ベレー帽とは、女性がかぶるとかわいい帽子丸みを帯びた平べったい形のツバなし帽である。
概要
ナポレオン3世が、フランスとスペインの国境付近にあるバスク地方を訪れた際に見た現地民がかぶっていたこの帽子を「ベレー・バスク」と言ったことから、ベレーはバスク地方の帽子として世界中に広まったという説がある。バスクベレーは芸術家の間で流行していた歴史があり、そのイメージは今日にも受け継がれている。
近年ではだいたい上記のバスクベレーとアーミーベレーの2つに分類され、その違いはその縁の部分にあると言えよう。アーミーベレーは多くの場合縁の部分が、合皮などで縁取りされており、バスクベレーにはそれがない。
アーミーベレーは、アメリカ陸軍において各部隊のエリート軍人のみが着用を許された帽子であったが、次第に一般階級の軍人にも浸透していった。緑色のアーミーベレーはアメリカ陸軍においては特殊部隊にのみ着用を許されており、それにちなんで特殊部隊はグリーンベレーの通称でも知られている。なお、アーミーベレーにはかぶり方にお国柄があり、エンブレムを自分から見て左側にして右側を垂らすかぶり方が英国式、その逆が仏国式である。
また、ベレー帽はファッションとしても流行しており、ニコニコ動画では踊ってみたカテゴリの女性ダンサーがしばしばかぶっていて誠に眼福である。慣れない人にとってはかぶり方がわからず手を出すのをためらってしまうかもしれないが、ちょっと挑戦してコーディネートに取り入れてみるのもいいと思う。後ろに傾けたり斜めにかぶるようにするととてもかわいくなると言われているので是非お試しあれ。
このように近年では軍隊か画家かおしゃれ女子のイメージか強いが、一般男性でも渡部洋一などのおしゃれな人はかぶっている。結局は顔さえ良ければ何をしてもだいたいキマるんだよ…などと悲観しがちなメンズも少なからずいるとは思うが、人間として生まれたからには色々挑戦してみたくもなるもの。あきらめずにWEARとかファッション雑誌とか「ベレー帽 メンズ」とかで検索して自身のファッションを見直すのもアリだと思うが大失敗したときは完全に自己責任である。コツは前髪を出さずにあまり後ろでかぶりすぎないことだと思う。じゃないとちょっとかわいくなってしまう。
漫画家とベレー帽
漫画家のトレードマークとしても知られる。「実際に普段から被っている漫画家」はおそらく少数派だと思われるが、「漫画家」のイメージ図で描かれることは少なくない(このあたりは医師の「額帯鏡」と似ている)。
これは「漫画の神様」とも呼ばれる大漫画家「手塚治虫」やその後輩漫画家であり超有名作品『ドラえもん』の作者である「藤子・F・不二雄」がベレー帽を愛用しており、自画像でもトレードマーク的に描いていた影響も大きいと思われる。
その手塚治虫はエッセイで、「大先輩の漫画家である横山隆一がベレー帽を愛用していたのを真似た」と明言している。そして横山隆一は自伝『わが遊戯的人生』で
ベレーは、私たちの新漫画派集団が出来たときの集団指定の制帽だったのです。新漫画派集団のマークは、 S ・ M ・ S の字の上に、ベレーをのせてありました。
としている。
この「新漫画派集団」とは昭和7年(1932年)に横山隆一が「杉浦幸雄」「近藤日出造」「矢崎茂四」ら青年漫画家仲間たちと作ったグループで、他のメンバーはベレーをかぶらなくなったのだが横山だけはかぶりつづけたのだという。
ちなみに横山隆一と同時代を生きた漫画家の「清水崑」は、エッセイ『筆をかついで』(1951年)内でこんなことを書いている。
橫山は四國土佐の產。作品と名前から誰も長身瀟酒な好男子を想像するらしいが、じつのところは、澁くまるまつちい短軀の精力漢で、年のわりに頭が薄い。それで室內でもベレー帽を脫がないことが多い。
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関連項目
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