ベクターとは、テレビアニメ「遊戯王ZEXAL」の登場人物である。
この項目は、ネタバレ成分を多く含んでるが大丈夫かァ? 許してやるよぉ!という方はここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
さあ!よからぬ概要をはじめようじゃないかァ!
「遊戯王ZEXAL」第69話にて初登場。当時はバリアン世界の使者として、「バリアン」という名前で登場した。
そのまんま?まあそれを言ったらアストラルの名前だって・・・
また初登場からしばらくの間は、演じる声優がクレジットされず不明であった。
燃え盛る炎のような人型の容姿をしている。
九十九一馬とバイロン・アークライト(トロン)を生贄にバリアン世界への扉を開いたフェイカーの前に姿を現し、ハルトを病気から救う代わりにアストラル世界を滅ぼす契約を交わさせた。
だがその後、遊馬・凌牙・カイトとのデュエルを経て改心したDr.フェイカーの前に出現するとフェイカーの身体へ憑依し意識を支配、バリアンフェイカーへと変身してデュエルを続行。
しかし遊馬達に敗れ消滅した。
いうなれば「遊戯王ZEXAL」のラスボスとも呼べる存在。
その後「遊戯王ZEXALⅡ」ではドルベやギラグ達が登場した為、Dr.フェイカーの敗北と共にストーリーから退場したように思われたが(もっとも存在や名前だけならドルベ達の台詞から既に登場していたが)、どうやら消滅したわけではなかったようで、92話『激戦カップルデュエル『アンナ』奴と俺がタッグ!?』で久々の登場を果たし、プロデュエリスト・羽原海美に「RUM -バリアンズ・フォース」のカードを渡して彼女を洗脳した。
続く94話『真月の危機!暗躍者ベクターの襲撃』にて本格的な登場、フェイカーとの一件もどうやら一時的に撤退を図っただけに過ぎず彼自身は健在だったようで、94話冒頭にて真月とスフィア・フィールドでデュエルを行うシーンからの登場となった。
またバリアン世界でもドルベ達とは協力体勢で動いているわけではないようで、どうやら単独で行動を取っているらしい。先の幽霊のような姿ではなく、ドルベ達と同様でフードに仮面を付けた姿での登場。WDC編での一件を糾弾されても「全ては計画のうち」「しくじりではない」とうそぶいて言ってのけると、ドルベ達に釘を刺されたのち改めて遊馬たちの世界へ赴く。
自称バリアンズ・ガーディアンの真月零にも「長年追い続けてきた、最も凶悪なバリアン」と言われており、同じ『悪のバリアン』でもギラグ達とは一線を画する存在である事が解る。
デュエルでは「アンブラル(英語で「影」の意味を指す)」と名の付くカードを操り、さらに(Dr.フェイカーに憑依した時を含めれば)遊馬との2度目のデュエルでは「No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル」というナンバーズ・カードも使用。持ちカードがオーバーハンドレッド・ナンバーズではない辺りギラグ達とは異なる。
その後真月の助力を得た遊馬に再度敗れるも、ギラグやアリトのようにエネルギーが尽きるわけでもなく、何と遊馬を直接捕えようとする暴挙に出る。そして遊馬を庇った真月を捕えると、先のデュエルで使用したナンバーズ・カードを渡し、真月を連れて撤退するのだった。
しかしデュエルに敗北してもピンピンしたり開き直ってる敵役というのも、なかなかに珍しい気が。
「さあ!よからぬ事をはじめようぜェ!!」「ヒャーハハハハハ!!」などといったハイテンションな弾けた演技に魅了された視聴者は少なくなく、さらには黒いフード姿といい、いい感じにラリった言動といい、その容貌は某ダークシグナーを彷彿させる。
名前の由来は「感染症の媒介者」を示す言葉『ベクター(Vector)』とも考えられるが(フェイカーに取り付いたという意味で)、他のバリアン人たちの事例から推測すると、北斗七星の1つ「フェクダ」に由来するものと思われる。
こうして、ベクターから受け取ったNo.66のカードで遊馬はアストラルと共に皇の鍵の飛行船を起動させると、仲間たちと共に真月が捕えられたバリアン世界へと赴き、バリアン勢と決戦の意向を固めるのだが・・・
ジャンジャジャ~ン!! 今明かされる衝撃の真実ゥ!
その後バリアン世界の異次元墓場「サルガッソ」で待ち構えていたベクター達と再度デュエルを行うことになるが、そこで遊馬はベクターの策略の全貌を知らされる事になる。
近年の遊戯王シリーズの展開や世界観に一石(ダイソン・スフィアくらいの)を投じた彼の所行の数々は、多くの視聴者達を驚愕させ「これ今度こそゴールデンで放送しても大丈夫なのか?」とトンデモなく大きな波紋を起こした。
…結論から先に言えば、先に戦ったベクターはただの分身で、真月こそベクター張本人であった。
(関係的には、「遊戯王5D's」のルチアーノやプラシド、ホセの関係と似ているだろうか。)
そのため「ZEXALⅡ」初期から真月零として人間世界で活発に活動し、遊馬と意気投合する姿勢を見せたりギラグとのデュエルを通して遊馬にバリアン製のカードを持たせるのも、そしてこれらのカードに関してをアストラルに対して口止めさせたのも、全てはサルガッソのデュエルにて遊馬を絶望へ叩き落すための入念な下準備だったようだ。
「バリアンズ・ガーディアン」「バリアンは悪の世界ではない、正義を重んじる善のバリアンもいる」などといった発言も、遊馬の信頼を得る為の方便に過ぎず、やがてベクターが出現して以降、真月やベクターの不自然な様子や真月を彷彿させる「良からぬ~」という口癖に加え、後述する様々な要素から、視聴者達の中には真月の正体を少しずつ疑い始めた者もいたほどである。
希望を与えられ、それを奪われる・・・ それが俺の豪華特典だァ!!
また、アリトを闇討ちしたりギラグが真月に対して怒りを燃やしていた一件もどうやら、ギラグ達には真月の正体を知らされていなかったと考えるべきだろう。遊馬に敗北したアリトにトドメを刺したのも、単純に仲間内で制裁を加えたという事らしい(サルガッソでのドルベたちの反応からすると、ドルベとミザエルも真月の正体を知らなかったと推測される)。そしてこの一件も、遊馬やアストラル達には咎められず結局有耶無耶のままであるようだったが、これもこの秘密に関わる事であったからのようだ。フィールドやデッキ以上に相手の心を攻め立てるデュエルには、ドルベやミザエルにも嫌悪感を示されているため、仲間内での信頼も殆ど無いらしい。
さらに、アニメ内では常に加工された音声で喋っていることもあるが、ほかのバリアン人キャラクターとは異なり、作中で唯一CVを担当する声優が明かされていなかった(アニメのEDクレジットでも、彼のみ名前と担当声優が記述されていなかった)が、こちらもこのネタバレに関わるための措置だったようだ。
ちなみにベクターと真月の正体が明かされた96話では「ベクター / 真月零:日野聡」とクレジットされた。
サルガッソでのデュエル(95話)で真月の無残な状態を見せ、既に死んだと言い遊馬を煽るベクターであったが、次の96話で真月の姿を見た結果逆上した遊馬はアストラルの静止を振り切り、真月から受け取った「CNo.39 希望皇ホープレイV」でベクターの召喚した「No.104 仮面魔踏士シャイニング」を破る。そしてベクターは効果ダメージを受けた瞬間に姿を消してしまう。
衝撃で吹き飛んでしまったのか・・・、そう思われたのもつかの間、地面に転がっていた真月の骸から高笑いが上がる。 驚く遊馬たちに対し「な~んちゃって!」とハイテンションに言い放つと、ベクターとして真の姿(ベクターと真月の双方を混ぜ合わせ、顔芸の要素を加えた感じの容姿)へと変身。自らの計画と真実について全てを語りだし、真月なんて男は最初からおらず、すべては自分の一人芝居だったことを暴露。 それでも真月がベクターであることを信じられない遊馬に対しては、非情にも、以前真月が友情のカードとして渡したカードを逆に利用したデッキ破壊を行い、遊馬を窮地に追い込むのだった。
真相を告げられ驚愕する遊馬に対して真月の声で煽り立てるなど、その煽りスキルはトロンやⅣにも劣らない(もっとも、トロンを唆していたのがこのベクターであることを考えると、トロンの方が直伝なのかもしれない)。加えて今回の友人と偽り近づくといった戦法は、表マリクがナムとして近づいた戦法にも近く、表裏のマリク両方の戦法をとっているとも言える。 さらには相手のデッキにあらかじめ自分の有利になるカードを入れさせるという戦法は、某虫野郎や某子安の行ったものに近い。
以前からあのダークシグナーのようなテンションとセリフ回しが特徴的だったのだが、この回ではさらに某6歳児のごとき凶悪な顔芸を披露した事が、この絶望の独白以上にミザエルやドルベの見せ場が霞むほどのネタとして視聴者の間では大いに盛り上がっているらしい。ちなみに真月とベクターの双方の顔で。特に後者に至っては顔面ドアップを超え、顔芸ヅラのまま画面の中央で目がぎょろめくその様子は、もはや顔芸を超えて目芸レベルである。
この新たな顔芸の可能性、もといパターンを見せた事もあり、一部では闇マリクや斎王、鬼柳以上のインパクトとも評された。
ニコニコでもかつて大百科の豪華特典な扉絵(→真ゲス)やよからぬ関連動画によって、遊戯王シリーズから離れていった視聴者やファン達を少なくない数呼び戻してみせたほどである。
遊戯王の悪役の集大成といったこの一連の流れは、展開を予想できていた視聴者ですら、中の人のベクター&真月の2通りの声の使い分け+ベクターの高笑いといった演技も相まって、非常にカオスに陥れられてしまった。
その後もベクターのよからぬ企みは留まることを知らず、サルガッソで突如発生したブラックホールに飲み込まれ始める飛行船と船内の仲間達を人質に「ナンバーズを全て渡せば、仲間達を助けてやる」と昔どこかで見たような取引を持ちかけるも、小鳥ほか仲間達の奮闘振りで難を逃れる。(もっともベクターの性格を考えるに、ナンバーズだけ奪ったら約束を破るつもりだった可能性も高いのだが。)
そして遊馬はアストラルと「エクシーズ・チェンジ」を果たしZEXALへ変身・合体を果たそうとするが、ベクターの真の狙いは遊馬ではなくアストラルであり、遊馬と親しげにしていたのも「唯一無二の相棒が自分ではなく、最近やってきたばかりの真月にばかりかまけている・・・」と嫉妬や疑念を刷り込む下準備だったらしい。
真月の出現によって発生した小さな心の闇は、ギラグとのデュエルや真月の託したバリアン勢のカード、そしてそれらを秘匿し続ける遊馬、といった要素から次第に広がっていき、「遊馬を本当に心から信じる事ができるのか?」「心の底では遊馬の事を疑っているのではないか?」と囁いてくるベクターの声によって爆発する。要するにヒーローの変身・合体を妨害するという悪役としてのタブーにまで手を出したのである。
その甲斐あってアストラルは悪の心に精神を蝕まれた結果「エクシーズ・チェンジ」は失敗、闇に堕ちたアストラルに肉体も精神も支配された「ダーク・ZEXAL」が出現することになる。一時はダークZEXALの暴走ぶりにベクターも戸惑うものの、ベクターの仕掛けた精神攻撃で我を忘れたアストラルは自滅への道をかっとビングしていくのだが、遊馬の必死の活躍でアストラルは悪の心から開放されダーク・ZEXAL形態は消滅。
しかしダーク・ZEXAL以外にもベクターはデュエルでも2重3重に包囲網を作り上げており、復活を果たしたのはいいが遊馬達は残りLPが僅か25、デッキにはカードが残り1枚しかない、さらにそのカードはベクターが渡した「RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース」、そしてベクターはそのカードを元に遊馬達にトドメを刺そうとしている、というこちらもまた例を見ないほどの八方塞がりな状況へ追い詰められてしまう。
・・・のだが、「遊馬を再び信じたい」と願ったアストラルと「絆を失おうとも希望を捨てない」遊馬によって更なる力「ZEXALⅡ」が発現、自らが遊馬に渡した「RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース」を『リ・コントラクト・ユニバース』によって「RUM-ヌメロン・フォース」へと再構築されてしまい、このカードによって召喚された「CNo.39 希望皇ホープレイ・ヴィクトリー」の一撃で自身が召喚したエースモンスター「CNo.104 仮面魔踏士アンブラル」を破られ、デュエルに敗北。
最後は「これで勝ったと思うな」「一度出来上がった染みは、いずれまた再び広がる」と、アストラルや遊馬に対して負け惜しみの定番な台詞を吐きながら悪役らしく退散していったが、遊馬とアストラルにとっては、これらの言葉が今後また心の闇を表面化させられるきっかけ(呪詛)になる可能性もあるかもしれない、とも言われた。
2クール近くも親友として演技していた事も大きいが、それをダシにして遊馬に罵倒や煽りの限りを尽くしたりアストラルを心理的に陥れていくなど、ベクターは歴代遊戯王シリーズでも類を見ないほどの純然たる悪役として定着している。上述の「ダーク・ZEXAL」による歴代シリーズ最高攻撃力の更新(83200)、及び新たな力「ZEXALⅡ」で怒りの鉄槌を下されるまでの過程など、最初に正体を明かした96話にも増して大きな話題を集めて見せた。
その後のベクター
そして遊馬の新たな力に敗れた翌週、復讐に燃えるベクターはボロボロの体を引きずってバリアン世界の「悪意の海」へ赴くと、復讐のための力を得るためにバリアン世界にて封印された神「ドン・サウザンド」を自らの命と引き換えに覚醒させる。(この際、先のデュエルで負ったダメージも回復している。)
その後はベクターの内なる声としてサウザンドが宿ると、大体自分のせいで眠りについていたギラグとアリトを復活させ、彼の命令に従い「ドン・サウザンドの力を完全に目覚めさせる」鍵である7枚の「伝説のナンバーズ」を手に入れるために他のバリアン七皇と共に再度、人間界へと赴くのだった。ちなみに人間界では正体を現した後も、真月零の姿で行動しているらしい。
やがてアストラルと袂を分かってきたダークアストラル(No.96 ブラック・ミスト)と共に第2の遺跡である、「悲鳴の迷宮」にて遊馬達を迎え撃ち、遊馬達を罠に陥れたあと罠のスイッチを手にアストラルとダークアストラルの戦いを見届けるが両者のデュエルが引き分けたため、遺跡を崩壊させブラック・ストームと化したダークアストラルと共に退散。
またこのとき、遺跡の伝説で語られていた「呪われた王子の伝承」とベクターが何か関連があるかもしれないことを匂わせており、ベクターも遺跡へ入ろうとした際は遺跡内部からのおぞましい空気に何かまずい雰囲気を感じ取っていた。
人間世界への侵攻が本格化する中、バリアンジャーの名乗りにも「ジャジャーン!俺☆ベクター」というセリフで参加。意外と付き合いが良いのかも知れない。
しかし他の七皇がデュエルを行う中1人だけ「高みの見物」を決め込み、「ミザちゅわぁ~んwwwwww」などの煽りを入れながら遊馬達の様子を窺っていた。
しかし余裕ぶっていたのが災いしたか、遊馬とそれを追ってナッシュがバリアン世界へ行ってしまう事をギリギリになってから察知。
その際、いよいよドン・サンザンドの力が前面に出て来る形でギラグとアリトを再洗脳し遊馬とアストラルの妨害に向かわせ、自身はサウザンドの力を得た勢いそのままに自分の邪魔となる他の七皇を始末するべくバリアン世界へと向かうのだった・・・・・・
「めらぐぅ~、バリアン世界でお前とナッシュを殺したのはぁ~、『このぉ!俺だァ!!』」
人物
瞬殺するよりもじわじわと甚振ってからトドメを刺す方が好みである様だ。「ZU☆TA☆BO☆ROだぁ~!!」
相手を煽る発言も生前からのもので、それは心理フェイズに活かされ更にランクアップしている。
しかし頭が回らないのかと言えばそんな事はなく、バリアン側の作戦立案にもかかわりドルベも渋々であるが案自体は採用している。
また「自分の策略を成就させるため」ならば長い期間でも辛抱強く我慢する忍耐強さも持ち合わせており、悪役として非常に嫌らしいキャラクターだと言えよう。
友情ごっこだのポイント制だのは一重に彼の作戦が成功に向かっている証なのである…多分。
デュエルの腕自体は七皇の中では中程度といったところであろう。決して弱くはないがベクターが得意とするのはデュエル外での策謀であり、ギラグやアリトを馬鹿にしていたと思いきやメラグ相手にはとんだプレイングミスを誘発させられていたり、彼のナンバーズが「104」である事からもそれは窺える。
その辺りもナッシュ&メラグへの更なる妬みとして積もっていったのだろうか。
その後・・・・・・
巡り巡って遂にベクターは、かつて彼とナッシュが人間であった頃に対峙した場所と同じ場所にてナッシュとのデュエルに臨む。この際、七皇のうち4人を吸収したことで、下の静画にある新たな姿に変化している。後に公開された設定資料において、この形態は「ランパント・ベクター」という名であることが明らかとなった。
例によってお得意の煽りと吸収したドルベやメラグのカオスナンバーズを使い精神攻撃を仕掛けるなどのゲス戦法を展開しデュエルを優位に進めるが、しかしデュエル中に「遺跡のナンバーズ」である「CNo.65 裁断魔王ジャッジ・デビル」のコントロールを奪われその攻撃を自身のカオスオバハン「CNo.104 仮面魔踏士アンブラル」が受けた事で、ベクターに秘められた新の記憶が明らかとなるのだった・・・・・・
映し出されたのは「平和の象徴」として祝福され産まれたやたらと可愛らしい赤子。それがベクターの人生の始まりであった。
国民は平和を望み、その象徴として生を受けたベクターも同じ想いを持っていたが、権力を握る彼の父親(王)は「何が平和だ」と吐き捨てる様な性格で、国は常に侵略・戦乱の中にあった。が、その父王も病で臥せる事が多くなり、青年となったベクターに実質の権力を譲る。
そこでベクターは、侵略中の相手国と和平を結ぶなどし平和国家への転換を決定。国民は喜び彼も長年の想いを実現出来るかと思われたが、父王の眼には「もう少しで手中に出来た国と何故和平など結んでやるのだ」という愚かな決断にしか映らなかった。
ベクターは侵略戦争の愚かさを説き、王妃(ベクター母)も父王の行き過ぎを諌めようとしたが激高した父王は「軟弱者」「貴様など疫病神だ」などとベクターを罵った挙句、ベクターから奪った剣で斬りかかる。その刹那、ベクターを庇った王妃がその凶刃に倒れ、父王も(さすがに后を殺めた事はショックだったか)病気の発作を起こして死亡。ベクターは呆然と立ち尽くす・・・・・・そこに悪魔の囁きが響くのであった。
そう、全てはドン・サウザンドの策略だったのだ。前世ベクターは本来善人であり、洗脳により両親を殺害したと思い込ませた。それを思い出した絶望により真に強いバリアンを造り出す事をドン千は企んだのだ。
さてここで思い出されるのはWDC編のⅣ(遊戯王ZEXAL)。彼は得意のファンサービスでもって(トロンの命令ではあるが)神代璃緒に大怪我を負わせたり鉄男達の墓を建設したり視聴者の腹筋をぶっ壊すと悪事の限りを重ね、自らも「俺はお前達の苦しむ姿を見ていたいんだよ!」等と口走る始末。まさにゲスだのドグサレだのの言葉が似合う悪役だった。
だがシャークさんとのデュエル後は実は良い人だった事が判明、これまでの悪役っぷりに惚れ込んでいたファン達は大変残念がる(それでもⅣは魅力あるキャラクターであるが)という事件があった。 しかもベクターは眼の輝きも口調も真月モードとなり、遊馬の「今からやり直そう!真月零が本当のお前なんだ!」という必死の呼びかけにも「洗脳を受けていようが自分の犯した行動は消えない」として「自分と共にドンを討て」と善人っぷりを発揮する始末。
今回も実は良い人エンドになってしまうのか・・・・・・と視聴者はがっかリングしそうになっていた。
「バーカ!引っ掛かりやがって!!」
さすがにベクターは格が違った。
何とベクターはドンの洗脳で人生を滅茶苦茶にされた事を知らされながらも、あえてゲスの道を進み続ける事を選んだのだ!衝撃の真実ゥ~wwwwwwww真ゲスはやはり真ゲスだった!
この行動に視聴者は「素晴らしい!美しいよ!」「ベクターこそ真の悪役」等と大喝采。
その後も満面の笑みで「俺はお前等の苦しむ姿を見るのが、たまらなく楽しいんだよ!」等と誰かに似た事を口走る始末。
更に呆然とする遊馬を尻目にドンの力を掌握(洗脳された事自体にはムカついてたらしい)。ナッシュにトドメを刺すべくデュエルを続けるが、元からベクターなんか信用していなかったナッシュも平然と対抗。
かくして、2人のデュエルの結末はいかに?
余談だが、この回では真月モードになった時の声優・日野氏の演技がわざとらしいようなそうでないような絶妙な加減であり、視聴者はギリギリまで「いったいどっちなんだ」と精神フェイズに入らされていた・・・・・・らしい。
ベクター、その最期
ナッシュとのバリアン頂上決戦は熾烈を極め、ドルベやメラグらから奪った力・七皇のオーバーハンドレッドナンバーズを巧みに使いこなし翻弄するも、ベクターのそういった搦め手が読み切られていた事もあり僅かに力及ばず、遂には七皇の長ナッシュの前に敗北を喫する事になる。
倒れたベクターにナッシュは史実の記憶を語り、ベクターは過去にもナッシュに敗れ、その場で自らが殺めた人々の怨念によって取り殺されていた事が判明する。
当時と同じく怨霊にまとわり憑かれるベクター……だがベクター「あの時と一緒にすんじゃねぇええええ!!」
今の自分は七皇、そしてドン・サウザンドすら超えた存在であると豪語し、お馴染みの笑い声を上げながら怨霊を吹き飛ばしてみせる。が、もはやその力は「ベクターのもの」ではなくなっていた。彼が封じ込めたと思い込んでいたドン・サウザンドが地の底から復活してきたのだ!
そう、ドンはやられたフリをしてベクターが敗北し力が弱まるところを狙っていただけだったのであるだからあんなわざとらしいやられ方してたのか。そしてベクターが集めた七皇の力を物理的に吸い込む事で吸収しにかかった。
力の弱まったベクター(というより他のバリアン七皇と同じくバリアンの力を既に失くしていたのだろう)にはドンに抗う術はなく、掃除機のごとくじわじわとベクターは吸い込まれて行く。
必死でもがくベクターだったが、ドンは甚振るかの様に吸い込みを続け、ここまで散々なゲス行為を繰り返してきたコイツに手を差し伸べる者などいるわけがなかった。
否、たった1人。ベクターを「真月」と呼び必死でその手を掴んでくれた人物がいた。遊馬だった。
ベクターが罠にはめ、笑いものにし、アストラルを闇に堕とし散々笑い者にした少年が、ベクターの手を掴んでいるのだった。
「君まで吸い込まれる」「そいつに心はない!助けてもまた、裏切るだけだ!お前が言うな」という声を聞きながらも決して手を離そうとしない遊馬に困惑しながらもベクターは、
「なら俺の道連れになってくれよォ!!俺と一緒に、逝ってくれよ!遊馬ぁ~!!」
さ す が で あ る。
死の間際すらブレない名悪役、ベクターとすれば「こんなガキの偽善、怖がって手を離すだろうよw」くらいに思っていたのだろう。自分の命すら使って嫌がらせをするとはもう脱帽するしかない。
だが、それでも遊馬は手を離さなかった。そしてお前を独りにはしないと、俺がお前を守ってやると、ベクターに語りかけるのだった。
こんな良い奴をベクターは、真月は道連れにする事は出来なかった。
ベクターは自ら手を解き、ドンに吸収されていった。最期に友達になれたかも知れない、真月としての言葉を遺して……
執念深く往生際の悪かった彼が、初めて敗北を認めた時だったのかも知れない。
その後、ベクターの力はドンを経てナッシュへと継承。アンブラルもナッシュの手によって使用された。
じゃんじゃじゃ~ん☆
その後最終回にて、ギリギリまで出番がなかったが最後の最後に上記のセリフと共に、遊馬に力を貸すため参上していた。
良かれと、思って。
余談
ナッシュが遊馬とのデュエルにてアンブラルを使用した際、ハンデス効果にて虹クリボーを落としているのだが、ファンの間では「あれはベクターの仕業だったのでは?」との推測が広がっている。
虹クリボーは手札にあっても効果を発揮できるため、一概にアンラッキーというわけではなかったのだがこの時の遊馬の手札が6枚、しかも他は全て魔法と罠だった事を鑑みると……理由などについてもついつい妄想してしまうものである。
イラスト
Before | |
バリアル・フォーゼェェ!! | |
After | |
さあ!よからぬ動画をうpしようぜェ!
関連静画ちゅわ~ん、ちょっとイケてるんじゃな~い?
どちらかというと、彼自身というより彼の顔芸のパロディの方が多い。そちらの場合は「真ゲス」を参照。
その関連項目に聞いてみな!
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