結局、戦争はなくならなかった。
地球という惑星の隅々まで開発の手が伸び、
一部の権力者が月面に別荘を建てる時代になっても、人と人の心の隙間までは埋まらなかった。
でも、変化はあった。
────超大型兵器オブジェクト。それが、戦争の全てを変えた。
『ヘヴィーオブジェクト』とは、鎌池和馬著のライトノベルである。イラスト・キャラクターデザイン・オブジェクトデザインは「アルトネリコ」シリーズの凪良。2009年10月から2021年10月まで電撃文庫より刊行された。全20巻。
略称は「HO」。キャッチコピーは「近未来アクション・ボーイミーツガール」。
概要
時は現代ではなく、国連が崩壊してしまった後の近未来。
再編された4つの世界的勢力や、それらに属さない勢力の「戦争」を軸としたミリタリーSF仕立ての作品となっており、本作では著者の前作にあるような魔術・超能力は一切存在せず、代わりに科学方面に傾倒している。
本作を紹介する上で著者の前作『とある魔術の禁書目録』の浜面仕上が例に挙がる事が多い。これは、本作の主人公たちが普通なら到底敵わないような強大な敵に立ち向かい、頭脳・知識・技術を駆使して勝利を掴むなど、どこか彼の設定を想起させるためである。
ただしこちらはほぼ固定された相棒役がいてバディ要素が強く、作風もとあるシリーズから大きく変わっている。
1巻発売後、著者に「続きを書きたい」と言われたので編集がOKを出した。数日後にメールが来たのでプロットかと思いメールを開くと300P超の完成原稿だった、という逸話を持つ。
なお、著者は1巻が基本設定や世界観の説明をするスターターパック、あとの巻は拡張パックのような扱いを想定して書いているとの事。(3巻・巨人達の影あとがきより)
1章完結の短編形式だが、大枠のストーリー自体は単巻丸々使用して完結する。章ごとにスポットが当たるキャラも異なり、1人のヒロインが最後までメインでいるのも9巻にあたる『氷点下一九五度の救済』が初だったりする。
章・エピソードの区切りがはっきりしているという面では、同作者の長編シリーズである『インテリビレッジの座敷童』が近いかもしれない(あちらは主人公3人の一人称視点という違いもあるが)。
コミカライズは原作1巻の1章を描いた犬江しんすけ版、その後のエピソードが描かれたさいとー栄版(S、A)が刊行されている。両氏とも原作を上手くアレンジして漫画に落としこんでおり、ファンからの評価も高い。
続編となる『A』では原作2巻の『採用戦争』はすっ飛ばされ、3巻『巨人達の影』から始まっている点に注意。
2014年10月5日、「電撃文庫 秋の祭典2014」鎌池和馬の10周年企画10大展開の最後に、ヘヴィーオブジェクトのアニメ化が発表された。
オブジェクト
→詳細は「オブジェクト(ヘヴィーオブジェクト)」を参照。
『島国』が開発した超大型機動兵器。
サイズは本体だけで50m、機体にもよるが全長は75m~180mはある弩級サイズとなる。核兵器にも耐え、百もの砲を全身に装備し、その上フットワークも軽いという反則的な性能を誇る。
原初の機体は『pro_be_12(十二支計画)』で開発された、『子(ね)』と呼ばれる“始祖の十二機”の内の一機。
『子』は全方位の核攻撃にも耐えられる装甲を誇り、核の炎に身を包まれ砲身を溶かしながらも敵対する14国からなる連合艦隊を沈め続けた。
このオブジェクトの登場によって“核の時代”は終焉を迎え、戦車や戦闘機などの既存兵器も一掃された。
「戦争の代名詞はオブジェクトである。生身の兵隊などに価値はない」
これは極論ではあるが、この世界観の戦争を一言で表現していると言える。
近未来の戦争はオブジェクト同士の戦闘で勝敗が決する「クリーンな戦争」を謳っており、戦死者が極端に少ないとされる。しかしそれでも死人が出ないわけではなく、作中でも歩兵同士の争いではよく死んでいる。
しかし、それが対オブジェクトになると話が変わってくる。核の時代を終わらせた化物兵器には歩兵だと対抗できない事が分かっているため、各世界的勢力間では基地の速やかな明け渡し・投降(白旗)などで、無駄な死人が出ないようにすることが「暗黙の了解」となっているのである。
本作の主人公は巨大兵器「オブジェクト」には搭乗しない。
そればかりか、戦車や戦闘機が束になろうが敵わないオブジェクトを考え得る限りの方法を駆使して生身で倒す、という作中においても非常識極まりない事を何度もやらかしている(後述)。
当然、自軍にもオブジェクトは存在しているのでそれらと協力した上での戦闘が多い。
あらすじ
オブジェクトによる「クリーンな戦争」や「暗黙の了解」により、生身の兵は戦争状態でありながらも生ぬるい状態に陥り、クウェンサーやヘイヴィアもその状態を享受していた。
───こちら側のオブジェクトであるベイビーマグナムが破壊され、「暗黙の了解」が破られるまでは。
生き延びるために、クウェンサー、ヘイヴィア、そしてお姫様ことミリンダは生身でオブジェクトを破壊することになる。
主な登場人物
※原作でイラストのあるキャラクターを中心に説明する。(例外あり)
正統王国~第37機動整備大隊~
主人公達が所属する大隊。大型トラックを何台も連結させる事で派兵先でベースゾーンを構築する。オブジェクトの整備兵の他に戦闘機やら歩兵もいる(アラスカ事件を機に衛生兵や医療設備も充実させ始めた)が、オブジェクト中心の世界であるため、この隊のようにオブジェクト+旧時代系兵装一通りある方が珍しい。最低限の歩兵+整備兵だけの隊もある。
- クウェンサー=バーボタージュ - CV:花江夏樹
- 本作品の主人公。『正統王国』所属の戦地派遣留学生。平民。
兵科は工兵。学生だが、手っ取り早くオブジェクトについて学ぶため戦場に来ている。
自覚なしの一級フラグ建築士。よく女の子にセクハラする割にその辺の事情には疎いようだ。後にヘイヴィアと共に「ドラゴンキラー」と呼ばれることになる。 - ヘイヴィア=ウィンチェル - CV:石川界人
- 『正統王国』所属。準主人公格。貴族。
レーダー分析官(相手のオブジェクトについての情報をまとめる役職)。クウェンサーの相棒役。
ある理由から、家督を継ぐための泊を付けるため戦場に来ている。婚約者がいる勝ち組。 - ミリンダ=ブランティーニ - CV:鈴木絵理
- 『正統王国』所属。本作のメインヒロイン。華奢で小柄なため、お姫様と呼ばれている。
『エリート(オブジェクトの操縦者となる為に調整された人間)』。搭乗機は第一世代「ベイビーマグナム」。第一世代はどのような戦場・天候でも戦えるため、良いようにあちこちに駆り出されている。
アラスカ事件以降クウェンサーに気があるようで、彼が女の話をするとよく不機嫌になる。また、クウェンサーとはメル友でもある。 - フローレイティア=カピストラーノ - CV:伊藤静
- 『正統王国』所属。第37機動整備大隊の指揮官。自称18歳。処女(確定)。
『島国』の文化をこよなく愛する和風マニア。クウェンサーとヘイヴィアから「爆乳」と呼ばれている。
本来カピストラーノ家は男しか生まれない(極端に女性が少ない)家系の為、彼女には色々と政略的な縁談が上がっている。性的な噂を聞きつけて近づく人間も居る。縁談を断る為に戦場に居続けるが、1度連れ戻されそうになったことも。 - アヤミ=チェリーブロッサム - CV:横尾まり
- オブジェクト整備主任の婆さん。挿絵に出ないのにキャラデザを描き起こされるが、3巻で挿絵が出た。
若い頃は現在とは同一人物と思えないぐらい美人。
元々『資本企業』に属する島国(日本)の人間なのだが、ある事情により『正統王国』に亡命。歴戦の老婆であり、漫画版ヘヴィーオブジェクトや9巻では戦闘シーンが見られる。
夫はヤマト=チェリーブロッサム。彼女が亡命に成功した事や、8巻の物語にも大きく関わる。
正統王国
- バンダービルト家の令嬢 - CV:内田真礼
- ヘイヴィアの婚約者。貴族。ヘイヴィア様と呼ぶ。バンダービルト家とウィンチェル家は仲が悪く、ロミオとジュリエット状態らしい。~じゃねーです、といった風に中々粗雑な話し方をしやがります。(ヘイヴィアの口調を真似しているらしい。)
ヘイヴィアが愛人を作る事に関して、「貴族の男の嗜み」という事で許容している。 - ただし、……もしも一瞬でも、ほんの一瞬でも、『私の上に誰かを置いたら』……その時は分かってんでしょーね?
- フライド評議員 - CV:大林隆介
- 評議会の一員。軍の『エリート』育成部門を管理していた。クウェンサーとヘイヴィアからはロリコンとの評価。
クウェンサーとヘイヴィアを疎んでおり、謀殺しようと考えたが……。 - シーワックス - CV:小山力也
- 報道カメラマン。オブジェクトばかりが取り上げられ、現地(戦場)の人々が軽視される現状に不満を抱く。
1巻オセアニア軍事国攻略戦においてプレス用の非戦闘許可証を持ってオセアニアに潜り込み、不用意にオセアニア兵を狙撃・射殺、均衡を崩し部族の虐殺を許す。後に償いの為にクウェンサー達に助言した。
7巻『亡霊達の警察』で再登場。報道マンとして大きく変わる事となった。 - モニカ - CV: 大久保瑠美
- クウェンサーの幼馴染。没落貴族の少女。
現在は『CS☆ミリタリーチャンネル』の“歌って殺せる戦場アイドルレポーター”として活動中。
クウェンサーがオブジェクト設計士を目指す原因の一つ…かもしれない元・ワガママな貴族の御令嬢さん。
なかなか会う機会に恵まれなかったが、電撃文庫MAGAZINE Vol.47に掲載された『ヘヴィーオブジェクト AD』にて遂にクウェンサーと会話を果たす。
キャラデザは、漫画版『ヘヴィーオブジェクト A』を元にしている。 - シャルロット=ズーム - CV:大西沙織
- 督戦権限を持つ黒軍服に所属する、眼鏡をかけた女性将校。
今やクウェンサー達のファン(クウェンサー達がオブジェクトを撃破する度に行きつけのバーで新しいカクテルが作られるから)。 - クレア=ホイスト
- 最小の安全国『クック追加諸島』の『中央』で暮らすオブジェクトの天才少女設計士。ビキニに白衣。
第三世代オブジェクトへの道を模索しており、クウェンサーを高く評価していた。自らが設計したアサルトシグナルの操縦士エリートの敵を討つ為にユニコーン部隊に加担した。 - ユニコーン部隊
- 6巻『第三世代への道』の真の主役達。⇒第115独立近衛中隊『ホワイトベアー』が偽装した部隊。
作中ではソギア、サーニャ、マルスの3人にスポットが当たっている。
Hey baby,how long will you stop crying. You will be smile soon.
(おいおい、一体いつまでメソメソ泣いてやがる。もうそろそろ笑う番だぜ) - ステイビア=ニコラシカ
- 6巻『第三世代への道』のヒロイン。泣き虫。ボルガ方面の王族で王位継承争い最有力候補。
敵対派閥(ディミクシ派)から命を狙われる。第115独立近衛中隊ホワイトべアーに懐いていた。5年前のホワイトべアー壊滅後からステイビアは直属の近衛部隊をつけていない。 - ミクファ
- ステイビアの侍女。メイドさん。挿絵あり。
ディミクシ派に拷問されていたところをクウェンサー達によって救出。パワードスーツを使用した格闘技による殺人がなかなか凄惨な現場を生んだ。 - じゃーまん☆すーぷれっくす!!
- ドロシー
- 7巻『亡霊達の警察』に登場。1章ヒロインのおばあさん。
- リサ=ドービル
- 7巻『亡霊達の警察』に登場。撤退戦のエキスパート『ストークキラー部隊』所属の女性少尉。後に腕が…。クリーンな戦争の暗部担当。
- カレン=I=ウィンチェル
- 8巻『七〇%の支配者』に登場。ウィンチェル家の養子縁組で、幼少期のヘイヴィアの乳母。眼帯をしている。
普段はヘイヴィアに「ゴミ虫」と暴言を吐いたりして尊敬の念は欠片も感じられないが、実は貴族の古い因習を打ち破り、余計な血を流させまいとするヘイヴィアに感銘を受けている。
ミドルネームの“I”はイミテーション(模造品)を意味する。この辺りはヘイヴィアの記事も参照。 - ミリア=ニューバーグ
- 9巻『氷点下一九五度の救済』に登場。諜報部隊の気の良い女性中尉。何気に出番が多い。
- アズライフィア=ウィンチェル
- 11巻『バニラ味の化学式』に登場。ウィンチェル家の娘で、ヘイヴィアの何番目かの妹。
情報同盟
- 情報同盟のエリート - CV:金元寿子
- 本作のメインキャラクターの一人。通称:おほほ。本名は不明。女の子。
『Sky Dog(br) 3rd C.E.B.』所属のエリート。搭乗機は「ラッシュ(ガトリング033)」。
Gカップ(笑)。実は「幼女」である。自国では歌って踊れるアイドルで、Gカップの方は3DCGに過ぎない。
最近はクウェンサーがお気に入り。ミリンダとは仲が悪く、会うたびに衝突している。
TVアニメ放映時期に発売の10巻『外なる神』にて、初めて表紙を飾った。
鎌池作品コラボ小説にて敵として登場。“某ビリビリ系ツンデレールガン娘”との戦闘で優勢に持ち込んだ事がある。彼女というよりラッシュが、だが。 - レンディ=ファロリート - CV:佐藤利奈
- 『Sky Dog(br) 3rd C.E.B.』の指揮官。銀髪・褐色の女性大尉。おほほを溺愛している。
- ロイス
- 4巻『電子数学の財宝』に登場。おほほの父親っぽい人物。確定はしていない。
- レイス=マティーニ=ベルモットスプレー
- 7巻『亡霊達の警察』に登場。情報同盟の「天才少女プロジェクト」で誕生した12歳の将校。
100人いるマティーニシリーズの1人。ペン回しが精神安定行動となるように刷り込まれている。
「見開きピンナップに描かれた新規キャラが、必ずしも活躍するわけではない」という前例を作ってしまった。
資本企業
- マリーディ=ホワイトウィッチ
- 5巻『死の祭典』の主人公。12歳の女の子。
航空PMC「スカイブルー」所属。オブジェクトが使用できない北欧禁猟区で本物の戦争をしている。
いまや無用の長物となった戦闘機を駆るエースパイロット。空に誇りを持つ。8巻で再登場。
年齢に似合わず達観していて、発言の内容がもはや12歳のそれではない。
巨大な銃を掴んでいる女を見ないと勃起もできない○○の精神的××野郎が。ジメジメした家に帰ってお人形でも舐めまわしてろ。(スポンサー様からの依頼で罵倒した際の台詞) - 護衛の男
- アスリート兵で構成される護衛団の上官。
テクノピックではマリーディの護衛にあたり、共に死地に突っ込んだ仲。
年の離れた妹がいるらしいが家族の離婚で疎遠状態。マリーディには妹の面影があるようで演技でお兄ちゃんと言わせた事もある。 - アリシア=スラピージョーズ
- 広告代理店に雇われている国際競技広報部門マネージャー。女性。
テクノピックではマリーディとスポンサー『クリアスナイプ社』の仲介を担当する事になる。
冷静な仕事のできる女性という感じの女性だが、売り込みの際は女らしく媚びる等、ギャップが凄まじい。 - ステイシー=パーメット
- ドーピング専門の国際競技用強化薬剤師。スポーツブランドのジャージの上から白衣を羽織った女性。緩くウェーブした茶色の短髪に、フレームのないメガネをかけているのが特徴と言えば特徴か。
- アンジェラ=ハイビスカス
- 資本企業側の破壊任務として投入された『北欧禁猟区』の陸戦PMC「モスグリーン」に所属する女性指揮官。
- ヨグ=ソトース
- 10巻『外なる神』に登場。ホワイトハッカーとして『正統王国』軍の電子シュミレート部門に所属していたが、実際は『資本企業』の諜報機関『外なる神』のメンバーの1人であった。
信心組織
- サラサ=グリームシフター
- 女性だけの天罰組織『ヴァルキリエ』の構成員。神敵となったロイベルツを追い、クウェンサー達と一時的な協力関係をとった。低い声で無愛想な話し方をする。
- ラミール=スコッフロー
- ギリシア系組織『アスレティカ』の指揮官。階級は中佐。金髪・褐色肌の女性。
『ロケットイカロス』のコールサインで知られるエースパイロット。
母国ギリシャのオリンピックを復活させようとテクノピックをぶち壊しにかかる。 - プタナ=ハイボール
- 9巻『氷点下一九五度の救済』のヒロイン。エリートの褐色少女。15歳。好物はカレー。
視線恐怖症だが弱点を自らの武器(感知)に転化している。そのため人目についても弱腰にならない。
元々『信心組織』のエリートだったが、搭乗機「サラスバティ」と共に『正統王国』が鹵獲する。どこの世界勢力にも属さないか、戻って粛清されるか、正統王国で戦うかの三択でなし崩し的に正統王国に加担する。
クウェンサーを“センパイ”と呼ぶ。2章で自分を捕まえる案を出したのがクウェンサーだと知り、自らの人生を滅茶苦茶にしてくれた彼に復讐を考え、実際に何度か殺しかけている。
終章でサラスバティの解析・解体を受け入れる。正統王国でサラスバティの後継機開発が順調に進み、開発終了した暁にはエリートとして呼ばれるかもしれない。
ちなみに、単巻丸々使って(1章から終章まで)描かれた初のヒロインである。
主なオブジェクト
Wikipediaも参照。
通称 | 所属 | 備考 |
---|---|---|
ベイビーマグナム | 正統王国 | ミリンダが搭乗する第一世代。スタンダードな総合型。オブジェクトらしく丸いボディから沢山の副砲が出ている。後ろから7本のアームが伸びており、弾倉を切り替える事で様々な砲を放てる。 |
ブライトホッパー | 正統王国 | 正統王国第57機動整備大隊に所属する第二世代。後部に取り付けた3本のバッタ脚ユニットで移動を行う。 |
フォレストローラー | 正統王国 | アマゾン方面に配置されているオブジェクト。 名前は結構出てきているが未だに詳細不明。 |
インディゴプラズマ | 正統王国 | 第24機動整備大隊の第二世代オブジェクト。下位安定式プラズマ砲の性能を最大限に発揮させる為の機体。 |
ブロードスカイサーベル | 正統王国 | ディミクシ=ニコラシカが操縦するオブジェクト。第二世代とされているが、ディミクシ自身は第三世代だと公言している。 |
アサルトシグナル | 正統王国 | 第一世代。操縦士のエリートは爆破テロにより死亡。 |
セーブ・ザ・ロジティクス | 正統王国 | 第二世代。端的に言えば輸送機の役割を兼ねる変則的な機体。 |
ガトリング033 | 情報同盟 | おほほが操縦。正統王国からはラッシュと呼ばれている。第二世代。主砲は名前の通り二つの連速ビーム式ガトリング砲を左右につけている。 |
スナイプレーザー051 | 情報同盟 | 第二世代。オブジェクトの『全方位からの攻撃に耐える』特性を放棄して圧倒的なスピードを実現した。フォトニック結晶を利用して自由に高出力レーザを屈折させることにより、障害物を迂回して攻撃可能。 |
シンプルイズベスト | 情報同盟 | 敵の攻撃を無視して音速で接近し、敵を殲滅する第二世代。前面装甲はリアクティブアーマー技術の塊。惑星探査用イオンクラスターをオブジェクトの動力炉で動かしているため、出力がケタ違いに高い。 |
ディープオプティカル | 資本企業 | 正式名称は『シャーベティ』。レーザーを重視した機体で、レーザーを屈折させるレーザーパリーの他、複数の防御システムを持つ。鈍重だが一部のパーツを変形させることにより推進方式が変わり、速度が上昇する。 |
ホーネットストーム | 資本企業 | クリーンな戦争を根底から覆す対人用オブジェクト。 |
ウォーターストライダー | 信心組織 | 氷雪地帯特化型第二世代。アメンボやクモのように動く。ベイビーマグナムを一度大破させた。このオブジェクトが暗黙の了解を破ったことが全ての始まりでもある。 |
ストラテジックアンテナ | 信心組織 | 正式名称は『アフロディテ』。ギリシャ神話系部隊が使用する。 |
ウイングバランサー | 信心組織 | 跳躍力が異常に高い第二世代。その分デリケートなのか、主砲は小口径レールガン。 |
サラスバティ | 信心組織 正統王国 |
プタナが搭乗する第二世代。惑星開発用でリ・テラ計画の一環として開発された。視線恐怖症のプタナと10本以上の各種高感度センサーの連携により、向けられた視線を感知する事も出来る。後にプタナと共に正統王国の手に渡る。 |
ステルスオブジェクト | マスドライバー財閥 | どんな手段を使っても発見できない、謎のオブジェクト。 |
ブレイクキャリアー | マスドライバー財閥 | 超高出力マスドライバーを搭載した第二世代。曲射弾道を使用した際には、弾はマッハ25を叩きだした。 |
0.5世代 | オセアニア軍事国 | オセアニア軍事国が持ちだしたオブジェクトの劣化版。巨大なガスタンクに車輪をつけただけのダミーがある。 7巻『亡霊達の警察』にてラッシュの劣化コピーである事が判明。 |
トライコア | 不明 | 海上特化型第二世代。180mにも及ぶ巨大さを誇る。メンテナンスも自分で済ます。 実は第二.五世代に挙がるほど挑戦的な設計で、第三世代に近かった。(もっとも、トライコア自体は第三世代に至れず、作中でも(笑)扱いされている) |
基本用語
通称 | 備考 |
---|---|
オブジェクト | 核の時代を終わらせた巨大兵器。専用のエリートが操縦する。どんな場所でも戦える万能型の『第一世代』と、特定の場所での戦闘に特化した『第二世代』がある。 |
エリート | オブジェクトを操るために科学的に調整された人間。『エレメント』と呼ばれる適合条件に合う者が選出される。専用のオブジェクトを操作する。小説では台詞は基本ひらがなで、少し漢字が混ざる。 |
世界的勢力 | 国連崩壊後に再編された以下の4つの連合体の事。一国の地方ですら所属する勢力が異なるケースも発生しており、「割れたステンドグラス」と表現されている。 |
正統王国 | 主人公達が所属する貴族が支配している勢力。『貴族』と『平民』に分かれており、何より血統と名誉を重んじる。王族のみで構成される『君主議会』もあるが、実質的には選挙で選出される『評議会』が実権を握っている。 |
情報同盟 | あらゆる情報を収集し、情報の真偽を重んじる勢力。主な所属キャラは“おほほ”。民はバーチャルな娯楽を楽しんでおり、エリートがアイドルをしていたりする。最終目標はあらゆる問題を『パーフェクト・ブラウジング』の情報検索一つで対処する事にある。戦略AIの開発に力を注いでいる。 |
資本企業 | 資本企業の集合体である資本第一の勢力。傭兵も登録式。金さえあれば誰でも伸し上がれるが、金を持ってない者には厳しい。主な所属キャラはマリーディ等。 |
信心組織 | 宗教で構成された勢力。様々な宗教団体の集合体であり、思想を最も重んじている。衰退した宗教の復活を推進しているが、最大派閥の十字教勢力にとってはあまり面白くない事らしい。 |
島国 | 最初にオブジェクトを開発・採用したガラパゴス国家。現在は移民により技術・文化が表向きオープン化している。その技術力は底知れず、もはやブラックボックスと言っても差し支えない。国連崩壊前後の世界のラスボス。資本企業に所属しているが、政治情勢が非常に不安定。 |
オセアニア軍事国 | 国連崩壊後の世界でいずれの勢力にも属してない軍事独裁国家。実は裏で「MIB」という世界の警察の復活を企む集団組織が暗躍していた事が7巻『亡霊達の警察』で明かされる。 |
一霊四魂 | 『島国』で開発されたAIとは似て非なる予測検索ソフトウェア。5人の天才開発者が20~30年程前に組み上げた。あたかも人格を持つように会話するが、思考している訳ではなく質問や周囲の状況に応じて文字列を組み変え、先んじて答えを返している。情報同盟は『島国』の一霊四魂の影を垣間見て、戦略AIの開発に力を入れ始めたようだ。 |
テレビアニメ
2015年10月~2016年3月にTOKYO MX、MBS、テレビ愛知、BS11、AT-Xにて放送された。全24話。
スタッフ
- 監督 : 渡部高志
- 副監督 : 櫻井親良
- シリーズ構成 : 吉野弘幸
- キャラクターデザイン : 渡辺敦子
- 美術監督 : 黒田友範
- 3DCG : サンジゲン
- 編集 : 西山茂
- 音響監督 : 明田川仁
- 音楽 : 井内舞子、井内啓二
- アニメーション制作 : J.C.STAFF
主題歌
- 前期オープニングテーマ「One More Chance!!」
- 作詞:Sohey / 作曲・編曲・歌:ALL OFF
- 前期エンディングテーマ「ディアブレイブ」
- 作詞・作曲・編曲:すこっぷ / 歌:鹿乃
- 後期オープニングテーマ「Never Gave Up」
- 作詞:Sohey / 作曲・編曲・歌:ALL OFF
- 後期エンディングテーマ「変わらない強さ」
- 作詞:zopp / 作曲・編曲:toku / 歌:井口裕香
放送局
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 |
---|---|---|
TOKYO MX | 2015年10月2日 | 金曜 24:30~25:00 |
テレビ愛知 | 2015年10月3日 | 土曜 26:20~26:50 |
MBS | 土曜 27:28~27:58 | |
BS11 | 2015年10月4日 | 日曜 24:00~24:30 |
AT-X |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 動画 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | ガリバーを 縛る雑兵たち アラスカ極寒環境雪上戦 |
I | 吉野弘幸 | 渡部高志 | 櫻井親良 | 安野将人 | |
第2話 | II | 藤本穂高 | 関口雅浩 大原大 |
||||
第3話 | III | 櫻井親良 橘秀樹 |
佐々木純人 | 柴田志郎 | |||
第4話 | 親指トムは 油田を走る ジブラルタル通行阻止戦 |
I | 佐山聖子 | 鈴木洋平 | 浅川翔/谷向宏志/徳田賢朗 佐野はるか/芝田千紗 |
||
第5話 | II | 橘秀樹 二瓶勇一 |
高島大輔 | 上田みねこ/前田義宏 藤部生馬/芝田千紗 |
|||
第6話 | 蟻とキリギリス の戦争 オセアニア軍事国攻略戦 |
I | 大河内一楼 | 渡部高志 | 藏本穂高 | ハン・ミンギ 菊池一真 |
|
第7話 | II | 橋本敏一 | 安田祥子/園瀬基/浅川翔 鎌田均/糸島雅彦/逵村六 |
||||
第8話 | III | 橘秀樹 渡部高志 |
そ〜とめこういちろう | 芝田千紗/小林典昭/徳田賢朗 藤部生馬/谷向宏志 |
|||
第9話 | 障害物競走なら 普通は泥まみれ 南極大陸制圧戦 |
横谷昌宏 | 菅井嘉浩 | 佐々木純人 | 平良徹郎/大森英敏 吉田肇/徳倉栄一 小川みずえ/栗井重紀 |
||
第10話 | 二人三脚登山 は命懸けで イグアス山岳砲撃戦 |
I | 大河内一楼 | 鈴木洋平 | 山口安奈/山本雅章/上田みねこ 小渕陽介/青木里枝/吉岡幸恵 |
||
第11話 | II | 横谷昌宏 | 岡村正弘 | 高島大輔 | 芝田千紗/浅川翔 園瀬基/前田ゆり子 |
||
第12話 | III | 渡部高志 | 篠原正寛 | 矢向宏志/徳田賢朗/山本雅章 松岡謙治/上田みねこ 藤部生馬/坂本哲也/芝田千紗 |
|||
第13話 | 騎馬戦は足元 を崩すべし アマゾンシティ総力戦 |
I | 吉野弘幸 | そ〜とめこういちろう 渡部高志 |
そ〜とめこういちろう | 浅川翔/上田みねこ 山口杏奈/徳倉栄一/栗井重紀 柴田志郎/矢向宏志/冨岡寛 |
|
第14話 | II | 橘秀樹 | 橋本敏一 | 前田ゆり子/芝田千紗/山本雅章 冷水由紀絵/徳田堅朗 |
|||
第15話 | ジャンクの墓は レアメタルの山 アラスカ戦場跡迎撃戦 |
I | 田中雄一 | 高島大輔 | 坂本哲也/芝田千紗 冷水由紀絵/小渕陽介 鎌田均/糸島雅彦/謝苑倩 |
||
第16話 | II | 高山カツヒコ | 西島克彦 | 鈴木洋平 | 村上雄/徳田堅朗/浅川翔 園瀬基/山口杏奈/青木里枝 |
||
第17話 | 札束の散ら ばる炭鉱 カムチャッカ半島 夜間奇襲電撃戦 |
I | 大河内一楼 | 岩崎良明 | 鈴木健太郎 | 芝田千紗/上田みねこ/小渕陽介 佐野はるか/矢向宏志 |
|
第18話 | II | 渡部高志 | 奥野浩行 | 冷水由紀絵/村上雄/前田ゆり子 橋本真希/松岡謙治 |
|||
第19話 | III | 櫻井親良 橘秀樹 |
高島大輔 則座誠 |
徳田賢朗/林あすか/山口杏奈 芝田千紗/浅川翔/木本茂樹 |
|||
第20話 | 名誉に値段は つけられない ビクトリア島緊急追撃戦 |
I | 高山カツヒコ | 岩崎良明 渡部高志 |
森義博 | 梶浦紳一郎/猿渡聖加/糸島雅彦 鎌田均/坂本哲也/佐野はるか |
|
第21話 | II | 岡村正弘 鈴木洋平 櫻井親良 |
岩崎良明 | 藤部生馬/上田みねこ/山田杏奈 芝田千紗/冷水由紀絵 小渕陽介/佐野はるか |
|||
第22話 | III | 橘秀樹 | 鈴木洋平 鈴木健太郎 |
浅川翔/矢向宏志/木本茂樹 前田ゆり子/森七奈 |
|||
第23話 | 野に咲く花に 鎮魂の歌を ベイビーマグナム破壊戦 |
I | 吉野弘幸 | 渡部高志 | 高島大輔 渡部高志 |
徳田賢朗/鶴元慎子/芝田千紗 藤部生馬/上田みねこ/山口杏奈 坂本哲也/冷水由紀絵 |
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第24話 | II | 櫻井親良 渡部高志 |
小渕陽介/木本茂樹/佐藤嵩光 前田ゆり子/浅川翔/佐野はるか 藤井昌宏/山本雅章 |
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