ヒーローアンチ作品とは、作品全体がアンチヒーロー的要素が強い作品である。
SNSなどでは「アンチヒーロー系」「アンチヒーロー作品」「ヒーロー逆張り作品」と呼ばれる事の方が多いが、
「アンチヒーロー」が主人公の「アンチヒーローが主役の作品」とはまた別でややこしく、わかりやすさを考慮して現在は使用例が少数の「ヒーローアンチ作品」を記事名とする。
概要
ヒーローらしからぬ要素や言動が強い主人公などを「アンチヒーロー」と言うが、作品の構造や背景世界自体がヒーローに対するアンチ的要素の強い物はこう呼ばれる事がある。
当然だが作者がヒーローアンチとは限らないアンチ宣言してる作者もいるが
よく見られる特徴として
という点が上げられる。
特徴
1.典型的ヒーロー像・英雄像の否定
社会的に広く信頼されており、正義の基準になっているヒーローや英雄(それらはスー〇ーマンやスーパー〇隊など有名な作品を思わせるパロディ的キャラクターな事も多い)が悪事を行っていたり大きく問題のある人物というのは作品内の人物にも、視聴者にも強いインパクトのある設定として重宝されている。
(広義的に言えば本来市民を守る役目の「王属」「貴族」「政治家」「警察」などもこのポジションに相応しいはずだががフィクションと現実において大体腐敗しているものと描かれる事実な為インパクトは余り無い。)
それを下記の2.を行うことによってストーリーやテーマにしたり、その変わった構図をコメディやギャグにする事もできる。
ファンタジー作品などで描かれる場合は「勇者」、近年だと「転移者・転生者」もこのポジションに置かれる。
また、所謂「悪役令嬢」を主役に据えた作品も「テンプレヒロインポジションのキャラのシンデレラストーリーの否定描写」というヒーローアンチ作品に見られる典型的ヒーロー像・英雄像の否定に近しい展開がなされる事もあり近い物語構造と言える。
またヒーローが与える、「幻想」「奇跡」「ご都合主義」などの要素も同時に否定されることが多い。
2.上記によって不利益を被る弱者の救済・形成されたディストピアの打破
ヒーローが悪事を行っていれば当然それによって不利益被る者がいるのは自然な事であり、またヒーローが社会的に認めれている=社会的地位が高ければそれを受けるのはその社会における弱者になるだろう。
また作品によってはヒーロー自信は明確に悪事は行っていないが、ヒーローの正義感から切り捨てられた存在やヒーローの視野の狭さ、その名声を周囲の人物が悪用する事により同様の状態となっている事も多い。
主人公がそれを救済・そのディストピア的社会の打破を行う為に動くことでストーリーを動かしたり作品のテーマを描くこともできる。
3.主人公がアンチヒーローとは限らない
作中におけるヒーローと敵対することも多いのでその社会からみれば「アンチヒーロー」と言えるが、視聴者から見れば典型的な主人公や英雄が持つ属性(強い、正しい、美しい等)=アンチヒーローとは言い難い普遍的なヒーロー的な人物である事も珍しくない。
最もその社会などによって歪んでしまったアンチヒーロー的主人公がヒーローとして成長、又は元々持っていたヒーロー性を取り戻していくという話も多い。
評価
ヒーローや英雄が「悪」というインパクトから注目を集め、「正義」を問う深みのあるテーマ性からやその反骨精神などから、斬新な作品として高い注目度を得て高評価に繋がる事が多い。
一方で(特に同時期に作品数が増えてくる程)安易な逆張り・(描写から)露悪的、(主人公側にも問題が多いと)被害者意識が強すぎる、政治描写を組み込むと(製作者の)思想が強すぎる、冷笑主義的 などの点が成功作品でも批判点として評される。
また、所謂典型的なヒーロー・英雄作品など果ては大してそういう要素の薄い作品でも古くからこれらの要素がサブ的なテーマや単発エピソード、サブキャラクターのキャラ付けで描かれる事は多く意外と「正義とは何か」というテーマ自体の新鮮味は薄い。
よって初見のインパクトとしての優秀さは折り紙つきだがそのインパクトを越えづらい為、長期作品としては成立させる難易度も高いと言えるかもしれない。
作品一覧
※序盤のみの要素も含む
- (株)悪の秘密結社 コミック「YABAI」
- EVOL
- KEYMAN THE HAND OF JUDGMENT
- moon(ラブデリック)
- アウターマン
- 異世界転生者殺し -チートスレイヤー-
- イビルヒーローズ
- ウルトラ・スーパー・デラックスマン
- 英戦のラブロック
- 回復術士のやり直し
- 仮面ライダー龍騎
- ザ・ボーイズ
- 戦隊大失格
- ダークアクト
- 天体戦士サンレッド
- 盾の勇者の成り上がり
- パワプロクンポケット7 表サクセス(謎の転校生 甲子園ヒーロー編)
- 秘密結社鷹の爪
- 夜のヤッターマン
関連動画
関連静画
漫画
関連項目
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