ヘラクレスの栄光とは、データイーストから発売されたロールプレイングゲームである。
ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコンで一連のシリーズが作られており、データイースト倒産後はDSにて新作の「魂の証明」が任天堂から発売された。
概要
ギリシャ神話をモチーフにしたRPGで、タイトルにあるとおりギリシャ神話の英雄・ヘラクレスがメインのキャラクターである。
ヘラクレスが主人公となっているのは、FC版の初代(闘人魔境伝)と ゲームボーイ版のみであるが、その他のシリーズでも強力な味方として登場する。その他にもゼウスやポセイドンなどのギリシャ神話でおなじみの神々も登場する。舞台はどの作品も地中海周辺をモチーフにしており、全作に共通して「アテネ」の街が出てくる。
データイーストは「チェルノブ」や「トリオ・ザ・パンチ」といった珍妙なゲームを作るイメージがあるが、このシリーズに関しては割と硬派に作っているので安心されたし。
ちなみに「ヘラクレス」の名は「(女神)ヘラの栄光」という意味なので、「ヘラクレスの栄光」は「ヘラの栄光の栄光」というややこしい意味になる。
シリーズ
闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光 (FC・1987年発売)
シリーズの初代作。魔王ハデスにさらわれた女神ビーナスを救うのが目的である。ちなみにビーナスはローマ神話の女神だが、ギリシャ神話のアフロディーテに対応する。
先に発売されていた「ドラゴンクエスト」などと差別をはかるためか、武器や防具に耐久度や属性が設定されていたり、戦闘中に敵と話すことができたりした。また、当時では珍しく町とマップは別々ではなく全て一つのエリアとして一体化している。ヘラクレスの栄光シリーズではおなじみの「ゆくぞ!」「どうだ!」「まいったか!」などの戦闘時の掛け声は初代ですでに採用されている。
ヘラクレスは一人旅であるが、初代ドラクエの勇者と違って呪文の類が一切使えず(敵は使ってくる)、120%脳筋仕様である。
装備はワンハンド=片手持ち(非力だが盾が装備可能)、ツーハンド=両手持ち(強力だが盾は持てない)、消耗(耐久度が0になると装備が壊れる)の概念が存在する。痛んだ装備はアテネにあるヘパイストスの鍛冶屋で直してもらえる他、5000Gでヘパイストスを雇うと戦闘後に耐久度が回復するようなる。雇ったヘパイストスは「かじや」というアイテムになり、道具屋に売ることもできる。本来は鍛冶神なのに・・・。
また属性の概念も存在しており、地上系の敵には剣、オノ、ハンマー、空系の敵には弓矢、海系の敵には矛が有利になっている。
通貨単位はG(ギルバート)になっている。「なぜゲルマン語?」「なぜ人名?」と色々気になるかもしれないが深く考えてはいけない。III以降はギリシャの通貨だったD(ドラクマ)に改められた。
再開はパスワード方式であるが、でたらめに入力しても割と通る上にそれが最強レベルの強さだったりアテネ(街)やベブウッド(敵)をアイテムとして持っていたりするので、いろいろなパスワードを試してみるのも楽しみの一つであった。
ヘラクレスの栄光II タイタンの滅亡 (FC・1989年発売)
シリーズの2作目で、昼夜の概念やパーティ制度が採られ、前作にあった武具の耐久度などの概念がなくなり、かなりドラゴンクエストに近い感じになっている。それゆえ前作に比べると凡百のRPGと同じようなゲームになっていると評価されてしまうことも多いが、ストーリーに関する評価は高い。
パーティは主人公の青年、ケンタウロス、青銅製の女神像であまり人らしい人がいない。
主人公の目的は魔王クロノスを倒すことだが、仲間たちの目的はもっと個人的なものである。主人公の座から降板したヘラクレスは終盤にパーティに加わり主人公以上の活躍を見せるが、やはり呪文は一切使えず、脳筋仕様となっている。エンカウント率がかなり高く、ボス敵が2~3回攻撃や武器防具破壊(破壊されると無くなる)、即死攻撃は当たり前といった鬼畜仕様である。
ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙 (SFC・1992年発売)
不死身の身体を持つ記憶喪失の青年が主人公で「自分探し」がテーマとなっている。後にスクウェアに移籍した野島一成がシナリオを担当しており、終盤のどんでん返しともいえるストーリー展開を評価する声が高く、今現在でもシリーズ一の名作と推すファンは多い。
ヘラクレスは序盤に登場して仲間になるが、IIのような強さはなく、主人公らと共に成長していく感じである。やはり呪文は(ry
主人公らが不死身のため、フィールドや街、ダンジョンの中などどこでも自由に「飛び降り」られるのが特徴である。
前作のような武具破壊などの無茶苦茶な特殊攻撃はなくなったが、レベルが上がるごとに敵の強さも上がるシステムが採用されており、同じ敵でも強さが違ったりする。他には途中で仲間になるレイオンの日記を使用することで、ストーリーの進行に応じて徐々に書き足されていく日記の内容をのぞき見ることができる。日記の更新の早さはしょこたん並み。
2008年にiモードに移植されたほか、現在はWiiのバーチャルコンソールにてダウンロードが可能である。
ヘラクレスの栄光IV 神々からの贈り物 (SFC・1994年発売)
データイースト時代のシリーズ完結編。システム、シナリオ、グラフィック、サウンド等がどれも高いレベルでまとめられており、総合的な評価が高い作品である。
海に沈んだアトランティス大陸と永遠の命をめぐるストーリーが展開され、ヘラクレスも仲間になるが、このころになると栄光に陰りが見えてしまっている感がある。
主人公(と仲間になる友人のプラトン)はオープニングで肉体を失っており、他の街人や兵隊、果ては犬の肉体に乗り移ることができる(トランスファーシステム)。乗り移る肉体によって固有技が設定されており、熟練度を上げることによってより強い技を使用できるようになる。また、特定の人物に乗り移って特定の人に話しかけることでちょっとしたイベントが発生したりする。「飛び降り」や日記、神殿巡りのシステムはⅢから引き継いでおり、鍛冶屋で武器防具を鍛えたり、シリーズの特徴である戦闘時の多彩なかけ声を自分で作成することが可能となるなどシステム面が充実している。
クリア後に行けるようになるダンジョンは、ボスを倒すたびに構造が変わり新たなボスが出現する仕様となっており、チート級の強さのボスも何体か潜んでいる。
現在、Wiiのバーチャルコンソールにてダウンロードが可能である。
ヘラクレスの栄光 動き出した神々(GB・1992年発売)
外伝的な作品で、初代とIIの間に生じた設定の矛盾点を補完するために作られたらしい。
主人公はヘラクレス(偽名として名前を別につける)で、仲間としてゼウスらオリンポスの神々を一名まで連れ歩くことが可能である。
現在、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールにてダウンロードが可能である。
ヘラクレスの栄光 魂の証明(DS・2008年発売)
神々からの贈り物から実に14年ぶりに発売された新作。開発はパオン、発売元は任天堂。主人公はヘラクレス(やはり偽名を使う)であり、道中でヘラクレスを仲間にし、さらにイベントキャラとしてヘラクレスが登場するというヘラクレス満載ゲームである。
関連動画
プレイ動画
BGM
CM
関連商品
関連リンク
- プロジェクトEGG ※「ヘラクレスの栄光」「ヘラクレスの栄光II」「ヘラクレスの栄光III 神々の沈黙」が配信されている。
- ヘラクレスの栄光Ⅲ 神々の沈黙 - G-MODEアーカイブス ※ケータイ版をSwitchに移植
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