュエルは復讐の道具じゃない」という遊馬の台詞とフェイカーの策略に嵌められた自分を救出しようとしたかつての一馬の真意に気づくと、彼は今日までに奪ってきた人々の魂や記憶と共に息子達3人の魂を解放、「家族への思い」を思い出した事に満足しながら、悟り切った表情でスフィアフィールドへ飲み込まれ消滅していった。
やがて第71話、Dr.フェイカーと遊馬達のデュエルが決着後に塔が崩壊を始める中、フェイカーや遊馬達の前に姿を現すと、残された紋章の力で遊馬達の身柄を塔の外の安全な場所まで送り届け救出してみせた。
(この時、フェイカーの一連の謝罪の言葉を受け入れて尚且つフェイカーを「友」と呼んでいる事から、フェイカーが遊馬達とのデュエル中口にした「自分を罠に嵌めてバリアン界への門を開こうとした真意」をスフィアフィールドの中で知った(聞いていた?)ものと思われる。)
上記の一件によってトロンは完全に死亡(消滅)してしまったかのように思われたが、翌週(第72話)で3人の息子達と共に何事も無く登場、遊馬とカイトのデュエルを見届けると帰っていった。
そしてこの時、息子達3人の本名が判明するのだが、兄弟達の名前はそれぞれ
- Ⅴ(本名:クリストファー・アークライト)
- Ⅳ(本名:トーマス・アークライト)
- Ⅲ(本名:ミハエル・アークライト)
という。家族の中にⅠとⅡが存在しない(登場しない?)理由があるのかは不明。
また、彼ら一家がそれぞれコードネーム(?)で呼び合っているのも、どうやらDr.フェイカーへの復讐を果たすまでは本名を捨てる、という悲壮な決意であると思われる(56話での、Ⅴの発言より推測)。でも家族以外誰もいない場所でくらいは、本名や愛称で呼び合ってもよさそうなもんだが。
また、Dr.フェイカーに対する並々ならぬ復讐心が成せる業なのか、子供のような態度で相手を茶化したり心理の弱い面を的確に突き回しては相手(息子達をも)を激怒させ、前述の『No.69 紋章神コート・オブ・アームズ』を解放するための糧にしたり人心を掌握したのち駒として思うがまま利用するなど、歴代シリーズを顧みても屈指の心理フェイズを得意とする煽りスキルの持ち主である。
ちなみに、本来の姿であるバイロンは息子達を優しく見守ったり、研究に行き詰まる親友のフェイカーに協力してみせるほどの穏やかな人柄で、一馬と共に互いの子供達を自慢し合える仲でもあった。
(WDC編が決着した以降は、こちらの人格に戻ったと見ていいようだ。)
その後舞台がバリアン世界との戦いへ移っていき、彼の息子たちが遊馬たちと共にバリアン勢との戦いへ身を投じ、彼らのサポートを行ったのち消滅してしまってもなお長らく姿を見せなかったが、ドン・サウザンドが倒されアストラル世界とバリアン世界の互いの未来を賭けた最終局面にてようやく登場。ストーリーが「ZEXALⅡ」へ改題されて以来、およそ1年半ぶりの再登場である。
アストラル世界にいる九十九一馬と協力して、2つの世界が引き寄せあう事態を紋章の力で食い止める事で遊馬とナッシュの最終決戦の行く末を一馬と共に見守るのだった。
なお、トロン達の持つ謎の紋章の力の詳細については結局最後まで明らかにされなかったが。
余談だが、トロンのCVを担当した声優・國立幸は「遊戯王5D's」でもスライの役で出演している。
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関連項目
一般項目 |
使用するカード |
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